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ぜろちゃんねるプラス
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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら10泊目
1 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/01(水) 08:47:35 ID:SVgYayco0
このスレは「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」ということを想像して書き込むスレです。
「DQシリーズいずれかの短編/長編」「いずれのDQシリーズでもない短編/長編オリジナル」何でもどうぞ。
・基本ですが「荒らしはスルー」です。
・スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
・荒れそうな話題や続けたい雑談はスレ容量節約のため「避難所」を利用して下さい。
・レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので、スレが470KBを超えたら次スレを立てて下さい。
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい。
・物語の続きをアップする場合はアンカー(「>>(半角)+ 最後に投稿したレス番号(半角数字)」)をつけると読み易くなります。
前スレ「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら九泊目」
ttp://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1175450270/
PC版まとめ「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」保管庫@2ch
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html
携帯版まとめ「DQ宿スレ@Mobile」
ttp://dq.first-create.com/dqinn/
避難所「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(作品批評、雑談、連絡事項など)
ttp://coronatus.sakura.ne.jp/DQyadoya/bbs.cgi
ファイルアップローダー
ttp://www.uploader.jp/home/ifdqstory/
お絵かき掲示板
ttp://atpaint.jp/ifdqstory/
184 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/17(金) 00:05:18 ID:UfC39d0AO
合作乙!!
しなのさんキタ━━(゚∀゚)━━
ドラオでア〇フルのCM思い出したwww
あと合作以外の作品もwktkしてる。
185 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/19(日) 21:13:38 ID:X8G77rnL0
wktk保守
186 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:18:54 ID:AqZ9/iTZ0
〜作り合わされし世界〜
→ 冒険をする
1:しなの Lv4
→ 2:ヨウイチ Lv5
187 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:21:11 ID:AqZ9/iTZ0
十七、 うわさ
日が変わり昼、二人は買い物や用事を済ませシエーナの門にいます。
ヨウイチは買い物がてら町の人に話を聞いて回っていました。
石版の話をダンから知って以来、噂ではなく本当なんじゃないかとずっと考えていたのです。
ここシエーナでも聞いて回り、商人から貴重な話を聞くことが出来ました。
「ここだけの話、マウントスノーに石版を持っている金持ちがいるらしいぜ。
その石版をどこかの神殿に捧げると、願いがなんでも叶うそうだ」
話を聞いて、ヨウイチは石版を持つ人に会おうと決めました。
神殿についてはそれ以上の話は知らないらしく聞くことが出来ません。
まだ嘘か真かわかりませんが、今のヨウイチには元の世界へ戻るための唯一の手がかりになります。
「次はマウントスノーだ。 遠いらしいから覚悟しろよ」
「キキーキ?」
「いや。 途中に立ち寄れる町はないそうだよ。
かなり北にあるらしいから寒いって話だ」
「キィ…」
「そんなに気を落とすなよ。 ほら、こんなに食料だって薬草だって買い込んだ。
水は樹木から採れるって聞いたし大丈夫だろ。
毛布だって買ったんだぞ」
「キッキッ」
「ベッド? そんなの我慢しろよ。 それよりもう一つ、いい事きいたんだ」
石版の話のほかに別のうわさも聞いていたのです。
食料を売っていた商人が教えてくれました。
188 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:23:47 ID:3d1IXtP/O
リアルタイム遭遇(゚∀゚)
189 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:24:14 ID:AqZ9/iTZ0
「うわさ? そうですねぇ…
噂じゃないんですが商人仲間の話でしてね。
ここから北に進んだ森の中で不思議な町を見たって言うんですよ。
あの森には町なんてないんですけどね。
だいたい、あの男はいつもホラふ…─」
ヨウイチは噂や不思議な物事が好きでした。
商人の話を全部聞かないうちにドラオをつかまえ、出入り口までやってきたのです。
ドラオは興味がないので反対しましたが、ヨウイチの強引な押しに負けました。
「さー出発だ!」
「キィ…」
広い大地を目の前にして、能天気なヨウイチと不満なドラオは北へ向けてシエーナを発ちました。
190 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:27:12 ID:AqZ9/iTZ0
十八、 まほう
シエーナで買ったものは食糧や薬草、毛布だけではありません。
装備も買っていました。
「これは銅の剣っていうんだ。 かっこいいよな」
「キィー?」
「い、いや。 初めてなんだよ、本物は…」
銅の剣はずっしり重く、形は剣ですがまるで金属の塊でした。
初めての本物は不安ですが、自分がとても強くなった気にさせてくれます。
「キキキ?」
「防具は… もう金がなくて買えなかった」
「キィー……」
「ちがうよ。 ネックレスじゃなくてあのいんちきな薬草のせいだよ。
あれがなければ革の鎧っていう、ごついのが買えたんだけど」
「キッキキ」
「これ? これは旅人の服っていうんだ。
冒険者見習いの証らしいよ。 防具屋の人が最初はそれでいいって言ってた」
振り返るとシエーナははるか彼方、前のほうにはうっそうとした森が見えます。
嘘じゃないとしたらどうして騒ぎにならないのだろう。
遠いといっても見えるのに。
それでもヨウイチは自分の好奇心を抑え切れません。
もしかするとこの森の中で、元の世界へ戻れるかもしれないと思ったからでした。
191 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:28:22 ID:WyzySJvP0
支援
192 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:30:18 ID:AqZ9/iTZ0
路を外れ森へ足を踏み入れます。
ほとんど人が通ったことのないような、そんな雰囲気にヨウイチは心がわくわくします。
ドラオは体にまとわりつくツタや葉にとまどいながら、ヨウイチにピッタリくっつきました。
「隠された町なのかな。 森の広さで見るとかなり狭そうだ… ん!」
がさがさと音を立て、目の前にくらげのようなモンスターが現れました。
ホイミスライムです。
スコップを持ついたずらもぐらも、のそのそ後から出てきました。
「初めて見るモンスターだな。 剣の練習するんだったらスライムがよかったけど…」
いたずらもぐらがスコップをふいふいと振り臨戦態勢になります。
ホイミスライムは笑顔でじっとしていますが、それが逆に不気味でした。
ヨウイチは覚悟を決め、まずいたずらもぐらを倒すことに決めました。
「おらー!」
重たい剣をぶんと振り、いたずらもぐらをかすります。
腕にニブい感触が伝わり、どうやら小さな傷を負わせたようです。
それを見たホイミスライムが突然、たくさんの足をいたずらもぐらにくねくねとしました。
ヨウイチは驚きます。
傷がふさがり血は止まり、いたずらもぐらが元気を取り戻してしまったのです。
「ななな…!?」
今度はスコップが、動揺するヨウイチをかすりました。
ドラオはどうしていいかわからずにそこらを飛び回りおろおろしています。
「なんだったんだ??」
「キキッ?」
193 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:33:22 ID:AqZ9/iTZ0
考えてみても、いたずらもぐらの傷を治したのは薬草ではありません。
意味がわかりませんでしたが必死に剣を振るいスコップを払い、それを繰り返します。
何度かカチンカキンとしているうちにもう一度いたずらもぐらに当てることができました。
今度はかなり深い傷で、もぐらは動きが鈍くなっています。
よくわからない事をさせないように止めを刺そうと剣を大きく持ち上げたとき、
ささっとホイミスライムがくねくねしていたずらもぐらの傷を治してしまいました。
「また…!!」
いたずらもぐらはひょいと体を翻し、剣の落ちる場所から離れます。
そのままスコップで足を乱暴に叩き、ヨウイチはその一撃で膝をついてしまいました。
「あつっ!」
「キキキー!」
ドラオが道具袋から薬草をちぎって取り出し、ヨウイチの口へ押し込みます。
飲み込むと痛みは治り、こんな状況なのにドラオの器用さに感心してしまいました。
「あ、ありがとう。 いま思い出したけど、あれは魔法ってやつなのかもしれない」
「キィ?」
「…聞いてくれ。 いいか……」
「キ?!」
余裕な表情を浮かべじりじりとモンスター達が近づいてきます。
「魔法の事は後で教える! 生きてたら!」
「キィィィ〜〜〜!?」
ヨウイチの耳打ちに戸惑うドラオでしたが、ヨウイチは構わずいたずらもぐらを攻め立てます。
ホイミスライムは時々ふらふら動くのですが、勝利を確信しているのでしょう、攻撃はしてきません。
その証拠にスコップのほうが生身を切り裂く音をたてるのです。
194 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:37:12 ID:AqZ9/iTZ0
「いてぇぇ!! ちくしょうぅぅ!!」
もうボロボロで痛くて、剣も鈍くなっていましたが懸命に攻撃し続けます。
気迫に押されてしまったのでしょうか、いたずらもぐらが少し後ずさりした所に大きな一撃を与えます。
「よしっ! はぁはぁ!」
かなり堪えたのでしょう。
もぐらはクラクラして目の焦点があっていません。
とどめのために剣を振り上げます。
瞬間、ホイミスライムがくねくねしようと細い足を一本持ち上げました。
「キ、キキキー!!!」
大きなドラオの声が響き、ホイミスライムはくねくねしますがいたずらもぐらの傷は治りません。
ドラオの羽がホイミスライムの口を完全に塞いでいたのです。
「もう治してもらえないな」
力いっぱい剣を振り下ろし、いたずらもぐらにごすんと強烈な一撃があたります。
血は流しませんでしたがぐたりとその場に倒れこみ、いたずらもぐらが動くことはありませんでした。
「よっしゃ! ドラオよくやった!」
「キー!」
ヨウイチの声でドラオはホイミスライムから離れます。
「ふぅ。 さーお前、まだ戦うのか」
薬草を飲み込みながらホイミスライムを威嚇してみます。
無言のホイミスライムでしたが少しの沈黙のあと、静かにこの場を離れていきました。
195 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:38:19 ID:WyzySJvP0
支援スライム
196 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:38:46 ID:3d1IXtP/O
携帯支援
197 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:40:40 ID:AqZ9/iTZ0
十九、 眠りのまち
戦いを終えた二人は少し休むことにしました。
「ダンに聞いた話の受け売りだけど、魔法っていうのはな。
魔力を持つ人やモンスターが、その魔力を使って特別な力で攻撃したり癒したりするものらしい」
「キィ、キー?」
「うーん、魔力は… ごめん、俺もそこまでは覚えてないんだ。
で、さっきくらげみたいなやつが使っていた魔法はホイミっていって、傷を治す魔法だそうだ。
魔法を使うには魔法の名前を口に出さなきゃいけなくて、お前に塞いでもらった。
だからホイミは使えなかったってわけだ」
「キキー! キキィキキッキー」
「え。 なんだ、お前知ってたのかやつらの名前!
えー、もぐらがいたずらもぐらで、くらげがホイミスライムか… 変な名前だ。
てか、ホイミスライムはそのまんまじゃないか」
「キ」
「よく知ってたな。 モンスターだからか?」
「キキッ。 キィ〜」
「知らないけど知ってた……? よくわからないけどやっぱりモンスターだよ」
長く人間と暮らしていたものですから、そういった部分が潜んでしまっていたのでしょう。
何度かのモンスターとの遭遇で意識の深い部分が目を覚ましたのです。
「けど、突然おれを襲ったりしないでくれよ。 ははは」
「キ… キ!」
ドラオは笑わず、だけど強い返事を返しました。
198 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:44:16 ID:AqZ9/iTZ0
休憩を終わらせ、二人は森の探索を続けます。
森は、感じた以上にスカスカでした。
ヨウイチはここでよやく不安を覚えます。
「ほんとにあるのか…」
狭いとはいえある程度の広さを持った森です。
何度かの戦いを経て、周りはすっかり暗くなってしまいました。
「これ以上は… 松明を持ってても危険だ。
しょうがないから今日はここで寝よう」
「キ!? キィキィィ」
「仕方ないだろ。 どこから出られるかわからないんだ。
下手に動くとまたモンスターに襲われるし」
「キィ…」
野宿の準備を済ませ、保存食を食べます。
クレージュの保存食と違って少し甘い感じがします。
町によって味付けが違うのでしょう。
「さて… 今日はお前から寝ていいよ」
「キー」
ドラオが横になり、ヨウイチは銅の剣を抱え座り炎を見つめます。
「結局、町はなかった…
うそだったんだろうな、期待してたのに…」
少し、気が抜けてしまいます。
と同時にとても眠たくなって、ヨウイチはそのまま目を閉じてしまいました。
199 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:47:05 ID:WyzySJvP0
キング支援スライム
200 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:49:30 ID:AqZ9/iTZ0
「うぅむ… あ!」
大きな声を出してヨウイチは飛び起きます。
ハッと周りを見渡すと見たこともない景色です。
いえ、景色というよりはどこかの町にいたのです。
「え、え、え??」
「キィ… キッ!?」
隣で寝ていたドラオも驚き飛び起きます。
「な、なぁ。 俺たちシエーナの北で眠っていたはず…
いや俺は見張って… あぁ、急に眠くなって寝てしまったんだ…」
「キー?」
「ああ。 これが商人の言ってた町… なんだろうな!」
驚きはしましたが、ヨウイチは嬉しくて仕方ありませんでした。
こんな不思議な世界でこんなに不思議な体験が出来たのです。
それに商人の話が本当だったということは、石版や神殿の話だって本当かもしれません。
気持ちは高ぶり、大きな期待を抱くのでした。
201 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 00:51:11 ID:hBfdHBmW0
しえん
202 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 00:55:46 ID:Z9UkrszRO
規制されました。
解除まで起きてられないので今夜はここまでにします。
>>支援
いつもありがとうございます!
続きはまた明日にして、おやすみなさい!
203 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 01:12:00 ID:wxxLKecy0
乙です。
ドラオ賢いよドラオ。
204 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 01:13:07 ID:3d1IXtP/O
布団の中から乙
俺も寝る
205 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 01:26:06 ID:PcHSMrBE0
乙!続き楽しみにしています!
206 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 19:55:31 ID:hlwBMG0j0
〜作り合わされし世界〜
→ 冒険をする
1:しなの Lv4
→ 2:ヨウイチ Lv6
207 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 19:58:28 ID:hlwBMG0j0
二十、 夢のまち
「おぉぉ… これはすごい事になったぞ」
二人の寝ていた場所はずいぶん町のはずれで、誰かに見られたりはしていませんでした。
さっそく、この不思議な町を歩いて回ることにします。
「それにしたっていつの間に町へ入ったんだろうな」
「キィ」
「んー… あ! もしかすると眠ったからかもしれない!
だって考えてみろよ、俺たちは目が覚めたじゃないか」
「キキ!」
「たぶん、そうだ。
なるほど、あの森で眠らないと入れない町なのか。
だからシエーナの人にもわからない。 さしずめ夢の町ってところか…」
「キィキー」
「そうかもな。 俺たちはまだ寝てるか、夢の中で起きてるかのどっちかなんだろ。
ん、いや… 夢の中で起きてるっていっても、起きてないことになる、寝てる……?」
「キィ!」
「あ、ああ、ごめん。 行こうか」
一通り町を見て回りましたが、クレージュやシエーナとあんまり変わったところは見られません。
ちょっとがっかりしたヨウイチは、町の人に話を聞いてみることにしました。
内容はもちろん石版と神殿の話です。
こんな不思議な町なら知っている人がいてもおかしくないと思ったのです。
208 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:01:31 ID:hlwBMG0j0
「こんにちは」
「こんにちは。 ん、君は見ない顔だね。 旅人かい?」
「えーと、ついさっきこの町にきたばっかりなんだ」
「そうかい。 クリアベールへようこそ。
それで、僕に何か聞きたいことでも?」
「願いをかなえてくれる石版や、不思議な神殿の話を聞いたことないかなと思って」
「うーん。 すまないね、聞いたことないよ」
「…ありがとう」
まだ一人目です。
簡単にたくさんの話を聞けるとは思っていませんが、町の名前を知ることが出来ました。
「クリアベール… きれいな名前だな。
今度はそこの道具屋に入って聞いてみよう」
「キー」
道具屋にはいると体格のよい店主がにこやかに話しかけてきました。
「いらっしゃい! うちでそろわないものはないよ!」
「あ、はぁ… それで聞きたいんだけ─」
「はい、はい! こちらなどどうでしょう?」
ヨウイチが話を聞こうとしているのに、なぜか店主は品物を勧めてきます。
「ちがうんだ。 薬草じゃなくて─」
「いやですねぇ、お客さん! これは薬草じゃなくて"ど・く・け・し・そ・う!"
冗談なんか言って、もしかしてお気に召さなかった?! ならこれはどうです?」
「いや─」
「これ、すごいでしょう… ほら!
急所にさすと一撃でモンスターを葬れる毒の針! ほらっほらっ ね?!」
209 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:01:51 ID:vgQt8tFo0
よっしゃ支援!
210 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:05:10 ID:hlwBMG0j0
今まで見たことのないテンションで、ヨウイチとドラオは断れません。
そのまま愛想笑いをしながら最後のせいすいを出されたところでやっと、言いました。
「ちょっとまってくれ。 俺たちは買い物しにきたんじゃない。
話をしたいんだ」
「え?! え… な、なんだそうですか…
それならそうと早くいってもらわなくちゃ…」
「す、すまない… ええと、石版とか不思議な神殿とかの話を聞いたことないかな?」
買い物に来たのではないとわかったとたん、店主はすっかり元気を無くしてしまいました。
「はぁ… まるっきり聞いたこともございませんよ…」
「そうか… もう一つ聞いても?」
「…なんでしょう?」
「あんた、なんでそんなに必死にしつこく売ってくるんだ」
「それは… うちのカミさんが… 売れなきゃ怖いから…」
「……そうか」
しばらくして、道具屋を出ました。
「キィ」
「仕方ないだろう。 …お前にはわからないだろうが、仕方ないんだよ」
道具袋には新しい道具のせいすいが一つ、追加されていました。
「はぁ。 なんか落ち込んだ。
嫁はいないけど… なんか、わかるんだよなぁ」
「キーキィキィ」
「それもそうだな。 よし、気を取り直して別の人に話をききにきくか!」
211 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:07:07 ID:vgQt8tFo0
作り合わされし支援
212 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:10:00 ID:hlwBMG0j0
二人は噴水を眺めながらゆっくり歩きました。
会談を昇り、何の気なしに見回すと、なにやら犬と三人が会話しています。
ヨウイチは不思議に思い近づきました。
聞き耳を立てるとやっぱりどうも犬と会話しています。
さらによく観察してみると、三人のうち一人の男が犬と会話しそれを男女へ伝えていました。
犬の言葉がわかる人間がいることにびっくりしましたが、ヨウイチは良く考えます。
もしかすると犬ならば、石版や不思議な神殿をしっているかもしれない。
伝えられた犬の言葉をふむふむと聞く男女を見て、ヨウイチはあの犬が特別なんじゃないかと思えてきました。
石版も神殿も知っているかもしれないぞ。
ぜひ、話さないといけない。
しばらく待って、男女が去ったのを確認して犬と男に話しかけます。
「なあ、あんた。 犬と話ができるのか?」
「ええ、出来ますよ」
犬は、興味がありそうでないようなそんな目です。
何か言いたそうなドラオの口を塞ぎ、期待を抑えながら聞きました。
「面白そうだな。 ちょっとやってみてくれよ。
名前はなんて?」
「ゲレゲレじゃないだろうか。 と言っています」
「何で自信なさげなんだ? まあいいや。
ゲレゲレは石版について何か知らないか?」
「ゲレゲレにはいない嫁探しならするそうです」
「え、嫁探しだって? 石版は知らないのか…」
213 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:14:08 ID:hlwBMG0j0
石版を知らないというゲレゲレにヨウイチはちょっとガッカリしましたが質問を続けます。
「じゃあ、不思議な神殿の話を聞いたことは?」
「死んでも知らない。 行けないと言っています」
「ん… よくわからない答えだけど…」
神殿はしっているが危険なので教えたくない、そうヨウイチは解釈します。
「神殿についてもっと詳しく聞いてくれないか」
男が今度は長めに犬と会話します。
「いきたいなら戻らなければならない、と言っています」
「え。 どういう事なんだ……」
ヨウイチは一生懸命に聞いた話を理解してみます。
『神殿はとても危険だ。
だから教えられないが、どうしても行きたいのならここにいてはいけない。
戻らなければならない』
ヨウイチの中で答えはまとまりました。
「なるほど… よくわかったよ、ありがとう」
ゲレゲレと男に礼を言い、二人は目覚めた町のはずれへとやってきました。
背中の荷物を降ろし、ヨウイチはやっと塞いでいたドラオの口を開放します。
214 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:16:48 ID:vgQt8tFo0
ゾーマ「我が規制の中で生き絶えるがよい!!」
215 :
作り合わされし世界
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:17:48 ID:hlwBMG0j0
「…! キー!!」
「い、いやぁ。 すまん、だってお前ゲレゲレに飛びかかろうと…」
「キキキキ!」
「不思議な感じ? そりゃあそうだろう。
なんたってゲレゲレは教えてくれたんだ、神殿の存在を!」
興奮してちょっと大きな声で言いました。
神殿があるのなら、石版の噂だって本当に違いないからです。
なんでも叶える、その石版の噂です。
「まぁそう怒るな。 でかい収穫があったんだから。
とにかく、希望がわいてきた。
さぁ、戻ってマウントスノーだ!」
その場で座り込みじっとします。
ですが、一向に森へ戻ることが出来ません。
「…どうやって戻るんだ?」
「キィ… キキ!」
「あ! そうか、寝るんだ。
起きればきっと戻ってるよな」
すぐさま二人は寝転びます。
が、陽がじりじり照り付けてまぶしくて眠ることが出来ません。
「無理だな」
その一言になぜかドラオがおかしそうに羽をぱたつかせ、つられてヨウイチも笑ってしまいます。
ひとしきり笑って空を見上げていると、二人はいつの間にか眠ってしまうのでした。
216 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/20(月) 20:22:10 ID:hlwBMG0j0
本日はここまでです。
>>vgQt8tFo0 さん
支援ありがとうございます。
ゾーマ「解除あるかぎり 規制も また ある……。 ぐふっ」
217 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:25:28 ID:vgQt8tFo0
タカハシさん乙!w
〜作り合わされし世界〜
→ 冒険をする
→ 1:しなの Lv5
2:ヨウイチ Lv6
218 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:28:59 ID:3d1IXtP/O
うはっ(゚∀゚)
219 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:30:41 ID:vgQt8tFo0
○第八話
『好き』
好きと相手に伝える事は、特別な事だと思う。
けれど客を喜ばす為だけにしか使われない私の言葉は何の価値も持たない。
こんな仕事をしている者の「好き」は媚びや社交辞令でしかないからだ。
本気の恋は許されない職業。
そのくせ一人前に恋をしたいなどと思う自分がいた。
擬似恋愛で一時の安らぎを与える商売。
それでも本当の自分を見て欲しいと思う自分がいた。
そしてそんな自分が嫌いになるくらいに、私は恋をしていた。
けれど私の中のズルイ部分がそれを実らせなかった。
どうしても私は人の心を試すような事をしてしまうのだ。
だからなのか、彼らが私の仕事についてどう思うのか知りたがってしまった。
嘘をついた訳ではないが、何故本当の事を言ってしまったんだろうと思う。
人に気を使って嘘を付くのには慣れていたはずなのに……
「おい」
誰かの呼ぶ声が聞こえる。
「おい! しなの!」
んん……
「起きたか?」
いや、まだ寝てる……
「起きてるじゃねぇか……」
220 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:32:54 ID:IAmEUJMq0
支援
221 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:36:06 ID:vgQt8tFo0
何だ、アレフか……どうした? もう出発か?
「いや、その、だな……」
目が泳いでるぞ。
「……お前に謝りたい! どうすりゃいい?」
え……いきなり何だ。
どうすればいいと聞かれてもな。
「俺、お前の機嫌悪くさせちまったんだな」
あぁ、昨日の事か?
「あの後アレンに叱られちまったよ」
……この仕事はあまり認められないからな。
「いや、俺は別にどんな職業だって軽蔑したりはしねぇよ。
むしろそういう仕事は尊敬したっていいと思ってる。
モンスター相手にするより人間相手にする方がめんどくせぇからな」
そういうもんかな?
「そういうもんさ。少なくても俺にはできねぇ。
誰かに嘘笑いするなんて特にな」
私は勇者アレフの方がよっぽど凄いと思うがな。
私よりよっぽど世界の為になっているだろ?
222 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:42:06 ID:vgQt8tFo0
「呪われちまうような勇者のどこが凄いんだよ……」
まぁそう言うな。
「……」
私が言葉を続けなかったせいでアレフは所在無いのか、視線がせわしない。
猪突猛進なアレフのこんな弱気な姿を見れるのは貴重だと思う。
少し意地悪かな。
「……許してくれるか?」
いや、許さない。
「……」
アレフが私に呪文を教えてくれるまで許さないぞ。
「え……」
何をぽかーんとしてるんだ。
教えてくれないのか?
「……そんなんでいいのか?」
あぁ。いいだろ?
「よし分かった! じゃあまた後でな!」
途端に嬉しそうな顔をしてアレフは寝床に戻って行った。
223 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:42:31 ID:hlwBMG0j0
シエン
224 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:47:21 ID:vgQt8tFo0
アレフは何も悪くない。
悪いのは私だ。
自分の気持ちを言わずに相手に合わせて話を進めるのはズルイやり方なんだし、
許すも何も私にとっては謝らせてすまないという思いしかないのだが、
アレフの気持ちを無下にする事もできなかった。
けれどアレフの率直な言葉を聞いて安心したのも事実だ。
こんな私の事を少しも不快に思っていないようだ。
形としては私がアレフを許すという事になってしまったけど、
今はアレフの優しさに甘えさせてもらおう。
そして早く呪文を覚えて2人の役に立てるように頑張ろうと思う。
それにしても、あんなに申し訳なさそうにしているアレフは初めてみたな。
早朝に起こしたのはきっとアレンにバレるのが恥ずかしかったからだろう。
そんな事を思うと自然と顔がほころんでしまった。
案外カワイイところもあるじゃないか。
ふふ。
「いいか? 呪文ってのはだな、こう腹から吐き出すような感じでだな」
何だその嫌な例えは……
「だから〜こう体術とは少し違うって事だよ。
中にあるものを引き出すってぇの?」
「精神の具現化、ですか?」
「あぁ、そんな事誰かが言ってたな。それだよそれ。
つまり〜精神を具現化して〜」
その日からさっそくアレフに呪文を教えてもらう事になった。
なったのは良いのだが、どうもな。
225 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 20:48:03 ID:IAmEUJMq0
支援
226 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:52:28 ID:vgQt8tFo0
「こうだよ、こうっ! 分かったか?」
いや、ちっとも分からん。全然。さっぱりと言う程にさっぱり。
「何だ物覚えの悪いヤツだな」
……これは私が悪いのか?
呪文を見たのも昨日今日だっていうのに、いきなり使えるようになる訳ないだろ。
だいたい人の手から炎が出るのは何かおかしくないか?
「おかしかねぇだろ。立派な力だ」
「しなのさんの中に呪文を否定する考えがある、
というのが呪文を使えない理由の可能性がありますね。
イメージは大切ですが、どうせなら良い方向に意識を持っていきたいですね」
そういうものなんだろうか……
と言うかアレフの説明が下手過ぎて困る。
「あんだと? じゃあアレンが教えろよ」
「僕は理論しか理解していません。練習はしましたけどね」
「それでも勇者かよ」
「パーティー内で役割分担出来ていればいいんですよ」
「よし、こうなったら一発呪文食らってみるか?
そうすりゃ呪文が本当だって身をもって分かるだろ。
安心しろ、すぐにホイミしてやっからな」
「ちょっと父さん!」
さすがに呪文を受けるのはイヤだな。
とりあえずイメージトレーニングとアレフの呪文をよく見る事が私の課題となった。
課題と言われると学生に戻った気分だが、この様子だと前途多難な予感……
227 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 20:57:29 ID:vgQt8tFo0
○第九話
『モンスター強襲』
いくつかの町や村を回り、ようやく泉があるという情報を得た私達。
昨晩は宿屋のベッドでぐっすりと眠れたから気持ちが良い。
朝食もしっかりと食べ、元気良く村を出発する事が出来た。
「そんでよ〜ローラがお姫様抱っこしろとか言いやがってよ〜
仕方なくやってやったんだよ〜重たいのによ〜
んでモンスターが来やがったからローラを放り出したんだよ〜
そしたら滅茶苦茶怒りやがってよ〜」
そんな話をしながら林を抜けると、泉というよりは湖に近いだろう場所にたどり着く。
アレンの話では洞窟の深奥に勇者の泉はあるらしいから、
ここではないだろう事はすぐに分かった。
「本当にたどり着けるんでしょうか……」
「あのジジイめ! 嘘つきやがったな!」
さすがに嘘つき呼ばわりは酷いだろう……
「この世界がどうなっているのか未だに未解明なのですから、
誰にも責任はありませんよ」
異世界への召還か、リアルな夢物語か、はたまたタイムスリップか。
そのどれでも説明のつかない世界異変の原因が色々と噂されているようだった。
竜王の支配、邪教の布教、聖なるオーブの喪失、魔族の、教団の陰謀、
魔王の夢、天空城の墜落、石版の収集、賢者の捜索、等々。
様々な憶測が飛び交い、議論され、人々の話題を独占していた。
私もそれについては大いに興味がある。
それが分かれば私が帰る方法も分かるか――
228 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:02:35 ID:vgQt8tFo0
「しなのさん!」
「下がれ!」
な、何、だ? 地震……?
ググッと地面が揺れ、不快感と不安感が一気に増す。
「来るぞ!!」
アレンとアレフが森の方に振り向き、武器を構える。
風も無いのにビリビリと木々が震え、2人の雰囲気が緊張したものに変わっていく。
周囲を警戒していると、私達が通って来た林道から1人の男が飛び出して来た。
「逃げろ!」
男は私達の姿を認めると持っていた剣を斜めに振り、危険を訴えかける。
一番に目に付くのはその不気味な兜。
近くに寄るまでもなくそれが嫌なものだと分かる。
男が一度振り返って後ろを確認した事で何かがいる事を理解する。
そういう事を観察できるくらいに一瞬辺りが静かになった後、
男の後ろからモンスターが視界を覆い尽くすくらい大量に姿を見せた。
「何だってんだよ!!」
アレンとアレフは少しの怯えも見せずにモンスター達と戦闘を開始した。
地を這うもの、空を翔けるもの、素早いもの、力強いもの、呪文を唱えるもの。
同じ種類の生き物がいないと言っていいくらいに多種多彩な群がりだった。
モンスター達の目標に私達が加わったようで、こちら目掛けて駆けて来る。
私はその光景に圧倒され腰が抜けたように座り込んでしまった。
本能をむき出しにして命を狙ってくる野性というものに生理的な嫌悪を覚えた。
229 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 21:03:10 ID:IAmEUJMq0
支援
230 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:05:55 ID:vgQt8tFo0
「はっ!」
アレンの流れるような剣捌きに成す術なくやられていくモンスター。
コウモリ男の翼を落とし、豪傑熊の目を潰し、鎧剣士の剣を弾き飛ばす。
突出してきたモンスターだけを狙い、戦闘不能にできれば良いと考えてるのだろう。
余計な体力を使わないためにもそれはとても有効な手段だった。
そして攻撃する瞬間には次の目標に目をやっている。
モンスターの間を駆けて行く脚のバネが素晴らしい。
「食らえっ!」
力任せに敵を串刺し、攻撃呪文を唱え、殴りつけ、蹴り飛ばす。
宝箱モンスターを燃やし、一つ目巨人の腹を斬りつけ、スライムを握りつぶす。
多少の傷は気にもせず、ただただ真っ直ぐ突進していくアレフ。
彼の迫力だけで逃げ出してしまうモンスターもいるようだった。
その後を追いかけようとするのだけは止めて欲しいが、
荒々しくも怪物に物怖じしないその勢いが凄まじい。
「……」
そしてアレンとアレフと一緒に私を守ってくれるもう一人の男。
全体の成り行きを見、穴を埋めるようにして呪文と剣を使い分ける。
敵の層が厚い場所に雷を落とし、思わぬ攻撃をして来たモンスターを軽くいなす。
さらにアレンとアレフの足場を上手く確保したりして、サポートも上手くこなしている。
先程出会ったばかりだとは思えないほどにチームワークが取れている。
この人ならどんな人とでも上手く連携が取れるのではないかと思う。
攻守自在の名選手、という感じだろう。
231 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:09:53 ID:vgQt8tFo0
「しなの! しっかりしろ!」
大きな口を開け鋭い牙で私に噛み付こうとした猿が目の前でアレフに斬られる。
猿の血が顔にビチャリと付着する。
そうだ……しっかりしろ……!
グイッと頬を拭い、立ち上がる。
薬草やらが入った袋を握りしめ、サポートに回る。
せめて足手まといにならないように。
私は必死にナイフを振り回し、聖水や斑蜘蛛糸を投げつけるしか出来なかったが、
男達は即興にも関わらず見事に互いを補い合い、モンスターを撃破していく。
しかしジリジリと詰め寄られ、とうとう水際に追いやられてしまう。
足首まで水に浸かった時、何かが絡みついてきた。
うわっ! 助けっ……!!
「湖のモンスターが!!」
水中に全身が引き込まれるが、溺れる前にアレンが助け出してくれた。
ゲホッゲホッ!! ゴホッ……!
す、すまない……
「チッ! このままやってもしなのが疲れるだけだぜ!」
「いったん逃げましょう! キメラの翼を!」
「いやダメだ。私は集落には近づけない」
何故か男が反対し、アレフが男を鋭い目で睨みつけた。
「あ? なら置いてくぜ?」
「それが一番だ。行け」
「行きますよ!」
え、ちょっと待――
232 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:13:17 ID:vgQt8tFo0
と私が叫ぶ前にアレンがキメラの翼を空に放り投げる。
モンスター達の叫び声が遠ざかっていくのが聞こえ、私達3人はレーベの村へ舞い戻った。
辺りが急に静かになった。
怪我をした場所が唐突に痛みを訴えかけてきたのがとても不快だった。
「はぁはぁ……大丈夫か? しなの」
「いったん、宿屋へ……」
どうして……
「あ?」
どうして逃げたんだ?!
