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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

419 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/11/29(土) 07:24:31 ID:uGOX9O1qO
呆気に取られた店内。いや呆気に取られたと言うより、見とれていたという方が表現が正しいかもしれない。
その少女が動くまで誰一人として声を発することも出来なかった。
その少女がゆっくりと口を開く。
「うぅ…酒くさいぃ…。」
それだけ言うと少女は振り返り店の外へと出ていってしまった。
…。
沈黙…、普段はまったく聴こない店内で流されているレコードの音だけが聞こえていた。
少しして、にわかにざわめき始める店内。
「なあ今のって…」
「見たことあるわ。あの子確か…」
「前にも来たよな…、店をめちゃめちゃに…」
「そうだ!間違いない…奴だ!」
何かを思い出したかの様に店の客達が次々に慌てて席を立つ。
「逃げろ!死ぬぞ!」
「ルイーダ姉さん悪い!お代は今度な!」
「ちょっと待ちなさいあんたたち!!」
ルイーダ姉さんは客達を呼び止めようとするが止まらない。
「おい!裏口どこだ!表でばったりなんかしたらマズイぞ!」
「こっちだこっち!」
「もういい!窓から逃げる!」
パニックになった客達が酒や食べ物を撒き散らしながら脅える様にして店外へと逃げていく。
満席だった店が一瞬にして誰もいなくなった。
…残ったのは俺とルイーダ姉さん、そして散乱した店内。
床に割れた酒瓶や食器を見て溜め息をつくルイーダ姉さん。
「まったくもう、誰がこれ片付けるのよ〜。」
「誰なんですか?今の?」
客全てが逃げ出す程の人物。この酒場にはモンスターと戦える腕を持つ輩もいる。
俺にはまったくあの少女の見当がつかなかった。なぜならこの町で一番の戦士と言われていたのは俺だったからだ。
割れた酒瓶を片付けながら答えるルイーダ姉さん。

「あぁ、ソラ君まだ知らなかったんだ。あの子はね、昔この町にいた勇者の娘さんなのよ。」

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