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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら11泊目

277 :冒険の書4 ◆8fpmfOs/7w :2007/11/10(土) 07:14:19 ID:q0MZk8+R0
「私の住んでる場所を聞いてどうするつもりなの!」
ああ、ものすごい拒絶反応……。ストーカーだと思われたのだろうか。
よく考えたらモンスターの出るなか俺が送るなんてできないんだよな。
そうだよ。俺がバカだったんだ。全ては俺のせいですよ。

俺が唖然としているのを見て彼女は自分の口調のきつさに気づいたようだ。
「ごめんなさい。でも、どうしても教えられないの……」
変に気を使わないでくれ。いっそのことばっさり切り捨てておくれ。
クリフトみたいにマホカンタしてる敵にザラキ唱えれば楽に逝けるかな……

振られた。なんだろうこの悲しさ、この寂しさは。
何か最近これに似た経験をした気がする。どこでだっけ。
思い出した。姉ちゃんが子供の名前を考えているときだ。
俺が「トンヌラというのはどうだろう?」と提案したときの姉ちゃんの反応。
もちろん冗談だったのに、姉ちゃん本気で嫌がっていたっけ。
あれ昔だったら乗ってくれていたよ。ちょっと寂しかった。
でも、意外なことにお義兄さんのほうが話に乗ってくれたんだよな。
姉ちゃんはいい人を見つけたもんだ。
それなのに俺ときたらゲームの世界ですらこのありさま……

名前といえばこの娘の名前を聞いていなかったじゃないか。
「せめて、せめて名前だけでも教えてよ。俺の名前はジンって言うんだ。」
その女の子はすぐに笑顔になってこう言ってくれた。
「名前なら教えてあげられるわ。」
しかし彼女の名前を聞かないまま別れたほうが楽だったのかもしれない。
俺は世の中には知らない方がいいことがあると改めて思ったのだ。

「シンシア。私の名前はシンシアよ。」

―「転職の転」へ続く―

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