あの人死んじゃうじゃないか!!
「しなのさん! 行っては駄目です!」
いや、私は行くぞ。
このままじゃ私のせいだ。
私が弱かったせいで誰かが死ぬなんて!
「おいしなの! ちょっと待てよ!! お前が行って何が出来る!」
放せ!
そんなヤツだとは思わなかった!
勇者なら彼を助けようとするんじゃないのか?!
233 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 21:15:38 ID:IAmEUJMq0
一体何者なんだ支援
234 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:18:05 ID:vgQt8tFo0
「しなのさん! 誰も助けないだなんて言ってませんよ!」
「そうだぜ。ほら、震えてるじゃねぇか。ちょっと落ち着けよ。
逃げたのは足手まといなしなのを村まで送っただけに決まってるだろ」
……
「アレフさん……」
「うるせーな、分かってるよ。んじゃあ行くのか? もう助けてやらねーぞ」
「冗談ではなく、次は本当にあまりかばえないかもしれません。
あの数を殲滅するには本気でやらないといけませんから。
覚悟して戦って下さい」
……そうか、すまなかった。
早まったよ。
「まぁ俺らはパーティーだからな! 何するにも一緒ってヤツだ!
のけ者にしようとして悪かった!」
いや私が弱いのは事実だからな……
アレフ、私に力を貸してくれ。
「あぁ、気合入れろよ?」
「しなのさん、絶対に死なないって僕と約束して下さい。
しなのさんがいなくなったら僕は泣きます」
ちょ……分かったから抱きつくんじゃない……!
恥ずかしいだろ……
「ヒューヒュー! よっしゃ、行くぜ!」
その掛け声にうなずき、私達は湖目指して再び林道を走り出した。
ナイフを握りしめた手に力を込めて、もっと強くなりたいと願った。
235 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/20(月) 21:24:07 ID:vgQt8tFo0
今日はここまで〜!
支援ありがとうございました〜
ようやくドラクエっぽくなってきたかと思います。
え〜合作は順調に進んでいるのですが、
合作以外の作品の投下がなされていないようなのでお願いを一つ。
もし合作の為に投下を控えている書き手さんがいましたら、
作品投下を楽しみにしているので、どうぞ遠慮なさらずに投下してください。
もし僕の勘違いでしたらサーセンwwww
あ、あと合作参加者まだまだ募集してますので、そちらもヨロシクw
ではでは( ^ω^)
236 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 21:50:30 ID:IAmEUJMq0
お二方ともに乙でした!
237 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 22:32:57 ID:EY/uuBIw0
あ〜、どっちも続きが気になる〜
タカハシさん、暇潰しさん乙です!
この10スレ目の舞台、最初はどうなるんだろうと思ってましたが
かなりいい感じになってますね。チョッとしたニアミスなんかもあったりして
昔の富士見ファンタジアのタルウェシリーズみたいで面白いです。
この先の展開楽しみにしてます!
238 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:09:32 ID:IAmEUJMq0
はいどうも、キム皇を仲間にした俺が登場ですよ。
なんだか久し振り? それは気のせい。
7月7日? 前スレ540? 何のことです?
ま、それはそれとして。
ファミコン神拳の一人、キム皇に魔力があるかどうか――魔法が使えるかどうか調べてもらったわけですよ。
キム皇曰く、「魔力はあるものの、自分達のものとは異質な魔力を感じるだす」とのこと。
ドラクエ世界の住人じゃないからか?
「魔力があるなら魔法は使えるんだよな?」
「使えるだすよ。最初はギラやホイミ辺りから始めて徐々に上のランクに上げていくといいだす」
そりゃそうだ。
ハナっからメドローアやメゾラゴンなんかできるわけねえもんな。
「具体的にどうすんだ?」
「集中とイメージだす。体を巡る魔力を一点に集め、その魔法を生み出すんだす」
「集中とイメージ……ね」
魔力を集中し、炎が生み出されるイメージ。
囁き――詠唱――祈り――念じろ!
「ギラ!」
239 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:10:39 ID:IAmEUJMq0
無事にギラは発動した。
キム皇の評価では「ギラの上位魔法であるベギラマ以上」らしい。
た だ し 魔 法 は 尻 か ら 出 る !
「うん、死のう」
「待て待て! 落ち着け! 死ぬな!」
「死ぬしかねえだろ! 尻からギラ出す奴どこにいるんだよ!」
「……たった今自分で出したじゃないっすか」
「殺す! こいつマジ殺す!」
勉三の分際でこいつはもうqあwせdrftgyふじこlp
「やめろ! キムこうも余計なこと言うな!」
「止めんな! 殺させろ!! ギラギラギラギラ!!!」
俺がギラと叫ぶたび、尻から炎が出て宿屋を燃やす。
手や杖から炎を噴出しているならまだわかるが尻から出ているのはさぞかしシュールな光景だろう。
尻から炎を噴き出したことがあるか!?
見てる奴らは呆然といかにも「何が起きた」って顔つきだ、わかるか!?
人は怒り叫びながら尻から炎を出せるんだ!!
お前だってきっとできるぜ、気がついてないだけでな!!
「ゆうてい!」
「はい。――ちょっと眠ってください」
最早何を言っているのかわからない俺の首筋に手刀を打って気絶させた――そう知ったのは、翌日のことだ。
その場は収まることは収まったし冷静にもなった。
だが、魔法は尻から出る。
この現実だけはどうしようもない。
240 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:11:47 ID:IAmEUJMq0
「12発?」
目が覚めて昨日のことを謝罪した俺に対し、ファミコン神拳三人衆は意外な数字を告げてきた。
「何度もギラを連呼したっすが、12発目を撃った後はギラは出てこなかったんだす」
「今の貴方のMPはギラ12発が限界と思ってください」
確かギラの消費MPは3だから最大MPは36……いや、FC版は消費MPが2だったから24か。
「自分は何がどれだけ唱えられるのか。これは戦闘において非常に重要なことだす」
呪文を使う場面でMP切れは確かに辛い。攻撃呪文はまだいいとして、回復呪文が使えなくなったら大変だ。
「魔法力の限界がわかったのは不幸中の幸いだな」
尻から火が出るのは不幸ですかそうですか。
「あれだけ連発できるのは初めて魔法使ったにしては悪くないだす……発動方法は問題だすが」
「ギラの火力もその辺の魔法使いと遜色はないようですし、すぐに上手くいきますよ……発動箇所も」
何これ? 俺慰められてるの? それともバカにされてるの? クマ2匹が馬鹿にしてくるAAが俺の頭をよぎるんだが。
尻から火が出るのは確かにバカにされる要素満載だけどさ、何もいじめなくたっていいじゃない。
実際に俺の目の前で尻から火を出す奴見たら指差してゲラゲラ笑うけど。
きっとこうなることを恐れてククリは一ヶ月コースを選ばなかったんだな。
「まともなギラが撃てるまで竜王の城に行かねえぞ」
「そのことだが、魔の島に渡る橋がない」
「橋の心配はしなくていい。俺に秘策がある」
「はあ」
「それよりも、魔の島に向かうまでにどんなモンスターが出るか調べに行ってくれ」
「あなたはどうするんですか?」
「特訓だ。キムこうと一緒にな」
「……あてと、だすか?」
「まさかイヤとは言わねえよな?」
「あてはイ――」
「な?」
「……わかっただす」
241 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:13:29 ID:IAmEUJMq0
というわけでリムルダール郊外。
/ ̄\
| ^o^ | <ギラを となえます
\_/
_| |_
| |
/ ̄\
| | <しりから ださないでください
\_/
_| |_
| |
/ ̄\
| ^o^ | < ギラ!
\_/ ,,从.ノ巛ミ 彡ミ彡)ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡)''"
_| |_ 人ノ゙ ⌒ヽ 彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)'
/ ) ,,..、;;:〜''"゙゙ ) 从 ミ彡ミ彡)ミ彡,,)
/ / // ,,..、;;:〜-:''"゙⌒゙ 彡 ,, ⌒ヽ ミ彡"
⊂⊂/ |::::::゙:゙ '"゙ ミ彡)彡''"
/ / / ``゙⌒`゙"''〜-、:;;,_ ) 彡,,ノ彡〜''"
| || ゙⌒`゙"''〜-、,, ,,彡⌒''〜''"
○○ "⌒''〜"
/ ̄\
| | <しりから だすなと いっている
\_/
_| |_
| |
これをくり返すこと5回。
俺の魔法オワタ\(^o^)/
242 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:15:19 ID:IAmEUJMq0
「魔法発動のイメージは悪くないだす。問題は魔力集中の場所っす」
「掌だろ」
「魔力の流れを見る限り、どうやら掌から魔法が発動するイメージのみで、掌に魔力を集中させていないだす」
「ちょっと待て。魔力が掌に集まらずに尻に集中してるってことか? なんでまた尻に?」
「それはあてが聞きたいだす。どっかで尻から魔法を出す魔法使いでも見ただすか?」
「……グルグルか」
「グルグルが何かわからないだすが、そのグルグルとやらのせいで潜在意識の中に『魔法は尻から出る』と刷り込まれているんだす」
「どうすりゃいい?」
「掌に魔力を集中させることを強くイメージすればいいだす」
……掌に集中か。
「呪文を唱える時はどんな構えでもいいんだろ?」
「ま、まあ、別にどんなポーズを取ろうがかまわないだすよ」
俺の年代で掌に集中と言えばこれしかない。
脚を肩幅に開いて腰を軽く落とし、両掌を腰の横に構える。
思い描くは唯一つ。
両掌の中心に魔力を集中。
「か――」
囁き。
「め――」
詠唱。
「は――」
祈り。
「め――」
念じろ――!
「ギラああああああああああああああああああああ!」
243 :
魔法の俺らんど
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:16:31 ID:IAmEUJMq0
「手から出た……よな?」
「……出ただす」
「どうよ?」
「普通のギラだすね」
ちくしょう……ちくしょおおーー!!(AAry
「かめはめギラああああ!」
「普通のギラだすね」
「かめはめギ(ry」
「普通のギ(ry」
「かめは(ry」
「普通(ry」
「か(ry」
「(ry」
連続でかめはめギラを出すこと4回。
当初の目標通り尻ではなく掌からギラは発動できるようになったものの、尻以上の威力はなくなった。
「威力が落ちたとは言えギラとしては問題ないからいいじゃないだすか」
「そういうことにしておくか……」
「ところであの構えはなんだすか?」
「亀仙流の奥義とも呼べる大技――かめはめ波だ」
当時ジャンプを――ドラゴンボールを読んだことのある子供は誰もが一度は真似したことがあるだろう。
ガキの頃に誰もが真似したことを、恥ずかしげもなくやってのけた俺はもっと評価されていい。
もうそろそろ27になるけど。
有名な復活の呪文、ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじ――と来たら鳥山明とぺぺぺぺぺ(ryしかないだろう。
ゆう帝ミヤ王キム皇と揃っていて鳥山明がダメだということはない。
ドラクエ世界でドラクエ絵師の技を使って何が悪い。
鳥山先生ありがとう、あなたのおかげでギラが撃てました。
(PN・ドラクエ大好きっ子/26歳・男)
244 :
◆yeTK1cdmjo
:2007/08/20(月) 23:23:56 ID:IAmEUJMq0
遅くなりました。
投下終了です。
245 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 23:36:46 ID:tsJ4gFbcO
尻だとベギラマ
かめはめ波だとギラ
246 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/20(月) 23:42:14 ID:vHzCLI6YO
支援出来なかった〜久々乙!!
247 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/21(火) 01:23:18 ID:kyLwwSEW0
ここでグルグルネタっすかwwwwwwwwww
意表つきすぎて爆笑しましたよwwwwwwwwwww
248 :
◆Tz30R5o5VI
:2007/08/22(水) 02:19:37 ID:SKLZkWu/O
>>1
乙
249 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/22(水) 18:57:28 ID:mLuy6aNl0
〜作り合わされし世界〜
→ 冒険をする
1:しなの Lv5
2:ヨウイチ Lv6
→ 3:タロウ Lv1
250 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/22(水) 18:58:20 ID:mLuy6aNl0
・第1話 タロウの犬冒険
僕が目を覚ますと、そこは知らないところだった。
起き上がってうろうろ歩き回るけど何が起こったかわからないよ。
『きゃあ! あんたどっから入ってきたのよ!』
この家のおばさんに怒鳴られて僕はそこから逃げ出した。
僕だってどうしてここにいたのか分からないのに。
後で分かったことだけど、僕がいたのは宿屋という建物だったらしい。
僕の名前はタロウ。
どうして僕はこんなところにいるんだろう。
昨日はちゃんと自分のお家で寝たはずだよね。
ひょっとして僕、捨てられちゃったのかな。
ううー、僕が血統書のない普通の犬だからってひどいよー!
でも、まだ捨てられたって決まったわけじゃないよね。
もしかしたら僕のことを探しているかもしれない。
どうにかして戻らなきゃ。
だけど、本当にここはどこなんだろう。
周りは嗅いだことない匂いばっかりだ。
お家に帰りたいよー。
251 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/22(水) 18:59:11 ID:mLuy6aNl0
……あれれ、なんだか懐かしい匂いがする。
僕知ってる! これって香水っていうものの匂いだよ!
お家にいたとき嗅いだことがある。
僕はうれしくなって尻尾を振ってしまう。
どこから匂いがするんだろう……。
分かった! あのお姉さんからだ!
「くーんくーん。」
僕はいい香りのするお姉さんにピョンと飛びつくと小さく鼻を鳴らした。
お姉さんは大はしゃぎだよ。
『どうしました? そんなに犬が珍しいのですか?』
お姉さんと一緒にいたゴーグルのお兄さんが何か言っている。
そんなことをまったく気にしないでお姉さんは僕をなでなでしてくれる。
きゃあ肉球はやめて!
『犬に限らないが、動物は好きなんだ。』
お姉さんうれしそう。もしかしたら僕をお家に連れていってくれるかな。
なんだかお姉さんが僕を仲間にしたそうにこっちを見ている気がするよ。
『でもちょっと連れて行くわけには行きませんね。』
ゴーグルのお兄さんが反対している。このお兄さんは犬が嫌いなのかなぁ?
『一緒に行きたくないでちゅ〜』
もう1人のお兄さんも反対してるみたい。まるで鬼だよ。角まで生えているし。
でも、何であんな変な喋りかたするんだろう?
しぶしぶお姉さんは僕をそっと地面に置いた。
ううう、どうやら連れて行ってはもらえないみたいだよ。
お姉さんは名残惜しそうに僕の方を何度も振り返っている……。
ああ、また一人ぼっちだー。
252 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/22(水) 19:00:14 ID:mLuy6aNl0
「よっ、どうした不景気な顔して。」
突然知らない犬に話しかけられた。
「あのね。僕、迷子なの。」
「おいおい、お前も犬なら自力で帰ってみろ。」
「そうしたいんだけど変なんだ。知らない町、知らない人、知らない匂い……」
「何も分からないってか。ここはレイクナバって町さ。」
「聞いたことないよ。」
「確かにこの辺じゃ見ない顔だな。お前、名前は?」
「僕タロウ。」
「タロウか。変わった名前だな。俺はトーマスって言うんだ。狐狩りの名手さ。」
「え、狐さんがいるの? 僕もお友達になりたい!」
「お前狩りの意味分かってないだろ。そんなことじゃ帰るどころか町から出られないぞ。」
「どうして?」
「町を出たらモンスターが襲い掛かってくる。戦えなきゃやられるだろ。」
「えー! ところでモンスターって何?」
「何って、モンスターはモンスターだよ。戦えないなら腕に自信のある人間について行け。」
「うー、そんな人の当てがないよ……。トーマスさんは外に出るとき誰かについて行くの?」
「そそそそ! 前はトルネコって人についていったんだ。もうこの町にはいないけどな。」
こんなことならさっきのお姉さんに無理にでもついていけばよかったよ。
「仕方ない。モンスターと出くわしても何とか逃げ延びる術を教えてやるよ。」
「本当! ありがとう!」
「なめまわしと言って相手の顔をなめてひるませる技だ。」
「うう、なんかやだな。」
「我慢して覚えろ。」
タロウはなめまわしを覚えた!
「ここから昼に太陽のある方角に行くとエンドールというでかい町がある。
そこから日の出の方角にある洞窟を抜け、山を登ると小屋がある。そこに勇者がいるそうだ。」
勇者は世界を救った英雄なんだって。彼だったら何とかしてくれるかもしれない。
僕はトーマスさんとお別れをして、勇者のいるという山奥の小屋を目指すことにした。
253 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/22(水) 19:01:14 ID:mLuy6aNl0
第2話に続く
254 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/22(水) 19:16:39 ID:9AsK3EMt0
タロウさん、きたー。
お姉さんはしなのさんかな。
255 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/22(水) 23:24:14 ID:i2HGURx60
めぐみさんの人だな
256 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/08/22(水) 23:25:18 ID:i2HGURx60
これは恥ずかしいw
257 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 00:32:52 ID:rN1W/mQe0
タロウ編、投下乙!
文中のお姉さんは、やっぱしなのさんだよな?
クロスオーバーおもしろい!
