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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら10泊目

644 :冒険の書3 ◆8fpmfOs/7w :2007/10/08(月) 00:41:25 ID:gO/7QA3i0
「そういえば、お前たちの本当の名前ってどんなものなんだ?」
「教えない。」
ドルがいたずらっ子のような顔をして言う。
「何で?」
「私はね、あなたのつけてくれた名前が気に入ってるのよ。」
「おいらも!」
「俺もいまさら昔の名前を名乗る気はしないな。」
「もうアリアハンへは帰れないもん。」
「ギアガの大穴が閉ざされてしまったからな。」
ユーロとゲンが口々に言う。
帰れない。俺も母を母だと分かった今もう会うことはできなくなった。
いや、俺は希望を捨てない。もう一度上の世界に行く方法を探すというのもいいかもしれない。

そういえば、元の世界でも名前を変わることがある。主に女の苗字が男のものに変わる現象だ。
「帰れないし仕事も捨てたし、これはもう一生面倒見てもらわないと割に合わないわね。」
「おいおい、一生俺から搾り続けようってのか?」
「何でそういう発想しかできないの?」
「だってそれくらいの覚悟が必要だろ。結婚するなら。」
「……ばか。」
ああ、泣かしてしまった。でも、こういう涙ならありかな。


最後に言っておかねばならないことがある。
それは、俺がどこにいてどんな立場なのかを考えれば分かることだ。
俺は「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら」スレにいて実家で目覚めた。
だが、宿屋で目覚めたのはゲンだ。だからこの物語の主人公は奴だったのだ。
反論は認める。

―完―

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