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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら九泊目

563 :Stage.6-3 [9] ◆IFDQ/RcGKI :2007/07/14(土) 09:29:53 ID:q9+p+guA0

 奇妙に軽いノリでしゃべるヤツは、そのまま『実はねー』と続けた。
『ごめんアルス! 君の元カノ、見殺しにして逃げて来ちゃってさ。今サミエルとロダム
が回収しに……って、そうそう、この三人が仲間なんだけど知ってる?』
「ああ、1回目の冒険の最終パーティーだった連中だ」
『え、そうなの? 僕はそんな名前のキャラ作ってないんだけどな』
 そのあたりのズレは俺にもよくわからないが。
 それよりお前――その声。
『なんだっけ。そうだエリスちゃん。いやホントごめん、助けたかったのは山々だったん
だけどさ。力及ばずというか、ぶっちゃけそこらの高校生には荷が重いっていうかw』
「……タツミ」
『だいたいピラミッド最悪だよ、なにあの罠。ありえないって。本当にここはドラクエか
と小一時間問い詰めたい! でもスクエニ本社に問い合わせても意味ないしねー』
「タツミ、落ち着け」
『っていうかアルスが一番ひどいって。こっちは必死だってのに、なにふざけて……』
「タツミ!」

『……………』
 遮られて、急に機嫌が悪くなったみたいに黙り込む。
 参ったな。相手の心情がわかりすぎるだけに、対処に困るというか。
「とりあえず、ちょっと上見てみ。その様子じゃ気づいてないだろ」
 普通は気がつかない方がおかしいってもんだが、俺もあの時は顔を上げる気力もなくて、
しばらくわかんなかったからな。
『は? 上ぇ? なんでさ』
「いいから、騙されたと思って」
『上ってなにが――』
 次の瞬間、携帯の向こうで、はっと息を呑むのが聞こえた。

『…………すごい……星が、降ってる……!?』
「そこな、世界的な流星群の観測地帯なんだそうだ。俺も初めて見たときは、言葉をなく
したよ」

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