■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら10泊目

249 :作り合わされし世界 ◆8fpmfOs/7w :2007/08/22(水) 18:57:28 ID:mLuy6aNl0

    〜作り合わされし世界〜


    → 冒険をする
          1:しなの  Lv5
          2:ヨウイチ Lv6
       → 3:タロウ  Lv1

250 :作り合わされし世界 ◆8fpmfOs/7w :2007/08/22(水) 18:58:20 ID:mLuy6aNl0
・第1話 タロウの犬冒険

僕が目を覚ますと、そこは知らないところだった。
起き上がってうろうろ歩き回るけど何が起こったかわからないよ。
『きゃあ! あんたどっから入ってきたのよ!』
この家のおばさんに怒鳴られて僕はそこから逃げ出した。
僕だってどうしてここにいたのか分からないのに。
後で分かったことだけど、僕がいたのは宿屋という建物だったらしい。

僕の名前はタロウ。
どうして僕はこんなところにいるんだろう。
昨日はちゃんと自分のお家で寝たはずだよね。
ひょっとして僕、捨てられちゃったのかな。


ううー、僕が血統書のない普通の犬だからってひどいよー!


でも、まだ捨てられたって決まったわけじゃないよね。
もしかしたら僕のことを探しているかもしれない。
どうにかして戻らなきゃ。

だけど、本当にここはどこなんだろう。
周りは嗅いだことない匂いばっかりだ。
お家に帰りたいよー。

251 :作り合わされし世界 ◆8fpmfOs/7w :2007/08/22(水) 18:59:11 ID:mLuy6aNl0
……あれれ、なんだか懐かしい匂いがする。
僕知ってる! これって香水っていうものの匂いだよ!
お家にいたとき嗅いだことがある。
僕はうれしくなって尻尾を振ってしまう。
どこから匂いがするんだろう……。

分かった! あのお姉さんからだ!
「くーんくーん。」
僕はいい香りのするお姉さんにピョンと飛びつくと小さく鼻を鳴らした。

お姉さんは大はしゃぎだよ。
『どうしました? そんなに犬が珍しいのですか?』
お姉さんと一緒にいたゴーグルのお兄さんが何か言っている。
そんなことをまったく気にしないでお姉さんは僕をなでなでしてくれる。
きゃあ肉球はやめて!

『犬に限らないが、動物は好きなんだ。』
お姉さんうれしそう。もしかしたら僕をお家に連れていってくれるかな。
なんだかお姉さんが僕を仲間にしたそうにこっちを見ている気がするよ。
『でもちょっと連れて行くわけには行きませんね。』
ゴーグルのお兄さんが反対している。このお兄さんは犬が嫌いなのかなぁ?
『一緒に行きたくないでちゅ〜』
もう1人のお兄さんも反対してるみたい。まるで鬼だよ。角まで生えているし。
でも、何であんな変な喋りかたするんだろう?

しぶしぶお姉さんは僕をそっと地面に置いた。
ううう、どうやら連れて行ってはもらえないみたいだよ。
お姉さんは名残惜しそうに僕の方を何度も振り返っている……。
ああ、また一人ぼっちだー。

252 :作り合わされし世界 ◆8fpmfOs/7w :2007/08/22(水) 19:00:14 ID:mLuy6aNl0
「よっ、どうした不景気な顔して。」
突然知らない犬に話しかけられた。
「あのね。僕、迷子なの。」
「おいおい、お前も犬なら自力で帰ってみろ。」
「そうしたいんだけど変なんだ。知らない町、知らない人、知らない匂い……」
「何も分からないってか。ここはレイクナバって町さ。」
「聞いたことないよ。」
「確かにこの辺じゃ見ない顔だな。お前、名前は?」
「僕タロウ。」
「タロウか。変わった名前だな。俺はトーマスって言うんだ。狐狩りの名手さ。」
「え、狐さんがいるの? 僕もお友達になりたい!」
「お前狩りの意味分かってないだろ。そんなことじゃ帰るどころか町から出られないぞ。」
「どうして?」
「町を出たらモンスターが襲い掛かってくる。戦えなきゃやられるだろ。」
「えー! ところでモンスターって何?」
「何って、モンスターはモンスターだよ。戦えないなら腕に自信のある人間について行け。」
「うー、そんな人の当てがないよ……。トーマスさんは外に出るとき誰かについて行くの?」
「そそそそ! 前はトルネコって人についていったんだ。もうこの町にはいないけどな。」
こんなことならさっきのお姉さんに無理にでもついていけばよかったよ。
「仕方ない。モンスターと出くわしても何とか逃げ延びる術を教えてやるよ。」
「本当! ありがとう!」
「なめまわしと言って相手の顔をなめてひるませる技だ。」
「うう、なんかやだな。」
「我慢して覚えろ。」

タロウはなめまわしを覚えた!

「ここから昼に太陽のある方角に行くとエンドールというでかい町がある。
 そこから日の出の方角にある洞窟を抜け、山を登ると小屋がある。そこに勇者がいるそうだ。」
勇者は世界を救った英雄なんだって。彼だったら何とかしてくれるかもしれない。
僕はトーマスさんとお別れをして、勇者のいるという山奥の小屋を目指すことにした。

500KB
続きを読む

名前: E-mail(省略可)
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス