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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

284 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/27(水) 11:52:59 ID:iXQyQx5BO
目から汁が出た(´д⊂・゚・。
GEMAさん乙です
降霊儀式ww確かにその通りだww

285 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/29(金) 20:59:15 ID:otR745pH0
言い方は間違ってないがなんか違うwww

286 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/31(日) 21:44:15 ID:tuwq4DyC0
保守

287 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/02(火) 00:53:54 ID:OenAq7Qz0
職人の皆様超GJ!!

288 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/03(水) 20:51:21 ID:S0WMXPhb0
ほしゅ

289 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/05(金) 21:09:09 ID:AtSZD1Ve0
hosyu

290 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/08(月) 00:57:27 ID:AW0+2te20
ほす

291 :Stage.17 hjmn1 ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:10:34 ID:OOboCCOz0

アルス「ちーっす……」
タツミ「どうもー! すっかりご無沙汰しておりますぅ♪ 残暑も厳しい今日この頃、皆様い・か・が・お過ごしでしょ〜かぁ?☆」
アルス「なにその♪とか☆とかキモ! なんでそんなテンション高いんだ?」
タツミ「バカ空気読め! お騒がせ状態のまま数ヶ月も放置してたんだからもはやテンションで誤魔化すしかないじゃないか!」
アルス「思いっきりホンネ口走っとるがな。前回は本当にお騒がせだったよな、俺も焦ったっつーの」
タツミ「そういえば君もレイさんのこと男だと誤解してたんだっけww」
アルス「笑い事じゃねえよ。それでは遅くなりましてすみません。恒例サンクスコールです」

アルス「>>103様、いや〜俺もマジ物凄く焦りましたよこんちくしょう」
タツミ「>>105様、ほんとエリスもサミエルもあんまり大騒ぎするから僕の方がビビりましたw」
アルス「>>105様、うちの国王も悪い人間じゃないんだが、変なとこが熱血なんだよな。そこがうちの親父と気が合ってたみたいだが」
タツミ「>>106様、驚かせてすいません。Rに関してはすでに壊れ気味な気がしないでもありませんね」
アルス「>>107様ごめんなさい謝ります! ところで……なにを期待したんでしょう? ガチで、えーと??」
タツミ「あー覚えなくてイイよああいう特殊な現実用語は。
   >>116様、レイさん確かにカッコイイですけど、近くで見たら結構な美人さんですよ。ああいうの宝塚系っていうのかな」
アルス「へえ、そうだったのか? 俺は数年前に一度会ったキリだから顔とかあんまり覚えてねえんだよな」
タツミ「向こうはちゃんと覚えてたってのに……。
   >>117様、Rのことだからどこでなに仕掛けてるかわかんないですからね。
   あちこちに伏線はってたりするんで、たまにまとめ読み返していただけると嬉しいです」
アルス「>>118様、レイの家も幼少時から勇者の英才教育してたって聞いてるから、そうなのかもしれないな」
タツミ「>>119様、そこなんですよ〜! エリちゃんとかレイさんとかサヤお母さんとか魅力的な女性が多いのに
   そこがネックで手が出せn……OK悪かった冗談だよアルス。剣をしまおう、ね?」
アルス「俺のおふくろまで範疇なのかお前は!? ユリコに言いつけていいか?」
タツミ「だから冗談だってば、蹴り殺されるからやめて。
   あ、>>120様、僕自身はその手の話題ゼンゼン平気ですよ〜。女子に混じって下着からBLまで平気で語れるタイプなんで」
アルス「うわ、たまーにクラスにいるよなそういう男子。それって男として見られてないからだと思うが。
   >>124様、なにか不思議なロマンを感じる願望ですがそのココロは?」
タツミ「あれじゃない、小さい頃お母さんにおんぶされた思い出が蘇って〜とか?(超憶測)」
アルス「憶測で語るなよ。でもまあ、そういうことならなんとなく覚えてる。懐かしいなぁ」
タツミ「その割りにはサヤお母さんへの態度悪いよね君」
アルス「しつけーな、またそれを言うか。反抗期ってことにしとけもう」

292 :Stage.17 hjmn2 ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:12:39 ID:OOboCCOz0

タツミ「ちなみに今回のようにアンカー(>>)があったり明らかに他の読者様へのメッセージに対しては、
   読者様同士の会話に割り込まないという配慮からコールを控えております。ご了承ください」

アルス「お待たせしました、それでは本編スター……」

タツミ「あー待って待って。今回は僕らが語りじゃないから、スタートも彼らにお願いしたいんだけど」
アルス「そうなのか? 俺はかまわないが、お前、本当にそういうとこマメだよな」
タツミ「つねに周囲への気遣いは怠りませんからw」