次は4勇者の登場か。
どういう性格で来るか楽しみだw
258 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 00:56:56 ID:oV33DJlq0
○因縁の対決○
ギィン・・・・この男はかなりの年をいってそうだがどんな攻撃を仕掛けてくるのか分からない。
まして竜人族の最後の生き残り。相当実力は持っているはず。
タケ「(よし!もょ、俺に代われ。最初の様子見は俺の得意分野やからな。)」
もょ「(こんかいはいい。おれがやる!)」
タケ「(けど・・・・お、おい!ちょっと!)」
どうやら声をかけるのが苦しい状況になった。もょもとのテンションが普段より異常なほど高まっているようだ。
まいった・・・・助言すらもできねぇ・・・・・
もょ「いくぞ!」
もょもとがギィンに飛びかかって斬り込んで行く!
ギィン「ほぅ。なかなかのスピードじゃないか。」
迎え撃とうとした時もょもとは軌道を変え別の攻撃態勢に入った。
もょ「はやぶさぎり!」
ギィン「遅いッ!!」
その瞬間ギィンの正拳突きがもょもとの腹部に直撃した。
もょ「ぐ・・・・いま・・・なにがおこったんだ・・・おれのけんのほうがはやかったのに・・・」
ギィン「ふぅん・・・・・ワシの攻撃に耐えるとは。流石腐ってもアレフの子孫か。」
ムーン「何ですって!?これ以上私達のご先祖様を侮辱するのも許されないわ!バギッ!!」
ムーンはバギで攻撃を仕掛けたのだがギィンは竜巻を無防備で仰ぐように受けた。しかも涼しげな表情だ。
259 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 00:58:22 ID:oV33DJlq0
ムーン「なっ・・・・・・」
ギィン「ワシを涼ましてくれたのか。ありがとうよ。ちょっと血が出てしまったがな。」
ムーン「な、舐めるんじゃないわよ!」
サマル「リア!呪文で攻撃して!僕がその後から槍で攻撃するから!」
リア「分かったわ!お兄ちゃん。ヒャド!」
リアのヒャドがギィンに向かうのだが足を凍結させる事に成功した。
ギィン「なっ、足が凍ってしまったぞ!?」
サマル「今だ!これでも喰らえ!」
ギィン「バ〜カ。素直でやりやすいわ!初心者向けの戦いじゃの。」
サマル「えっ!?」
ギィンはサマルの槍ごと持ち上げながら壁に向けて投げつけた!
サマル「がはっ!す、凄く痛い・・・苦しい・・・・・」
リア「お、お兄ちゃん・・・・」
ムーン「私が治療するわ!もょもと!時間を稼いで!」
もょ「わかった!」
その時ギィンが屈辱的な発言をした。
ギィン「それぐらいの時間いくらでもやるわい。あっさり死なれては困る。たっぷりいたぶらないとなぁ・・・・
ワシの恨みはまだまだ果たせんからのぉ・・・・」
もょ「ふざけやがって!」
260 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 00:59:04 ID:n9kBSNyX0
支援!!
261 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 00:59:41 ID:oV33DJlq0
タケ「(も・・・・ょ・・・・・お・・・・・・・・け・・・・・)」
もょ「(タケのこえがききとりにくいぞ。どうしたんだ?)」
もょもとがちょっと他の事に気がそれたら話せる状態になった。
タケ「(おっ、漸く普通に話せるわ。もょ、うかつに攻撃を仕掛けたらアカン。)」
もょ「(な、なんでだよ!)」
タケ「(それなりの理由がある。お前がさっき攻撃が届かずに逆に攻撃を喰らったよな?)」
もょ「(ああ。)」
タケ「(あれはカウンターって言って相手の力を利用して攻撃する技や。)」
もょ「(カウンター?なんなんだ!それは!?)」
タケ「(簡単に言え例えるともょの力が10、ギィンが6とした場合、
もょの力を利用して16にして攻撃する訳やで。)」
もょ「(ばかな・・・・うそだろ?)」
タケ「(ギィンは完全にもょが攻撃するタイミングを掴んでいるだろうな。うかつに攻撃はできへん訳よ。)」
もょ「(じゃあ、どうする?)」
タケ「(みんなで一斉に攻撃を仕掛けたらええ。それやったらギィン対応が遅れて逆に成功する可能性が高くなる
わ。但し一回で必ずしとめるんや。何回も出来へんで!)」
もょ「(よし!やってみよう!)」
もょ「ムーン、さくせんがある。じつは・・・・・・・」
ムーン「・・・私と同じ意見ね。私とリアが同時に呪文を放った瞬間と同時にサマルと攻撃を仕掛けて!いいわね?」
もょ「わかった!」
ギィン「相談は済んだのか?さっさとかかって来るがいい・・・・・・」
262 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 01:00:14 ID:Q51yX3ubO
支援
263 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:01:29 ID:oV33DJlq0
ムーン「いちいち五月蝿いわね!行くわよ!リア!」
リア「うん!」
ムーンとリアが同時に呪文を放ったと同時にもょもととサマルが一斉に駆け出し攻撃を仕掛ける。
ギィン「こんな呪文ワシには通用せん!!」
ギィンが呪文をはじいた後サマルが突っ込んで攻撃を仕掛けたのだが・・・・・・
ギィン「貴様らの手などお見通しじゃ!!二人とも返り討ちにしてやる!」
――――――――――――――――――――――――――――――直前でサマルがこけた。
ギィン「な、何じゃと!?」
この瞬間ギィンもあっけに取られてカウンター発動のタイミングが狂ってしまった。
もょ「たあああああああっ!まじんぎり!」
もょもとの魔人斬りがクリーンヒットした。断末魔をあげながらギィンは倒れた。
・・・・・・・・・・結果的には上手く行った様だ・・・・・・・・・・・・しかし直前でこけるってありえねー!
264 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:02:34 ID:oV33DJlq0
ムーン「サ、サマルがこけてくれたおかげで上手く行ったわね。」
もょ「あるいみナイスプレイだぞ。」
サマル「何なんだよ!もう!格好悪いよ!」
リアは必死に笑う事をこらえている。サマルはある意味天性のドジかもしれん・・・・・・
しかし束の間、ギィンが立ち上がった。
もょ「ばかな・・・・・まじんぎりがまともに決まったのに・・・・」
ギィン「年はとりたくないものじゃ・・・・・・ワシも本気を出さないといかんのぉ・・・・・」
ムーン「本気だって?」
ギィン「ワシの本当の姿を見せてやろう・・・・これからは全力で貴様らを殺す!ゆくぞ!ドラゴラム!」
ギィンが呪文を唱えるとみるみる竜の姿に変わっていった。しかも皮膚の色が黒い・・・・・まさか・・・・・
リア「あ・・・・ああ・・・・・・」
サマル「信じられない・・・・・・・・・・・こんなに大きいなんて・・・・」
もょ「あれは・・・・・ダースドラゴンだ・・・・・きろくではごせんぞさまにたおされたはず・・・・」
ムーン「な、何ですって!?」
ギィン「そうだ・・・・ワシは建前上アレフに殺されたんじゃが、実際はかろうじて生き延びたんじゃ・・・
しかし今の貴様らにレヴァティンは所有していない様だな・・・・貴様らに勝ち目はない。」
もょ「くっ・・・・・・」
確かに威圧感は相当凄いものだ。俺やもょもとはドルマゲスと戦った経験のおかげか何とか正面を向けて戦えそうだが
他の三人は怯んでいる。
265 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:04:01 ID:oV33DJlq0
ムーン「あ、あんな化け物、・・・・・倒せるわけがないわ・・・・・・」
もょ「みんな、ここはおれがやる!いくぞ!」
もょもとが斬りかかると同時にギィンも火炎を吐き出した。
もょ「ぐうっ・・・・・」
ギィン「グルルルルル・・・・・・さらにこれも食らえ!!」
今度は吹雪を吐き出してきたのだ。こいつの狙いは・・・・まさか・・・・
もょ「さ、さむい・・・・・・・」
タケ「(もょ!次の攻撃は物理攻撃でくるぞ!避けるように備えろ!)」
俺の声が聞こえているだろうか?それじゃないと危ない。吐き終わった瞬間にギィンが爪で攻撃を仕掛けてくる。
・・・・・が何とかかすった程度で回避できたようだ。
もょ「な、なんとかさけれたな・・・」
ギィン「ちっ・・・・ワシの攻撃を避けるとは中々のモンだ。」
もょ「は、はがねのよろいにひびが・・・・・」
鋼の鎧にひびが入ったのだ。確か瞬間的に鉄を温めた後、急に冷却した場合簡単な衝撃で鉄が壊れやすい。
確かダイの大冒険のフレイザード戦で載っていたな・・・それをギィンは実行したのか。
あなどれん・・・・・・
266 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:04:52 ID:oV33DJlq0
しかしもょもとの息使いが荒い―――――――――――――――疲労が溜まって来た証拠か。
タケ「もょ!早く俺と代われ!今のお前じゃコテンパンにやられるだけや!」
もょ「あ、あとすこしおれにやらせてほしい・・・・なんとかいけそうなんだ・・・」
タケ「な、何やて!?どー見てもお前の方が劣勢やないか!」
もょ「だいじょうぶ・・・・・ためしたいことがあるんだ・・・まあみてくれ・・・・・」
こんなもょもとは初めてだ。話が終わった後直にもょもとはギィンに向かっていった。
ギィン「最後の捨て身の攻撃か・・・・哀れなもんじゃ!この爪で切り裂いてくれるわ!」
ギィンは腕を大きく振りかぶって引掻こうとしたがかすっただけで懐に潜り込まれた。
ギィン「ぬっ!?」
もょ「いまだ!」
その瞬間ギィンの腹部から血が勢い良く噴出したのだ・・・
一 体 何 が 起 こ っ た ?
