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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら10泊目
1 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/08/01(水) 08:47:35 ID:SVgYayco0
このスレは「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」ということを想像して書き込むスレです。
「DQシリーズいずれかの短編/長編」「いずれのDQシリーズでもない短編/長編オリジナル」何でもどうぞ。
・基本ですが「荒らしはスルー」です。
・スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
・荒れそうな話題や続けたい雑談はスレ容量節約のため「避難所」を利用して下さい。
・レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので、スレが470KBを超えたら次スレを立てて下さい。
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい。
・物語の続きをアップする場合はアンカー(「>>(半角)+ 最後に投稿したレス番号(半角数字)」)をつけると読み易くなります。
前スレ「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら九泊目」
ttp://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1175450270/
PC版まとめ「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」保管庫@2ch
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html
携帯版まとめ「DQ宿スレ@Mobile」
ttp://dq.first-create.com/dqinn/
避難所「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(作品批評、雑談、連絡事項など)
ttp://coronatus.sakura.ne.jp/DQyadoya/bbs.cgi
ファイルアップローダー
ttp://www.uploader.jp/home/ifdqstory/
お絵かき掲示板
ttp://atpaint.jp/ifdqstory/
700 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 14:59:31 ID:ziCgFva70
その時、微かな金属音を耳が捉えた。
アレンに貰ったスライムのアクセサリーだ。
そのピアスに意識が及ぶと、教会でアレン達が見舞いに来てくれた事が思い出された。
素直になれと言ってくれたアレフ。
君の真っ直ぐさを全部真似する事は出来ない。
けど私の持っている問題を解決するには素直になるのが一番なんだろう。
切羽詰った今なら出来そうな気がする。
いや、あの時のようにまた後悔するよりは素直になった方がいいと教えてくれたんだな。
髪を切って私の気持ちを後押ししようとしてくれたアレル。
アレルと同じように強い精神を持つ事は私には出来ない。
けどアレルの話してくれた女性のように私は変われるだろうか。
いや、変わってみせようか。
無口なあなたは私の心を軽くし、変われると教えてくれた。
そして好きだと言ってくれたアレン。
君の隣はとても居心地が良いと私は感じている。
この何も分からない世界で私の居場所を作ってくれた君の優しさに
思わず甘えてしまうくらいに私は君に心を許しているみたいだ。
だから君には一番死んでもらいたくない。
だから私は勇気を出すよ。
私に出来るのは、私の気持ちを伝える事。
私の気持ちをアレン達に伝える事――
「アレン! アレフ! アレル! 頑張れ! 負けるな!!」
声が、出た。
701 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 15:04:39 ID:ziCgFva70
そしてアレン達の体に小さな光が降り注ぐ。
私が唱えた回復呪文だ。
数字にすれば10も回復したかどうか分からない程の効果だろう。
アレルのベホマズンには到底及ばない。
だけど、しっかりと私の光は彼らに届いたんだ。
「な、なにぃ?!」
うろたえる悪魔をよそにアレン達はしっかりと立ち上がる。
呪いが呪いを呼ぶなら、勇気は他人へと伝播する。
そして元々持ち合わせていた勇気と合わさりさらに大きな勇気を生む。
私の勇気と彼らの勇気が溢れ出す。
「これは……」
「よっしゃぁ! ナイスしなのっ!!」
「行きますよっ!」
アレン達は剣を交差するように掲げ、同時に振り下ろす。
その切っ先から放たれた聖なる光がモンスター共々悪魔を飲み込んだ。
まばゆいけれど、暖かい光が呪いを打ち消していった。
悪魔の断末魔さえもその光が包み込んでしまった。
勇気ある者達の勝利だった。
「勝った、のか……」
「ざまーみろ! てめーら何かに負けるかっての!!」
「やりましたね、しなのさん!」
あぁと言おうとした時、聖なる光が消えていきその中から何かが地面に落ちた。
拾い上げるとジグソーパズルのピースのようにいびつな形をした石の板。
これは……
702 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/10/19(金) 15:05:25 ID:kHGSeP9/0
再度支援ですぅ
703 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 15:07:58 ID:ziCgFva70
それが何なのかを調べようとした時、澄んだ綺麗な声と共にまたもや女性が現れた。
「ふぅ……ようやく出れました……
……あぁ、そう構えないで下さい。
私は本物の精霊です。
迂闊にもあのモンスターに閉じ込められてしまったのです」
彼女はあの悪魔と同じように泉に立っていたが、以前のように水面に波紋は現れず、
泉はまるで鏡になったかのようにぴたりと動きを止めていた。
「信じられないのなら、呪いを解いてみせましょうか?」
「チッ! もう遅ぇんだよ……」
精霊は私達が自分の力で呪いを解いた事を分かった上でそんな事を言ったのだ。
先ほどの悪魔よりは好感が持てた。
「ありがとうございます。
人間にお礼を言うのは久方振りで少し恥ずかしいですが……」
こんな風に顔を赤められてはこちらが困ってしまうな。
可愛い精霊だ。
「礼なんかいいから何かくれよ」
「そうですね……では何か希望はありますか?」
「……しなの」
え? わ、私か?
