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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/29(火) 23:42:43 ID:m1wsBb0V0
このスレは「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」ということを想像して書き込むスレです。
「DQシリーズいずれかの短編/長編」「いずれのDQシリーズでもない短編/長編オリジナル」何でもどうぞ。

・基本ですが「荒らしはスルー」です。
・スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
・荒れそうな話題や続けたい雑談はスレ容量節約のため「避難所」を利用して下さい。
・レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので、スレが470KBを超えたら次スレを立てて下さい。
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい。
・物語の続きをアップする場合はアンカー(「>>(半角)+ 最後に投稿したレス番号(半角数字)」)をつけると読み易くなります。

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら12泊目
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1198792331/

PC版まとめ「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」保管庫@2ch
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html

携帯版まとめ「DQ宿スレ@Mobile」
ttp://dq.first-create.com/dqinn/

避難所「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(作品批評、雑談、連絡事項など)
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/40919/

ファイルアップローダー
ttp://www.uploader.jp/home/ifdqstory/

お絵かき掲示板
ttp://atpaint.jp/ifdqstory/

401 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/22(土) 08:55:05 ID:5iOXTKBY0
それなんてカオスww

402 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/22(土) 11:51:59 ID:8YF6PO0w0
タカハシや真理奈ちゃんとか冒険の書シリーズの主人公たちとか、
みんな一同に会したらすごいことになりそうだw

403 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/24(月) 07:28:35 ID:p8ygryyaO
錬金術師ユーリルの続きをずっと楽しみに待っている俺が歩いて来ました。

404 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2008/11/25(火) 02:01:31 ID:+BqM5tl90
おひさしぶりです。
まとめも出来ず投稿も出来ず、このいくつかの月日を過ごしてしまいました。
生存報告だけ、とりあえずさせていただきます。

405 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/25(火) 23:50:31 ID:cfuNlU5W0
>>404
お元気だったようで何よりです。
レス番が「404」でなぜか心配なのはわざとですかw

いつぞやの「作り合わされし世界」は大変楽しませていただきました。
将来また、このようなイベントがあると良いですね。

投稿&まとめについては、まあ、マターリいきましょう。
それがこのスレの良いところだと思っていますので。

406 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/26(水) 05:12:55 ID:ZCeRG+o8O
もうじき、このアリアハンという町の宿屋で目覚めてから半年が経つ。

約半年前に俺は宿屋のベッドで目覚め、気が付けば名前以外の全ての記憶を失っていた。

なぜここにいる?俺は誰だ?家族は?家は?…………。

…しかし、この町で俺の存在を知っている者など誰一人いなかった。
記憶が無くなる前は俺は何をしていたんだ?
知り合いも無くひっそりと暮らしていたのだろうか?それともそうか、ここの町の人間では無いのか?

しばらくしてこの町から出ようとしたが、なんとこの世界はモンスターという人を襲う化け物共が住む世界だということを知る。

記憶は無いが、これだけはなんとなく感覚で分かった。何かがおかしいと。絶対に違うと。
記憶の無くなる前の俺はこんなモンスターが巣喰う世界ではない平和な世界で暮らしていたはずだと―。

それからの俺は、まずこの世界で暮らすためにともかく金が必要であることは確かだった。
格安の宿屋でさえ2G。しかし俺は1Gさえ持っていなかった。
唯一持っていたのがこん棒と着ていた布の服一枚…。
何かバイトでも探そうと思ったのだが手っ取り早く金を稼ぐ方法があった。
それはこの世界に巣喰うモンスターをぶっ殺すこと。
殺せば金が手に入った。何故だか分からないがこの世界の常識でありルールだった。
他には何も持っていないのにこん棒だけを持っていた理由がここにあった。
他にも金を稼ぐ方法はあるのだろうが俺はこの世界のルールに従い、モンスターと戦った。
危険を伴ったが勝てば金が入る。実に分かりやすい。結果を出せばすぐに金が手に入るシステム。
俺はのめり込む様にくる日もくる日もモンスターを退治し続けた。
戦って得た金で宿で休み、食料や新しい武器等を買い、酒場で酒を飲む。

そんな生活を続けて気が付けば半年が経ち、この町で一番の戦士として名が知れ渡っていた。

407 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/26(水) 05:17:25 ID:ZCeRG+o8O
お初です。これからチマチマ書いていこうと思います。
よろしくお願いします。

408 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/26(水) 08:27:45 ID:JlHYAAIpO
新しい書き手さんいらっしゃい。

楽しみにしています。

409 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/26(水) 16:27:47 ID:J/6jbM4u0
おお。続き、楽しみにしてますね〜^^

410 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/27(木) 03:28:52 ID:JP4u1WvOO
>>406の続き

その日も俺は朝から晩までアリアハン周辺のモンスターを退治した後、ルイーダの酒場で酒を飲んでいた。
その酒場はこの町一番の賑わいを見せる酒場で、まるでこの世にモンスターなど存在していないかのような賑やかさになる。
皆が笑い、楽しい話し声がいつまでも続く酒場。俺はその雰囲気がとても好きだった。
ちなみにこの国では飲酒は18才から出来るが、俺は自分の歳すら記憶が無い。
ただ、酒は旨いということを知っていたので最低限の年齢には達しているんだと判断している。
でもまぁそんなことはどうでもよく、記憶諸々いずれ勝手に思い出すだろうと楽観的に考えていた。
ところでこの酒場。
いつもは満席状態で座る席を探すのが大変なほどの盛況ぶりなのだが、その日は運がよくカウンター席に座ることが出来た。
俺はこの酒場が好きな理由に雰囲気以外にも理由があった。
それはこの店の看板娘、ルイーダ姉さんに他ならない。
明るく優しくて面倒見の良い彼女をお客は愛嬌を込めて、「姉さん」「お姉ちゃん」などと呼んでいる。
あまりに知識と経験の豊富さから、見た目よりずっと年上なのかも知れないが年齢は22才ということになっている。
この酒場に来初めの頃俺は一人で飲んでいたのだが、彼女がいろいろと話しかけてくれたおかげで毎日来るようになった。
俺はそのルイーダ姉さんの相手にしてもらえるカウンター席に座れたので、今日は遅くまでいるつもりでいた。

しかし、そんな俺のひそかな想いや楽しみがぶち壊されることになる。
そいつは…。その女はあまりに突然やってきたのだった。

411 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/27(木) 03:37:41 ID:JP4u1WvOO
レスありがとう。
日本語でおk的なところがあるけどこれから勉強しながらやっていきたいと思います。

412 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/27(木) 04:47:42 ID:1ybUKayt0
おお、謎の女登場。期待を持たせる引き方。
wktkしながら待ってます^^


413 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/27(木) 15:52:42 ID:60jKy9qG0
>>411

文章うまいじゃん
読みやすいし、全然おk
続き楽しみにしてるんだぜ

414 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/28(金) 01:33:39 ID:Fk4eSN0HO
いつも思うけど、ドラクエ世界ってどれくらいの広さなんだろう?
国から国まで何日かかるか分からん

415 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/28(金) 16:59:53 ID:dXAqC1Mh0
やつら山とか平気で越えていくからな

416 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/28(金) 20:29:21 ID:vxIcs2n70
ドラクエ3だと、ポルトガからロマリアまで一晩くらいじゃなかったか?

417 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/28(金) 23:25:40 ID:ad52iray0
>>416
ポルトガルからローマまで歩いて一晩か・・・

418 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/29(土) 07:16:50 ID:uGOX9O1qO
>>410の続き

カウンター席に腰掛けた俺にルイーダ姉さんはすぐに気付き、話しかけてくれた。
「あらお帰り!ソラ君。今日も無事に帰ってきたのね、よかったよかった。」
日中、俺がモンスター退治へ行っていることを知っているルイーダ姉さんは会う度に必ず「お帰り」と言ってくれる。
何気ないこの言葉だが、帰る場所の無い俺にとっては存在理由そのものでもあるくらい大きなものだった。
ちなみにソラと言うのは俺の名前で俺が唯一覚えていた記憶だ。
「そんな心配しなくてももうこの周辺のモンスターなんかに傷一つ負わないですってば。」
心配性のルイーダ姉さんは、いつも俺がたった一人でモンスター退治をしていることを心配してくれた。
この酒場にいる仲間を連れていってと何度せがまれたことか。
実の姉の様に接してくれるルイーダ姉さんに、俺はこのまま記憶が戻らなくても別に構わないとさえ思わせてくれた。

そんな俺の淡い想いをいつしか言葉にして伝えたい。
そう考えていた時だった。

ガタガタンッ!!!

と、やかましいほどに賑わっている酒場を一瞬にして黙らせるほどの音を立てて、酒場入口の扉が開いた。
何事かと店内の客、店員全ての視線が一方に向けられた。

そこに立っていたのは一人の少女。
スレレートロングの黒髪に細身な体型で背中に2本の剣を差している。
外から吹き込む風がその長い黒髪をなびかせる。その姿はまるで人形のようだった。

419 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/29(土) 07:24:31 ID:uGOX9O1qO
呆気に取られた店内。いや呆気に取られたと言うより、見とれていたという方が表現が正しいかもしれない。
その少女が動くまで誰一人として声を発することも出来なかった。
その少女がゆっくりと口を開く。
「うぅ…酒くさいぃ…。」
それだけ言うと少女は振り返り店の外へと出ていってしまった。
…。
沈黙…、普段はまったく聴こない店内で流されているレコードの音だけが聞こえていた。
少しして、にわかにざわめき始める店内。
「なあ今のって…」
「見たことあるわ。あの子確か…」
「前にも来たよな…、店をめちゃめちゃに…」
「そうだ!間違いない…奴だ!」
何かを思い出したかの様に店の客達が次々に慌てて席を立つ。
「逃げろ!死ぬぞ!」
「ルイーダ姉さん悪い!お代は今度な!」
「ちょっと待ちなさいあんたたち!!」
ルイーダ姉さんは客達を呼び止めようとするが止まらない。
「おい!裏口どこだ!表でばったりなんかしたらマズイぞ!」
「こっちだこっち!」
「もういい!窓から逃げる!」
パニックになった客達が酒や食べ物を撒き散らしながら脅える様にして店外へと逃げていく。
満席だった店が一瞬にして誰もいなくなった。
…残ったのは俺とルイーダ姉さん、そして散乱した店内。
床に割れた酒瓶や食器を見て溜め息をつくルイーダ姉さん。
「まったくもう、誰がこれ片付けるのよ〜。」
「誰なんですか?今の?」
客全てが逃げ出す程の人物。この酒場にはモンスターと戦える腕を持つ輩もいる。
俺にはまったくあの少女の見当がつかなかった。なぜならこの町で一番の戦士と言われていたのは俺だったからだ。
割れた酒瓶を片付けながら答えるルイーダ姉さん。

「あぁ、ソラ君まだ知らなかったんだ。あの子はね、昔この町にいた勇者の娘さんなのよ。」

420 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/29(土) 07:43:51 ID:xKJazkazO
これはかなりの良作!期待してます

421 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/11/29(土) 17:01:55 ID:DaOR5Mov0
おお、女勇者きたーーー。
wktk
しかもここまで恐れられているとはw

422 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:20:14 ID:K6pfAKCP0
投下します。

○ザハン○

一週間かかってザハンに着いた。
町って言っても小さな村の集落みたいで住んでいる人口も沢山人が住んでいる訳でもなく
見渡す限りでは女子供しかいない。それに村のど真ん中に大きな神殿があり巡礼者が世界各地から来ているらしい。

  タケ「もょ、ムーン。以前から気になっていたんやけど。この世界の宗教は基本的に何なのよ?」
  もょ「そうだな。ローレシアでもとくにしゅうきょうはなにもなかったぞ。」
ムーン「宗教ねぇ・・・・・基本的には精霊ルビスを崇めるんだけど。ムーンブルグ場合は別に何も無かったわね。」

  タケ「なるほどなー」

ムーン「急にどうしたのよ?」
  タケ「いやーまさかこんな辺鄙な場所にこんな建物があるからびっくりしたんよ。
    さて、ラゴスに関する事を聞きまくらないとな。」

俺達は情報収集始める時に一匹の犬が近づいてきた。

*「わん!」
 タケ「なんやお前。ヨソモンが珍しいか?人懐っこいやっちゃな。」
  *「ハッハッハ・・・・」

この犬何故か息が荒い、しかもずーっとムーンの方を見ている。

ムーン「な、何よ・・・?」

犬は急にムーンに飛び掛った!!
ムーン「きゃあっ!?」
ムーンを押し倒した後じゃれ合う様にムーンにジタバタしている。

ムーン「ちょ、ちょっとぉ!やめて・・・・」

しかしこの犬、ノリノリである。何と腰を振っているのだ。


423 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:21:53 ID:K6pfAKCP0
  タケ「お、お前いきなり何しているねん!」
  もょ「ど、どうした?」

  タケ「うらやましぃ・・・・いや!うらやまけしからんぞ!あー代わりてぇ!!」

  もょ「ど、どうしたんだよ!?」
ムーン「ちょ、ちょっと!見てないで早く助けなさいよ!いい加減にしなさい!このエロ犬ーー!!」

ムーンが犬を殴ろうとした時犬は走り去っていった。

ムーン「なななな何てふしだらなエロ犬なのよ!見つけ次第処刑よ!処刑!」
  
  タケ「そー怒るなや。可愛い子犬でも思ったんじゃないの?ま、エエモン見せてもらったからラッキーやったけどな。」

ムーン「何か言った!?」
タケ「い、いや。何でもナイッスヨ。ムーンサン・・・・」
ムーン「もう!!さっさとラゴスの情報を集めてこんな町出るわよ!」

怒る女はマジ怖え。冗談抜きでムーンの表情が般若に見えた。『鬼ジジイ』っていう言葉はないが『鬼ババア』はあるからな。
ムーンをからかうのは少し自重しよう。

ムーンと分かれて行動をとり始めた時、さっきの犬がまたやってきた。

 タケ「お、またお前か。さっきは中々楽しませてもらったで。」
  *「ヘッヘッヘッ・・・・・」
 タケ「今度やったら骨付き肉でもプレゼントしよか?」
  *「ワン!」

犬は上機嫌だ。しかし別の殺気が俺に向けて感じてくる・・・・・


424 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:23:43 ID:K6pfAKCP0

 もょ「タケ・・・・あそんでいるばあいじゃないだろう・・・・・」
 タケ「わわわ、悪かったがな・・・ちょっと悪ノリしすぎちまったな。」

  *「クゥ〜ン・・・」

 タケ「ああ、いや、気にすんな。お前は悪くは無いで。」

犬は申し訳なさそうに離れていった。しかし俺達を呼ぶ様に吠え始めた。
  *「ワンワン!」

 タケ「何や急に吠え出して・・・・こっちに来いって言っているのか?」
 もょ「タケ、あのいぬのいっていることがわかるのか?」
 タケ「犬語は流石にわからんけど仕草で何となくわかるんよ。どっかに案内したいみたいやな。」

犬は町の外れに俺達を案内した後立ち止まって鼻を嗅ぎながらまた吠え始めた。

 タケ「なになに・・・・・ここに何かがあるって事か?」
 もょ「んー・・・どうすればいいんだ?」
 タケ「とりあえず掘れって事か?」

完全に「ここ掘れワンワン」である。花咲かじいさんをリアルで体験するとは思わなかった。

掘り始めて10分後、木箱を発掘する事が出来た。

 タケ「おー!このわんこなかなかやるやんけ!お宝ゲットだぜ!」
 もょ「さっそくあけてみるか!」
 タケ「オウヨ!」

ちょっと興奮しながら宝箱を開けると書物と鍵が出てきた。書物を見てみるとけしからん絵がたくさん載っている。
すなわちこの世界のエロ本だったのだ!

 タケ「何でこんなもんがここにあるねん!!ありえねえ!てか腹痛え!ニヤけてくるやんけ!」
 もょ「・・・・・な、なんだこれ?おんなのはだかばっかりだぞ。」
 タケ「ああ!もょ!お前にはまだ早いがな!それはちょっとおいといて。
    しかし鍵の方は本物の金を使っていて重量が結構あるで。」
 もょ「おくになにかがあるぞ。なんだろう?」

紙を見てみると「この箱を開けた同士へ」と書いてある。誰が同士やねん。とりあえず読んでみた。

425 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:25:35 ID:K6pfAKCP0



    ハァイ、同士よ元気ィ? 俺っちだよ俺、ラ・ゴ・ス♪
   ザハンってぇ何にもないから、ラゴスってばチョ〜ブルー!!
    そこで、ラゴスからプレゼント。コレ!じゃじゃ〜ん!


          『金の鍵』 『至高の女体本』ッ!!


でもでも、条件があるからー。やっぱりぃ〜 ラゴス的にはぁ〜カワイコちゃんが好きっていうかぁ〜
    だからヘルポイのアンナちゃんにぃ〜 会いに行くみたいなぁ〜。
    それでぇ〜 ヘルポイに来て俺っちに合流して欲しいなー!って感じ?
     ・・・なんつったりしてー! おバカ女風だ! 俺っちイケてる?
        笑えバカ。俺っちのように!あひゃあひゃあひゃ・・・


ラゴスさん!あんた天才だよ!画太郎先生並にいかしているよ!

 
タケ「あー腹が痛かった。まさか情報を得る代わりにこんなに笑えたとわな。久々に新鮮なときめきを感じたで。」
 *「ヘッヘッヘッ・・・・・」
タケ「おーよしよし良くやった。お前には後で骨付き肉をプレゼントするわ。」
 *「ワン!」
もょ「タケ、このてがみはしんようできるのか?」
タケ「出来るで。紙も結構新しい方やし大雑把やけど最近ここに立ち寄った可能性が非常に高い。
   それにこのわんこが案内人みたいな役割やなかろうか?多分な。」

もょ「で、でも・・・・おれたちあてではないだろう。これは。」

タケ「それはもょの言う通りやで。まー今は時間も無いし形振りかまわん状況だから。ちょっと拝借するだけや。
   まっ、無事に終わったら返したらええんちゃうか?」

もょ「なるほど。」

426 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:27:16 ID:K6pfAKCP0
タケ「それにしてもどの世界共通やな。貴重な本のゲットできたんやし。中々高レベルやな。こっちも。」
もょ「そ、そうなのか?」

タケ「ほほう。もょも興味が出てきたのか?」
もょ「ち、ちがっ・・・・・・」

タケ「恥かしい事やないで。男なら誰もが通る道や。もょも今は思春期の年頃やし。ふんふん。なかなかええ眺めやね。」
もょ「だ、だから・・・・」

タケ「これなんか見ろよ。ムーン以上のナイスバディやで。くー!なかなかええ体系しとるわい。」
もょ「み、みせてくれないか?・・・・な、なんかドキドキしてきたぞ・・・・」

タケ「おっ!それが男の本能やで。ハメを外してはアカンけどな。それにしてもどれもこれもけしからんなぁ〜ケケケ。」









ムーン「ふーん・・・・確かにけしからんわね。特にあんた達が。」









 タケ「げぇっ!関羽!!じゃなくてムーン!い、いつの間に・・・・?」

ムーン「・・・・一体何しているのよ・・・・・しかもエロ犬と一緒に・・・!!」

 タケ「あのー・・・・・後ろから何かが見えるんですけど・・・・もしかして怒ってます?」

427 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:29:10 ID:K6pfAKCP0
  *「クゥ〜ン・・・」

 タケ「お前はさっさと逃げろ。これは俺等の問題やから。」
 もょ「ちょ、ちょっとまて!おれもはいっているのか!?もとをいえばタケがほりだしたから・・・」

 タケ「しゃーないやろ!一心同体なんやから。諦めろ。」
 もょ「じゃあおれはひっこむ!」

 タケ「せ、せっけー!お仕置きを食らうのは俺だけかい!潔く諦めんとアカンのかい・・・・」
ムーン「覚悟はいいわね?」

 タケ「け、結果的にはあのワンコのお陰で手っ取り早くラゴスの情報が得たんやけどな〜」
ムーン「何ですって?」

 タケ「(食付きやがったな)お仕置きするんやったら黙秘したろっかな?それよりムーンは収穫出来たのか?」
ムーン「・・・・・・全く駄目だったわ。そんな事よりも卑怯よ!」

 タケ「しゃーないやろ!処刑が怖いんや!取引せーへん?ここはひとつ穏便に・・・・」
ムーン「わかったわよ。もう!」

 もょ「(ナイスだ!タケ!)」
 タケ「(ちょろいもんや。なーに、うまーく話を纏めるさ。)」

俺は手紙とけしからん本について話した。
けしからん本に関してはラゴスを信用させるための切り札になると言う事で処分は免れた。
しかし・・・・

ムーン「この本に関しては私が預かることにしたわ。」



 タケ「何でやねん!そりゃきっついがな!俺の本が!けしからん本が!!心の友が!!!」



ムーン「何が心の友よ!このスケベ!」
 タケ「スケベで何が悪い!これは男のロマンや!女が入る隙間は無ぁい!!」

ムーン「偉そうに屁理屈ばっかり言って・・・・処分するわよ?」
 タケ「そんな殺生な!!やりすぎや〜・・・」

あーあ、性欲を持て余しているのにキツイ仕打ちですよ。旦那。

428 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/12/01(月) 20:30:34 ID:K6pfAKCP0
  *「ガルルルルル・・・」
 タケ「お、お前何しにきたんや?俺等は大丈夫やで。」
ムーン「な、何よ・・・?」

その犬はまたまたムーンに飛び掛った!しかも今度は服をグイグイ引っ張って脱がそうとしている。
 
 タケ「おっしゃ!グッジョブや!もっとやったれ!」
ムーン「な、何とかしなさいよ!いい加減に離れなさい!このエロ犬−−!!」

流石にこの光景を眺めていたかったのだが後が怖かったので骨付き肉を買って犬にあげる事にした。
犬は服を脱がすのやめて肉に勢い良く食べかかった。

ムーン「もう!あと少し遅かったら危なかったわ!」
 タケ「チッ!あともう少しやったのに。」

ムーン「・・・・何か言った?」
 タケ「何もございませぬ。お嬢様。」

ってな感じでザハンからぺルポイに向かう事になりました。チャンチャン♪





429 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/01(月) 20:36:49 ID:AdYt1U+f0
連投規制ってまだあるのかな?
とりあえず支援

430 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/02(火) 03:24:31 ID:PrPEVTe00
レッドマンさん、投下乙でございます。
ちょwwwwエロ本wwwww
犬さんもナイスです。


431 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/02(火) 09:16:48 ID:mhn0/6HQ0
クソワロタw
確かにドラクエの世界ではエロ本は貴重だな。
くやしがるタケの気持ちが理解できる。


432 : ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:13:15 ID:1zP7a46H0
お久しぶりのGEMAです。
第17話前半部分を投下します。

LOAD DATA 第16話>>204-211

433 :鏡花水月の想【1】 ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:15:35 ID:1zP7a46H0
「だぁ!こっちはまた行き止まりだ!!」
「こっちの扉は…さっきと同じ道か。おのれ、ここは魔窟か!?」

俺達は今、かつてない難易度の迷宮を彷徨っている。
行く先々を阻む無情な白亜の壁。無限に続くかのような堂々巡り。
神の塔も、魔物の棲家も、俺達をここまで苦しめはしなかっただろう。

―ルラフェンの町―
それがこの巨大な迷宮の正式名称。
ポートセルミから西に存在するこの町は、周囲を深い森に囲まれており、
獰猛な魔物が跋扈する危険な地域。
そんな地域でありながら、自衛力を持たぬ人々は町の周囲を強固な壁で囲い、
町の中にも岩と煉瓦を積み上げ、入り組んだ迷路のような要塞都市を作り上げた。

なるほどねぇ。魔物の一群が襲ってきても、この迷路みたいな町を彷徨ってるうちに
嫌になって殺る気を削がれちまうかもしれないなあ…
ただ、ヘタしたら自分達の逃げ場がなくなるんじゃね?

