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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

337 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/04(土) 18:02:58 ID:Ph/Q5Izc0
たまにはあげてみる

338 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/07(火) 12:08:05 ID:Gk8gexYE0
職人さん達、最近こないな・・・
GEMAさんや総長さんや他の職人さん達の小説楽しみにしてます。
早く続きがみてぇ。

339 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/07(火) 12:40:38 ID:VvF5ctIK0
332みたいに感想とか書くのが燃料になるんじゃないかな?

自分は今「すりりんぐぶれいぶはーと」が楽しみで仕方ない。
急かすとかじゃなくて、 マイペースで続けてもらいたい。

340 :男道1 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:43:52 ID:LCkHUhcm0





いなかった。
そこには魔王を焼き尽くすような恐怖の怪物はいなかった。
願いを叶えてくれるような龍はいなかった。
俺ら全員を乗せて縦横無尽に飛び回るような巨大な蛾はいなかった。


いたのは………ひよこ?


きゃあああああ!!!!!かわいいいいいぃいいい!!!!!!

勇者が物凄い勢いで突撃していった。

気持ちいぃいい!!モフモフしてる!!!





終わった。





終了だ。完全に終了だ。
……これが…これが俺たちの旅の結末なのか…
生き埋めになりかけて…規格外のデカブツと死闘を繰り広げて…
世界中を駆けずり回ってついに復活させたラーミア…
クソが…

その場にガックリとうな垂れてしまった。


ああ これは

なんということでしょう
なんということでしょう

ラーミアは 先の働きで 力を使い果たしてしまったのです
このままでは あなた方を乗せて飛ぶなどということは できません なんということでしょう

341 :男道2 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:44:37 ID:LCkHUhcm0
……。その力はいつ回復するのかしら。

ねーちゃんがこれ以上ない的確な質問を入れる。
そしてその答えが仮に聞く前を絶望の崖に立っていたとするならそこから完全に突き落とすようなものだった。


50年


ああそうか50年かなるほどな。つまりあと50年ほど心身共に鍛えまくって
準備万端でさあいざ魔王をブチのめしにっておい…

俺はゆっくりとチビ助2匹に近寄ると軽くデコぴんをお見舞いしてやった。
ポテっと倒れるチビ助。


はああああぁぁああああ?????
50年!?50年も待てと!?50年待たなきゃ魔王と闘えないと????
ふざけんなボケッ!50年後なんてもうジジイじゃねーかよタイマン所じゃねーよアホか!!
おまえらは今すぐこのデカひよこを何とかしろ!魔王のとこ攻め込めるくらいの鳥にしろ!!!!


………。
………。

痛いです。
痛いです。

私たちの力では どうすることも できません。



どうする事もできません…か。ああ確かにこんなチビ助共にどうする事もできねーだろうよ。
もはや怒る気さえ失せてしまった。




復活の間隔が短か過ぎたようね…。

ねーちゃんがため息をつく。伝説の神の鳥はそれに見合うだけの充電期間が必要だってか。
クソ…これじゃまるで詐欺じゃねーか。まったくどこのどいつだこんな飛ぶ飛ぶ詐欺に俺をハメやがった奴は!
………。クソイケか。脳裏にあの人を小馬鹿にしたような笑みが浮かぶ。
……。そういやあいつ私にわからない事などは無いなんて事を偉そうに自慢していたよな。
…。なあねーちゃんと声をかける。ねーちゃんが私も今それを考えていた所よと返してきた。

さすがねーちゃんだ何もかもお見通しというわけか。それならば早速出発だ!!
いざゆかん!!!俺達をよくも騙し腐ってくれたイケをボコボコに!!!!………え?…違うとな?

342 :男道3 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:45:22 ID:LCkHUhcm0


………。



ねーちゃんの提案で賢者様(笑)に知恵を貸してもらう事になった。
認めねえ!俺こんな展開認めないぞ!だってオーブ集めろっつったのあいつじゃん!!!!

しかし怒りが再燃した所でどうしようもなるわけではなくしぶしぶ、本当にしぶしぶイケの元に向かう事になった。

もちろんこのヒヨコを連れて。

…おい、とっとと行くぞ役立たずが。こい。
なんだその目は。おまえみたいのが睨んでも怖くねーんだよ行くぞオラ

ぐいっと羽を引っ張ったその瞬間

イテッ…!痛いって!!いやつつくな痛いから!!やめろ!!!…ッイテ

敵意むき出しの俺に向かって攻撃してくるヒヨコ。

ちょっと!!!総長ちゃんがいじめるから怒ってるんだよ!!!!もう!!!

…いじめる?まあいい。勇者の言う事を聞くならそれでいい。もうどうでもいい。

外に出るとルーラを使いイケの元へ向かった。





目まぐるしく変わる景色共に見覚えのある塔の前にやってきた。

イケは当然来るのを察知していたかのように腕を組んでそこに立っていた。
糞ヒヨコに近づくと何か考え込んでいる。

…おい

イケ:…ああすまんちょっと考え事をな。
   しかしこのような展開になるとはさすがに予測できなかったな。


そりゃそうだろ。で、どうすりゃいいんだと皆がイケに詰め寄る。


イケ:……。方法は無い事も無い。……。いやもうそれしかないだろう。
   これは非常事態だ。今のラーミアには圧倒的に力が足りない。全てにおいてだ。
   解決方法は二つ。力を蓄えるまで待つか、もしくは外部から力を与えてやるかだ。


外部から力を与える?おいおいそんな事ができるのかよ。くやしいがさすがはイケだ。
よしよしこれでなんとかなりそうだ。

イケ:ただし外部から力を与えると言っても簡単では無い。並大抵の魔力では無理だ。


……まさか今度はそのためのスーパーオーブとかそんなものを集めて来いとは言わないだろうな。

イケ:ならば方法は一つ。私がラーミアと融合しよう。

343 :男道4 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:46:05 ID:LCkHUhcm0
ねーちゃん:!!!????

融合…?話が見えてこねーぞどういう事だ?

イケ:私は厳密にはもう生命ではない。大精霊ルビスの力によって魔力を得た霊体のようなものだ。
   大分消費されたとは言えまだこの体には莫大な力が蓄えられている。それをそのままラーミアに託す。

ねーちゃん:お父様!!それってつまり…

イケ:……そういう事だ。

ねーちゃん:………。


そういう事ってどういう事だ。つまりイケがこのヒヨコと合体してそしたらヒヨコは本来の力取り戻して
ってそういう事なのか?じゃあイケはどうなるんだ?


イケ:悲しむ事は無い。今お前たちが目にしている個としての私が消えるだけであって私自身が無に帰るわけではない。
   

ねーちゃん:でも…でも!!もう今までようにお話はできないの!?
      お父様の作ったワインを片手に語り合ったり天気のいい日は私が焼いたクッキーでピクニックにいったり…
      そんな…そんな…


ねーちゃんが号泣するとこなんて初めてだ。

………。

344 :男道5 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:46:42 ID:LCkHUhcm0
イケ:総長。この子の事は頼んだ。そして世界の事も。
   勇者は確かに勇者だ。勇者の存在が力となり世界を救うだろう。
   ただ…いまお前たちが立ち向かおうとしている敵は普通では無い。
   先代勇者が行方不明になっている事といい今回のラーミアの件といい確実に
   大精霊ルビスですら予測し得ない“何か”が起こっている。
   そんな異常事態の中世界を救う救世主と呼ぶにはまだ幼い勇者やうちの娘が心を保って旅を続けられているのは
   総長、おまえのおかげだ。礼を言う。
   本当に長く自我を保った存在としてこの世界にいたが最後におまえのような弟子を持てて幸せだったぞ。



…………。


他に方法があるかも知れない!考えようよ!と言う勇者を止める。
男には例え自分を賭してでも進まなければ行けない道がる。イケにとってはこれがその男道なんだ。
それを止めるなんて無粋な事はできない。一人の男として認めた相手だから。

………気持ちは受け取った。

ただ一言そう伝えた。それに対してフッといつも通りのキザな笑みを浮かべる。

今度こそこれを持っていけ、とイケはいつかのあの分厚くてデカイ本を俺に渡してきた。

イケ:我が奥義は全てそこに残せり。汝らの力となり魔を滅ぼさん。

そう言うとイケはヒヨコの前に、
もはや誰も止めようとする者はいない。
勇者も、ねーちゃんも力強い目でイケを見つめている。

さよなら…お父様…。

ねーちゃんがそう呟いたと同時にイケとヒヨコが光に包まれた。
球体状の閃光が晴れた後、そこには目を奪われるような雄雄しく美しい一匹の巨鳥がいた。

……きれい…

勇者が手を触れる。俺ですら目を奪われたくらいだ。七色に光る羽。
戦いなんて忘れさせてしまうような色合いをしている。

ねーちゃんが鳥の背中の一部に一段と輝く金色の羽が生えている場所を見つける。

……まるでお父様の髪のよう…

そっと優しく何本か抜くとこっちへ持ってきた。

みんな…これをどこか体に身につけるというのはどうかしら?

ねーちゃんの提案。断る理由などあるはずがない。

賛成!私たちってほんといろんな人に助けられてここまでこれたよね…
その羽根つけよう!

こうして俺たちは各々自分の好きな場所に金色に輝く羽根をつけた。
なんだろう。気のせいだろうが心の底から力が沸いてくる。
…みんなに助けられて…か…。
まあ俺は当然最強なのだが確かにここに至るまでは色々世話になったな。

負けられねえ。負けるつもりなんてさらさらないが絶対に負けられねえな今回の喧嘩だけはよ。

345 :男道6 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:48:01 ID:LCkHUhcm0
さっそくラーミアの背中に乗り船の届いた場所まで戻る。

はええ。高けえ。伊達に伝説の鳥だけあってその飛ぶ姿は何者をも寄せ付けない雄大さがあった。

船に戻るとお馴染みの鬼浜会議だ。
イケの件もあってか驚く程にまともに話は進んだ。
相変わらずパンツと勇者はズレまくりだがまあそれなりに真剣なんだろうというのは伝わってくる。

ええ…では魔王の所にカチ込みかける前に最後にするべき事は
イケのくれた本をみんなで読む事と装備の最終チェックを入念にする事と
あとラーミア復活をチビ助共に報告する、この三つでいいんだな?

ちょっと待ってくだされ。

おっさんが口を開いた。

……。実はずっと考えていた事なんじゃが魔王と対峙するに当たりわしは明らかに足手まといですじゃ。
なのでラーミアで送ってくれないだろうか……ノアニールへ。


固まる空気。ノアニール…あの魔王に滅ぼされた村。じいさんの墓のある村。

わしなりに考えてました。いやはや戦闘においてはまったく戦力にならないもんで
何が自分なりに勇者殿の力になれる事…世界のためにできる事…
そこで閃いたんです。あの村を復興させようと!何年かかるかはわかりませんがね。
あの村でわしはわしなりの戦いを始めてみようかと思います。

…………。
あそこにはおっさんの家族の墓もある。
復興なんて言うがあの状態は生易しい覚悟ではできない。
もちろんおっさんは直で見た事ないだろうが馬鹿じゃないし俺たちの表情から十分過ぎるほど察してるはずだ。
強いな。本当に強い。人として。

総長ちゃん泣いてる…?

やべっ

泣いてねーよアホッ

ポコ

いったー叩かなくでもいーじゃんもう!

私は賛成だわ。

とねーちゃん。

あっしもでやんす!魔王を倒したらすぐにかけつけて手伝うでやんすよ!力仕事は得意なんで!

とパンツ。

ちょっと寂しそうな勇者も賛成のようだ。


決まりだな。


おし!!!!!!今日はもう遅い!!!!出発は明日だ!!!!
イケの所から持ってきたワインやらビールやら色々あるんで今日は宴会だ!!!!!
おっさん新たな門出とイケへの感謝を込めて乾杯するぞコラァ!!!!!!!!!

346 :総長 ◆Lh6WfP8CZU :2008/10/07(火) 19:50:16 ID:LCkHUhcm0
なんと6レスに収まるというすごいや60行規制!

てなわけで久しぶりに投下しました
いろいろプライベートでゴタついてなかなか投下できずすみません…

今後はもっとちょくちょく投下していきたいのでよろしくお願いします

347 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/07(火) 20:19:17 ID:J975sv/v0
うおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
総長おおおおおおおおおおお!!!!!

348 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/07(火) 20:57:38 ID:EupAOqQ90
総長さん、乙です

349 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/07(火) 22:37:53 ID:lc1+um/K0
>>346
ラーミアひよこwwwwクソワラタwwwwww


でも、イケが…。・゚・(ノД`)・゚・。


相変わらずシナリオ喜怒哀楽うめー。乙でした。

350 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/08(水) 02:15:13 ID:EJA9DnkT0
待ってましたあああ!!!!!!!!!!
総長おおおおお!!!!!!!!
かっこいいいいいいいいいい!!!!!!!!!

351 :338:2008/10/08(水) 13:55:19 ID:BACJ4ahT0
総長さん、キター
さすがですね!こんなすごい話をかけるなんてマジで尊敬します!


352 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/09(木) 13:46:33 ID:bTYJ51aTO
総長さんの話に出てくるキャラ全員惚れたw

353 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/11(土) 23:23:22 ID:FIM5nOHY0
イケorz・・・…

総長はつくづく面白いな

354 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/14(火) 08:44:50 ID:Xr8nlLgm0
ほしゅ

355 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:41:01 ID:fRYaMN8X0
○心の変化○

タケ「149・・・150・・・はあっ!!はあっ!!」

俺達は今ベラヌールの街に来ている。ムーンペタで水の紋章とラダトームで月の紋章を見つけた後、
航海しているうちに新たな町を発見した。

結果的にはサマルとムーンと行動を起す事になったのだが、やはりもょもとと俺の実力の差は明確である。
あいつらに大口を切った以上は隠れてでも今まで以上にトレーニングをして実力をつけなければならない。
自分自身の誇りと誓いを守るため・・・・・・

しかし最近どうも気分的に優れない。焦り、不安、恐怖・・・・・・・・
そして俺が消滅する可能性・・・・・・・・・・

俺にはこの不安を無くす為に闇雲に剣を振ることでまぎわらす事しか出来なかった。

翌朝、サマルが病気で寝込んでしまった。何でもハーゴンの呪縛とかが関係があるらしい。
嘘か真かはともかく現実問題、上薬草やムーンのべホイミ、キアリーでも効果がない。


ムーン「だめだわ・・・・全く効果がないのだわ。」
 リア「そんな・・・・・」
 もょ「サマル、よわきになるな。しっかりしろ!」
サマル「ぼ、ぼくに構わずみんなは先に行ってくれ・・・・・・」


こんな状況を見ていると流石に俺も何か助太刀したくなる。・・・・・・・まてよ、そういえば・・



356 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:42:16 ID:fRYaMN8X0
 タケ「みんな。一つ提案があるんやけどええか?」
 リア「どうしたの?」

 タケ「一旦ルプガナに行こうと思うねん。シャールさんなら解決の糸口がみつかるはずやで。」

ムーン「・・・・確かに呪文が効果がない以上は薬剤師であるシャールさんに何か情報を貰うのが一番なのだわ。」

 タケ「それなら、俺ともょで行って来るわ。二人はサマルの看護を頼むで。」

ムーン「待ちなさいよ!何で貴方は後先を考えずにいつも直に行動をとるわけ!?」

 タケ「時間があらへん。それに長引いたら最悪死に至る可能性もあるで。急がへんと・・・」

ムーン「焦らないで。あなた達には回復呪文が使えない。ここは私も一緒に行くわ。」

 タケ「・・・・・・わかった。よろしく頼むわ。リアちゃん留守を頼むで。」
 リア「うん。気をつけて行ってきてね・・・・・・・はぁ・・・・・」
 もょ「ん?どうしたんだ。リアちゃん。」
 リア「な、何でもないよ!そ、それじゃあ!」

その後ルプガナに寄り、シャールの話ではザハンの村に呪いを解く手がかりを知る人物がいるらしい。
しかしシャールが訪れたときにはその人物に会えなかったそうだ。名前はラゴスと言う。
シャールは一ヶ月近くラゴスを待ち続けたのだが漁に出ていたらしく
風の噂では嵐に巻き込まれ消息不明と言う話だ。

今度の目的地はザハンという村か。船で大体一週間近くかかるそうだ。



357 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:43:39 ID:fRYaMN8X0
 タケ「一週間か。かなりの長旅になりそうやな。」
 もょ「ああ。みずとしょくりょうがたくさんひつようになるぞ。」
ムーン「しかしラゴスっていう人が消息不明だったら無駄足になると思うのだわ。」
 タケ「無駄足と思っていても行くしかないやろ。今の俺らじゃ情報が少なすぎるしさ。」
ムーン「仕方がないわね…それなら行きましょ。」 

一週間の航海が始まった。
昼はもょもと、夜は俺の担当で役割分担で決まったのだがムーンが全く眠らない。
やはりもょもとや俺を信用していないらしい。


特にあんな事言っちまった俺を信用しろって言うのも無理な話だが。


更に三日後の夜………
俺はもょもとを寝かせて航海しながら周りを警戒していた。
それよりもムーンが寝不足で相当ヤバイ。
ウトウトしながら警戒しているのだが目の焦点が合っていない。流石にもう限界だろう。

 タケ「ムーン。いい加減に早く寝ろ。もう体の限界ちゃうのん?」
ムーン「う、うるさいわね……貴方には関係ないことでしょ!」
 タケ「俺もこれ以上何にもいわへんけど無理すんなや…」

やれやれ、水と油の関係じゃお互いの意見が通じ合うわけがないか。
だが―――その時!!