「そうだな、今日のMVPはお前だ!」
「僕もそれに賛成です」
ありがとう。それじゃあ――
704 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 15:11:06 ID:ziCgFva70
○第十三話
『さよなら、ばいばい』
「ではでは、乾杯!」
「イエー!!」
「乾杯」
乾杯!
その声をかき消すようにグラスを叩き合う。
晴れて呪いから開放された私達は、いの一番に飲み屋へと直行して祝杯を上げた。
アレフのテンションはいつもに増して高く、ビールを一気飲みしてしまった。
けれどアレンやアレフもまた嬉しそうにグビグビと酒を飲み干す。
久し振りの人間らしい食事と飲み物にありつけた事もそうだが、
やはり苦難を乗り越えた後というのは達成感でいっぱいになる。
それはグラス一杯では到底満たせるものではない。
だから今日はたくさんたくさん注いでやろう。
酒の席を共にしようという約束がようやく果たされた訳だしな。
「いや〜それにしても楽勝だったな! 一発で消し飛んでやんの」
戦いに勝ったから言える台詞だとツッコミを入れる者はいない。
酒の力も手伝ってか、そんな冗談が心地良い程に私達の気分は高揚していた。
「あそこで君が呪文を使うとは思わなかったよ」
「そうそうそれそれ! よくやったぞしなの!
やっぱ俺の指導が良かったんだな!」
まったくその通りだな、ありがとうアレフ。
と、おだてるように言うとアレフはうんうんと満足そうに頷いた。
ホントに面白いヤツだ。
705 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 15:14:27 ID:ziCgFva70
いやしかしアレルの呪文には到底適わないよ。
あれは凄かった……
「そりゃそうだろー、何たって伝説の勇者ロトの称号を持つお方だぜ?
ベホマズンにギガデインの二連発だなんて俺でも適わねぇよ」
え?! アレルが勇者?!
アレルに目をやるが、黙って酒を飲むだけで否定しなかった。
「そうですよ、しなのさん知らなかったんですか?」
……誰もそんな事言ってくれなかったじゃないか。
そうやって拗ねてみせると三人に笑われてしまった。
しかしその割にはタメ口で話すんだな。
とても敬ってるようには見えないが。
「まぁ同じ勇者としてそういうのはあんまり好きじゃないって分かってるからなぁ」
「血の繋がった親子関係にあるのに、どういう訳か歳も離れていないようですしね」
「私としては孫の孫が目の前にいるというのはとても不思議に思うよ」
そんな風にして目を細めるアレル。
伝説の勇者か、どうりで強い訳だ。
しかし勇者だらけのパーティーに私が入っていたなんてな。
場違いにも程があると今更ながら思ってしまった。
「しかしなぁ、もうしなのとはお別れか」
時が経ち、馬鹿騒ぎも落ち着いたところでそんな話になった。
あの悪魔が落としていった石版は、例の噂の石版のようだった。
この石版を神殿に持って行きさえすれば願いが叶うという。
その神殿がある場所は精霊さんに教えてもらった。
それはつまり私は私の世界に帰る事にした、という事だ。
706 :
作り合わされし世界
◆ODmtHj3GLQ
:2007/10/19(金) 15:17:32 ID:ziCgFva70
「けどその噂、本当なのか?」
ん……まぁその真偽を確かめる為にも神殿に行ってみたいと思う。
そう遠くはないしな。
「そっかそっか、んじゃあ明日キメラの翼を山ほど買ってやるよ。
それがあればまた会えるだろ」
「キメラの翼で世界を行き来できる訳ないでしょう」
「そうなのか? じゃあしなのがルーラを覚えてだな」
もう二度と訪れない四人の夜が更けていった。
宿屋への帰り道。
アレフとアレルは疲れたと言って先に帰ってしまった。
だから今はアレンと二人きりだ。
彼の手を取ってみる。
「……しなのさん、酔ったんですか?」
うぅん、私はそうそう酔わないよ。
「でも顔が赤いですよ」
そうか、それは誰かに見られたらマズいな。
隠さないと。
そんな事を言ってアレンに身を寄せた。
「そうやって心の中も隠しちゃうんですか?」
それはきっと返事を聞きたいって事なんだろうな。
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