へとへとになってようやく辿り着いた一軒家。
町の中心に位置する古代魔法の研究をしている爺さんが住むという家。
古代魔法の知識を得れば、長い旅の助けになるだろうというサトチーの意見で、
この迷宮のような街を延々彷徨っていたってわけ。

「や…やっと着いた…もう足が限界…ぐふっ」
「ホント、凄いねえ。まさかここまで難解な町の造りだとはねえ」

精根尽きはて座り込む俺を見て、他人事のような感想を漏らすサトチー。
生真面目なピエールは思案のしすぎで兜から蒸気を上げている。

町に到着した時は燦々と俺達を照らしていたお日様は、
気づけば既に西の空を赤く染め始めている。

434 :鏡花水月の想【2】 ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:18:06 ID:1zP7a46H0
「ふぉっふぉっ…そりゃ難儀じゃったろう。この町に住む者ならともかく、
 旅人がうっかり路地に迷い込んで一晩中彷徨うのも日常茶飯事じゃて」
「はは…僕達が数時間でここに辿り着いたのは運が良いほうなんですかね」

古代魔法の研究を見学したいと申し出た俺達を快く家に招き入れた爺さんが、
さも愉快そうに笑いながらお茶を注ぐ。

テーブルの上。お茶を煮立てるポットの横で、ドブ色の液体が火にかけられ、
ゴボゴボと灰色の蒸気を上げるのも妙な光景だが、差し出されたそのお茶は
香り高く、ほんのりとした甘さが疲れた体に心地よい。

「ふむ…それでは、わしの研究する古代魔法について説明するかのう…」

疲れた体に若干の英気が戻ったころ、爺さんが静かに口を開いた。

               ◇

ごりごりごりごり…

「お前さんはなかなか筋が良いのう。思ったよりも仕事がはかどるわい。
 わしみたいな非力なジジイじゃと、調合はともかく力仕事は難儀でのう」

ケミカルな匂いの立ちこめる薄暗い部屋。やたら大きな器数個分に詰め込まれた
妙な色の草やら、臭い丸薬やら、ぞわぞわ蠢く破片やらを潰して砕いて粉末にして…
サトチー達は実験に必要な最後の材料を採取しに西の草原へ出かけ、
俺はこの家に残って、爺さんの助手をしている。

「うし。こっちの器はおしまい。次は何をすればいい?」
「いや、もう充分じゃ。あとはサトチー達が最後の材料を持って来るのを待つだけじゃ」
「助かった。いや、さすがに腕がパンパンだわ」
「ふぉっふぉっふぉっ…お前さんのおかげでずいぶん楽できたわい。
 あとはわしに任せて、お前さんは少し休むがええ」

435 :鏡花水月の想【3】 ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:22:18 ID:1zP7a46H0
怪しげな色の液体がグツグツと煮え立つ釜の前、爺さんが真剣な目つきで
様々な粉末を綿密に計量し、窯の中に放り込んでゆく。

「…なぁ爺さん。一つ質問。その…ルーラって魔法だけどさ。
自分が行ったことのある場所だったら、どこにでも行けるわけ?
それが、どんな遠くでもさ」

瞬間移動魔法『ルーラ』
距離を超越し、遠く離れた場所まで一瞬で移動できる失われた古代魔法。

―その魔法があれば、残された奴隷達を救い出すのも簡単だろう。
いや…もしかしたら…元の世界に帰る事も…

「ふむ…確かにその通りじゃ。お主が行った事のある場所であれば、
 どんなに距離が離れていようとも一瞬で移動できるわい」

僅かに揺れる天秤の針を見つめながら爺さんが答える。
それは、俺が最も期待していた答えで…

「ただし『どんなに遠くでも』と『どこにでも』というのは別じゃのう」

そして、期待通りの結末ってのにはなかなかお目にかかれないわけで…
期待通りではない回答を爺さんが続ける。

「まずは、ルーラという魔法の原理から説明が必要かもしれんのう。
 そもそも、この魔法の定義は『対象の瞬間移動』と認識されていたようじゃが
 その定義からして最初の誤りじゃて。
 …例を出したほうがわかりやすいかのう」

立ち上がった爺さんは俺の目の前に白と黒、二枚の紙を並べ、
白い紙の上に小さなボトルを置いた。

436 :鏡花水月の想【4】 ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:26:32 ID:1zP7a46H0
「このボトルをルーラの術者。白い紙が現在地。黒い紙が目的地だとしてじゃ。
 お主はルーラの定義をこう解釈しているのじゃろう?
 ボトルを白い紙の上から黒い紙の上に移す…」

ことり…と、小さな音をたててボトルが黒い紙の上に置かれた。
ルーラが『瞬間移動』の魔法である以上、これ以外の解釈なんてないだろ?

「ふぉっふぉ…釈然としないようじゃのう。ではこれならどうじゃ?
 ボトルは動かさず、白い紙と黒い紙の場所を入れ替える…」
「…あ」
「理解したようじゃのう。これがルーラの本当の定義じゃ。
 人々が解釈を違え、誤った解釈を人々が広めたが故にその本質から逸れた魔法。
 ルーラという言葉の意味を引き出せなくなった以上、遺失するのも当然じゃの。
 この魔法の本来の定義は…もう言わんでもわかるのう?」
「…『術者』の移動じゃなくって、術者の立つ『場所』を入れ替える魔法…」

俺の答えに爺さんが満足したように頷き返す。
ボトルは1ミリも動かず、目的地である黒い紙の上で炎の光を僅かに反射している。

「厳密に言うならば『場』ではなく『座標』じゃがの。
 考えてもみい。『対象の移動』だとするならば、行ったことのある場所という
 制限もいらんはずじゃ。
 自分の現在地の座標と目的地の座標を正確に把握し、視覚化できておらんと
 ルーラは何の効力も発揮せん」

ルーラの定義は理解できた。だけど、今の俺にそれが何の意味を持つ?

真っ暗な樽で漂流した俺が神殿の座標を把握しているはずもなく…
元の世界の座標なんて知り得るはずもなく…
救いたい人達も救えず…帰りたい場所にも帰れず…

437 :鏡花水月の想【5】 ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:32:32 ID:1zP7a46H0
「…ルーラにはこんな逸話が残っておる。」

ぼんやりと無力感に包まれる俺の意識を爺さんの声が呼び戻す。

「古代文明でルーラという魔法が派生し、文明は大いに栄えた。
 じゃが、ルーラが広まるにつれ、次第に人々は歩く事を忘れていった。
 歩く事を忘れた人々は。その場で立ち止まったまま前に進むことを忘れた。
 前に進むことを忘れた文明は緩やかに衰退し、緩やかに文明が滅びるとともに
 その魔法も姿を消した…サトチーやお前さんはそうはなるまいて。
 わしはお前さんらの旅の目的は知らぬが、ここまで歩いてきたのじゃろう?
 じゃったら、この先も前に進む事ができるはずじゃ。違うか?」

前に進む…
そうだ、俺には…俺達にはそれしかできない。
あの神殿から逃げ出してここに辿り着いたんだ。神殿に繋がる道はどっかにある。
世界中を回れば、何だって見付けられる。何だって見付けられないわけがない。

きっと…元の世界に帰る道だってどっかに繋がってる。

パンッ!…と、両膝を叩いて気合いを入れる。

「当然だろ。こちとら長い奴隷生活で足腰は鍛えられてるんだ。
 一週間でも一ヶ月でも世界中歩き回ってやるさ」
「ははは…昼間この町で迷ってクタクタになってたのは誰だっけ?」

扉が開き、静かな月明かりとは別の温かい光源が薄暗い部屋をわずかに明るくする。

「お待たせしました。ルラムーン草を採ってきました」

サトチーの手に握られた一束の草が、水に映った月のように優しい光を放つ。
その光はまるで真っ暗な道を照らすランプのようにほのかでいて力強い。

438 : ◆Y0.K8lGEMA :2008/12/02(火) 23:36:08 ID:1zP7a46H0
17話前半はここまでです。
次回はルーラの復活と……です。

5世界でルーラが失われていた理由とその原理について考えてみました。
小難しいことを考えと筆が遅くなる…反省

439 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/03(水) 00:08:30 ID:9upw/8Z80
待ってましたあああああああ!!!!!!!!!!!
ルーラの定義面白い!

確かに物理移動の魔法ならメクラ飛びも出来るはずですねえ
考えたこともなかった(^^;)

440 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/03(水) 10:04:48 ID:PpRmbj4m0
GEMAさんも復活か!!
こりゃー面白い年末になりそうだ。
レッドマンさんのシリアス路線とおバカ路線の両方が楽しめるし。

作者さんが来るのは何だか嬉しいもんだ。


441 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/03(水) 10:07:27 ID:FIKZbF0u0
乙です!今回も楽しませていただきました!

>次回はルーラの復活と……
……の部分が激しく気になるw

442 :携帯まとめ人【重要】:2008/12/05(金) 11:26:43 ID:As0051Ga0
いつも楽しませていただいております。
このたび「保管庫@モバイル」のアドレスが変わりました。
ブックマーク(お気に入り)等の変更をお願いいたします。

【もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら保管庫@モバイル】
http://dqinn.roiex.net/

便利にご利用いただけるよう頑張りますので
今後ともよろしくお願いいたします。

443 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/06(土) 08:33:53 ID:ZYQT49KK0
>>442
乙。それにしてもエロ本は確かに新鮮味があるなぁ。
しかし心の友まで言うかw


444 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/06(土) 10:22:12 ID:CJ4Vub1b0
>>438
待ってました! ルーラの解釈とかイサミの軸がぶれてないところとか、
相変わらずサトチーの柔らかさとかそれぞれのキャラの立ち方とか
ほんと大好きだ。息止めて読み入っちまった。

>>442
いつも乙です。


445 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/07(日) 07:36:17 ID:1lxK6q9kO
>>419の続き

「あの子、そんなに強いんですか?」
誰もいなくなった酒場でルイーダ姉さんと二人きりになれたというのに、俺の興味は先程の少女に完全に奪われていた。
「え〜っとそうね、前にもあの子ここへ来たのよ。あなたがここへ来てくれるようになるより前のことね。」
「何かしたんですか?」
「仲間を探しにきたの。」
「仲間?」
旅に出る仲間?あんな幼いのに?つーかなぜ客はあんな怯えていたんだ?
割れた酒瓶や食器などをひとまとめにすると、山のようになったのを見てルイーダ姉さんは溜め息をついていた。
「あの子、強い人を探すために酒場にいた戦士さん達に片っ端から戦いを挑んでいったのよ。」
「それで?」
と聞き返したが聞き返すまでもなかった。またルイーダ姉さんも答えるまでもなかった。
この、先程のアレと、今のコレを見れば想像が容易についた。

「多分、あの子16歳になれて旅の許可が貰えたからまた仲間を探しに来たんだわ。」
「え?どういうことです?じゃあ前に酒場にきたってときは?」
「歳を1つ間違えていたらしいわ…。」
「は…?」
…理解するのに数秒かかった。
酒場の奴らを打っ倒した後に、自分はまだ旅に出れないと気づいたのか。やられた奴らはたまらないな…。

なるほど天然ボケか。まぁ自分の歳も記憶に無い俺が人のことを言えたものではないが。

それともう一つ、どうしても知りたいことがあった。
俺がこの町で1番強いんじゃなかったのか、と言うこと。俺だってここの酒場の奴らより実力は上なんだ。
「俺なら勝てるだろうか?」
しかしルイーダ姉さんは考えるまでもなく即答した。
「無理だと思うわ、多分。あの子、何と言うか次元が違うもの。」
「そんなに…?」
多分と付け加えられていたが、俺に気を使って言ってくれた言葉だとすぐに分かった。
勇者の血を引かれし者とそうじゃない者の差。そういう意味では普通の人間の中では俺がこの町で1番と言うことか。
それでも俺は、自分の強さを試してみたいと言う気持ちが逆に益々と膨らんでいった。

そんな気持ちが通じたのだろうか。
キイイイ…と酒場の扉の開く音。
目を向けると、そこにその少女が再び現れた。
この扉の加減さが分かったのか先程とは違って、扉は静かに開けられ普通の登場だった。
いや、しかし先程と違う点はその少女の鼻が洗濯挟みのような物で摘まれているということ。
自分の目を疑ったがそれは紛れも無くピンク色の洗濯挟みだった。
いくら記憶が無い俺でも洗濯挟みは鼻につまむ物ではないことくらい分かる。何をしているんだこいつ??
と思ったが先程の少女の言葉を思い出した。
なるほどこいつはたいした天然野郎だ。だがこの俺は記憶喪失野郎だ。相手にとって不足は無い。

446 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/07(日) 07:39:47 ID:1lxK6q9kO
少女は荒れた店内を不思議そうに見渡すと俺達の方へと歩いてくる。
「な゛んで、だでもい゛なぐなっだんだろう??…まぁいい゛か。」
鼻声で何を言っているのかよく分からなかったが客がいなくなったことを気にしている様子。
傍までくるとその少女は頭1つ分以上身長差のある俺を見上げたあと、プイッとルイーダ姉さんの方に振り向いた。
横顔から見る鼻の洗濯挟みは実に目立つ。
身長差に加えてこのマヌケな洗濯挟みが幼く見せるが16歳と言っていたっけか。
背中に交差する2本の剣を差しているあたりとのギャップが何とも妙な雰囲気を醸し出していた。

「仲間探しにぎた、誰でもいい、いぢばん強いヤツ紹介してほしい。」

鼻から息が抜けずに喋りづらそうだが外さない辺り、相当酒の匂いが苦手なのだろう。
ルイーダ姉さんは少女の問い掛けに、パンッと手を叩いてそれならばと言うように俺を見た。

「あら丁度よかったわね!彼がこの町でどんな戦士さんより今1番強いわよ。」

一瞬えっ?と思ったがそりゃそうか、とも思った。
俺がこいつの仲間??ちょっと待て。この少女の強さが気にかかるだけで仲間なんて考えてもみなかった。
再び俺を見上げる少女。品定めをされるかの様で緊張する俺。
少女が一言つぶやいた。
「冗談…?」
は?……冗談?って言ったよな、どういう意味だ?冗談ならばお前のその鼻をつまんでいる物が冗談だろう。
喉まで出かかったが俺はなんとか堪えた。
「もっど、ゴツクてムサイ奴かと思ってた。」
そっちかよ…、となぜかホッとする俺。
「そりゃどーも。」
一応誉め言葉として受け取っておく。
少女はもう一言つぶやいた。
「試す…。」
と同時にルイーダ姉さんが「気をつけて!」と言う言葉が聞こえたが、遅かった。

447 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/07(日) 07:51:31 ID:1lxK6q9kO

キィィィィン!!!!

ルイーダ姉さんが言い終わる頃に俺はそれにとっさに反応して腰に付けていた剣を引き抜くだけで精一杯だった。
余りに速く突然に少女が何かをしてきたのでよく分からなかったが、俺に向かって高速で振り下ろされたので
俺は引き抜いた剣でギリギリの所でそれを受け止めた。
それは少女の背中に差されていた2本の内の1本の剣。
つまりいきなり斬りつけられたということ。

「何しやがんだテメェ!!」
突然の行動に、理由も分からぬまま殺されかけたことに今まで抑えていたものが爆発する。
俺より強い!?次元が違う!?上等じゃねえか!!テメェがその気ならやってやる!!

「合格…。」
殺気立つ俺とは裏腹に少女は一言言うと剣を鞘に納めた。
「何が合格だ!!?」
完全に闘る気でいた俺だったがルイーダ姉さんに宥められ少しだけ冷静を取り戻した。
「モンスターはい゛つ襲ってくるか分がらない。今の防げない様じゃ話しにならない…。だから試した。」
「んな試し方があるか!!殺す気だったろ!!」
少女は違うと首を横に振ると背中に差していた剣を少しだけ鞘から引き抜いた。
その剣は真剣ではなく木刀だった。興奮していた俺はそんなことも気づかなかったのか。
「昼間に城の兵士にも゛試してきたが防げたのはお前だげだ。だからお前を仲間にする。」
酒場にいた戦士に止まらず兵士にまで襲い掛かったというのか。恐れ知らずな奴だ。

俺はその問いではなく断定的な言葉に流されてしまったのかどうかはよく分からない
が仲間になるならない別にしても興味が沸いてきたことは確かだった。
「そっちの剣は真剣なのか?」
「そうだ。それがなんだ?」
「いや、何でもない。」
小さくて華奢に見えるその体に2本も剣を差す理由が他には思い浮かばなかった。

「明朝また来゛る。準備しておけ。」
まだ俺は何も答えていないんだがな…。
探していたものが見つかったかのように少女は晴れやかな表情をほんの少しだけ見せて酒場を後にしていく。
少ししか合間見えなかったが基本的に無表情、無愛想のようだ。しかし強い。
だが不意の一撃じゃまだどれくらいのものか分からない…、仲間になれば戦う様も見れるか…。

「おい!待て。」
と、呼び止めると振り返る少女。その無表情さだがなぜか俺は興味をそそられた。
「俺はソラ。お前は?」
その問に少女はやはり無表情で答える。
「私は、サキ…。ソラ、覚えておく。」

これが俺と勇者の娘サキとの出会いであり旅の始まりだった。

448 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/07(日) 07:57:05 ID:1lxK6q9kO
一応プロローグ的なものが終わりです。
読んでくれてありがとうございます。タイトルとか考えた方がいいんだろうか?

449 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/07(日) 18:07:16 ID:k4fAHS320
ちょ〜かっこいいっ!!
振りむいて名乗るところもしびれた。

450 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/07(日) 18:41:30 ID:cSGGOzLE0
>>448
天然野郎VS記憶喪失野郎
くそワラタww

読みやすくて面白いぜ

451 : ◆Tz30R5o5VI :2008/12/09(火) 22:53:55 ID:dgKhlXOEO
盛り上がってきたね

452 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/10(水) 10:39:58 ID:rp72B7YG0
新人から中堅、古参まで息が吹き返しつつあるね。
ガンガン頑張ってくれぃ。


453 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/12(金) 04:19:01 ID:OBLhmCRjO
447の続き

次の日の朝。
サキとの待ち合わせ場所であるルイーダの酒場に先に着いたのは俺だった。
酒場に入るとルイーダ姉さんはいつものように元気な笑顔で俺を出迎えてくれた。
店内はあの後、ルイーダ姉さんと俺とで綺麗に片付けたのですっかり元の雰囲気に戻っていた。
「おはようソラ君!旅に出る支度は済んだの?薬草は?毒消し草は?お金はちゃんと持ってるの?」
「大丈夫。ちゃんと持ってるって。相変わらず心配性だからなぁルイーダ姉さんは。」
「それはあなたがいつも忘れて来るからでしょ。ほら!道具袋の中身お姉さんに見せてみなさい。」
「えぇ。めんどくせぇなぁ。」

それはいつもと変わらない会話。
しかし、それも今日で出来なくなるかと思うと途端に寂しくなった。
「ほら見なさい。薬草1個しか入ってないじゃないのよ〜。ダメヨ、あの子も一緒に行くんだから10個くらい持ってきなさい。」
「えぇ?俺達強いんだから必要無いですって…って何入れてるんですか!?」
道具袋にルイーダ姉さんは布で包まれているものを2つ押し込んだ。
「お弁当よ。あの子の分もあるからお昼に食べてね。」
「そんな、俺達なんかに気使わなくても…でもありがとうルイーダ姉さん。」

本当に俺の姉さんのようだった。出来ればずっとこうして甘えていたい。
今頃になって旅に出ることに少し後悔した。


キィィィ、と酒場の扉が開く。
サキがやってきた。
「よう。」と声を掛けたが予想通りの無反応。だが俺はムッとすることも無かった。
この町の中でただ一人俺だけがこいつに選ばれた人間。このことがこいつの態度に寛容的になれる要因だろう。
「それじゃ、行くか?」と聞くと、小さく「うん。」と答えが返ってきた。

酒場を後にしようとする間際、ルイーダ姉さんは最後に告げた。
「いつでも帰ってきなさい。ここはあなたが帰ってくる場所なんだからね。」と。
俺はその言葉に込み上げる物があったが必死でそれを隠す。
「それじゃ行ってくるよ!元気でね!ルイーダ姉さん!」

酒場の扉を開き、この酒場とルイーダ姉さんに別れを告げた。

454 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/12(金) 04:25:57 ID:OBLhmCRjO
短いけどとりあえず。
こっから先は何も考えていないw

455 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/12(金) 15:46:10 ID:2/+0BfCp0
ルイーダさん、いい人だなぁ・・・・。
やべぇ・・・惚れそう。

主人公とサキの旅路に幸あれ。

456 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/14(日) 16:04:15 ID:b0wPSaCRO
ほす

457 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/14(日) 22:54:40 ID:xfMDhIzDO
>>453の続き

街を離れる前に俺達は道具屋に寄り、ルイーダ姉さんの言葉通りに薬草を買っていくことにした。
この周辺の魔物には蚊に刺される痛みほどのダメージしか俺は受けないが、まぁ一応のためだ。
サキはそんな俺よりさらに強いと言うんだからそんなに心配はいらないのだろうが…。

後は…行く先。
買い物を終えて街を後にする前に俺は聞いた。
「行く宛てはあるのか?」
「…ロマリア。」
「ロマリア?どこだそれ?」
「………。」
この男はロマリアすら知らないのか?という表情に微妙だが見て取れた俺は、その瞬間サキに言っておくべきことを思い出した。

「悪い。今俺記憶喪失なんだ。とは言っても普通の会話と常識は持ち合わせているから気にしないでくれよな。」
「…………………。」
相変わらず変わることの無いサキの表情からは気持ちを読み取ることが出来なかった。
「……大きな街…。このアリアハンと同じくらい。きっと強い仲間が見つかるはず…。」
「ん…あ、そうか、まず仲間を探すわけな。」
こくっと頷くサキ。
俺が記憶喪失だということなど気にしないというか、そんな事などサキにとってはどうでもいい事のようだった。


街を出るとサキは、ロマリアに行くために洞窟を抜けて行くと言った。
その洞窟へ向かうまでにはしばらく草原を歩かなければならず、途中でモンスターと遭遇することになる。
既に倒し飽きるほど倒したことのあるいつものモンスターしか現れないが、俺は早く遭遇しないかと心待ちにしていた。

そしてようやく一角ウサギ3匹にオオアリクイ2匹が現れた。
これだけいればサキがどの程のものなのか判断出来る。

「あいつら倒して見せてくれよ。」
俺はサキにそう言葉をかけた。………かけた筈だった。
しかし、言葉をかける寸前にサキの姿は消え、言葉をかけた時には現れたはずの全てのモンスターが消されていた。
俺が見たのは散らばったモンスターの残骸と既に剣を背にしまうサキの姿。しかも剣は真剣ではなく木刀の方だった。

「何か言ったか?ソラ?」
「…え?…い、いや、なんでもない…。」
俺は銅の剣を構えたままただ呆然としていた。

458 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/14(日) 23:00:52 ID:xfMDhIzDO
ロマリアに通じると言う洞窟にやってはきたのだが………
ここまで現れたモンスターは全てサキによって瞬殺。
モンスターが現れたと思った次の瞬間にはもう死んでいて俺は全く手が出せなかった。
集団で現れようがサキは木刀をまるで鞭でもしならせているかのように次々と蹴散らしていく。

………勝てるわけが無い。サキと対峙しているわけでも無いのに、俺の奥歯はカタカタと音が鳴りっぱなしだった。

この洞窟を抜ければもうロマリアはすぐそこらしいのだが、正直なところ俺は必要無いんじゃないだろうか?
なぜ俺なんか…、なぜ俺ごときを仲間にしたんだ?見誤っただろ?いらねぇだろ俺…、なぁ?
ロマリアで捨てられんなこりゃ…。


洞窟もそろそろ出口に差し掛かる頃、そんな俊敏冷徹で一分の隙も見せないサキに異変が起こった。

「ソラ…。眠い…。」
「は?何?」
「だから…眠いんだ…。」
「いや、我慢しろよそれくらい。洞窟の中が暗いったってまだ昼間だぞ?」

何の冗談を言い始めたのかと一瞬考えてしまったが、冗談なんかでは無いとサキの表情を見て気づいた。
それまで全くと言っていいほど無表情だったのがあからさまに眠い顔を見せた。
まぶたが半分閉じかけ頭をカクンっと落とすほど意識が飛んでいる。
「お、おい!どうしたんだ!?急すぎるだろ!?」
両肩を掴み揺さぶってみるが、サキの体は完全に力が抜けて体を揺らす度に頭がガクガクと揺れた。
「こんな所で寝るなよ!おい!」
「…ん…ソラ…。言い忘れたことが…ある…。」
「な、なんだ!?」
「私のこの力は…膨大な睡眠によって…力が得られている……。」
「何!?何を言っている?」
「…済まないが少し寝る…。後は…頼ん…だ…。」
「お、おい!頼んだじゃねえだろ!!起きろよおい!!」

名前を叫び体を揺さぶってみるがまったく反応が無くなった。眠ったと言うより気絶した感じに近い。
こんなモンスターの住家のような所で気絶して、昨日出会ったばかりの俺に後を任せたと言うのか!?
「なんでだ!?なんで俺なんかに頼れんだよ!!テメエの不意打ち一回防いだだけだぞ!!そんなんで分かんのかよ!!」

馬鹿かこいつは!?天然にも程がありすぎる!
眠くなるほどエネルギー使ったってのか!?だったらセーブ出来ねえのかよ!!

……とりあえず洞窟から出なきゃモンスターが集まってくる。
俺はこいつを背中に背負い洞窟の出口へと向かった

459 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/14(日) 23:05:18 ID:xfMDhIzDO
出口へと向かう途中、モンスターが現れた。
お化けアリクイとかいう化け物が3匹だ。
俺は眠りつづけるサキを背負いながら片手で銅の剣を取り出し、そいつらを蹴散らした。

サキに比べれば遥か劣るだろうが、俺はアリアハンではこいつを抜かせば1番強いんだ。
……くそったれ。なめんじゃねぇぞ…。
ビビってなんか…、ビビってなんか無えんだからな!超えてやる!!絶対超えてやる!!
おおおお゛お゛ぉおお゛お゛!!!!!!!

俺は怒りに任せて初見の相手だろうが関係無しに、出現するモンスターに渾身の一撃をぶち込んでいく。
ふっとばす。あいつがやったように。
消し飛ばす!あいつがやったように!!

洞窟の出口に辿り着く頃には俺の身体はズタボロになってはいたが、サキには傷一つ付けてはいなかった。

俺はサキを背中から下ろし薬草で自分の傷んだ身体を治療した。
「いってぇ…。薬草買っといて良かったな…。ルイーダ姉さんに感謝しなきゃな…。」

サキは相変わらず眠っている。
モンスターと対峙した時のサキは恐ろしいとさえ感じるのに、眠っている様は普通の少女にしか見えなかった。
「ったく、こんな小さくて軽いくせに……。まぁあんな動きもすれば眠くもなるか…。ふぅ…、俺も疲れた…。」

俺はモンスターに警戒しながら辺りを見渡していると、遠くに街があるのが見えた。
俺はサキを再び背負いその方向へと歩きだした。

460 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/14(日) 23:48:24 ID:y3v1u1W10
サキさん、Tueeeee。
でも、まさかそんな弱点があったとは。
さて、無事街までたどり着けるのだろうか・・・。

461 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/16(火) 16:27:28 ID:jJ5wTohS0
新しい作者さんが来ていたか!
尻に引かれそうな主人公だなw


    ∧_∧
   ( ´∀∧∧
  〜(つ ̄ (,,゚Д゚)
   UU丁と)U
   (__)_)

    ∧_∧    ドルルルルル…
   ( ´∀∧∧, '
  〜(つ ̄ (,,゚Д゚) ミャ ミャ ミャ ミャ ミャ ミャ ミャ ミャ
   UU ̄と)U `
    し'^ヽ__)


462 : ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/18(木) 18:19:22 ID:237n1mpi0
明日(金)の夜10時くらいから投下できそうです。
今回はメ欄もチェックで。
よろしくお願いいたします。

463 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/18(木) 22:45:36 ID:GJXToRuO0
>>462
うぉう!楽しみでござる

464 : ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/19(金) 13:28:24 ID:7dOHodSn0
Rです。すみません、仕事が入りまして予定通りの投下は難しくなってきました。
時間がずれるか、明日になるかは現段階ではまだわかりません。
なるべく約束を守れるように頑張ります。

465 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/19(金) 16:16:01 ID:JZKGs7T40
目が覚めるとそこは俺の部屋じゃなかった。
しかも、身体が子供の姿になっている。
「どうなってんだ?これは・・・・」
なにがなんだか分からず戸惑っていると、俺の目の前に髪の毛が少ないおっさんが現れた。
「お前、ドラクエXの主人公になったから。じゃ」
そう言って去ろうとするおっさん。
「待たんかぁぁぁぁ!!どういう事?くわしく説明しろや!」
「無理」
「ふざんけんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!」
思いっきりおっさんをブン殴った。
「いてーよ!なにするんだ!この若造がぁぁぁぁぁぁ!!」
俺とおっさんの20分間にもおよぶ死闘が始まった。

466 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/19(金) 16:36:36 ID:JZKGs7T40
「ちょ、いたいって!」
泣き叫ぶおっさん。
だがムカツクので構わず攻撃を続けた。
「ひゃあ!ひゃあ!ひゃひゃひゃひゃひゃ!!」とフリーザのモノマネ。
ただのチョップだけど。
「こいつでトドメだ!くたばれ!」
そこら辺に落ちてあったナイフでおっさんの最後の希望をきりつけた。
「ぎええぇぇぇぇぇぇ!!バ・・バカな・・・この・・・わたし(の毛)が・・・」
ノリのいい奴だ。だがおっさんがショックでがっくりと肩落とす。
「さらばだ!」
え?ちょ、おい。説明しろって!ちょっとぉぉぉぉぉ!?
俺の叫びもむなしくすぐにその姿が消えた。


・・・・・とにかく、ここはドラクエXの世界と言う事か。
現に俺の身体は子供の頃のX主人公の姿だし。くそっ、どうなってやがるんだ一体・・・

ドンッとドアが開く音がして誰かが部屋に入って来た。
「おいっ、どうした?大丈夫か!?」
おー、こいつがパパスか。相変わらずヒゲだなぁ。
「大丈夫だけど」と返事をする。
「ちっ、なんにもねえなら騒ぐんじゃねーよ、クソガキが・・・」
アレッ?パパスっこんなキャラだったっけ?
もしかして俺がX主人公になったからキャラの性格が変わったとか?

467 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/19(金) 16:56:12 ID:JZKGs7T40
あれからしばらくしたが今は船に乗っているという事が分かった。
よしっ、こうなったらDQの世界をとことんエンジョイしてやるぜ!
フヒヒヒヒ、そうですよ。開き直ってますよ。すいません。
てかドラクエXってやったことないんだよね。だから話とかキャラとか少ししか知らねえ。

そして、時間が経ち港につく。
その港にハゲと2人の女の子(黒髪と紫)がいるんだけどヤバイだろ。この絵ヤバイだろ。
こいつら親子らしいけど知らない人が見たら絶対勘違いするって。通報されるよ?
興味があったので女の子に話しかけてみる。
「こんにちわ」と軽くあいさつ。
黒髪の方は「邪魔よ!」なんて言いやがった。たくっ、これだから近頃のガキは・・・」
紫の方にも挨拶をしてみる。
紫の方はしばらく喋らなかったがやっと口を開いた。
「・・・邪魔だ・・・クズが・・・」
恐っ!

468 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/19(金) 17:11:37 ID:JZKGs7T40
さて港に降りたがなにをしようかと迷っていると
パパスが地図やるからそこら辺で遊んでこいなんて言う。
無責任な親だ・・・・

さて、なにをしようか?ナンパでもしようかなんて思う俺がいる。
とにかく港の外へ出て見ようか。

「ピキキキー」
なんと紫色の奴が3匹襲いかかってきた!
いや俺も紫のターバンとマント来ているから紫と言われかねんけど。
そうか、こいつらがスライムか。
ダチに聞いた話だと2、3ターンでパパスが助けに来てくれるらしい。
いや、どのくらいの時間が2、3ターンか分からんけど、それまでどうかしてろってか?
「まあいい掛かってこい!」
ドガッ!ぎゃっ先制攻撃された!やばい腹に当たったから腹の具合が・・・

10ターン後
「大丈夫か?」
おせえよクソジジイ・・・・

469 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/19(金) 17:36:59 ID:JZKGs7T40
腹が痛くなったため反撃できなかった。スライムにめった打ちにされつつも
何とか避けてパパスが来るまでもっていた。
すぐにパパスがスライムを倒し戦闘終了。だが身体がかなり痛い。
「と、父さん・・・・ホイミとかいう奴をかけてくれ・・・・」
だがパパスの反応は冷たい者だった。
「すぐに楽にはさせねえよ・・・・」
なにこいつ?俺になんの恨みがあるわけ!?

数時間後にやっとホイミをかけてもらった。
それにしてもパパスの態度が酷すぎる。痛がる俺みながらニヤニヤしてたし。
こいつに殴りかかろうと思ったけど強そうなのでやめておく。

パパスに連れられてどこかの村に着いた。
村に着いたので「ギャー助けてー!知らないおじさんに連れられてるんだー!」と叫んでみた。
すると怪しい奴はみんなタイーホ!とか言いながらピーポ君が登場。パパスがどっかに連れていかれる。
ちょ、なんでこの世界にピーポ君が?
そう思っていると誰かが俺の心に話しかけきた。
この声はさっきの変なおっさんだな。
「お前がX主人公になったからちょっと世界が変わっているんだ」
「へー、で?なんで俺をこの世界に?」
「スリルが味わいたいだろうと思ってさ」
「味わえねーよ、こんな世界じゃ!スリルどころか死ぬわ!
なんだあのパパス!わけ分かんねーよ!それに俺20代だからこの子供の身体は歩きづらくてしょーがないわ!」
「・・・・・さらばだ」
「おいっ・・・・また消えたか・・・」

ズドドドドドドとなにか走ってきた。
それはピーポ君から逃げてきたパパスだった。
「てめぇぇぇぇぇぇぇぇ!このクソガキャァァァァァァァァァ!!」
そして俺は死ぬほど殴られる。クソ・・・・・

470 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/19(金) 18:58:44 ID:T5WDiQO+0
カオスな主人公が来たか!
今後に期待。


471 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/19(金) 19:28:02 ID:v/zd8nIF0
おもしろいw

472 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/19(金) 21:37:13 ID:FkJL1SE20
先が読めなくて楽しみだwww

473 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/19(金) 21:42:55 ID:xZ0OTINq0
キャラクターやらなんやら崩壊しすぎワロタww

474 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/19(金) 23:43:41 ID:v35Zyyoy0
パパス台無しwwwwwwwwww
メチャおもろい!!!!!
この先まるで展開がつかめんからスゲー期待するよ!

475 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/20(土) 01:34:23 ID:lYmWVodU0
ピーポ君wwwww

476 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/20(土) 09:47:59 ID:DpVAPJ8KO
新しい作者さんにフキつつ俺も投下↓

とんでも設定理解頂けて良かったです

477 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/20(土) 09:51:07 ID:DpVAPJ8KO
>>459の続き
「ちくしょう…。俺としたことが、何て様だ…。」
ロマリアの街を眼前にして現れた甲冑を見に纏ったモンスター1匹に俺は苦戦してしまった。
「たかだか1匹に。しかしあのモンスター剣も盾も上手く扱えていた。モンスターにも頭のいい奴はいるんだな…。」
でもまあ、こいつ背負ってるってハンデがなければ俺の相手じゃないけどな、
等と言い訳をしながら自分の負った傷を見て俺は舌打ちをした。

陽が徐々に落ちかけた頃、俺達は街にようやく到着した。

「おい。街着いたぜ。サキ。」
「………すぅ……。……すぅ……。」
起きるわけは無いと分かっていたが俺は俺の背中で眠りつづけているサキに話しかけた。
当然反応は無い。今は小動物の様に静かに寝息を立てて、俺の背に負ぶさっている。
「………はぁ…、なんだかなぁ…、まぁいいや、宿探すか。」

俺はその背中の眠り姫ならぬ小動物をともかくどうにかしようと、適当に目についた宿屋に入ることにした。
チェックインを済ませ、今夜一泊する一室のベッドにサキを寝かせた。

ようやく解放されたところで、既に俺も限界を超えかけていたのでそのまますぐに横になった。
腹も減ったが起き上がる気力さえもとうに失せていた。
「……まてよ…。一緒の部屋で良かったか?……って関係ねーか、既にこいつ寝ちまってるんだし…。あぁ〜あ疲れた…。」

これからどうするか。とりあえずサキが起きるのを待つか。そういや仲間を探すって言ってたっけか…。
アリアハンでの時みたく力量を量るためにいきなり斬りつけなきゃいいがな…。……ってそうなったら俺が止めんのか…?
何か別の方法があるだろ…。何か…………。
……………Zzz………。

俺はいつの間にかそのまま眠りに着いていた。

478 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/20(土) 09:55:09 ID:DpVAPJ8KO
……カツカツカツカツ……、カツカツカツカツ…。

俺はその音で目が覚めた。
何の音かと思い眼を開けるてみると、まるでウサギが人参をカリカリと小刻みに食べるかの様にサキが弁当を食べていた。

(あぁ…こいつはやっぱり小動物だったのか…。)

って違うだろ、何寝ぼけてんだ俺。

「起きたのか。もう大丈夫なのか?」
「…………カツカツカツカツ………。」
ったくこいつは…。相変わらずマイペースな奴だな。
そういや俺も腹減ってたんだ。俺も食べるとするか。

「上手いだろ?その弁当ルイーダ姉さんが作ってくれたんだぜ。」
俺は道具袋から弁当を取り出そうとした……………が無い。弁当箱は確か2つあったはず。
テーブルの上に目をやると空になった弁当箱が1つ。そしてもう1つもたった今サキが食べ終えて空になっていた。

「お前!2つ食ったろ!1つは俺の分だったんだぞ!」
「………旨かった…。とても…。」
「そうか、ってそうじゃねぇ!これはルイーダ姉さんが俺の為に作ってくれた特製のだな!」
「……ハートマークの飾り付けだった…。」
「何だと!?おまっ!吐け!この野郎!今すぐに!」
「無茶言うな。頭…大丈夫か?」
「…っのやろう…。」

どうしてくれる?今度ルイーダ姉さんの所へ帰った時に、「あの弁当どうだった?」と聞かれたらどう答えたらいいんだ!?
ハートマークの意味は!?本気なのか軽い気持ちなのかどっちなんだよ!?どう答えたらいい!?
俺は食べてもないし中身を見てもいないんだぞ!?
あ〜もうこの野郎は!どうして2つも弁当食いやがったんだ。あんな小さい体のくせに。あんな小動物のくせに。
そういやあいつ背負った時に胸の感触がまるで無かったな。普通背負ったらドキッとするものがある筈だろ。
ぺったんこか。そうか、ぺったんこなのか。まな板のくせになんで2つも食いやがったんだ。
なんで…なんでだ……。
言葉にはしなかったが俺の楽しみを奪われた悔しさと更なる空腹で俺は苛立っていた。

479 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/20(土) 09:59:09 ID:DpVAPJ8KO
「ここは…ロマリア?」
「あぁ?あぁそうだ。お前背負ってモンスターと戦いながらきたんだ。感謝しろよな。」
「ソラ!」
「なんだよ?」
サキの指が俺の顔に当たる。当たった瞬間痛みを覚えた。
「っつ!なんだ!?」
「傷だらけ…。腕も、体も…。」
腕や体の見える部分は薬草で治療してはいたが顔はしていなかった。
「しょうがないだろ。お前かばってきたんだからな。俺だけなら傷なんかしなかったろうな。」
嫌味に聞こえたろうか。まぁいい。食の恨みは高くつくとよく言うがその通りだ。
「仕方ない…。手当てしてやる。」
「あぁ!?いいよ別に。もう血は止まってんだ。」
「よくない。膿んだらどうする。」
そう言うとサキはすり潰した薬草を取り出し俺の傷口に塗ろうとした。
「いいって。自分で出来る。」
「いいから、動くな。」
サキの顔が近くなる。その間俺は目と目が合わない様に目をそらし続けていた。
こんな小動物のようなガキ相手に何を緊張しているんだ俺は…。

「終わりだ。」
「あ、ああ…。」
「街はもう歩いたのか?」
「いや、すぐ宿に入ったからな。そういや今何時だ?」

時計に目をやると、まだ夜になったばかりだった。宿には夕方頃到着したので俺はいくらも寝ていなかったのだ。

「ちょっと回ってくるか?俺なんか食いたいしな。」
「うん。」

酒場辺りにでも行けば強い奴の情報も得られるだろう。俺達は宿を出た。

480 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/20(土) 14:18:00 ID:hCNoeZxu0
ムハー!投下乙です!

481 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/20(土) 19:12:47 ID:n/e/R9MQ0
おお、やばい、サキさんに惚れそうだ。
だが、弁当・・・orz

482 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/20(土) 19:53:52 ID:gnJDM1q4O
貧乳関係ねーww

主人公とサキの関係が気に入りました

483 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/20(土) 20:25:54 ID:fXy3cJb70
>>479
GJ!
先(サキ)が気になるぜ
貧乳もGJ!だぜ

484 : ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/20(土) 23:48:10 ID:PICDD7nD0
先日は失礼いたしました。これから投下します。
ちょっとパソコンの調子が悪いので、投下の間隔が長くなるかもしれません。

485 :Stage.18 hjmn ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:01:13 ID:5N8VteG00

アルス「ちーっす」
タツミ「どうもー。昨日は予告したのにお約束が守れなくてすみませんでした。
   せめて時間をずらして……と思ったのですが、帰宅が午前4時ではどうすることもできず」
アルス「>>463様はじめ、お待ちいただいた方すみません」
タツミ「それでは恒例サンクスコールです」

アルス「>>393様、力一杯のグッジョブありがとう! ちょうど間があいた時期だったからな、
   うちの作者も一読者として過疎り具合にドキドキしてたみたいだよ」
タツミ「>>394様、面白いというそのお言葉が何よりの執筆燃料ですっ」
アルス「>>395様にも、夢中になって読みました、まで言っていただけて本当に感謝。
   俺も例の件が誤解とわかって心からホッとしたよ」
タツミ「キミのトラウマもわかってもらえたしね。たださ……君が普通っていうより、
   お父様が遙かに超人なだけって気がしないでもないんだけど」
アルス「だよな。そもそもオヤジは、魔法の玉もナシにどうやってアリアハンから出たんだ」
タツミ「まさに謎の英雄……。
   >>396様、いつもお待たせしてすみません。もう少しペース上げられるよう頑張りたいんですが」
アルス「>>398様、おお、確かにサスペンスっぽいかも。まさか殺人事件に巻き込まれるとか……」
タツミ「うちの作者のことだから無いとは言い切れないねー」


アルス・タツミ『それでは本編スタートです。本日はメ欄もチェックで!』


【Stage.18 SAKURA MEMORY -Part2-】
 続・リアルサイド [6]〜[11]
  Prev >>387-391

 ----------------- Real-Side -----------------

486 :Stage.18 [6] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:07:38 ID:5N8VteG00

   ◇

 俺が最初に胸に抱いたのは、慌てたように警告の電話を入れてくれたショウに対する感
謝ではなく、「また面倒ごとかよ」という唾でも吐きたくなるような気持ちだった。
 次から次へとなんだってんだ。ここは「テレビゲーム」なんてハイテクな玩具が日常に
溢れてるような、平和な国じゃないのかよ。
 それでも冒険者のサガとでも言うか、デートなんてシチュエーションにちょっとふわふ
わしていた俺の意識は、その瞬間に自動的に警戒モードに切り替わった。
「俺が襲われたことを……なんでお前が知ってるんだ、ショウ?」

 昨日の晩ショウに会った時、俺はわざと、昼間に起きたことをひとつも話さなかった。
朝早くから花見に行ったことも、行った先で他のゲームサイドの男に襲われたことも、そ
のあと夕方までタツミの女友達の家で寝込んでいたことも……なにひとつ。 
 ショウの登場のタイミングがあまりに良すぎたから。まるで俺を見張っていたかのよう
で、少し胡散臭いものを感じてカマをかけたのだ。他のゲームキャラに襲われるなんて出
来事、知っていたなら必ず話題を振ってくるだろうし、逆になにも知らないなら、こいつ
を変に巻き込まない為にも俺からわざわざ口にするべきじゃない。
 だがどちらでもなく、こいつは「知っていて」話を避けた。俺だって赤の他人を頭から
信じるほど単純じゃない。
「お前、何者だよ」

『なるほど、昨日そのことに触れなかったのは、僕を試したんですね』
 電話の向こうでショウは感心したように溜息をついた。そして、
『なかなかキレるじゃないですか、かえって安心しました。少なくとも僕は敵じゃないで
すよ。まずは話を聞いてください、あなたに危険が迫っているんです』
 自分のことなどどうでもいいとばかり、あっさり要点を戻された。気に食わないが、俺
が疑っていたこともショウは最初から想定していたようだ。
『あなたを襲った男について、僕も詳しくは知りません。僕と違うゲームナンバー出身の
人ですしね。ただ僕は、こっちに来てからすべてのドラクエをプレイしてるんで、あなた
とあのPCとの関連は知っています。あなたの子孫なんですよ、彼は』
「待て。昨日のあいつが俺の子孫だぁ?」
 そう言えばあのサイコさん、アレフガルド流の騎士の礼を取ってたな。
「それにPCって……」
『ああ、僕はゲームサイドの人間のことを『プレイ・キャラクター』の略で『PC』と呼
んでるんです。子孫と言っても、あくまでゲーム上の設定ですし、深く考える必要はない
と思いますよ。とにかくですね、僕が今からそっちに迎えに行きますから、あなたはそこ
を動かないでください』
 やはりショウは焦っている。まくし立てるような口調で、俺はロクに言葉を挟む余地も
ない。
『アルス君は今ひとりですか? もし誰かと一緒なら、うまく説得して離れてもらった方
がいいと思います。僕もすぐそちらに向かいますから……』
「だから待てっつってんだろ!」
 怒鳴りつけると、はっと息を呑むのが聞こえた。

487 :Stage.18 [7] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:11:24 ID:5N8VteG00

 ったく、従うのが当然みたいに指示すんなよな、シャクに障る。俺への隠し事はもっと
あるだろうし、信用できない人間の言うことを聞く義理はねえぞ。
「今デート中なんだ、邪魔しないでくれるか」
『はぁ? あの、アルス君……?』
 俺の投げやりな返答に、ポカンとしているショウの様子が手に取るようにわかる。
『た、確かに僕もいろいろと黙っていたことは悪かったと思いますが、それも会った時に
ぜんぶお話しするつもりです。今だけは信じてもら――』
「ウザいんだっつーの。あのイカレ頭が襲って来るかもってんだろ? そうなった時に考
えるからいい。もう面倒くせえのはたくさんだ」
 こっちに来てからずーっとワケのわからん状態が続いてるんだ。ようやく穏やか〜なひ
と時を楽しんでるんだから、少しはノンビリさせやがれ。
 はっきり言って、ストレス溜まってんだよバカヤロー!

『冷静になってください。女性と一緒というなら、片岡百合子さんでしょう? 彼女もあ
の男に顔を見られてるじゃないですか、危険なのはあなただけじゃないんですよ』
 まあね。それどころかユリコちゃん、ボッコボコの返り討ちにしちゃったし。
「それもこっちでなんとかする。心配なら勝手に来いよ。どうせ見張らせてんだろ?」
『確かに昨日まではあなたを監視してましたけど……今朝になってやめさせたんです。あ
なたがまっとうな人だとわかったから、プライベートを尊重して。だからさっき、そちら
の居場所を聞いたでしょう?』
「あっそ。そりゃどうも」
 自分でも少し素直じゃねえなとは思うが、今はまともに対応する気になれない。

 互いに沈黙する。
 時間にしたら数秒も無かっただろう。さっきとは違う性質の溜息をついて、ショウはワ
ガママな子供に言い聞かせるように言った。
『わかりました。でも、僕があなたを心配してるってことは信じてくれたんですよね? 
僕も20分くらいでそっちに行けると思いますから、できればそのあたりにいて下さい、
お願いします』

 ップ ツー ツー……

 溜息をつきたいのはこっちの方だ。
 断っておくが、俺はユリコをあぶない目に遭わせる気はない。ショウは離れろと言って
いたが、彼女もあのサイコ野郎の標的にされる可能性がある以上、かえって単独行動させ
る方が危険だ。
 それにショウは最低でも、一日でユリコの身元を割り出す調査力と、人を使って俺を見
張らせるくらいの組織力を持っている。そこから逃げ出して未だに捕まっていないのだか
ら、あのサイコ野郎もそうバカじゃない。こんな街のド真ん中で後先考えずに奇襲をかけ
てくることはまずないだろう。
 ならいっそ、いつ襲われるかわからずビクビクしながら隠れてるより、人混みに紛れて
動き回り、相手を引きずり出してやる方が対策を立てやすいと――

488 :Stage.18 [8] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:21:15 ID:5N8VteG00


「なんか難しい顔してるね、アル君」
 いきなりユリコが、ヒョイっと腰をかがめて下から俺を見上げてきた。
「うひゃ!? い、いや別に、たいしたことじゃないんだ、うん」
 あのですねユリコさん。その角度だと、隙間というか、谷間というかがですね、よく見
えちゃうんですが。目のやり場に困るんですけど。
 一瞬この女ワザとかと思ったが、どぎまぎしている俺をユリコはきょとんと見つめてい
る。もしかユリコちゃん、意外と天然系?
「待たせて悪い。冷めないうちに食べないとな」
 慌てて席に戻ったが、ほら〜、どこまで考えたかわかんなくなったじゃねえか。
「今の電話、お友達から?」
 無邪気に聞いてくる彼女に、俺は再び思考を巡らせた。どうすっかな。
 この子は俺の正体もあのサイコ野郎の存在も知っているから、今さら無理に隠す必要は
ない。でも変に深入りさせて、俺たちゲームサイドの人間――ショウの言う『PC』が、
実はプレイヤーを「犠牲」にするつもりで現世に来ているということまで彼女に知られる
のはマズイ。

 <ゲームは所詮ゲーム、絶対に安全だし、もちろん死ぬこともない。
  クリアすればいつでも帰れるが、現実世界に戻れば二度と交換できない。
  なのでわざとクリアを延ばすプレイヤーもいるらしい……>

 俺がユリコにした説明だ。一番最初にタツミにも同じ内容を伝えた。
 嘘は言ってないが、肝心なこともなにひとつ言ってない。あのお人好しが庇ってくれた
のをいいことに、俺はこの瞬間も、彼女をいいように利用している。

「友達じゃないんだ。役所の人でさ」
 特に悩む間もなく、そんなセリフが出てきた。
「ああ、タツミになんか頼まれてたのね」
「そうそう。ほらアイツ、国から援助金みたいのもらってるだろ。その書類関係のことで
今の電話の人と、タツミの代わりに何度か話してたんだ」
 いまさら嘘のひとつやふたつ重ねたところで同じだ。
「了解です。それにしてもタツミのヤツ、アル君を使いッパにするとはねー」
 ユリコはまったく疑う様子もなくクスクス笑った。俺も愛想笑いで調子を合わせる。
「まあドラクエもお使いイベントが多いしな」
「もうアル君ったら、勇者様がソレ言っちゃおしまいじゃないw」

 勇者様、ねえ……。

 残りのハンバーガーを口に放り込むと、まだ温かいのに急に味気なくなったような気が
した。そんなのは無視して立ち上がる。
「ごちそうさま。次はどこに案内してくれるの、ユリちゃん」
 彼女もハンバーガーの最後のひとかけらを口に放り込むと、指先についたケチャップを
ペろっと舐めつつ視線を泳がせた。こういうちょっとお嬢様っぽくない仕草は親しみやす
くて好感が持てる。

489 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/21(日) 00:27:08 ID:0WQsVruyO
リアルタイム遭遇キター!
でも2問目わかんねぇw

490 :Stage.18 [9] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:28:12 ID:5N8VteG00

「できるだけアル君のリクエストに合わせるよ?」
「あんまりこっちのこと知らないからな。普通でいいよ、デートの定番コースってやつ。
俺、職業が職業だから向こうでもあんまりそういう経験ないし」
「あらら、アル君モテそうなのに。よーし、そういうことなら任せなさい♪」
 張り切ってガッツポーズを取るユリコちゃん。ウザかわいいってやつだな、うん。
 悪いなタツミ君。まあ今日だけだから許せ。


 今はまだ、もう少しだけ。
 「普通」の16歳でいさせてくれ。

   ◇

 色んな場所を回りたいから、遊園地のような一日がかりになる大型施設は避けることに
した。だいたい、安全を保証されたアトラクションや、動物園や水族館で人形みたいにお
となしい生き物を眺めてても、俺は全然おもしろくない。
 まずは映画館に行った。女の子が好きそうな、異国の若い男女が恋愛がらみでごちゃご
ちゃやってる内容だった。日本語字幕(俺にとっては向こうの公用語)だったからいまい
ちストーリーが掴めない部分もあったけど、まあ概ね楽しめたかな。
 
 俺がそう感想を述べると、ユリコは「ああ!」と声を上げた。
「ごめん気付かなくて! そうだよね、日本語が読めるわけないもんね」
「違う違う。それじゃさっき見てたバイトの書類も読めないだろ」
「あ、そっか」
 この子やっぱ天然だなw
「実は俺、あんまり目が良くないんだよ」 
「え……!? アル君って目が悪かったのぉ!?」
 そこまで大げさに驚くことかね。
「もともと小さい頃から弱くてさ。それに俺の世界じゃ夜はロウソクかランプを使うしか
ないから、遅くまで勉強してるとどうしてもね」
 冒険に出た最初の頃は、延ばした自分の指先も二重に見えるくらいひどかった。旅をし
てる間にかなり回復したが、まだ映画館のような薄暗いところで字幕なんて読めない。
 もっとも向こうは視力を測る習慣が無いから、気付いてないだけで目が悪いやつは他に
も大勢いると思うが。
「じゃあこの世界だとなおさら不便でしょ。なんかゲームの世界より、細かいものが多い
気がするもの」
 実はその通り。初めて外出した時も「標識」の多さに圧倒されたが、現実世界はそこら
中に「文字情報」が溢れている。無意識に片っ端から読もうとしてずっと目を凝らしてる
もんだから、結構しんどいんだよな。
 ユリコは腕を組んで少しうなっていたが、すぐに俺の手を引いて歩き出した。
「よし、お姉さんが眼鏡をプレゼントしてあげよう!」
「いいの? マジで?」
「現実世界に来た記念にね♪」
 ユリコちゃん優しいなぁ。でも以前、インテリ眼鏡ってアイテムを装備した時に仲間に
爆笑されたんだよな。
「俺に似合うかな」
「アル君くらいイケメンさんだったら、なにやったって大丈夫だって」
 それは暗にタツミがイケメンだとノロケてることになるんだが、気付いてないな。

491 :Stage.18 [10] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:32:17 ID:5N8VteG00

 映画館から一番近い眼鏡専門店に行った。落ち着いた雰囲気の店内には、ズラリと陳列
された眼鏡が照明を反射してきらきら光っている。
 ユリコが店員に話をつけ、俺は妙な機械の前に座らせられた。
「そこのレンズに片目をつけてくださ〜い。奥に何が見えてますか〜?」
 妙に間延びした口調の女性店員が、機械を挟んで向かい側でなにやらカチャカチャ操作
している。言われたとおり見てみると、奥に確かになにかの映像は見えているんだが、映っ
ているモノの名称がなんだかわからん。
「ユリちゃん、ちょっと」
 俺は目を離して、そばに立っている彼女の袖を引いた。小声で「アレなに?」と聞いた
ら、ユリコもレンズを覗き込んでから「気球だね」と囁き返してきた。
「えーと、キキュウ……ですね」
「二重に見えてますか〜?」
 店員のおねーさんがまたカチャカチャなにか操作したら、
「おっ、きれいに見えた。すげえな」
「では反対側の目で見てくださ〜い」

 そのあといくつか検査をやって、右が「0.2」、左が「0.8」という数値が出た。かなり
悪い方らしく、結果を聞いたユリコがまた驚いていた。向こうじゃそこまで不自由は感じ
てなかったんだけどな。
「フレームはこれがいいんじゃないかな?」
 ユリコが差し出したのは濃い青色の金属製のやつで、全体的に細いタイプのものだった。
一見ヤワそうに見えるが、形状記憶なんとかって金属でできていて、多少なら折り曲げて
も元に戻るそうだ。
「少しくらい暴れても壊れないヤツ、ね?」
 にっこり笑う。ゲーム世界に戻ったあとも使えるようにと、強度を重視して選んでくれ
たのだろう。チクッと胸が痛んだが、顔には出さずに素直にそれに決めた。かけてみると、
うん、そこまで変じゃないし。
「じゃあフレームはこれでお願いします。できあがりまで何日かかかるんですよね?」
 え……?
「いいえ〜。これだと在庫がありますので〜、40分くらいお待ちいただければ〜」
 良かった。何日もかかるんじゃ作ってもらっても無駄になる。
 その頃には俺、たぶんこの街から姿を消しているだろうから。

 眼鏡が出来上がるまでその辺をブラついて時間を潰すことにした。ずらりと並んでいる
店を片っ端から覗いて歩く。どれも向こうにはない珍しいものばかりでちっとも飽きない。
「こういう時の『金持ちのトモダチ』でしょ! 遠慮しないで買っちゃいなって」
 というユリコちゃんに甘えさせてもらい、気がついたら服も靴もフルチェンジしていた。
どんどん増えていく手荷物が邪魔になり、一度駅に戻ってロッカーに荷物をぶち込んだと
ころで、あっという間に約束の時間になった。
 さっきの眼鏡屋に戻る。さっきの店員のおねーさんに引換券を渡すと、ケースに収まっ
た眼鏡を持ってきた。さっそく取り出してかけてみると、信じられないくらいクリアに見
える。ってか今までずいぶん見えづらい生活を送ってたんだな、俺。
「世の中ってこんなにクッキリしてたのか……。本当に嬉しいよ、ありがとう」
「どういたしまして。こっちに来て見てみなよ、似合うよ」
 ユリコに言われ大きな姿見の前に立つ。そこには、表通りですれ違った若者たちと大差
のない少年が、どこかぼうっとした表情で俺を見返している。
 なんだかなぁ、俺ってもう少し賢そうな顔してなかったっけか。

492 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/21(日) 00:33:27 ID:0WQsVruyO
ノシ

493 :Stage.18 [11] ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:37:14 ID:5N8VteG00
 
 店を出て、さてこれからどうしようか、とユリコと顔を見合わせた。さすがにちょっと
疲れてきたな。
 少し休もうか――と思った直後、すぐ近くから柔らかいメロディが聞こえてきた。ユリ
コが慌てたようにハンドバックを探る。彼女の携帯電話だった。
「戸田? どうかしたの」
 カズヒロからのようだった。そういやカズの方は中途半端になってたっけな。ユリコの
方でうまく誤魔化してくれたようだが……。
「そうよ、けさ言ったじゃない。今日はタツミとデートだからって……え?」
 急に彼女の顔がこわばった。
「それ誰に聞いたの!? なに? ちょっと聞こえないよ、あんたどこにいるの? 戸田?
――やだ切れちゃった」
「どうした?」
 ユリコは戸惑うように俺を見上げた。
「戸田、アル君のこと知ってる」
「なんだって?」
「あたしは言ってないよ。でもあいつアル君の名前を知ってて、それになんか変だった。
なんていうか、泣きそうなっていうか……すごく怯えてるみたいな感じで」
 まさか。
「場所も変だよ、声が反響してるみたいで、とにかく聞き取りづらいの。電波も悪くて何
回も途切れそうになってたし」
 俺の中で不安がふくれあがっていく。嫌な予感。いや、ほとんど確信に近い。

 プルルルルルル! プルルルルルル!

 今度は俺の携帯が鳴った。予想通り表示は「KAZUHIRO」だった。

『……よう、ご先祖様。もうこっちの女をモノにしたのか。なかなか手が早いじゃないか』

 確かに声が反響して聞こえる。それはヤツの絡みつくような口調と相まって、嫌でも暗
く湿った洞窟の中を思い出させた。

494 :Stage.18 atgk ◆IFDQ/RcGKI :2008/12/21(日) 00:43:14 ID:5N8VteG00
本日の投下はここまでです。

なんとか投下が終わりました。
実はうちのアルスは目が悪いです。ようやく書けました。



メ欄クイズの答えはこちら。
楽しんでいただけましたら幸いです。

問1:ファルシオン
問2:ルドルフ
問3:エデンの戦士たち
問4:オーディーンボウ
問5:ムオル

495 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/21(日) 17:03:37 ID:yliKsbBp0
投下乙でしたー!
リアルタイムで遭遇したかったw

アルスって目が悪かったんですね。
サイコさんwカズヒロの方にいっちゃったんだ。
確かにあっちも顔見られてたしな。
今後どうなるかますます期待です!

496 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/22(月) 11:51:42 ID:nwicmV+M0
>>465の最初に題名付け加え
第一話 「俺がドラクエの主人公!?忠犬ハチ公」
>>466-469は同じ

497 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/12/22(月) 11:58:49 ID:YxR8LolE0


とりあえず50Gもっているか確認する



498 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/22(月) 12:16:00 ID:nwicmV+M0
第二話 「洞窟探検はワクワクドキドキ!ヒデキ感激!」

パパスにボコられ重傷を負いながらも必死でパパスについていく。
村のみんながパパスが帰ってきたことにより喜びの声をあげる。
なんでこんなひどい奴が慕われているんだよ。どんな世の中だよ、コレ・・・
みんなは喜びながらパパスに駈け寄る。
村のみんなからタッチされたりし喜ぶパパス。こんな一面もあるのか。
だが、誰かがどさくさにまぎれて腐ったたまごをパパスにぶつけた。
「みな殺しだぁー!」パパスが叫んだ。

数十分後、村は一面、血の海になった。
パパスはたまごをぶつけた奴はもちろん、関係ない人まで殺したのだ。
俺はあわてて隠れたから無事だった。
神父が生き残っていたのが不幸中の幸い。神父がパパスに殺された人々を
生き返らせていく。だがパパスは問答無用で生き返った人々を殺していく。
パパスが村の人々を殺す→神父のザオリクで村の皆が生き帰る→再びパパスが殺す。
無限ループだよ。どこの地獄絵図だよコレ・・・

さらに数時間後、やっとパパスが落ちついた。村の人々が無事生き返っていく。

499 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/22(月) 12:37:16 ID:nwicmV+M0
パパスは何事もなかったようにとある家に向かっていく。
なるほど、ここが俺の家らしい。サンチョとかいう奴に出迎えられて家に入る。
なんか子供がいたのでその子供と遊ぶことに。
なんで俺がガキの子守りをしなきゃなんねえんだ。あっ、俺は今子供の姿だからか。
この子はビアンカとかいう名前らしい。
今のこの姿の俺の年はこの子供より2歳年下らしい。ビアンカは8歳ということは
今の俺は6歳か。なんでガキになっちまったんだ・・・
ビアンカは俺に本を読ませようとするが難しい文字があるのか読みきれてない。
ビアンカは暗い表情で俺を見始めた。
「やっぱり・・・人生って辛いよね・・・生きてるとロクなことがないわ・・・・」
おい、お前の過去に一体なにがあった。お前、8歳だろ。

しばらくして、ビアンカは自分の母とこの村の宿屋に帰って行った。
パパスもどっかに出かけていった。面白そうなので追いかけてみるか。
だが家を出ようとする俺にサンチョが話しかけてきた。
「あんた主人公だったな?」
おい、なんで知ってんだ。いくらこの世界がムチャクチャだからって
俺が主人公って知ってたらまずいだろ。
「お前、大きくなったら、とある3人の娘から嫁を選べるぜ」
しかもネタバレかよ。やってらんねえ。
「まあ、嫁は1人しか選べないから余った2人、俺がいただいてもいいか?」
「・・・・」
「あれ?無言っことは3人とも俺がいただいてもいいっすか?」
俺はデブことサンチョに地獄に落ちろといいながら家を出ていった。

500 : ◆DLQmf08qD. :2008/12/22(月) 12:59:39 ID:nwicmV+M0
パパスが入った洞窟に向かったがパパスは俺がいけない通路を通ったため
パパスには会えないだろう。でも道具屋のおっさんがこの洞窟に行ってから
帰ってこないらしいので洞窟に入ることにする。

洞窟に入ると同じにスライムが2匹襲いかかってきた。
この前のようにはいかないぜ!と腹に注意しながらスライム一匹を倒した。
とりのこされたスライムはあきらかにびびっている。
だがスライムは堂々とした表情になると口を開いた
「よくぞスライムAを倒した。どうだ?スライムAの代わりに我が息子にならんか?」
すぐさまスライムBをチョップで倒した。

襲いかかってくる魔物を倒しながら洞窟の最深部にたどりつく。
岩にはさまれて動けないでいた道具屋のおっさんを助ける。
だがおっさんは礼を言わないで去ろうとした。
ムカツクのでひのきの棒でおっさんの脇腹をねらった。
今にも脇腹にひのきの棒が当たろうとしたその時!
おっさんの目がキラーンと光った(ように見えた)
おっさんは体をしゃがみひのきの棒を脇腹ではなく肩に当たらせようとした。
この洞窟の魔物なら一撃で倒せる程強くなった俺だ。当たったらひとたまりもないだろう。
バキーン!とおっさんの肩にひのき棒がぶつかった。
だがおっさんはなにも無かったようにニコッと笑った。
「ありがてえ。ちょうど肩がかゆかったんだ。サンキューな、坊主」
この人に一生ついていきたい。俺はそう思った。


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