358 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:45:42 ID:fRYaMN8X0
魔物達が近づくいてきた。ガーゴイルとホークマン2体、更にパピラスが二匹…
ムーンは完全に絶不調。まともに戦えない。もょもとも昼間頑張ってくれた御陰で熟睡中。
ここは俺一人でやるしかない!

 タケ「ムーン!ここは俺一人でやるわ。無理すんな!!」
ムーン「貴方だけじゃ悲惨な結果しかならないわ!」
 タケ「ちっ…それなら足ひっぱるなよ!仮に死んでも文句はいわさへんで!」
ムーン「わ、分かっているわよ!!これでもくらいなさい!イオ!!」

しかしムーンの呪文はホークマンしか命中していない。パピラス達は速攻でムーンに襲い掛かる。
ムーンの判断能力が高いおかげか難なく回避する。−−−−−−が、やはりよろめいたため体制を崩した。
更にガーゴイルがムーンに突っ込んでくる!

ガキィン!!

 タケ「ふん。おまいさんの相手は俺や。ムーン!大丈夫か?」
ムーン「うっとうしいわね!私の事を心配する必要なんか無いでしょ!」
 タケ「あっそ。とりあえずはこいつらを蹴散らすで!」

この状況ではガーゴイルを倒してムーンのフォローを回るのが一番最善。
火炎斬りで始末しようとしたのだが、ガーゴイルはすぐに上空にへ逃げた。

その瞬間、虚を付かれた俺はホークマン達の同時斬撃―――――ツインスラッシュをまともに喰らったのだ。


パピラス達も更に俺に攻撃を仕掛けたのだが咄嗟に大防御をして難なく防げた。



359 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:48:01 ID:fRYaMN8X0
ここで安心している場合じゃない。格下の敵に虚を付かれた自分自身に怒りが立ってきた。

 タケ「いつまでもちょうしにのってんじゃねぇ!!」

まずは屈辱を与えたホークマン達から始末するために全力で向かい斬りつけた。
それが信じられない事だが特別な剣技を使った訳でもないにも拘らずホークマンをやっつけた。
もう一体のホークマンは畏縮して動く事ができずあっさりと倒した。

残るはガーゴイルとパピラス二体のみ。
ムーンがパピラス達と応戦しているがパピラス達はヒットアンドウェイで確実にムーンにダメージを与えている。
ガーゴイルもムーンに攻撃を仕掛けに行こうとしたのだが俺に背中を斬りつけられた。

確かに戦いでは弱者から攻めるのは正しいのだが、周りの状況判断をしなければあっさり背をとられる訳だ。
小ざかしい罠を張ったツケとしてガーゴイルを火葬処分にした。

ムーンは立っているのがやっとだった。呪文は当たらない。パピラス達の攻撃はほぼ確実に喰らう。
おまけに睡眠不足で戦いに集中するのは相当難しい。

しかも現状で唱えられる呪文は限られている。彼女はそれでも戦わなければいけない状況なのだ。
もょもとや俺に負けたくないという意地の一方で一人で立ち向かっている。


ムーン「なぜ全く呪文が命中しないの・・・・?あんなやつ(タケ)に比べたら私の方が優れているのに!」




360 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:50:08 ID:fRYaMN8X0
ムーンは焦っていた。


自分が負けるはずがない。


あんなやつの決闘から更に実力をつけるため、ほぼ毎晩夜遅くまで呪文の勉強したり練習もした。
それにも係わらず追い込まれている。

嘘だ!嘘だ!嘘だ!私がこんな所でつまずいている場合じゃないのに!!


