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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 12:25:12 ID:AaT+g6Z00
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言、オリジナル何でも歓迎です。

・スレの性質上、レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
tp://www.geocities.jp/if_dq/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
tp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi

587 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/28(月) 17:38:08 ID:VeES1FyZO
過去スレ見て気付いたんたが
プロローグの欝叫びはゾーマだった……のか?

588 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/29(火) 21:21:01 ID:sz87E7GRO
保守

589 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:10:50 ID:yqX1fak50
>>426の続き

 もょ「タケ、シャールさんをさがすのはいいのだがけんとうがつくのか?」
 タケ「この世界で夜に人が集まりやすい場所って言ったら酒場みたいやな。悪魔でも参考程度しかならへんけど。」   
 もょ「とりあえずさかばにむかうか。」

俺達は酒場に向かった。
この町の酒場は宿屋と同様に人が多くいのだが特にバニースーツを着た綺麗なねーちゃんの色っぽさがたまんねぇ!!
流石に俺もニヤってしてしまった。

 もょ「うれしそうだな。タケ。」
 タケ「う、うるせーな。この状況で喜ばへん方がおかしいで。それにしてもこの世界はすげえわ!」
 もょ「そうなのか?」
 タケ「ああ。俺の世界ではあんなにおっぱいがでかくてセクシーなねーちゃんなかなかいねーよ…」
 もょ「そ、そうなのか。」
 タケ「お前もやっぱ男やね〜 話は変わるがククールならすぐナンパしそうやな。」
 もょ「ククールはそんなにすごいのか?」
 タケ「悔しいけどある意味女に関しての行動力はをすごいもん持っているからな。しかしあのバニーのねーちゃんすげーエロいで!」
 もょ「タ、タケ。しかしほんらいのもくてきをわすれてはだめだ。」
 タケ「おっと、そうやったな。そりあえず見回ってからかたっぱしにあたってみるか。」

ここはナンパのやり方をもょもとにみせたかったが流石に今の状況では出来なかった。

結果的にはシャールはみつからなかった。
微妙な情報では浜辺の方に行ったりとか灯台の方にいったりとか酔っ払いの意見は参考にならない。
一発ブン殴りたい所だが他所者が騒ぎを起こすのは不味いと思ったので止めておいた。

 タケ「うまくいかねーなー 町中探すって言ってもかなり時間がかかるで。」
 もょ「はぁ………………………………」
 タケ「ムーン達はどうなんやろなー」
 もょ「とりあえずはとうだいのほうにむかうか。」

590 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:13:29 ID:yqX1fak50
ムーン「もょもとが灯台の方に行ったから私達は浜辺の方に行きましょうか。」
  リア「そうだね!早くシャールさんを探さなくっちゃ。」
ムーン「そうね。しかしもょもとったら他の女の子を見てデレデレしちゃうなんて嫌になっちゃうわ。」
  リア「どうしたの?ムーンさん?」
ムーン「な、何でもないわよ!!もう!!」
 リア「変なムーンさん…………」
ムーン「早く行くわよ!!」

ムーン達は浜辺に向かっていった。浜辺に到着すると言い争っている人が3人いた。
一人はローブを着ていて何処かの魔導師っぽい人間ともう一人はハーゴン教団の特徴である仮面とローブを着ていた。

  リア「あっ!ムーンさん。あいつらハーゴンの手下だよ!どうしたのかな………」
ムーン「あそこに物置があるから隠れて様子を見ましょ。」

   *「一体どういう事だ。何を考えているんだ貴様は。」
   *「わ、私にはそのような事は出来ません……」
   *「グヒッグヒッ!ラーメド様。こいつの娘を無理矢理奪うのが一番です。」
ラーメド「そうだな。ハーゴン様は特に幼い女が好みだからな。まぁ……用済みになったら……ククク……」
   *「そ、それだけは……」
   *「グヒヒ。ハーゴン教団からは逃げれられないのさ。バカナヤツダナ、シャール。」
ラーメド「ヴェイネ。裏切り者の処分はお前に任せる。私はハーゴン様のところに戻るからな。」
ヴェイネ「はは。お任せを下さい。こいつの娘を連れて戻りますので。グヒヒ。」

ラーメドは『ルーラ』と発すると空へ飛んでいった。

  リア 「もう……許さない……!」
 ムーン「勝手に行ってはダメ!!あっ!!」

リアは青銅の剣を抜き戦闘態勢に入った。



591 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:14:49 ID:yqX1fak50
ヴェイネ「ど〜したぁ!?早く逃げないとシヌゾォ〜!!どっちにしても結果は一緒だがな〜」
シャール「ひぃぃっ!」

どうやらシャールは腰が抜けて動けないらしい。
  
  リア 「そんな事させないわ!ヒャドッ!!」

ヴェイネ「ぎゃあっ!!」

リアのヒャドが、まともにヴェイネにヒットした!

 リア  「シャールさん!大丈夫!?」

シャール「あ…?ああ……ありがとう………」
ヴェイネ「コムスメが邪魔しやがって………おほっ!!なかなかい〜女じゃねぇか。クヒヒ。」
  リア 「………絶対に私は負けないわ!」
ヴェイネ「それなら俺も戦うとするかぁ。シャールを殺る前にオマエを犯らせてもらうぜぇ〜〜〜〜〜」

ヴェイネが詠唱するとモンスター達が現れた。モンスターが3体現れた。

ヴェイネ「俺のかわ〜いい〜グレムリンちゃん達よ。あの女は殺さずに捕らえるんだ。いいな!」

グレムリン達がリアに襲い掛かったが直にムーンがバギを唱えた。
 ムーン「バギッッ!!」

しかし、グレムリン達はあまりダメージを受けてはいないみたいだった。


592 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:17:46 ID:yqX1fak50
  リア 「ムーンさん!!」
 ムーン「とにかく今はこの状況を乗り切る事よ!………………それにしてもあまり効いていないみたいわね。」

ヴェイネ「グレムリンちゃん達はバギ系の攻撃には耐性があるのだよ。それに俺好みの女に会えるなんて最高の夜だ!
         クヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!!!!!!」

 ムーン「黙りなさい!!!!この変態!!」
ヴェイネ「おーおーたまんねぇな〜!コムスメとオマエで3p確定!!!さぁグレムリンちゃん達よ。やれ!!」

グレムリン達がリア達に向けて炎を吐くがリアはヒャドで対抗し相殺する。
ムーンは魔導師の杖で火の玉を出して攻撃をするのだがグレムリンの炎で逆に火の玉が吸収され、攻撃を受ける。

 ムーン「きゃあっ!!」
  リア 「ムーンさん!!この!!」

リアがグレムリンに斬りかかったがかすった程度で致命的なダメージが与えられない。

  リア 「はあっ!はあっ!なかなか当たらないわ…」
ヴェイネ「グヒヒ!お前達はまったくダメだな。グレムリンちゃんすら対抗できないのだから。」
 ムーン「ならこれならどうかしら?―――――――――――――――――――イオッ!!」

ムーンがイオを唱えるとグレムリン達に小さな爆発が起こった。効果が抜群でありグレムリンの動きが止まった。

 ムーン「今よ!リア!」
  リア 「えい!!」

リアがグレムリンの一匹に斬りかかり、クリーンヒットした。どうやら倒せたようだ。

  リア 「やったあ!!」
 ムーン「いい感じね!ついでにグレムリン達の動きも鈍くなったみたいよ。一気にやっつけましょ!」
ヴェイネ「そうは簡単にやらせねぇぜ……!!」


593 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:20:30 ID:yqX1fak50
ドォォォォォォン!!!爆発音が聞こえた。

 タケ「な、なんや…今の爆発音は?」
 もょ「はまべのほうからきこえたぞ。なんだろうな?」

 タケ「ちょっと見てみよう。――――あれはムーンとリアちゃんやないか!!シャールさんまでおるで!」

 もょ「なんだって!?」
 タケ「早く俺らも浜辺に向かうで!!モンスターもおるから急がんとヤバイ!」

ドクンッ………………………………!!!

 タケ「うっ……また…………!き、気分が悪い…………」
 もょ「タ、タケ!!だいじょうぶか!?」

すごく息苦しい。体調が悪いわけでもないのに身動きが取れない感じだ…

 タケ「す、すまん…もょ、ここは任せた。」
 もょ「すこしやすんでおけ。タケのぶんまでおれがたたかうことにする。」

何でや!?何で動かれへんのや!!俺は……………俺は……………クソッ!!!



594 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:22:01 ID:yqX1fak50
もょもとが浜辺に向かっている最中サマルを見つけた。

  もょ 「サマル!おきていたのか!?」

サマル「もょ。ど、どうしたんだい?そんなに慌てて。僕は眠れなくて夜風に当たりに来ていたんだけど…」

  もょ 「ちょうどよかった。ムーンとリアちゃんがあぶないんだ。ちからをかしてくれ!!」

サマル「な、なんだって!?リアとムーンが……!わかった!すぐに行こう!」

  もょ 「いそげ!ておくれにするわけにはいかないぞ!」

サマル「もちろんだよ、もょ。早く行こう!」





何やこの感じ……嫌なモンがメッチャ感じる……早く、早く向かわないと……………




「………………………………………………………………」

595 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:23:29 ID:yqX1fak50
もょもととサマルは浜辺に到着した。

 サマル「ああっ!リ、リア!!」
 ムーン「リ、リアが私をかばって………サマル!リアを早く治療をしてあげて!!」
 サマル「わかった!しかし何故ムーンが呪文が使えないの?」
ヴェイネ「グヒヒッ。ほっかむりの女にマホトーンをかけて呪文を封じ込めてやったのさ。
     ちょっとやりすぎちまったか。まぁ死んでないから感謝するんだな!」

  もょ「ふざけるなぁ!!はやぶさぎり!!」

もょもとが隼斬りをはなったんだがグレムリンがヴェイネを庇った。

    *「ぴぎゃーーーーーーーーーーーー」
   もょ「くっ…なんだと!」
ヴェイネ「オマエは許せんよなぁ…最後のグレムリンちゃんを殺しちゃったんだから……これでもくらいな!ベギラマ!」

超至近距離でヴェイネがベギラマを唱えたため、もょもとは防御態勢に入れなかった。

   もょ「ぐはぁっ!!」
 サマル「ああっ!もょ!」
ヴェイネ「グヒヒ。良く耐えたなぁ。野郎には興味が無いからさっさと終わらせてやるぜぇ〜」
   もょ「まだまだ!くらえ!」
ヴェイネ「くっ…パワーはたいしたもんだ。受け流すのが必死で勝てる見込みはねぇ。しかしオマエは呪文を使えないみたいだな。」
   もょ「それがどうしたっていうのだ…?」


ヴェイネ「こんな事も出来るのさ。ルカニ!」



ヴェイネがルカニを唱えるとすごい脱力感が感じられた。しかしその感覚は直に解消された。

596 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:28:45 ID:yqX1fak50
   もょ「しょせんはハッタリか。なんともないな。」
ヴェイネ「グヒヒ!!バカはオマエの方だよ!」

ヴェイネは杖でもょもとの腹を叩こうとしたんだが、もょもとはあえて突っ込んだ。

   もょ「はがねのよろいにきくわけがな…………ぐばぁ!!!」

鉄球で腹部を叩かれた感じだ。もょもとの体が沈んでしまった。
 
   もょ「な、なぜだ!きゅ、きゅうにつよくなった!」
ヴェイネ「その逆さ。オマエの守備力が弱くなったのさ。防具は紙切れ以下の物にしてやった。グヒヒ!愉快だ!」
 サマル「少し調子を乗りすぎじゃないのかい!?」

サマルが鉄の槍で攻撃を仕掛けたのだがあまり効果が無い。

 サマル「こ、鋼鉄の様に硬い。なぜだ!?」
ヴェイネ「物理攻撃用に防御呪文を唱えたのさ。これで俺様に死角はなくなったぜぇ!」

物理攻撃ではあまり効果は無く接近戦で戦うとルカニ&打撃コンボで確実にやられる!

   もょ「ムーン!リアちゃんとシャールさんをつれてにげるんだ!」
 ムーン「で、でも…」
   もょ「おれとサマルでなんとかする!いそぐんだ!」
 ムーン「わかったわ!シャールさん!急ぐわよ!」



597 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:31:39 ID:yqX1fak50
ムーンとシャールがリアを抱えて逃げ出そうとしたのだが…

ヴェイネ「せっかくの獲物は逃がさねぇぜ!ヒャダルコ!」

しまった!ムーン達と離れていて盾になる事すらできない!しかも後ろ向きになっているため――――――


こ     れ     は     や    ば    い


   もょ「ああっ……ムーン!」

 サマル「うぐぅ………!」


サマルがムーンをかばった。

 ムーン「サ、サマル!!大丈夫!?」
 サマル「な、何とか…」
ヴェイネ「グヒヒヒヒ!お涙頂戴ってか!?泣かせるねぇ…」

   もょ「いいかげんにしろ!はやぶさぎり!!」
もょもとが隼斬りをはなったんだがヴェイネの守備力が高まったため致命的なダメージを与えられない。しかし距離をとる事に成功したようだ。

   もょ「サマル!いまのうちにかいふくを!」
 サマル「あ、ああ…」
サマルも結構堪えたらしい。実際問題何とか時間をかせがなければ…




598 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/08/30(水) 08:34:02 ID:yqX1fak50
ヴェイネ「ありがとうよ。お陰で召喚出来る態勢に入ったぜ。俺の最強の駒を出すとするかねぇ。」

ヴェイネが詠唱すると大きな羽の生えた人間が現れた。

 ムーン「あ、あれは鳥人間!?」

ヴェイネ「グヒヒ。あれはガーゴイルよ。魔族の亜種だがな。ガーゴイル!!男共をやれ!!」

ガーゴイルともょもとが互いに攻撃をしているのだがルカニの影響で守勢にまわらないといけない為、攻撃を裁くのに必死だ。

  もょ「くっ…じゅもんのえいきょうさえなければ!」
ヴェイネ「時間の問題だな。お前が力尽きるのは。後はサクサクっと決めちゃいますかぁ。グヒヒ!」



   ?「世の中簡単に思惑通りに上手くいく訳がない。メラミ!!」



いきなり大きな火炎球がガーゴイルに向かって直撃した。 一体誰が………?                



もょもと&タケ
Lv.15
HP:46/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:隼斬り・魔人斬り
タケ専用  :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御

599 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/30(水) 13:31:24 ID:SDe7GOS0O
レッドマン氏、暇潰し氏、乙!

600 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/30(水) 18:14:42 ID:kPRz9RnU0
普通に面白いから困る

601 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/30(水) 20:37:10 ID:QloMT+zwO
今後も楽しみですな!
しかしリアとムーンは仲がいいね。

602 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/08/30(水) 21:21:16 ID:WS2UqI6C0
お久しぶりです
少しだけ時間が出来たので、書いてきた話を読み直してみたんです。
読み直して、第四部がかなり予定していた内容とは変わっているので
申し訳ないんですが投下済み第四部は無かったことにさせてください。
とりあえずは第三部までという事で。
タカハシの続きは、もっと考えたいので時間を下さい。
その間に、短編でも投下しようと思っています。

603 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/30(水) 23:04:42 ID:TrpV9FQHO
>>479を普通に面白いと思ってしもた(´艸`)

604 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/30(水) 23:19:16 ID:QloMT+zwO
>>602
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
期待して待ってますぞ!

605 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/01(金) 12:28:15 ID:IApIXMkRO
保守

606 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/01(金) 19:51:53 ID:+v4jzkZCO


607 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 08:07:16 ID:6d+Gg/YdO


608 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 09:55:23 ID:GnEBInFI0


609 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 20:50:56 ID:YwoOh+Gw0
4の人、そろそろ書こうよ
少し遅いよ

610 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 21:49:41 ID:inCo46Z/0
>>609
4の人だろうが他の職人だろうが無理強いするな
職人の都合を考えろ

611 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 22:09:30 ID:mEp9yXKvO
お約束になりかけてるよーな釣りにわざわざひっかかってやるなよw

612 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 22:48:41 ID:YwoOh+Gw0
>>610
はいはい、わかったわかった
自治厨気取りさんw

613 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/03(日) 12:26:41 ID:EuSnnL5Q0
糞スレ上げ

614 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/03(日) 15:49:57 ID:6cSvFeGJ0
あんまり荒らすなよ。オマエラみたいな奴等のせいで雰囲気が悪くなるんだからな。

615 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/04(月) 09:27:24 ID:Zz3J/K0+0
とりあえずID:YwoOh+Gw0が悪いという事だけは分かった。


616 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/04(月) 17:00:51 ID:HUOfrqjp0
反応する方も同類だって事に気付いてほしい

617 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/04(月) 18:36:25 ID:ol9eIzEU0
      __
    ヽ|・∀・|ノ  調子に乗るな!
    |__|
     | |
      .図



618 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/05(火) 21:05:05 ID:Kd5jZ0yU0
原油高騰と言う割には株価さがってるじゃねぇか。
チャート見てても下がり続けそう。

619 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/05(火) 23:31:12 ID:QQGVAxo0O

チャ

620 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/06(水) 23:15:11 ID:QPqPEz/l0
保守

621 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/07(木) 23:30:24 ID:JgbUdmWPO
定期保守

622 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/08(金) 13:40:31 ID:NR2LYQid0
      ┌──┐
      i二ニニ二i
      i´ノノノヽ)))
       Wリ゚ -゚ノリ
   __/((┃)) i_カリカリカリ
  / /... ヽ⌒) (,,ノ   \\
/  /_______ ヽ\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    il    ┌──┐     i
 ・ 。 ||i   i二ニニ二i     il
  \. ||l   i´ノノノヽ)))   il |i
 ゚ヽ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ダンッ!!
。 ゚ _(,,)  保守      (,,)_ / ゚
 ・/ヽ|             |て ─ ・。 :
/  .ノ|________.|(\ ゚ 。
 ̄。゚ ⌒)/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ\





623 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:22:54 ID:C84CwveI0
>>598の続き

メラミを放ったのはさっき酒場にいたバニースーツを着たねーちゃんだった。
おいおい何で一般人がそんな強力な呪文が使えるんだ?
 
  タケ「もょ、大丈夫か!?」
  もょ「ああ。タケはどうなんだ?」
  タケ「お陰さまで何とか落ち着く事ができた。足を引っ張ってすまん。」
  もょ「ぶじでよかったよ。いまルカニっていうじゅもんがかかっていて、よろいをそうびしていてもいみがないのにひとしいんだ。」
  タケ「ちっ…うかつに攻められへんな。あいつが使った物理防御呪文があればええんやけど…しかし何で酒場のねーちゃんが!?」
  もょ「わからん…」
   ?「とりあえず無事だったようね。勝手にだけど参戦させて貰うわよ。」

ねーちゃんが強引に戦闘に参加した。

ヴェイネ「うひひょー!これはまたセクシなねーちゃんだな。オイ!」
   ?「そうかしら?女の敵よね。あなたは。本当にいやらしいわね。」
ヴェイネ「何とでも言いやがれ!!俺の最強の手駒ガーゴイルをあっさりやるとはな。
       だが呪文さえ使えなければオマエも終わりだ!マホトーン!」

しかしねーちゃんは上手く回避した。

    ?「ちょっとやっかいね…」
ヴェイネ「当たり前だ。パワーがそこのある男(もょもと)にはルカニをかけてあるし俺自身にスカラをかけているからな。」
    ?「ふうん。スカラもかけているの。しかし、自分で弱点を晒す馬鹿っているものね。同じような目にあわせてあげる。ルカニ!」

ねーちゃんが呪文が唱えるとヴェイネから脱力感が感じられた。

624 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:28:34 ID:C84CwveI0
ヴェイネ「こしゃくな真似を…」
    ?「どうかしら?自分が同じような目にあうのは?」
ヴェイネ「アッタマにきたぜ!!これでもくらえ!ヒャダルコ!!」
    ?「ならばこっちも呪文で攻撃させて貰うわ!ベギラマ!!」

ねーちゃんとヴェイネが呪文で競り合っているが状況を見たらほぼ互角。しかし長期戦になったらさすがにヤバイだろう。
  タケ「スカラと言う呪文さえ唱えられたら何とか守備力も元に戻りそうやな。もょ!ムーン達にスカラを唱えられるか確認してくれ!」 
  もょ「わかった!」

俺はもょもとに指示をした。

   もょ「ムーン!!あのじょせいがじかんをかせいでいるあいだにスカラをとなえられないか!?」
 ムーン「その前に私は呪文を封じれらているのよ。どうしようもないわ!それに習得していないわよ。」
   もょ「そ、そうだったのか…すまん。」
 ムーン「リアかサマルに使えるかどうか聞いてみたいのだけど治療中だからね…」

サマルがホイミを唱え続けているうちにリアの意識が回復した。

 サマル「リア……無事でよかった。」
   リア「お兄ちゃん…?もょもとさんまで…?」
   もょ「サマル、リアちゃん。はやとちりですまないがスカラをつかえないか?」
 サマル「そうしたんだい?」 リア「どうしたの?」
 ムーン「もょもとの守備力があいつの呪文によって無効化にされたのよ。」
 サマル「僕はまだ使えないな…」

流石に補助呪文は期待できない。無理もないか。ここはやはり俺が………

625 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:30:33 ID:C84CwveI0
  リア「私は使えるよ!!確か守備力を上げる呪文ってククールさんが言っていたの。」
  もょ「そ、そうか。それならはやくおれにかけてくれ!あのじょせいがあぶない!!」
  リア「うん!」


リアがスカラをもょもとに唱えると力が漲って来る感覚を与えられた。


  タケ「(おおっ!俺にも何かテンションが上がってきたで!)」
  もょ「(よし!これなら何とかいけそうだ!)」
  タケ「(もょ!あの変態馬鹿野郎に一発かましてやれ!」
  もょ「(おう!まかせておけ!)」



    ?「しつこいわね…」
ヴェイネ「中々やるじゃねぇか。しかしオマエの魔力が先に果てたみたいだな。」
    ?「くっ……図星だわ…」

ねーちゃんの表情が険しくなった。ヴェイネが言う通りねーちゃんに打つ手は無い。

   もょ「たあああぁぁぁっ!!」

もょもとの剣がヴェイネを素早く攻撃した!!

ヴェイネ「て、てめぇ…死にに来たのか!!バカな野郎だ!!」



626 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:32:15 ID:C84CwveI0
  もょ「おれのなかまにもスカラがつかえるんでな。だからもとどおりにさせてもらった。」

ヴェイネ「なんだとぉ!?これでもくらえ!」

ヴェイネが杖で攻撃したのだがもょもとは苦しむ様子も無く勝ち誇った表情をしている。

ヴェイネ「ムカツク野郎だ。マジで守備力を元に戻すとは……」

 サマル「ぼさっとしている暇は無いじゃないのかい?さっきの借りを返させて貰うよ!」
 
サマルがそう言って槍でヴェイネを突き刺した!!

ヴェイネ「ぐはぁっ!!バ、バカナ…ありえねぇ……こ、こんな奴らに………」



  もょ「ととめだ!」



もょもとが大きく振りかぶって切り裂いた。

ヴェイネ「お、俺様が……!!」

ヴェイネは完全に動けなくなった。

 ムーン「やったわね!!無事に終わってよかった。」

皆が安堵の表情をした。結構やばかったから本当に良かった。



627 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:33:46 ID:C84CwveI0
 もょ「ありがとうございました。」
  ?「まぁ、無事で良かったわ。最近この町の治安が悪いのよ。」
 もょ「そ、そうなのですか……」

もょもとがねーちゃんのおっぱいに目がいっていた。無理もないけど…

 タケ「(もょ〜、何ねーちゃんのおっぱいばかりみているねん。やっぱりお前はムッツリスケベやな〜)」
 もょ「(えっ、えっ、その……)」
 タケ「(このまましてたらムーンやリアちゃんが怒るで〜)」
 もょ「(ム、ムーンやリアちゃんはかんけいないだろ!!)」
 タケ「(とりあえず俺に代われ!お前だけ独占はあかんがな!!法律違反やで!!)」
 もょ「(わ、わかったよ…しょうがないな……)」

男の性は辛いものよ。しかし何の法律違反やねん。

  ?「…どうしたの?」
 タケ「ああ…すみません。失礼ですがお名前教えていただけませんか?」
  ?「いいわよ。私の名前はゼシカ。」


ゼシカだって!?確かククールと別れるときに教わった名前だ。


  タケ「もしかして……ククールやヤンガス、トロデ王、ミーティア姫はご存知ですか?」
ゼシカ「何であなたが知っているの!?」

流石にゼシカも驚きが隠せなかったようだ。

ムーン「実は私たちククール達と少しだけ旅をしていたのよ。」

ムーンがさりげなくフォローを入れてくれた。空気が読めているなぁ。


628 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:39:14 ID:C84CwveI0
ゼシカ「ど、どうゆう事なの!?ヤンガス達もこの世界にいるってわけ!?」

ムーン「ええ。彼らはこの世界にあるローレシアって言うお城にに向かったわ。私達と合流する約束をしたの。」

ゼシカ「そうなんだ。ところで貴方達の名前を教えてくれない?」

  タケ「俺から紹介させてもらうよ。俺の名はもょもと。」

ムーン「私はムーン。あそこで治療している男の子はサマルで治療を受けている女の子はリアよ。」

ゼシカ「もょもとにムーンね。話は変わるけどエイトって言う男性なんだけど知らない?」

  タケ「エイトって確か黄色いバンダナを頭に巻いた青年だな。ククールから聞いている。」

ゼシカ「ええ、そうよ。」
 タケ「悪いけど俺達は彼を見ていない。すまないな。」
ゼシカ「手がかり無しね……」

ムーン「話は変わるけどゼシカは何で私達を助けてくれたの?」

ゼシカ「そうねぇ、夜になったらいつも浜辺に散歩するんだけど、その時にリアがムーンを庇ったでしょ。
     それを見た時、妹が姉のを守るためにしたんじゃないかなって私にはそう見えたの。」

ムーン「やあねぇ。リアは私の妹じゃないわ。サマルとリアが兄妹なの。」

ゼシカ「へぇ。仲が良さそうね…」

実際は違うって言う事は俺ともょもとが知っている。しかしゼシカは羨ましそうに言った。


629 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:40:13 ID:C84CwveI0
  タケ「しかし酒場のバニーの姉ちゃんが俺たちを助けてくれるとは思わなかったな。超がつくほど意外だった。」

ゼシカ「ふふふ…びっくりしたでしょ!?私がこの世界に来たのは2週間前だけど住み込みで働かせて貰っているのよ。」



ムーン「し、しかしバニースーツの格好って恥ずかしくない!?」



ムーンは顔を赤くしながら言った。く〜っ、こういうギャップって言うのはたまりません!


ゼシカ「う〜ん今は全く抵抗は無いわ。最初はちょっと恥ずかしかったけど慣れたら別の自分が表現できて結構楽しいわよ。癖になるわ。」


ムーン「そ、そうなの…」

ムーンとゼシカが話し込んでいる。ここはムーンに任せるか。

630 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:42:33 ID:C84CwveI0
 タケ「ムーン、ゼシカさん。ちょっとシャールさんの所に行って来る。」

ゼシカ「ゼシカでいいわよもょもと。一体どうしたの?」

  タケ「あそこにいる男性は俺とムーンにとっては命の恩人だからな。」

ムーン「ちょっともょもと。お礼を言いに行くのなら抜け駆けは無しよ。」

  タケ「すまん、ムーン。シャールさんには何かがあったんだろう。
     それに男同士じゃないと話せない事があると思うからな。ここは俺に任せてくれないか。」

ムーン「それは一理あるわね……今回はもょもとに任せるわ。シャールさんは元ハーゴン教団の人間だったみたいなのだわ。」


  タケ「なんだと!?」


ムーン「しかし彼は完全に抜けたがっているのだわ。多分マリンちゃんが関わっていると思う。」

成程、これで俺達に護衛を依頼した意味が良く分かった。ようやく話がつながった。

俺はシャールのところに向かった。

シャール「ありがとう……私の命まで助けられるとは……何て言えば良いのかわからない。」

   タケ「それはお互い様ですよ。私も貴殿のおかげで生き延びる事ができた。感謝します。」

シャール「そうか……」

シャールは頷いたまま何も話そうとはしなかった。



631 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:45:21 ID:C84CwveI0
   タケ「シャールさん。伺いたい事があるのですが。」
シャール「ど、どうした?」
   タケ「貴方はハーゴン教団にいたそうですね?」
シャール「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

