■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら九泊目

141 :リサーチ 12/12 ◆IFDQ/RcGKI :2007/04/13(金) 04:19:36 ID:bvfQCODq0

 ところで、本は量より質が大事。ただ小難しいことが書いてあればいいってもんでもな
く、読み手のレベルと目的に合った本こそが、その人にとっての「良書」だ。

 パーティーがお開きになってから、僕はすぐに書庫に案内してもらった。
 ロマリアの王様が遊び人、って事前知識があったから目をつけていたんだけど。いやー
あるわあるわ、今の僕にとってのお役立ち本の数々♪ よだれ出そう。
「まずは『宮廷マナー入門(全2巻)』『公文書の書き方(全5巻)』『正しい帝王学の
ススメ(全12巻)』と。これもいいな『今日からあなたもカリスマ国王(全3巻)』『常
勝必至の兵法150選(全22巻)』。あ、全部あっちのテーブルに運んじゃってください」
 案内役のお兄さんが手伝いを申し出てくれたので、僕は遠慮なく彼の手にどんどん本を
積み重ねていった。
「あの、勇者様……これ全部、今から読まれるんですか?」
「もちろん。大丈夫、眠くなる前に片付けるから」
 めぼしい本はこのくらいかな。テーブルに移動する。
 さっそく1冊目を手に取り、右手の親指の腹でパラララっとぺージをしごくこと数回、
「次の本…と」
「えーっ!? 今のでもう読み終わったんですか!!??」
 うん、これでだいたい頭に入っちゃうんだよね、僕。

 ラビッド・リーディング――「速読」ってやつ。
 ちなみに「直感像記憶力」という、目で見た情報を細部にいたるまで写真のように記憶
できる能力もあったりする。
 勇者専用の呪文に「思い出す」というのがあったけど、つまりはコレのことなんじゃな
いのかな? 他の人にはきっと、魔法のように思えたんだろうね。

 だからアルスが僕の代わりをすること自体は、無謀ではないのだけれど。
「でもあの人には、あんな『現実』なんて、合わないと思うんだよなー」
 まったく、あっちの世界の何を見て「羨ましい」なんて思ったんだろう。
 こっちの方がずっとラクだろうに。

501KB
続きを読む

名前: E-mail(省略可)
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス