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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら11泊目

362 :冒険の書4 ◆8fpmfOs/7w :2007/11/22(木) 06:41:33 ID:bpgE70UD0
勇者が冒険をする間、キツネとベロリンマンは移民の町に渡った。
俺はシンシアと一緒にすごすことができた。夢のようなひと時だった。
でも、それは束の間の夢。ゲームが終了したことで俺は元の世界に帰るのだ。

不思議な声が俺に語りかけて選択を迫る。この地に残るか元の世界に戻るか。
これはマスタードラゴンの声だろうか。俺は元の世界に戻ることを選んだ。
俺の選択を受け入れて、その声は俺に気をつけて帰れよと言う。
あんたも自分の城に帰る時はトロッコに気をつけろと言いたかったがやめた。
世の中知らないほうがいいこともあるものだ。

俺はここに残らないほうがいい。これは考え抜いた末の行動なんだ。
シンシアには勇者がいる。きっと彼がシンシアを幸せにしてくれるのだろう。
ネズミの嫁入りではないが、一番近くにいた人と結ばれるのが幸せなのだ。
この結末は俺にとってハッピーエンドだといえるのか分からない。
でも、これでいいのだ。
俺は勇者の気持ちになっていた。だから勇者が本当に守りたかったものを守ったまでだ。

俺は大切なものを守るため大きな嘘をついた。偽りの村を作り出すという大きな嘘を。
だけど、それだけじゃなく俺は自分の気持ちにも嘘をついていたのではないだろうか。
……もしかしたら俺は自分に嘘をつき無理やり自分を納得させていただけかもしれない。

この世界から俺の姿が消えていく。
せめて最後に一目だけ、シンシアの、君の姿を見せてくれ。
でも俺にはシンシアが見えない。
シンシアは勇者と抱き合って、俺には勇者の後姿しか見えない。
もじゃもじゃした髪の毛しか……

え。もじゃもじゃ?
ちょっと待て! ひょっとしてこの世界の勇者って女?!

―完―

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