シャールの表情が変わった。相当うろたえている様だ。

シャール「な、何故そのような事を知っているのだ?」
 
   タケ「ムーンから聞きました。貴方がハーゴン教団の人間に言い詰められていた所を見たそうです。」

シャール「………………………………」

   タケ「親父さんや娘のマリンちゃんが心配していますよ。」

シャール「馬鹿な!!親父がそのような事は絶対にないはずだ!」

  タケ「私には話してくれましたよ。親父さんの心境を。」

ここはハッタリかまさないと本音が聞けない。ずるいやり方だが仕方があるまい。

シャール「そうか。なら話そう…わしがハーゴン教団に入信経緯を。」
シャールが言うには

・シャールの奥さんが病気のため世界樹の葉と言う薬を捜すために旅を出た。それが6年前。その時にマリンが産まれる。
・世界樹の葉が見つからず4年後に奥さんが死去。
・自暴破棄になったシャールは旅先で知り合った男(ヴェイネ)の紹介によりハーゴン教団に入信
・ハーゴンの性癖が異常なためマリンが心配になり脱走し、ルプガナに戻る最中に俺達と出会った。



632 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:46:30 ID:C84CwveI0
  タケ「……………ハーゴンの野郎、完全に人間じゃねーな…」
シャール「だが、私は妻を失ってしまった。それにこれから先、親父やマリンに会う資格は無い…」
  タケ「何言っているんだ。あんた!じゃあ何でここに戻ってきた!?」
シャール「わ、わしは…」
  タケ「娘や父親が心配だから自分の故郷に戻ってきたのだろうが!!ふざけた事をいうな!!」

俺は思いっきりシャールの急所を握った。

シャール「ああああああ……!!……ぐぅ………」
  タケ「あんたも男なら意地を見せてみろ。それが出来ないくらいならさっさと死ね!!わかったか!!」
シャール「ああ……………」

やっちまったよ。かなり言い過ぎたようやな〜〜………これで失敗したらどないしよ。

シャール「や、やるだけやってみるよ。何もせずに諦めるのは良くないからな…」
  タケ「今の貴方ならできるはずだ。頑張ってくれ。」

シャールは立ち去っていった。

 もょ「タ、タケ!やりすぎじゃないのか!?」
 タケ「ウジウジしてる奴には誰かが押してやる事も必要やねん。優しい言葉をかけるだけが解決じゃないからな。」
 もょ「しかしイキナリちんちんをにぎるやつはいるか!?」
 タケ「う、うるせー!そ、それぐらいやらんとアカンって言うこっちゃ。それに取り返しがつかない状況やないからな。」
 もょ「な、なるほど。しかしかなりごういんだな……」

無理矢理正論を通してやった。流石にこの方法は使えにくいから今後封印しておくか。

633 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:47:29 ID:C84CwveI0
ムーン「どうだった。もょもと?貴方が怒鳴っていたみたいだけど。」
 タケ「ちょっと発破をかけただけだ。キッツイお灸を沿えたからな。」
ムーン「ふーん………」


ムーンがじーっと俺の顔を見ている。


 タケ「な、なんだよ?」
ムーン「ふふっ…何でもないわ。それよりもなんだか疲れたわね。」
 タケ「ああ…さっさと休もうか。」
ゼシカ「まずはサマル君達を呼ばないと。さっさと行きましょ。」

う〜ん……まさに両手に花ですなぁ。中々こんな機会は無いから嬉しい限りやで!

 タケ「サマル、リアちゃん。大丈夫か?」

サマル「何とかね。しかし結構疲れたよ。リアが緊張の糸が切れたみたいで寝てしまった。」

 タケ「そうか。しかしサマルもヒャダルコを喰らったんだけど相当酷い思うのだが?」

サマル「まぁ、ね。その点は問題ないよ。僕も治療済みだから大丈夫。」

 タケ「無理はするなよ。そうそう、話は変わるけどサマルに紹介しておくよ。」

俺はサマルにゼシカを紹介した。流石にサマルも男でありゼシカのおっぱいに目に行ったのだが直ぐ逸らした。
やせ我慢しなくて良いんだよ〜サマル君。

634 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/09(土) 09:49:27 ID:C84CwveI0
ゼシカ「それにしてもリアの寝顔って可愛いわ。まるで天使みたい。」
ムーン「そうね…この娘は人懐っこい所があるのよ。性格が人の表情を表すみたいだわ。」

  タケ「いい事言うねぇ。ムーン。俺がリアちゃんをおんぶして宿屋に戻るとするか。」
サマル「ぼ、僕がリアをおんぶするよ。そこまでもょに迷惑はかけれないや。」
  タケ「バーカ。サマルも結構何だかんだ言って結構ダメージ受けているんだから体力馬鹿の俺に任しておけ。」

ムーン「確かに体力馬鹿だよね、もょもとは。」
 
 タケ「はいはい。わかったわかった。おめでてーな。(パチパチパチパチ)」

ゼシカ「へぇ…返事の仕方がククールに似ているわね。」
  
  タケ「ちょっと拝借させてもらったんだけど結構使えるのさ。多分、ククールも会話の時に結構冷静に突っ込んでいただろうな。」

ゼシカ「ご名答よもょもと。ヤンガスや王様との会話中の時にその言葉を良く使うわ。
     それをみて私やエイトは良く笑っているけどね。」

サマル「それは結構面白そうだね。とりあえずはみんな疲れたと思うからゆっくり休もう。」

もょもと&タケ
Lv.16 (LvUP!!)
HP:31/112
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:隼斬り・魔人斬り
タケ専用  :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御

635 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/09(土) 18:53:35 ID:SH0FXJ+iO
乙乙乙!!

ゼシカ参入でおにゃのこイパーイ(*´д`)

636 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/09(土) 21:46:36 ID:3vDu79tqO
バニーのねーちゃんはゼシカだったかw
とりあえず
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡  おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J


637 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/09(土) 22:00:08 ID:bPUVIPpj0
>>632
>親父やマリンに会う資格は無い…
ごめんヤリマンって読んじゃったんだ。

638 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/11(月) 09:18:49 ID:Dux/KF0qO
保守

639 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/11(月) 17:10:59 ID:ZMMZZ34P0
【アニマルヤンちゃんによるビッグバンsage講座】
____      ________             ________
|書き込む| 名前:|             | E-mail(省略可): |sage           |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                      / ヽ ココ!!
                                     ゝ ノ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      、从,       / /
| メール欄に半角で「sage」と   |       n_      / /
| 入れるんでがす!!       |       (  ヨ    / /
| 分かったがすか!?.       |       | `|     /⊂//
\                    \       | |    /⊂//
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    / ノ ̄ `/  /
                   +   + / / イ  O○ヽ
                      +   ( `ノ )/(/|  |'^ \ \ アニキノタメナラ ビッグバンモ スルデガス
                   + +   (メ ,C`、* )|  |   \ \
                        < V V > |  )    |  )
                    +    V ̄V /  /    / /
                             / /     ∪
                             ∪


640 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/13(水) 02:22:54 ID:TzqnqOGw0
保守

641 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/13(水) 14:25:26 ID:Kx5AY4zc0
         / ̄ ̄ ̄フ\               _       ノ^)
       // ̄フ /   \            .//\     ./ /
      //  ∠/  ___\___  __//   \   / (___
    // ̄ ̄ ̄フ /_ .//_  //_  /      \./ (_(__)
   // ̄フ / ̄////////////         |  (_(__)
 /∠_/./ ./∠///∠///∠//      ∧ ∧ /) (_(__)
∠___,,,__/ .∠__/∠__/∠__/       (´ー` ( ( (_(___)
\    \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \  _   /⌒ `´  人___ソ
  \    \ \フ / ̄\ \ .//\  //\ / 人 l  彡ノ     \
   \ _  \//___\/∠_  //   < Y ヽ ヽ (.       \
    //\///_  //_  ///     人├'"    ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   //  //.////////∠/      ヽ-i ヽ__  ヽ
 /∠_//./∠///∠// .\\       `リノ ヽ |\  ヽ
∠____/.∠__/∠__/∠フ\.\\      c;_,;....ノ ヾノヽ__ノ


642 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/14(木) 20:14:29 ID:HNXmDska0


643 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/14(木) 21:11:14 ID:zGToRYaa0
AA荒らしウザ

644 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:25:20 ID:rz9ifTto0
どうもどうも

>>582>>584>>599
サンクスです!
コテ通り、暇が無いと書けないのは悪いなぁと最近思う…

>>585
そうかな?自分的にはありがちだと言われるかと思ってましたが
前も何か魔王になっちゃうっていう作品があったような…

>>587
誰もがあぁいう事を感じる時があるんじゃないかな?
とだけ言っておきますかw


ではでは>>580の続きをどうぞ

645 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:27:00 ID:rz9ifTto0
――――――――――――――――――――9――――――――――――――――――――

  「プレナさん…」
  「あ、真理奈ちゃん。起きたの?」

その声は周りの雑音にかき消されるくらいに小さいものだった。
が、プレナはそれに気付き、自分のテーブルに来るように手招きする。
プレナが置き手紙をして、真理奈を呼び出したのだ。
真理奈が席に着くと、飲み物が運ばれてきた。

  「それにしても無事で良かったわ」
  「こっちも、大丈夫だったんですね」
  「パトリスさんがエジンベアの人達を足止めしてくれたの。
   私も怪我しちゃったけど、フィリアちゃんが治してくれたし。
   ジュード君は私の事を守ろうとしてくれたみたい…後から聞いたんだけどね」
  「ふ〜ん、アイツが」
  「感謝しなくちゃね。
   ……そっちはどうだったのか、聞かない方がいいのかな?」

真理奈が黙ってしまう事で、他のテーブルの音が耳に入ってくる。
チラリとプレナを見ると、プレナは優しい顔で真理奈を待ってくれていた。

  「私…会ったんです」
  「誰に?」
  「魔王」
  「ま、おう…?」
  「ゾーマだって。モンスター連れてて…王様殺しちゃった…」
  「そう……怖かったね」
  「違うんです! そんな事じゃなくて…」
  「じゃなくて?」
  「その人…わ、私の世界の人だった」
  「――!!」

646 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:29:38 ID:rz9ifTto0
プレナは絶句する。
最近モンスターの活動が再び活発になっている事。
そして魔王が復活したのだという噂も聞いた事がある。
この世界が平和になった後も、モンスターは消滅する事は無かった。
プレナはその中から力を持ったものが現れただけだと思っていた。
それが魔王と呼ばれるようになっただけだと。
しかし真理奈の言った事が本当なら……

  「今まで…私は夢を見ているんだって思ってたのかもしれない。
   だって突然違う世界で生きることになったなんて信じられます?
   ほら、夢の中で冒険したり、何か大変な事に巻き込まれちゃう事あるでしょ?
   そういう時って何だが知らないけど自分は一生懸命生きようとするでしょ?
   あれと同じ感覚かなぁ…
   人が怪物と同じところで生きている世界。
   その中でボスを倒せば私は私の世界に帰れるんだと思ってた。
   夢から覚めれると思ってた。
   けど……そのボスが私の世界の人だったなんて、信じられなくて…
   でもそれ以上に……何で私なの、って……やっぱり思っちゃいます」

うつむいてしまう真理奈。
普段は明るく振舞っていても、その中では自分の問題にしっかりと向き合っているのだ。
けれど普段の性格から、それを他人に話すという事があまり出来ない。
それに、そんな相談は他人にとっては迷惑だという思いもあるのかもしれない。
当人を心配する人にとっては、むしろ話してくれた方が嬉しいのだが…

  「…真理奈ちゃんはさ、勇者ロトの話、聞いた事ある?」
  「詳しくは、知りません」
  「私ね、勇者と一緒に旅した事あるのよ」
  「え?!」
  「凄いでしょ?」
少し自慢するかのようにプレナは笑う。


647 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:32:15 ID:rz9ifTto0
  「アリアハンで勇者に誘われた時、私はまだ見習いの商人だったわ。
   知識を少し齧っただけの初心者。

   それなのにいきなり『ここに町を造ってほしい』って頼まれたのよ。
   普通に考えれば、無理な話だわ。
   正直不安だったし。

   けどその時は『やってやる!!』って気持ちの方が大きかったの。
   このチャンスを逃す手は無いと思って頑張った。

   その甲斐もあってか、町はどんどんと発展していった。
   どんどんと新しい建物が建って、新商品の入荷、そしてたくさんの人が移住して来たわ。

   凄く、嬉しかった。

   勇者も旅の合間に見に来てくれて、褒めてくれたし。


   けれど、町が大きくなると同時に、私の心にも慢心が広がっていったのね。
   ある日私は町人のリコールで牢屋に入れられてしまったの。
   当たり前よね。毎日毎日何時間も働かせちゃったし……
   町の事ばかり考えて、そこに住む人の事は考えてなかったんだわ。

   勇者にその事を怒られちゃった。
   その倍くらい励ましてくれたんだけどね。
   私は反省したわ。

   それからは人の気持ちを第一に考えるようになった」

648 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:33:48 ID:rz9ifTto0
  「でもそんな私がそれ以上に知りたかったのは、勇者の心の中。
   だって私が立ち直れたのは勇者のおかげなんだもん。
   それである時、聞いたの。

   『勇者はどうして世界を救おうとしてるの?』って。

   もう十分だと思ったの。
   その頃の勇者はバラモスを倒していたんだから。
   この世界はいったん平和になったわ。

   でも勇者はまだ行かなくちゃいけないところがあるって言ってた。

   だから…私はすがりついて泣いたわ。
   『もう旅は忘れて、世界の事なんか忘れて、この町で一緒に暮らそう?』って。
   そしたら勇者は何て言ったと思う?
   何も言わなかったわ。
   ただ笑って…『またね』 だってさ。


   私、今でもずっと考えてる。
   世界を救わないといけない人があの勇者だった理由なんて無いって。
   でも勇者は世界を救ったわ。
   そうしたのは、大切な人を守りたいって思ったからなんじゃないかって私は思う。
   彼の隣にはいつも、幸せそうにしている人がいたから…
   きっとその気持ちを貫く事と、世界を救うって事が同じ意味だっただけなんだって思う。


   彼はそれきり姿を現さなかったけど、きっとその人と幸せに過ごしてるんだわ。
   でも案外ひょっこり現れるんじゃないかって思ってる。
   だって勇者の事を思っている人がこの世界にはいっぱいいるんですもの。
   もちろん私もその中の一人」

649 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:35:39 ID:rz9ifTto0
  「これで勇者ロトの話はおしまい」
  「私…私、能登真理奈って言うんです」
  「のと…? そっか。これは偶然じゃないのかも」
  「でも笑えないギャグですよ」
  「そうだねw」

