■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目

279 : ◆Y0.K8lGEMA :2008/08/26(火) 03:20:14 ID:JqDt5M4C0
幕間の短編一話のみですが投下します。
ちょっと時期が遅くなりましたが、イサミの世界の行事ネタです。

280 :番外編 at 一週間遅れ ◆Y0.K8lGEMA :2008/08/26(火) 03:25:55 ID:JqDt5M4C0
「イサミ殿、野菜に棒きれなど刺して…食べ物で遊ぶとサトチー様に叱られますぞ。」
「遊んでるわけじゃねえよ。これは『お盆』って、俺の世界の伝統行事。
 一年に一回だけ先祖に会える日でさ。野菜の馬と牛を飾って先祖を迎えるんだよ。」
「故人を召喚する降霊儀式のようなものですな。いや、死霊を使役する術式とは…
 そのような難解な呪法を容易に操るとは、イサミ殿の世界の住人も侮れませんな。」
「…死霊の召喚儀式とは禍々しい…それなりの代償は覚悟しているのであろうな…」
「なんか…勘違いしてねえか?特にスミス。お前が言うとシャレになんねえ。」
「…なぜ私だけ名指しでツッ込まれるのだ…」
「これは、そんなヤバい行事じゃなくってさぁ。死んだ後でも会いたい大事な人と、
 一年に一回だけでも近くで過ごせるようにって…そんな祭りなんだよ。」
「なるほど、そう言われるとこの妙な儀式にも人の温かみを感じられますな。」
「…ふむ…儀式の思惑には納得したが…イサミにも今一度会いたい故人がいるのか?」
「ん?…あぁ、今回は俺の先祖の為にコレを作ったわけじゃないんだ。」
「はて?では、何の為に?」
「まぁ、もう夜も遅いし寝とこうや。あとはコレを飾っておしまいだからさ。」
「う〜む…異世界の文化は実に奥が深いですな。」

        そして、夜が明けた。

「♪〜 あ、おはようイサミ。よく眠れたかい?」
「ふぁ…おぅ、サトチーおはよ。鼻歌なんか歌ってご機嫌だなあ。」
「まぁね、久しぶりに楽しい夢を見れたんだ。」
「ずいぶん楽しい夢だったんだろうな。…で、どんなんよ?」
「うん、夢の中に父さんが出てきてね。平和だったころのサンタローズで
 一緒に釣りをしたり、いろいろ話したり…うん、そんな夢。
 …おや?ねぇイサミ。この野菜はなんだい?」
「あぁ…それは…ただのおまじないみたいなもんだよ。
 ほら、スミスが馬車で待ってるぞ。早く準備しちまおうや。」

―お前にはずいぶんさみしい思いをさせたな―
『父さん、僕は大丈夫。僕の傍にはいつでも素晴らしい仲間がいます。
 そして、父さんから受け継いだ志がいつでも僕を鼓舞してくれます。』

500KB
続きを読む

名前: E-mail(省略可)
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス