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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら九泊目

42 :ラムと偽牛乳 1/12 ◆IFDQ/RcGKI :2007/04/04(水) 05:12:03 ID:XRFQec6R0
 前回 >>8-19
【Stage.2 ラムと偽牛乳】

 ----------------- Game-Side -----------------

 勇者アルスのナビが当てにできないので、僕はさっさとこの世界に慣れることに決めた。

 まずは素直にルイーダの酒場に行ってみる。いつか映画で見たような中世ヨーロッパ風
の薄暗い店内で、3人の男がジョッキを片手に騒いでいる。その男達の他に客の姿はない。
 なんだかガラの悪い連中で、あまり近づきたくない雰囲気だ。仕事が無いのか、夜からの
仕事なのか、どちらにしても昼間から飲んだくれてる人間にまともなヤツはいなさそうだ。
 どっちの世界も一緒だな。

 奥のカウンターで、ハデな化粧のお姉さんがこっちを見てニヤニヤしていた。
 優雅にキセルをふかしている様は、なかなか堂に入ったものだ。そんじょそこらのアラ
クレじゃあ太刀打ちできないしたたかさがにじみ出ている。彼女がルイーダさんかな?
「いらっしゃいよ。話は聞いてるわ」
 チョイチョイと人差し指を手前に倒す。一応僕が噂の勇者様だから遠慮したみたいだが、
そうでなければ、きっと最後に「坊や」とか入っていただろう。

 彼女のセリフで僕の存在に気付いた飲んだくれ達が、人を小馬鹿にするような笑みを浮
かべた。僕がカウンターに着くなり、3人の酔っぱらいは当然のように僕を取りかこむ。
 そのうちの1人が馴れ馴れしく肩に腕を回してきて、酒臭い息を吹きかけた。
「勇者様ぁ、今日が旅立ちでしたっけぇ? こちらにはお仲間を探しにぃ?」
 わかりきってることをわざと聞いている感じだ。
「でもせっかく酒場に来たんだし、勇者様も景気付けに一杯飲んでいかねえかい?」
「もちろんここは、勇者様のおごりでな!」
 3人目の言葉と同時に、全員が爆笑。

 勇者だからって、誰もが諸手を挙げて万歳三唱ってわけでもないんだな。
 まさかいきなりカラまれるとは思わなかった。

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