結局笑っておいて、プレナはキレイな色をしたお酒を口に運ぶ。

  「でも大丈夫よ真理奈ちゃん。
   真理奈ちゃんが自分の気持ちを大切にしていれば、いつかきっとあなたの世界に帰れるわ。
   だって勇者がいつも見守っているんですもの。
   これ、何のマークだか知ってる?」

プレナが真理奈の胸を指す。
アリアハンの宿屋の女将が勝手に施した刺繍。

  「それ、勇者があの後装備していた鎧の紋章なのよ。
   今では伝説の武具として有名なんだけど。
   だからこれを付けていればいつでも勇者に会えるわ」
  「勇者…ロト…」

真理奈がドラクエ世界に来た当初から付きまとっていたその名前。
今初めてそれに何だか親近感を感じた。

真理奈は決して勇者ではない。
けれど、勇者のようになれるかもしれない。
そう、それこそルビスの望むように、世界を救う事が……

650 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:41:12 ID:rz9ifTto0
商人の町に音楽が流れる。演奏しているのはスー民族。
商人の町との交流があるとは言え、未だ原始的な生活を守っている彼らの音楽は
真理奈が聴くような曲調とは違い、基本的に単調なリズムの繰り返しである。

彼らの音楽はルビス様への感謝の証なのだ。
"退屈な日々の繰り返しさえもルビス様のおかげとして喜び合おうじゃないか"
今流れているのはそういう曲である。

  「ジュードっ! 飲んでる〜?」

後ろから肩を叩かれ振り返ると、コップを片手にした真理奈が立っていた。
頭にはなぜかモヒカンの毛が…
広場の中央で盛大に焚かれている炎の灯りが真理奈の頬に当たり、微かに揺れている。
顔が赤く見えるのはそのせいだろうか。
……いや、その頭で居られても全然ロマンチックじゃないな。

  「……。どこ行ってたんだ?」

真理奈が横に座るのを待ってから聞いてみる。

  「ん? え〜っと、寝てたぁ。んでさっき起きたトコロ」
  「ふ〜ん」

ジュードは真理奈がさらわれた事を既に聞かされていた。
けれどそれを聞いたのは、パトリスがエジンベアに真理奈を迎えに行った後だった。
ジュードは刺されたプレナの方に付っきりだからだ。
フィリアがプレナの治療をしてくれたので、命にかかわる事態にはならなかったが。
そんな訳で、すぐに真理奈のところへ行かなかったのが引っかかったのかもしれない。
だからとっさに知っている事を聞いてしまった。
まぁ真理奈にはそこまで伝わってないようだが。

  「聞いたよ〜プレナさんの為に戦って兵士長やっつけたんだって?」

651 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:43:18 ID:rz9ifTto0
ジュードは酒に口をつける。あんまり旨いと思わないのはまだ若い証拠だろうか。

  「照れんなって〜! あっ、もしかしてプレナさんの事好きになっちゃった?!」
  「ちげーよ。あんな人に会ったの初めてだったからさ」
  「ムフフw そっかそっか! プレナさんキレイだもんね〜」
  「…ってかその頭なんだよ!!」
  「えへへ、面白いでしょ? 何か貰ったの〜ってかやっとツッコんだね! ずっと待ってたのに〜」
  「外せ! こっちが恥ずかしい!」
  「あ、話変えようとしてもダメだよ〜正直に言いなさい!」
  「だから〜――」

言い合いが収まるまで少々お待ち下さい

………… ……… …… …
夜が深まるにつれ、広場の火の灯りが徐々に落ちていった。

  「私さ」
  「ん?」

真理奈は膝の上でモヒカンの毛を撫でている。

  「魔王に会ったよ」
  「は?」

そんなに気に入ったんだろうか。

  「私の世界の人だった」
  「え? お前それって…」

まぁその行為に意味なんて無いんだろうけどさ。

  「うん。でも全然敵わなかったんだー」

652 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:45:48 ID:rz9ifTto0
  「そっか」
  「だからさ…」
  「うん?」
  「連合作るの、最後まで手伝っても、いいかな?」

ジュードは一瞬分からない。
そんな事でケンカしたのも、大分昔のように思えた。
でも真理奈はまだ覚えていたようだ。

  「…変なヤツ」
  「なに〜? 人がせっかくお願いしてるのにー!!」
  「手伝いとかお願いじゃねーんだよ」
  「え?」
  「俺らのリーダーはお前だ。アリアハンの王様も言ってたろ?」
  「そうだっけ?」
  「ったく…… だからさ、お前がやるんだったら、やっていいんだよ」
  「…そっか」

真理奈が嬉しそうな顔をする。

  「じゃあ改めてヨロシクって事で」

差し出されたコップにジュードは自分のを合わせる。
カツンっと音が鳴った。

  「よ〜し、じゃあ何か飲み物貰って来て!」
  「は? 俺が?」
  「そう。リーダー命令だよ〜」
  「てめぇ!!」
  「キャーww」

                            〜Tower of Babel 完〜

653 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/09/15(金) 14:50:54 ID:rz9ifTto0
今日はここまで。長かった…

さてさてステータスを(適当に)考えたので載せますか

能登 真理奈

武道家
レベル/ 17
ちから/ 82
素早さ/ 79
体力/ 60
賢さ/ 15
運の良さ/ 58
最大HP/ 163
最大MP/ 0

はい、バカですねw
真理奈が元の世界に帰れる時が来たなら、賢さの種をどっさりと持って帰らせる事にしましょう

あ、スリーサイズとか考えようかな

654 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/15(金) 20:34:11 ID:ILRD7N3Y0
乙っす!
頭が悪いのは愛嬌でいいんじゃね?
今のフツーの女子高生って感じでさ。

主人公同士のバトルロイヤルも案外面白いかもな。

655 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/15(金) 22:58:01 ID:NxbxRrQbO
ジュードがちょっとツンが入っているなw

656 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/16(土) 16:48:58 ID:Cx86TAvm0
真理奈たんヵヮィィョ真理奈たん


657 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/18(月) 04:51:07 ID:yV0R15TC0
保守

658 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/19(火) 00:31:17 ID:MklJZHdr0



659 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/20(水) 02:17:23 ID:K8Tn7e0X0
保守


660 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/20(水) 08:04:11 ID:v44Us8JE0
それにしても元祖>>1の書記さんはどうしているのだろうか?

661 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:35:03 ID:OGbR6aMw0
さて!投下しますかね!!
>>634の続きだす!!