うろたえている時にパピラス達が攻撃を仕掛けてくる体制になった。
その時あんなやつが私の前に立ちパピラス達の攻撃を捌き、更に1体に対して反撃した。

あんなやつが更に斬り付けられたパピラスを倒しもう一体のパピラスとの戦闘をしているのだが私に言ってきた。


『お前の呪文が必要や。俺にバギを唱えてくれ。疾風斬りで一気にケリをつけるで!』


私はあんなやつの言う通りにした。その方が楽だったから。正直立っているのが限界だったのだもの。
結果的に一瞬にしてパピラスを倒し敵を全てやっつける事ができた。


しかし私は疲労の限界で倒れこんでしまった。その後の事は覚えていない――――――



361 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:52:08 ID:fRYaMN8X0
―――――3時間後
 タケ「よう、ムーン。起きたか?」
ムーン「え、ええ・・・・・・」
 タケ「しんどそうやったから簡単なスープ作ったからもって来たで。味は保障できんがな。熱いからふーふーするんやで。」
ムーン「こんなものいらないわよ!!」

ガシャン!!

 タケ「あーっ!お前何すんねん!」
ムーン「誰もスープなんか頼んでいないのだわ!」
 タケ「ムーン・・・・」

パァン!!

ムーン「い、いきなり何するのよ!!誰にも殴られたことないのに!」
 タケ「食べ物がもったいない!」
ムーン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
 タケ「しかもお前はロクに飯とってないやろが。飯を食べなきゃ体調も悪いやろ。スープが一番喉に通りやすいんよ。もう一度持ってくるわ。待ってろ。」


ムーン「・・・・・・・・・・ひっく・・・・ひっく・・・・うぇぇぇぇぇん・・・・・」


 タケ「お、おい!どないしたんや!?大丈夫か?」
ムーン「だ・・・・だって・・・・何でそんなに優しくしてくれるの・・・・・?
    タケに対して冷たくしたのに・・・・・・ひっく・・・・・・・・・」
 タケ「んー・・・・・あんまり気にすんな。とりあえずスープ飲んで落ち着け。な!」
ムーン「うん・・・・・・・」

この変化には流石に俺もびっくりした。とりあえず早くスープを持っていく事にするか。


362 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:53:52 ID:fRYaMN8X0
 タケ「持ってきたどー。自分で飲めるか?」
ムーン「(ぶんぶん)」
 タケ「そっか。もう少し後にするか?」
ムーン「ううん。あ、あのね・・・タケ。」
 タケ「どしたん?」
ムーン「し、しんどいから飲ませて欲しい。」
 タケ「ん?ああ。わ、わかった。はい、ムーン。あーん・・・・・味はどうや?」

ムーン「・・・・・おいしい。」

 タケ「そ、そりゃー良かったわ。男冥利につくで。」
ムーン「タケ、聞きたい事があるの。」
 タケ「どうしたん?」
ムーン「その・・・・上手くは言えないけど、どうして自己犠牲をしてまで私やもょもと達を助けてくれたの?」
 タケ「あんまり答えたくねいけど・・・・答えんとアカン?」
ムーン「(コクリ)」
 タケ「やっぱそんなん言えへんわ。かなり私情が入ってるしさ。」
ムーン「だめ・・・・・?」

ムーンが悲しそうな目で見つめてきた。流石にノーとは言えない雰囲気だ。

 タケ「しゃ、しゃーないのう。今から話す事は絶対に誰にも話さず秘密にしてくれるんならええで。」
ムーン「本当!?」



363 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:56:03 ID:fRYaMN8X0
 タケ「ああ。じゃあ話すで。結論から言うともょ、いやもょもとは俺にとって可愛い弟なんよ。」
ムーン「ど、どういう事なの?」

 タケ「俺がチビの時やけどさ、元の世界にいるかーちゃんが妊娠したんよ。
    その時ごっつぅ喜んだのを覚えているわ。僕がお兄ちゃんになるんだ!って。
    けどその喜びも4ヵ月後には辛い現実になんたんや。」

ムーン「辛い現実って・・・・まさか?」
 タケ「そう、流産したんよ。かーちゃんは何とか生き延びたけど妊娠した赤ちゃんは死んじまった・・・」
ムーン「そんな・・・・・・・・・・・・・・・」

 タケ「流石にその現実をガキの頃は受け入れるのが出来なかった。ある時学校の先生が言ってくれたんよ。
    『くよくよしてはだめ。あなたはお兄ちゃんだからしっかりしないと。
     天国の赤ちゃんは死んだんじゃなくあなたをの心と共に生きているの。だから悲しむことはないよ。』ってさ。」 
ムーン「・・・・・・・・・・・・・・・」

 タケ「そしてこの世界に来たときもょもとをみて思ったんよ。
    もし赤ちゃんが無事生まれて成長してならもょもとみたいになっていたんだろうな。って思ったりしてさ。
    例え血が繋がって無くても可愛い弟がピンチの時に守るのが兄貴の責務と決めた訳や。」

ムーン「・・・・・・・・ご、ごめんなさい。辛い事言わせて・・・」

 タケ「ううん。気にせんでえーよ。伊達に25年は生きとらん。」
ムーン「うそ!?本当にその年齢なの信じられない。おっさんのくせに。」
 タケ「うるせー!!やかましいわ!アホ!!誰がおっさんや!」
ムーン「ふふっ……ムキになるのはだめよ☆オ・ジ・サ・ン。」

険悪なムードが確実に和やかな雰囲気に変わりつつあった。


364 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 00:58:30 ID:fRYaMN8X0
 タケ「しかし話は変わるけどムーン。お前に謝らないとあかんのよ。ほら、竜王の城でさ・・・・」
ムーン「あの事はいいの・・・・事実私達が悪かったんだから。タケが謝る事はないわ。」
 タケ「それは違うで。もょもとを守るためとは言え侮辱したのは事実やから。ホンマに悪かった!ごめん!」 
ムーン「済んだ話だから気にしなくていいわ。それにしても、もょもとが羨ましい・・・・・・」
 タケ「何でよ?」

ムーン「もょもとには頼りになる立派なお兄さんがついてるし、リアには何だかんだ言ってサマルがいる。
    私にはお父様やお母様がいないから一人だもん・・・・・・」

 タケ「心配せんでえーよ。ムーン。お前は一人やない。」
ムーン「えっ!?」

 タケ「今日からから俺がムーンの兄貴代わりになるわ。今更一人妹が増えても別にかまへんし。」

ムーン「な、何言っているのよ!」
 タケ「よーし、お兄ちゃん可愛いお穣ちゃんの頭なでなでしちゃうぞー!」
ムーン「バ、バカぁ!おっさんのくせに!可愛いお穣ちゃんって言うのは10年早いわよ!(///////)」   

 タケ「アッハッハ・・・・・・・おおきにな。ムーン。」
ムーン「どうして?」

 タケ「最近夜寝るのが怖かったんよ。もしかしたら俺は明日死んでいるかもしれないって思うんよ。」

ムーン「そうなの・・・・・・やはり魂の消滅すること?」

 タケ「ああ。翌朝の太陽を見た時は安心するんやけど夜を迎えるのが不安になるんよ。
    寝たら二度と起きれない感じがしてさ。寝ない為にもここ最近ずっと闇雲に剣を振っていたんや。
    けど今夜、ムーンと理解しあえて良かったで。そんな不安が一気に吹っ飛んだわ。」

ムーン「それは良かったわ。早く紋章を集めて魂の消滅をさせないようにしなくっちゃ。」



365 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 01:00:31 ID:fRYaMN8X0
話し込んでいる内に夜明けを迎えた。その日の日の出はとても美しく黄金色の光を照らしていた。
その光に照らされているムーンは見とれるくらい美しかった。

ムーン「綺麗な太陽ね・・・・・・」
 タケ「ああ・・・・やはり生きてるって感じがするで!」
ムーン「本当にそうね。」
 タケ「そうそう。ムーン、今思ったんやけど、今の話しかたの方が好印象あるで!」

ムーン「ええっ!・・・・あ、しまったなのだわ!」

 タケ「そんなことあらへんで。自然体が一番や。」
ムーン「今後からそうするね!!それにしても眠くなっちゃった・・・・・」
 タケ「全く寝てへんから無理もないわな。ゆっくり休みや。」
ムーン「うん。今日はありがとう。タケ。じゃあ先に休むね。」

もょもと&タケ
Lv.19 Level up!!
HP: 112/141
MP:   6/ 12
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 錆びた剣
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:隼斬り・魔人斬り・ドラゴン斬り
  タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御・メラ
       火炎斬り


366 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2008/10/16(木) 01:03:31 ID:fRYaMN8X0
更新が相当遅くなってすみません。
今後もよろしくお願い致します。

367 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/16(木) 07:58:25 ID:KncD50f1O
乙です
仲直りできてよかったよかった

368 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/10/17(金) 13:18:51 ID:XIS0AXuH0
おかえり!待ってたよ!
これからも頑張ってくれ!

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