267 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 01:05:58 ID:n9kBSNyX0
支援…!
268 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:07:16 ID:oV33DJlq0
ギィン「こ、この嫌な感覚は、確かアレフの技・・・・・許さんぞぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギィンが勢い良くもょもとに近づき、攻撃を仕掛けてきた!!もょもとは回避しようとしたが間に合わず、
とてつもない大きな尻尾で吹っ飛ばされた。
もょ「ぶぐわぁッ!!!」
ギィン「この忌々しい人間め!焼き尽くしてくれるわ!!」
更に火炎で追撃された!!もょもとは必死に堪えていたのだが蓄積されたダメージと疲労の影響で案の定、倒れてしまった。
タケ「お、おい!大丈夫か!?しっかりせえ!」
もょ「や、やっぱり・・・・・・だめ・・・・・だった・・・・・・」
タケ「そんな事あるかい!!今は気をしっかり持つんや!死ぬンやないで!」
もょ「タケ・・・・・た、たのむ・・・・・おれのかわりに・・・・みんなを・・・・・」
タケ「もょ!返事しろ!!おいっ!!」
もょもと&タケ
Lv.16
HP: 0/112 (もょもと気絶)
MP: 2/ 2
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:隼斬り・魔人斬り・ドラゴン斬り(New!!)
タケ専用 :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御・メラ
269 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/08/24(金) 01:11:45 ID:oV33DJlq0
支援ありがとうございました。
今後ともよろしくです。
270 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 01:22:50 ID:L4uFEyQH0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
お久しぶりのレッドマンさん、乙!
ダースドラゴン強ええええええええええ!
ここでタケってのがまた!
続き期待してます
271 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 06:37:16 ID:3lp3C445O
熱い展開になってきたな!
次はどうなるかwktk
272 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 09:06:56 ID:seblDgkk0
カオス的な展開になりそう。
果たしてどうなるのやら。
273 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/24(金) 11:39:01 ID:cQuGA68U0
>>249-252
犬が主役って面白い!
タロウの犬種ってなんだろう。
柴っぽいけど違うか?
>>258-268
レッドマン氏続きキター!!!
どうなるんだもょ&タケ!
274 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/25(土) 10:39:49 ID:+tdJ9OBV0
レッドマン氏乙
きっとタケならやってくれる。
275 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/25(土) 11:03:06 ID:L6jhOqx50
主人公のタケがどう活躍するかが楽しみだ。
しかし他の三人は完全に空気w
276 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/25(土) 17:19:54 ID:NW2MpKq3O
り 上
盛 が
あ っ
さ ぁ っ て
ぁ !
き
ぁ ! !
ま
ぁ
し
ぁ た
ぁ
277 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/26(日) 00:18:03 ID:8kBvvWu10
〜作り合わされし世界〜
→ 冒険をする
1:しなの Lv5
2:ヨウイチ Lv6
→ 3:タロウ Lv2
278 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/26(日) 00:19:04 ID:8kBvvWu10
・第2話 タロウの犬転換
町の外では大きなバッタや空飛ぶネズミが襲い掛かってくる。
僕は噛み付いたりなめ回したりしながらなんとか撃退して行った。
でも、戦っているとき矢が当たっちゃった。痛いよお。
勇者さんを目指して僕は進む。
洞窟を抜けて山を登る。
でも、何か変だよ。なんだかくらくらする。
こんなときモンスターに襲われたら大変だよ……
『何だお前は?』
魚のひれみたいなものをつけたお兄さんがいる。
モンスター……じゃないよね?
『毒を受けているな。毒矢頭巾にでもやられたか。』
そういうとお兄さんは僕に葉っぱを食べさせてくれた。
『毒消し草だ。これで体の毒は消える。』
お兄さんは僕を助けてくれてみたい。
『お前、一匹で旅をしているのか? 気をつけていけよ。』
「わん!」
『ちょっと待った! なんだお前の格好は!? それじゃ旅はできないぞ。』
格好って言っても僕が身に着けているのは首輪だけだよ。
『袋のなかにいろいろはいっているから持っていけ。』
タロウは鉄の爪を装備させてもらった!
わー、かっこいい爪だね。僕も少しは強くなるかな?
279 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/26(日) 00:20:05 ID:8kBvvWu10
お兄さんのおかげで僕は小屋までたどり着くことができた。
「くーん……」
『何だお前は?』
なんだか恐そうなおじさんがいる。この人が勇者なのかな?
『お前みたいなワンちゃんは一晩泊まっていきやがれ!』
えー! なにそれー!
「すまない。我が主は少々強引なのだ」
この小屋にも犬がいて僕に話しかけてきた。
「ううん泊めてくれてありがとう。ねえ、あの人が勇者なの?」
「いや、勇者は……おや、ちょうど来たようだな。彼が勇者だ。」
『じいさんいるかー。シンシアがスープ作りすぎたから持ってきたぞ。』
『何で毎度毎度シンシアちゃんは分量間違えるんだろうな。』
『知らん。おや、お前はさっきの犬じゃないか。』
さっきのひれのついたお兄さんだ。この人が勇者なのかな。
『迷い犬だったのか? そうだ、名前をつけてやろう。』
僕タロウなんだけどな。
『ボロンゴというのはどうだ? プックル、チロルなんてものいいな。』
ううう……不安だ。
『よし決めた。お前の名前はゲレゲレだ!』
いやー! お願いだから考え直してー!
『たっぷり可愛がってやるぞゲレゲレ!』
きゃー!
凄い名前をつけられて何をされるのかと思ったけど、普通に遊んでもらったよ。
280 :
作り合わされし世界
◆8fpmfOs/7w
:2007/08/26(日) 00:21:48 ID:8kBvvWu10
「すまない。勇者殿は少々強引なのだ。」
「ううん楽しかったよ。ゲレゲレにはびっくりしたけどね。」
「そうか。それはよかった。」
「こんなに良くしてもらえるのは、きっと生類憐みの令以来だね。」
「何だそれは?」
「僕もよく知らないけど犬を大切にすることらしいよ。」
「ふむ。初めて聞いたな。」
そうなんだ。やっぱりここってどこか違う世界なのかな……
「僕ね、お家に帰りたくて勇者さんに会いに来たの。」
「家に帰るために?」
「うん。なんだか僕のお家、こことは全然違うところにあるみたいなんだ。」
「ふーむ。しかし頼みたくても勇者殿といえども犬の言葉は分からぬぞ。」
ううう、勇者なら何でもできると思ったのにな……
「とにかく今日は疲れているだろう。ゆっくり休むといい。」
「ありがとう。そうするよ。」
「楽しい夢を見れるといいな。夢には不思議な力があるそうだ。」
「不思議な力?」
「かつての勇者殿の仲間に夢で未来を見ることができる一族の者がいたそうだ。」
「それは凄いね。僕もそんな夢が見てみたいな。」
「何か未来につながる夢が見られるといいな。」
むしろこれが夢だったら楽なんだけどな。
僕はそんなことを思いながら眠りについた。
第3話に続く
281 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/26(日) 01:36:10 ID:39Sx42ir0
タロウかわいいよタロウwwwww
『お前みたいなワンちゃんは一晩泊まっていきやがれ!』に吹いたw
282 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/26(日) 01:39:26 ID:Y2f7e2lsO
あの時のゲレゲレはタロウだったのか!
てか、ビアンカのネーミングセンスは4勇者の遺伝か…
283 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/26(日) 01:46:23 ID:Y2f7e2lsO
4勇者は男か…
呪いのアイテムは何かな?
284 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/08/26(日) 13:49:40 ID:FPhAj7sw0
ゲレゲレかわいい。
がんばって立派なキラーパンサーになってね。
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