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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

539 :喪失 ◆GlJDOSjJ1Y :2008/12/31(水) 12:08:59 ID:RsBy+KRQO
「ハァッ……、ハァッ……。」

確かな手応えだった。普通の人間であれば確実に命を絶つほどの感触。
半分気絶しているのかカンダタは起き上がってはこない。勝負あったようだ。

俺は力尽きる様にその場に座り込み、その戦いが終わった様子を見てサキは駆け寄ってきた。
「ソラ…、大丈夫?」
「あ…あぁ…。それよりこいつ…、治療してやんなきゃな。」

俺は薬草を使い、カンダタの体力が回復するのを待つことにした。
サキが倒したカンダタの子分達は気絶させてあるだけで心配は無いとサキは言った。

しばらくしてカンダタが目を覚ました。
カンダタは起き上がると、今までに行(おこな)ってきた数々の盗品や強奪品の全てを俺達に差し出した。
「俺達の負けだ。これはお前らにやる。」
その金ぴかに輝く盗品の中にはロマリア国王の冠も含まれていた。
「いや、別に俺達はこれを奪い返しにきたわけじゃないんだ。なあサキ?」
「…うん。お前を…カンダタを仲間にする。」
「あ?俺を!?」
目を丸くして、こいつらは一体何を言ってるんだという表情のカンダタにこれまでのいきさつを説明した。

「本気かよ。俺様は世界指名手配かかってんだぜ。お前らなんかと一緒に旅はできねえよ。」
「…関係無い。」
「そうだな。世の中の人々を救える旅だ。罪を償えるってもんだぜ?」
「けっ。罪を償う気なんざさらさらねぇってんだ。」
「…そうか。だそうだサキ。諦めるか?」
「………。」

サキは背を向けて何も言わずに去っていく。俺も続いてこの場を立ち去ろうとした。

「…おい待てよテメェら。」
「…?」
「俺様…俺はこの悪行を誇りにすら思ってる。…モンスターだろうがバラモスだろうがそんなの興味も無ぇ。」
「…。」
「だがな、貴様は俺を初めて負かした野郎だ。貴様に興味がある。それじゃダメか?」
「…何が?」
「だから!テメェらについていくって行ってんだボケ!!仲間にしろや!!」
「カンダタ!聞いたかサキ!」
「ふん…。」

「だからといって言っとくけどなぁ!俺様がお前を倒すまでの話しだ!テメェを倒せりゃすぐに抜けてやるんだからな!そこんとこ覚えとけよコラ!」

まさかではあったがサキの思惑通りに盗賊の頭カンダタが仲間に加わり、俺達の旅は続いて行くのだった。

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