エリス・サミエル・ロダム『というわけで、俺(私)たちが、本編スタートいたします(ッス)!!』


アルス「お前らもう少し息合わせろ……」


【Stage.17 うちの勇者様】
 続・ゲームサイド [1]〜[14]
  Prev >>83-101

 ----------------- Game-Side Another -----------------

293 :Stage.17 [1] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:15:47 ID:OOboCCOz0

 【サミエル=レイトルフの場合】

 勇者様について? タツミのことッスか。あー……、確かにあいつは得体の知れないや
つッスよ。自分は異世界の人間だ、とか言い出したときは、こいつアタマおかしいんじゃ
ねえかと思ったし。
 んで、いざ一緒に行動してみたらマジでこの世界の習慣を知らないみたいで、「トイレ
の男性用マークはどっちだ」とか聞いてくるから焦ったぜ。「革靴」が男用で「扇子」が
女用のマークだって、世界共通の常識じゃないスか?
 あとほら、よく宿屋でメシの後にサービスでニームの枝がついてくるっしょ。なんとあ
れをポリポリ食っちまったりとか。
「……勇者様、それ噛んで柔らかくして、歯を磨くんスよ」
 と俺が呆れ半分で教えてやったら、えらく感心してたっけ。
 あげくに、パーティの金銭管理はリーダーの仕事だからって俺たちの所持金を預けた時
は、「ええ! ゴールドって銀貨や銅貨もあるの!?」なんてこれまた当たり前のことに驚
いてたし。本当にこいつがリーダーで大丈夫なのかって、俺も不安になったもんッスね。

 だけどタツミって、すごく熱心なんスよね。行く先々の街や城で片っ端から本を読み漁っ
て、暇さえあればロダムやエリスに、呪文や世界の歴史について習ったりしてる。俺にも
魔物との戦いの注意点とか、しょっちゅう質問してくるし。
 今でこそあいつも慣れたもんで、旅のプランニングや経費の計算、売買の交渉とか、冒
険に関する雑務も一通りこなしてるけどさ。もともと記憶力はすこぶるいいヤツだったけ
ど、こんな短期間で覚えたのは、やっぱ努力の賜物ってんじゃないんスかね。

 まあ厳しいことを言えば、この程度はどのパーティでも当たり前にやってることで、冒
険者としてはまだ全っ然なっちゃいないッスけどね。
 まして「勇者」が魔物と戦えないなんざ、よそには絶対に知られたくない話だし……。

294 :Stage.17 [2] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:17:42 ID:OOboCCOz0

 それでもなぁ。
 血がダメなのはかなりマジだろうに、あいつは吐いても吐いても逃げ出さずに俺たちの
戦いを見守ってるんスよ。俺自身が知らないうちに負っていたケガに気付いてくれたり、
エリスもほら、女ゆえのサイクルってのがあるっしょ? それで体調が悪いのを見抜いて、
俺らに「フォローしてあげてね」ってさり気なく頼んできたりとか。
 マメっちゅうかなんちゅうか、いつも俺たちを気遣ってて……自分の方こそ、戦闘のた
びに顔が真っ青になってるってのにな。

 だから、あいつが戦えないなら俺が二人分戦えばいいや、なんて。
 いろいろ頼りないヤツだけど、今の俺たちのリーダーは、やっぱタツミなんスよね。

 そういうことで、王様。
 あいつが理不尽に罰せられるのは許せないッスよ、俺は。

   ◇

 なーんて意気込んでアリアハンの刑場に乗り込んだ俺たちだったんスけどねぇ。
 現在、その王様はひとり壇上でイジけてますよ。先刻の騒動ですっかり存在を忘れられ
ていたのがよっぽど悲しかったらしいッスね。執行役の兵士たちも「どうするよオイ」と
かマゴついてるし、なんかもうすっかりgdgdになってる。

 ピーヒョロロ〜と鳶が暢気に青空に円を描いてて、なーんかマの抜けた空気が漂う中。
 レイさんだけは妙にニコニコしてる。
「王よ、ここはいったん腰を据えて、じっくり話し合うべきではありませんか?」
 まあ無難な提案だわな。王様も渋々壇上から降りてきたんスけど、なんか情けない顔し
てるわ。

 タツミの方も同じように肩を落としてて、俺と目が合うと苦笑いした。
「今の王様の気持ち、僕もよくわかるよ。なんかこうして落ち着いちゃうと、結局のとこ
ろ、『吐け!』『言うもんか!』『じゃあ痛めつけてやる!』『やるならやれよ!』とお
互いに意地を張り合ってただけ――って感じだもんね〜」

295 :Stage.17 [3] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:20:59 ID:OOboCCOz0

「っぷ」
 思わず吹き出した。本当にその通りだもんなぁ。

 タツミはそれで吹っ切れたらしく、一歩前に出ると、王様に思いっきり頭を下げた。
「あの、王様。いろいろ失礼なこと言っちゃって申し訳ありませんでした!」
 そうそう、うちのリーダーは本来、自分が悪いと思ったらすぐにちゃんと謝る人間だも
んな。今回みたいにわざと反感買うような真似してるのは、全然らしくないんスよ。
 王様もしばらーく黙っていたけど、やがて降参とばかりに両手を挙げた。
「わかったもうよい。不問とする。貴様ではないが、だんだん余も面倒になってきたわ。
お前たちも下がってよいぞ」
 どこかスッキリしたように笑いながら、王様は兵士たちに退席を命じた。兵士たちはサッ
と敬礼すると、物騒な道具をかかえてそそくさと刑場を出て行く。あいつらも本当は嫌々
従事していたんだろうな。
 アリアハンはもともと平和ってゆーか、ノンビリした国ッスからね。魔物ガラみの暗い
事件はたびたび起きてるけど、それがなきゃこんな陰気な話は滅多に無い。いつだったか、
王様が自分の息子みたいに大事に思ってるオルテガ様のご子息に不埒な真似をしようとし
たアホな女パーティがいたけど、そいつらも表向きは極刑とされたが、秘密裏に国外に追
放するだけで済まされたし。

「まったく、本当に虫の好かんヤツだ貴様は。余の力量を試すなど、侮辱罪で打ち首にさ
れても文句は言えんのだぞ?」
 王様がチョンと首に手を当てるマネをすると、タツミは胸の前で手を組みつつブンブン
首を振った。
「いやだなー王様、僕そんな恐れ多いことコレっぽっちも思ってませんよ? 偉大にして
神聖なる御国王陛下より直々に賜りし罪なればここは粛々と甘受すべきかとですね」
「だーまーれ、少しは物怖じせんかこのクソガキが。……まあ確かに、余も少しばかり頭
に血が昇っていたかもしれんが」
 ありゃ? なんかこの二人、かえって仲良くなってないか?
「ふむ。やはりアリアハン国王は立派な方だな」
 とか言いつつレイさんはニタニタしてるし。この人も最初から結末が読めてたっぽいな。

296 :Stage.17 [4] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:21:46 ID:OOboCCOz0

「さて、余は譲歩したぞ。次は貴様の番であろう?」
 王様の言葉に、タツミは少し困ったような顔でうなずいた。
「――わかってます、アルス君のことですよね」

 アルセッド=D=ランバート。
 本来、俺たちがともに旅をするはずだった、真の勇者たる少年。

 タツミは間違いなく「彼」の身に起きたことを偽っている。それは王様が疑問に思うま
でもなく、俺たち3人も薄々察していたことだ……が。

 けど実は、「とりあえず向こうが言い出すまではそっとしておこう」って俺たちの中で
話し合いは済んでたりする。実際あいつはマジメに勇者として人助けの旅を続けてるんだ
し、たとえ隠し事をしていようとそれなりの事情があるんだろう、ってさ。
 だいたい、王様がタツミに「アルスの名声を横取りしようとしている不逞の輩」って猜
疑の目を向けるのも、仕方ないっちゃそうだが、現場を知る俺たちから言わせてもらえば、
こんなクソ面倒な大役をわざわざ買って出るくらいなら、一般人でいるほうがよっぽど楽ッ
スからねぇ。

 でもまあ、そろそろ真実を聞いておきたいところではあるなぁ。
 エリスやロダムも同じ考えなのか、じっとタツミの方を見つめてる。

 うちの勇者様もそれに気付いたのか、軽く肩をすくめてうなずいた。
「わかりました。僕にわかる範囲のことはお話します。ひとまず腰を落ち着ける場所を貸
していただけますか、王様?」

297 :Stage.17 [5] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:23:24 ID:OOboCCOz0

 【エリス=ダートリーの場合】

 タツミ様のこと、ですか?
 そうですね。実はその……今だから言える話ですが、最初の頃、私は彼をまったく信じ
ていませんでした。
 タツミ様は一見すると、温和で人当たりが良くて会話上手、他人とすぐに打ち解けられ
る方ですが――その笑顔の裏でいつもクールに場の空気を読み、先を計算しているような
ところがあります。
 私だって、ついついアルス様と比較してしまうからこそ、そういう性質に気付きました
が、普通の人は彼の表面的な笑顔に簡単に騙されるでしょうね。
 あ、ごめんなさい、騙されるというのは言い方が悪いわ。それが彼なりの気遣いや優し
さなんだって、今はもうわかっていますから。

 まあロマリアにいた頃までは私もそんな感じで、
(このニセモノがアルス様の命を握っているのかしら)
 と本気で不安に思っていました。王様が疑っていたように、私も彼が、アルス様に成り
代わろうとしている魔王の手先かなにかでは……と考えていたんです。
 だからモンスター格闘場での八百長じみた大勝にも大げさに感心してみせましたし、お
となしく彼の指示に従って金の冠を取り返しにも行きました。
 どういういきさつなのか一時的にロマリアの国王代理を務めることになった彼から、
「僕、王様してる間にちょっとやっときたいことがあるんだ。そんなにかからないから、
しばらく宿屋でのんびりしててよ」
 そう言われましたが、私は彼に秘書役として手伝いを申し出ました。だって、こんな怪
しい人間にロマリアのような大国の権力を渡すなんて危険じゃないですか。
「ありがとうエリス、本当に助かるよ。ごめんね、疲れてるのに」
 少し照れたように言う彼に、
「いいえ、お気になさらずに。タツミ様の方こそずっと働きづめではないですか、少しは
休まれたほうがいいですよ?」
 なんて白々しく心配するフリをしながら、私は彼の動向を探っていたんです。
 結局、タツミ様は約束どおりすぐに王位を返還し、一日も経たずにロマリアを出立する
ことになりましたけど。

298 :Stage.17 [6] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:27:42 ID:OOboCCOz0

 ――それから、初の魔物との戦闘に至り。
 タツミ様が血に弱いということが、ここで初めてわかりました。
 冒険者の中にも苦手という人はいますよ。ロダムのような僧侶など、基本的に殺生ごと
は好みませんし。でも彼の……血液恐怖症というのでしょうか、あれは半端じゃないです
ね。木陰で吐いているのを見かねて水筒を持って行きましたが、とても演技とは思えない
くらい参っていました。
 なのに、
「ごめんね〜、血はどうも苦手なんだよねw 近いうちに必ずなんとかするからさ」
 と、必死に笑顔を作ろうとするんですもの。
 この人、悪い人じゃないのかしら……?
 ふとよぎったその思いは、ピラミッドで確信に変わりました。

 タツミ様と2人で落とし穴にはまり、魔法が使えない地下道を彷徨い歩き、どうにもな
らなくなって通路の隅に隠れて休んでいた時です。
 気を紛らわせようと雑談をしていたんですけれど。
 その会話の方向性が、私に囮になれと暗に促していることには、最初から気付いていま
した。そういう作戦自体は別に彼じゃなくとも冒険者のパーティなら一度や二度は経験す
ることですから、それについては特にヒドイとは思いませんでしたよ。これまでの経緯を
鑑(カンガ)みて、本当にこのまま見捨てられることはまず無いだろうという計算はありまし
たし。
 むしろ遠回しに誤魔化さないではっきり言ってくれた方が良かったんですが、男の彼か
ら女の私に「身代わりになれ」とはさすがに言い辛いのでしょう。そう思って、親切心で
私の方から言ってあげたんですよ。
 私を置いていけ、と。
 抱きしめてあげたのは、まあちょっとしたサービスで。

 ……すぐに後悔しましたけどね。

299 :Stage.17 [7] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:29:00 ID:OOboCCOz0

 その時のタツミ様の表情は、今でも忘れられません。
 悔恨とか自己嫌悪とか、なにかそういった、自分に刃を向けるような負の感情に一気に
支配されてしまったかのような。
 うまく言えないんですが、たとえば、大切な人をどうしようもない理由で殺してしまっ
た、その直後みたいな。もう他人にはどうすることもできないくらい自分を追い込んでし
まった人を、目の前でただ見ているしかない状態というのか……。

 しかも驚いたのは、彼は次の瞬間には、スッといつもの笑顔でそれらすべてを覆い隠し
てしまったことです。
「じゃあ、ちょっと様子を見てくるから、君はここで待っててくれる?」
 まるでなにごともなかったかのように。正直、私はほっとしました。私には、さっきの
状態の彼にどう対処していいかわからないもの。

 だから、あの時の私の言葉の、本当の意味は。
「なるべく早く、帰ってきてくださいね」
 そしてさっさとどこかの街に戻って、宿を取って、この人に暖かくしておいしいものを
食べさせて、ゆっくり眠らせてあげたい。
 そう思ったんです。

 キスをしたのは……よくわかりません。
 私の方こそごめんなさい、って、そんな気持ちの表れだったような気がします。

   ◇


300 :Stage.17 [8] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 12:32:17 ID:OOboCCOz0

 刑場から応接間に移動した私たちは、そこでタツミ様のお話を聞くことになりました。

「まず謝ります。僕、嘘をついてました。アルス君がいなくなったことに関して、魔王が
直接なにかしたわけじゃないんです」
 アルス様は魔王に封じ込められたのではなく、タツミ様の異世界に飛ばされ、替わりに
タツミ様がこの世界に送られたというのです。
 つまりお二人は入れ替わってしまったのだ、と。
「ではアルセッドはどうしてるのだ? 無事なのか」
 王様の問いかけに、タツミ様は自信が無さそうにうなずきました。
「たぶん。僕が住んでいた世界に魔物はいませんし、アルス君ほどの戦闘技術を持つ人間
もほとんどいません。まず危険はないと思います」
 私も少しですが、タツミ様が住んでいらした世界について聞いたことがありました。魔
術の類はいっさい存在せず、まったく異なる文明を持つタツミ様の故郷。そこは魔王も魔
物もいない平和な世界であると。
 タツミ様はそこで溜息をつきました。
「正直、僕もなにが起こってるのかわかってないんです。この世界に来る直前に、神様だ
かなんだかに簡単な説明をされただけで……。僕がアルス君の代わりに魔王を倒さなけれ
ばいけないらしいんで、やっぱり魔王が間接的に関わっているのかもしれませんけど、そ
れも僕には答えようがありません」
「なるほどな。君も大変だったね、青少年」
 レイさんがしみじみと言いました。
「いきなり見知らぬ世界で『勇者』をやれなんて言われて。よくやってるじゃないか」
「まあなんとか。――ただ、アルス君の方はどうも以前から、僕や、あっちの世界のこと
を知っていたみたいです。『夢を通して見ていた』と言っていました」
 え、夢で見ていた……?

(――聞いてくれよエリス、また例の『夢』を見たんだ。ほんと不思議な世界だよ、ヒコ
ウキってわかるか? 何百人も人を乗せて空を飛ぶんだぜ。ラーミアよりすげえよな!)

 どうしてでしょうか。嬉しそうに語るアルス様の姿が浮かびます。
 そんなこと、過去に一度もなかったはずなのに。

301 :Stage.17 [9] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:01:01 ID:OOboCCOz0

「なんだか貴様はアルセッドを知らぬような口ぶりだな。以前、余に『アルセッドは自分
にとっても大切な存在だ』と言い切ったではないか」
 王様がややキツイ口調で聞きました。タツミ様はそれにも困った顔になりました。
「それは間違いありませんが……。当時は彼がアルスという名で、しかも僕とそっくりだ
なんて知りもしませんでしたけど」
「知らないけれど大切な存在? タツミ殿、どういうことですかな?」
 ロダムが首をひねります。
「えーと、なんて言えばいいのかな。僕の世界では、彼の冒険譚が絵本みたいな形で残さ
れているんだよ。この世界にも古い伝説や神話を描いた子供向けの絵本はあるだろ? 僕
もそういうのを読んで育ったというか……だから、勇者アルスは僕にとって憧れの英雄と
いうか、なんかそんな感じなんだ」
「すでに伝説になってるって? じゃあタツミさんトコの世界って、未来の世界なんスか?
これからどうなるかも知ってるとか」
 興味津々で身を乗り出すサミエルに、タツミ様は微笑みました。
「もしかしたらそうかもね。僕が知ってる話では、勇者は魔王を倒して世界を平和にする
よ。登場人物の名前はハッキリしないんだけど、戦士や僧侶や魔法使いが仲間だったから、
きっと君たちのことなんじゃないかな?」
 おっしゃぁ〜!と嬉しそうにガッツポーズをするサミエルを、王様は呆れたように見て
います。
「まあそれはわかった。で、アルセッドのことだが……まさかと思いたいが、自らの意思
で貴様の世界に行ったのか?」
 王様がそう問いかけると、タツミ様は申し訳なさそうに首を振りました。
「だと思います。でも、なんだかつらそうに見えました。皆さんからこんなに頼りにされ
て、心配されてるんですから、きっとよほどの事情があったんじゃないかな……」
  

 その後もいくつか質問が出ましたが、タツミ様にもはっきりしないことばかりでした。 
「貴様をアルセッドの後継と認めよう。余に報告を怠らぬように」
 最後に王様から正式な許可が下りました。わけもわからず勇者を押しつけられた彼の苦
労が、王様にも察していただけたのでしょう。
 そこでひとまず、私たちは解散したのでした。

302 :Stage.17 [10] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:22:06 ID:OOboCCOz0

 【ロダム=J=W=シャンメールの場合】

 アリアハン城を出た我々は、その足でルイーダの店に向かいました。タツミ殿が、すぐ
にもレイ殿の歓迎パーティーをしたいと言い出したのです。
「僕のせいで変なことになっちゃったし。……それと、なんと言いますか、このままじゃ
サヤさんところに顔を出しづらいし。もちろん、落ち着いたらちゃんと行くけどさ」
 勢いをつけるために先に一杯ひっかけたい、というところでしょうか。気持ちはわから
ないでもありませんが、そこはまずサヤ殿に謝りに帰る方が先では――。
 と思ったのですが、
「ねえねえ、ダメかな〜?」
 タツミ殿の「お ね が い♪ ウルウル瞳攻撃」にレイ殿とサミエルがあっという間
に陥落したため、多数決で即決されました。


 その後、ルイーダの店の2階の一室を借り切って、大いに盛り上がりました。

 2時間くらい盛り上がったでしょうか。
 そろそろドンチャン騒ぎも一通り落ち着いた頃、私はふと、店内にタツミ殿の姿がない
ことに気が付きました。
 彼はあれでなかなかの酒豪で、少々のお酒では参りませんが、酔って絡んできたレイ殿
をあしらったり、それでまたいきり立ったエリスをなだめたり、調子に乗って脱ぎだした
サミエルを酒瓶でドついておとなしくさせたりと忙しく立ち回っていたので、息抜きをし
に行ったのかもしれません。

 私もそっと席を離れ、外へ出ました。少々気になっていたことがあり、この機会にタツ
ミ殿に確かめられればと思ったのです。

 彼は店の横を流れる城の外堀のふちに座っていました。すっかりお気に入りとなったス
ライムのヘニョを抱き、空中に投げ出した足をまるで子供のようにぶらぶらさせながら、
水面に映った月を見つめています。

303 :Stage.17 [11] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:26:55 ID:OOboCCOz0

「疲れましたか」
 私が声をかけると、気配には気づいていたのでしょう、彼は微笑んで片手をあげました。
拒む様子はなく、隣に立った私に彼の方から話かけてきました。
「ごめんねロダム、嫌な思いをさせたね」
「それは、王様との約束のことですか? それともレイ殿のことですか?」
 私の言葉に、彼はあう〜っと情けない声を出しました。

「どっちもだけど――。レイさんのアレさ、やっぱり本気だよね。年下をからかってると
かじゃないよね」
「まあ冗談ではなさそうですな。私も女性の気持ちはよくわかりませんが、少なくともレ
イ殿の人となりからして、ふざけてあのような言動はなさらないでしょう」
「だよねー……。いや確かにレイさんの戦力は欲しかったから、ちょっとは『仕掛け』た
さ。でも別に女心をもてあそぶとか、そんなつもりはまったく無かったんだよ」
 水面の月から上空の月へと仰ぎ見て、またうあ〜っとうなっています。
 私はわざと澄ました顔を作って言いました。
「ほほぉ。わざわざ私に『自分が血に弱いことはレイさんに決して話さないで』と念を押
してから、いかにも話してくれとばかりにサミエルと連れ立って武器屋に行ったり。洞窟
内でも、我々にもまだ話していない悩みをレイ殿だけにはこっそり打ち明けたとか、いや
はや勇者様もなかなかやり手だなと感心しておりましたが?」
 そもそも、普段のタツミ殿はご自分がアルス殿の偽者だとバレないよう第三者への態度
にはかなり気を使っています。しかしレイ殿に限っては妙に適当だったり、わざと弱みを
見せていたりところが、ずっと気になっていたのです。

「だーからー! 『なんか頼りない後輩君をちょっと助けてやろうか』なんて思ってくれ
ればいいなぁ、程度だったの! 王様に実力を計られてる状況でこっちから助力を仰ぐわ
けにもいかないし、でもこんなチャンスは逃したくなかったし。だいたいあんなスゴイ人
が僕みたいなガキに惚れるとか、あり得ないだろ? 普通は思わないってば!」

 レイ殿のことは本当に予想外だったのでしょう。いつもどこか冷静に構えている彼が、
すっかり弱りきった顔で言い訳しています。

304 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/08(月) 13:28:04 ID:wsWjFWbj0
リアルタイム遭遇きたーー、
支援

305 :Stage.17 [12] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:35:55 ID:OOboCCOz0

 なんだか私は、ようやく年相応の勇者様を見られたような気がして、ついつい笑顔になっ
てしまいました。
「ではそういうことにしておきましょう。なに、レイ殿も立派な大人だ、自分の恋はきち
んと自身で責任を取りますよ。あなたを悪く思ったりはしないでしょう」
「う〜……。僕ももう一回、ちゃんと謝るつもりだけどさぁ……」
「そうですね。――まあ、ひとまずレイ殿のことはそれとして」
 それよりも問題は。
 さきほどから、彼がなんとか話題を逸らそうとしている、もう一つの方です。

「……なぜ、我々に黙って国王とあのような約束をなさったんです。しかも、わざと国王
を煽ったでしょう? あなたならもっと穏便に済ませることもできたはずです」
 ヘニョをなぜていたタツミ殿の手が止まりました。
「どうしてですか。理由があるのでしょう?」

 私はなるべく声に棘がないように問いを重ねました。
 アリアハン城でのさっきの話も、私は彼がすべてを語ったとは思っていません。まだな
にか隠しているのは間違いありません。
 ですが、タツミ殿はそこらの15、6歳の子供とは訳が違う。彼が自分の身が可愛くて嘘
や隠し事をするような子ではないことは、これまでの旅でわかっています。この少年がな
にを一人で抱え込んでいるのか、少しでもその重荷を分け持ってあげたいと、そう思うの
です。

「話してはくれませんか? そんなに、我々が信用できませんか」
 スッと月が雲に隠れ、当たりが暗くなりました。

306 :Stage.17 [13] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:38:07 ID:OOboCCOz0





 
「……このゲームは本当に良くできてるよ」





 ようやく、押し殺したような声が彼の口から漏れました。
「ゲーム?」
 聞き返した私に、彼は独り言のように続けます。  
「本気でクリアを目指すなら、どうしたって心の通い合った仲間が必要になる。利害関係
だけのパーティでエンディングに到達できるほど甘くはなさそうだもんね。でもそうして
絆を深めて、一緒に困難を乗り越えて、その先の最後の選択まで到達できた時、果たして
それを全部捨ててまで『あっち』を選べるものなのかな?」

 月が雲の陰から再び姿を現しました。
 タツミ殿が私を見上げます。そして。

「帰りたくないって……思っちゃうのが、普通じゃないのかな?」


 それは、ぐっとなにかに耐えているような。
 私たちには入り込めない深いところで、ひとり孤独な戦いを強いられているような。
 そんな胸が痛くなるような、笑顔でした。

307 :Stage.17 [14] ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:40:01 ID:OOboCCOz0

「ここらでちょっと痛い目に遭わないとダメかなぁ、なんてバカなこと考えちゃったんだ。
本当にごめんね、心配かけて。もうあんな無茶はしないよ」
 なんと言っていいのかわからず立ちつくしている私に、タツミ殿はもう、いつもの飄々
とした調子に戻っていました。「寒くなってきたネー」なんて腕をさすりながら、店に向
かいます。
 その後ろ姿が今にもフッと消えてしまいそうな気がして、私も急いで後を追いました。



 彼の言ったことは、私にはよく理解できません。
 ただ、「ゲーム」というからには勝敗がある。
 そしてその負けというのが、先ほどの言葉の通り、「この世界を好きになり、元の世界
に帰りたくなくなってしまうこと」――なのであれば。

 私たちがこうしていっしょに泣いたり笑ったり、心を通い合わせて旅をしていることの
すべてが、彼にとっては重荷にしかならないと、そういうことになるのでしょうか。

 それはひどく悲しい話だと……私は思いました。

308 :Stage.17 atgk ◆IFDQ/RcGKI :2008/09/08(月) 13:45:02 ID:OOboCCOz0
本日はここまでです。

お久しぶりです。今回はあまり話が進まなくてすみません。
読み返してみてタツミの行動がいまいち説明不足かなぁと思いまして、
胸の内を少し打ち明けてもらいました。

309 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/08(月) 21:58:11 ID:PRC/S6sV0
>>308
久しぶり乙です。
なんていうか、深い、ですね。
ロダムの立場に立つと色々と考えさせられます。

貴方のSSは読んでていつも頭の中に映像が浮かびます。
完結までじっくりゆっくり頑張ってください。
続きを楽しみにしてます。

310 : ◆I15DZS9nBc :2008/09/09(火) 02:34:49 ID:3B9GOb7n0
すりりんぐぶれいぶはーと・第二話(1)

魔法を行使するには幾つかの手順が必要となる。
ひとつ、魔法を心に刻む。
ふたつ、脳裏に魔法を思い浮かべる。
みっつ、魔法の呪文を唱える。
魔法特性があるなら特に難しいことはない、一度心に刻み、その魔法を使えるレベルに到達すれば後は自動的に行使できるようになる。
そして脳裏に思い浮かべる、これが俺にとって一番の難関だった。
魔法基盤の存在しない世界に生まれたがために魔法を理解することが容易ではなく、ジジィには才能がないと言われながらも本気で努力した。
そうせざるをえなかった、魔法が使えないとほんとに不便すぎて困るわけで、それはつくづく身に染みていたから朝から晩まで頑張った。
ようやくそれを体得したら後は簡単、魔法の呪文なんて覚えることがない、つーか、呪文というより魔法の名前を告げるだけで良いからだ。
まあ、ある意味呪文は安全装置で、ぶっちゃければ魔法を使うと認識さえできればそれすら必要ない。
だから厄介なもので、百兵をもって魔法使いに挑んでも下手をすると魔法を使えない戦士が全滅することになる。
今、魔法を公式に教わることができるのは王家直属の魔法技師とダーマ神殿ぐらいのものだ、庶民は魔法を刻むなんてことはできない。
ダーマ神殿……無料でその人に合った適正を調べ、さらにそのための肉体改造すら行ってくれる、なんと親切な機関だろうか。
やはりそんなことはなく内情はどす黒い、体面上は職の神を祭るが、実際は諸王連合の利権争いの末に生まれたものだ。
王家にとって王国にとって、兵隊はのどから手が出るほど欲しい、さらにそれが優秀であるならなお良い。
しかし、優秀すぎるのは困るわけで、いつの間にか優秀な兵士が王になっていたんてのは目も当てられない。
だから肉体改造を行う時、従属の印を刻む、それは真実を知るもの以外には悟られていないし、王が死ねと命じれば死すらも拒否することができない。
現実とはかくも恐ろしいものなり、古代叡智の結集であるダーマだが今だかつて勇者を輩出していないのが救いか……。

311 : ◆I15DZS9nBc :2008/09/09(火) 02:35:41 ID:3B9GOb7n0
「いかんいかん、そろそろ晩飯を作らんとジジィのどやされる」

レベルの上がったジジィはあの後何度か自殺を試みたようだが今も元気で他にすることもなく魔法理論の構築に励んでいる。
いやー、あの頃は酷かったね、俺の前でジジィが自らに消滅の魔法をかけて粒子に還元されてんの。
しかもそれが復活すんだから勇者のパーティの呪いって恐ろしいは、人間が骨から内臓、筋肉に包まれていく様はほんと気持ち悪い。
もう二度と勘弁と思う俺が居るわけで、そんなジジィだが魔法そのものに対してはぞっこんラブなんで俺がほっとくとほんと一日中部屋に籠って何かしらやってるわけ。
まあパーティの一員であるから一か月ぐらい食わなくても良いわけだが、どうやらジジィは人間の一員だと思ってる節があるらしく人間っぽい生活から外れると俺に対してキレる。
俺だって人間だっつーの、と思うがそれ以前に勇者に組み込まれたからにはどうしようもない。
なんか最近吹っ切れた、というか、もう諦めた、もう人間駄目だは、俺人間じゃないもの、職業勇者じゃなくて種族勇者みたいな。
ジジィが言うには記憶の書き換えらしいが、もう良い、ここまで深層心理が侵されたらもう後戻りができない。
使命としては魔王討伐だけど、顧みれば特に脅威ってわけでもないからこのままダラダラと生活していても良い気がする。
何度か王軍の追手がちらほらと見えたけどあちら側としては不干渉らしいし。
殺せない相手なんだからしょうがない、殺せないことはないけど魔王級のバケモノでもなければ無理ってあたりが微妙。
獄中死した勇者も居なくはないが、あれは勇者としての密度が低かったんだろうなあと俺は思う。
どこぞのオルテガも下の世界で生きてるんだろうし、まあ、焦る必要もない。
このなんとも言えないバランスをいたずらにつつくのもどうかなと。
むしろバラモスを潰してその後に出てくるヤツが厄介すぎる、アイツは本気で世界を潰しにかかってくるだろうからな。
ここ二年の動向を考えると十中八九、バラモスと王家の連中の間では協定が結ばれてやがる。
あんだけ大げさに言ってやがったのに国は滅びる気配はないし、多少の人口の推移もあるが許容内だ。
逆に人口増加に歯止めをかけて良い感じに間引きしてんじゃねえかな。
農耕地は無限ではないし、上手くコントロールできるよ、この世界。
こう楽観的に考えるのはよくないが、ぶっちゃけこのまま百年経っても今まで通りだと思う。

312 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/09(火) 02:37:00 ID:3B9GOb7n0
「だが、俺のゲームクリアは脅威の除去なわけで、それまで俺はこのままなんだろうな」

真っ当な生活ができないのは素敵なまでに約束されてるし、結局エンディングは一つしか用意されていない。
これが現実が覚めてしまったら……俺は元の日本に帰ることを恐れているのか。
もはや俺%

313 : ◆I15DZS9nBc :2008/09/09(火) 02:38:33 ID:3B9GOb7n0
「だが、俺のゲームクリアは脅威の除去なわけで、それまで俺はこのままなんだろうな」

真っ当な生活ができないのは素敵なまでに約束されてるし、結局エンディングは一つしか用意されていない。
これが現実が覚めてしまったら……俺は元の日本に帰ることを恐れているのか。
もはや俺の現実はここで、いや、現代への望郷の思いが覚めたわけではない。
やり残したことはいくらでもあるが、ここに来てからあのまま時が流れているのなら俺の席はあそこにはない。
考えてみればなぜ俺がここにいるのか、これは長い夢なのかもしれない。
本当の俺はチューブに繋がれ、脳死状態……

「おーっとマズイ、またトリップしちまった、あー何すっかなー、調味料をどうにかして手に入れればレパートリーも増えるんだが」

314 : ◆I15DZS9nBc :2008/09/09(火) 02:40:28 ID:3B9GOb7n0
(2)に続く
間が空いてしまった
上げてしまってもうしわけない
書き込み失敗これで二度目、何が原因だろうか

315 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/09(火) 18:44:23 ID:9i/5FQu50
ここ二日で新作が二つも
うp乙です!!マジで面白い

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