夜明け前に目が覚めた。
流石にサマル達は疲れてぐっすりと眠っている。
眠れそうもないしこっそり抜け出して散歩でもする事にした。

夜明け前って言う事もあって、人が全くっていない言ってもいい。
漁に出る準備もしている者もいればお店の開店準備している者もいる。

現実世界では俺も仕事に行く準備しているんだよな…

実際問題俺はどうなるのかなって思ったりもするが今はもょもと達と一緒にいたいていう気持ちが強いのだけどな。

浜辺に歩いていると水鳥が20匹位飛んでいて美しく感じられた。

そーいえばガキの頃、田舎に帰った時今は亡きじーちゃんと一緒に朝散歩したよな。すごく懐かしく感じられた。


正体を隠すためとはいえ使い慣れない標準語を喋るのは関西人にとってかなり苦痛やがな。気軽に話したいで。ホンマに。


しばらく海を眺めていると誰かが声をかけてきた。「おはよう。」


こんな朝早く誰が起きているんだ?――――――――――――――――――ゼシカだった。




662 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:38:02 ID:OGbR6aMw0
  タケ「おはよう。早起きなんだな。」
ゼシカ「もょもとも早いじゃない。眠れなかったの?」

  タケ「まあな…今更言うのもアレだけど改めて礼を言わせてもらうよ。ありがとう。ゼシカ。」

ゼシカ「別にいいのよ。当たり前の事しただけじゃない。」
  タケ「そっか…ゼシカに聞きたい事があるんだけどいいか?」
ゼシカ「どうしたの?」


  タケ「どうやってこの世界に来たんだ?」


この点俺も気になっていた。俺の場合は仕事から帰って自分の布団に寝て翌朝、もょもとの体内に入っていた感じだった。

ゼシカ「そうね…私の場合はみんなで宿屋で寝たんだけど夢を見たの。」
  タケ「夢?」
ゼシカ「そう。内容は思い出せないけど誰かが呼んで吸い込まれる感じがして気がついたらルプガナの酒場にいたのよ。」
  タケ「そ、それはまたありえねー内容だな…」

ゼシカ「もちろんお店の人に泥棒扱いされたわよ。何とか説得して働かせてもらう事になったんだけどね。」

  タケ「うむむ…しかしククールやヤンガス達はどうだったのだろうな?」
ゼシカ「わからないわ…反対に聞くけどもょもとがヤンガス達に会った時彼らの様子はどうだった?」

  タケ「そうだな。ククールと会った時はこの世界に来たばっかりって感じだった。ヤンガス達は2日間くらい彷徨っていた感じだな。」
ゼシカ「ふうん…」

  タケ「案外時間のズレがあるみたいだな。エイトがまだこの世界に来ていないって言う可能性はある。」
ゼシカ「その仮説も結構当たりかもね…」



663 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:40:50 ID:OGbR6aMw0
  タケ「話は変わるがドルマゲスってどんな奴なんだ?」
ゼシカ「ドルマゲスですって!?貴方が何故知っているの!!」
  タケ「そうあせんなって。経緯を話すよ。」

俺はゼシカにドルマゲスと戦った時の事を話した。

ゼシカ「はっきり言って自殺行為ね。一人っで戦って良く生き延びれたと思うわ。」
  タケ「やっぱり?」
ゼシカ「ええ。私もドルマゲスと初めて対峙した時全く動けなかったのよ。すごく悔しかった…」
  タケ「ある意味俺が生き延びれたのは奇跡的なんだな…」

何とかしたい………このままじゃこれから先、俺がもょもとの足を引っ張るだけ。咄嗟にゼシカに頼み込んだ。

  タケ「なぁ、ゼシカ。」
ゼシカ「どうしたの?」

 タケ「俺に呪文を教えてくれないか?頼む!」

ゼシカ「何か事情がありそうね…」
  タケ「呪文が使えたら戦術も大きく変わるし、それにドルマゲスにやられた無様な自分自身が嫌だからな。」
ゼシカ「なるほど…もょもとは客観的な意見として呪文は使えそうなの?」
  タケ「ある老人に言われたのだが俺に呪文を習得できる資質が無いらしい。その代わり不思議な力があるって言われたんだがな。」
ゼシカ「そうなんだ。しかしその不思議な力に実感性はある?」


  タケ「うーん…ごめん、なんとも言えないな。多分無いと思う。」


俺は咄嗟に嘘をついた。流石にこの状態を気を許して話す訳にはいかなかった。


664 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:42:27 ID:OGbR6aMw0
 
ゼシカ「もょもと、ちょっと私の手を握ってくれないかしら?」
  タケ「ど、どうしたんだよ!?急に?」

流石に俺もドキッとした。

ゼシカ「な〜に考えているのよ。魔力があるかどうか調べるだけよ。」
  タケ「そ、そうか。」
ゼシカ「かわいい所あるんだね。もょもと。」
  タケ「うるせー!」

流石にいきなりは恋人フラグは立たないか…

ゼシカ「う〜ん。確かに判別できない不思議な力はあるわね。微妙ながら魔力が感じられるわ。」
  タケ「マ、マジか!?俺にもついに呪文が使えるのか!?」
ゼシカ「多分実戦で呪文に揉まれている内に資質が開花したかもね。
     しかし治療呪文や補助呪文などの色んな種類があるけど初期呪文の中でも使える呪文が限られるわね。」
  タケ「まじっすか………」
ゼシカ「超初級呪文のメラぐらいね。使える可能性はあるのは。」
  タケ「まぁ、無いよりはましか。しかしメラってそんなに簡単なのか?」
ゼシカ「ええ、私もメラから覚えたわ。一番使いやすいと思うの。」
  タケ「ふむふむ、さっそく呪文を使いたいのだがどうすればいい?」

ゼシカ「そうね。まず私が魔力を引き出してあげるから後は回数をこなすことね。」
  タケ「なんだかワクワクしてきたなぁ。」
ゼシカ「じゃあ始めるわよ。」

ゼシカが俺の手を握り何かを呟き始めた。ゼシカの体中から光が輝き出したのだ。おおおおッッッッッ!!
強風で体が浮き上がるような感じだ。これが呪文の儀式ってやつか…?



665 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:43:48 ID:OGbR6aMw0
ゼシカ「ふう、終わったわよ。これで使えるようになったわね。」
  タケ「おっしゃあ!」
ゼシカ「他人の魔力を引き出すことが出来る行為って上級魔術師の証でもあるのよ。上手くいって良かったわ。」
  タケ「ど、どういう事だ?」

ゼシカ「中級魔術師が同じ行為をすると魔力を引出す足す対象を傷つけてしまう事もあるの。」

  タケ「極端に例えるとゼシカのメラミが俺に直撃する可能性もあったわけか!?」
ゼシカ「そんなもんね。」

  タケ「スゲー危険な状態かよ!ある意味ギャンブルだな!オイ!かなりギャンブルだったんだな。」

ゼシカ「結構スリルがあったわよ。内心ヒヤヒヤしていたけど。まぁ結果的にはOKね!」

大胆さはムーン以上だな。けどこれで俺自身攻撃のバリエーションが増えたわけだ。

ゼシカ「但し呪文を使うのに制限があるわよ。」
  タケ「えっ!?おこがましくて申し訳ないが、俺頭が悪いから分かりやすく言ってくれ。」

ゼシカ「呪文が得意不得意の相性もあるのよ。それは個人差にもよるわ。私が得意なのは火炎系のメラ系・閃熱系ギラ系呪文だけどね。」
  タケ「逆にゼシカはヒャド系の呪文は不得意なのか?」

ゼシカ「そうね。私も氷系のヒャド系は不得意だし真空系のバギ系は使えないわ。爆烈系のイオ系はそこそこ使えるって感じかな。」

  タケ「ほぼ攻撃呪文のオールラウンドだな。すげえよ…」

ゼシカ「ううん。稲妻系の呪文は使えないし稲妻系は特に限られた術者しか使えないみたい。
     全ての呪文を使える人って俗に言う『賢者』って呼ばれる人の事ね。」



666 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:45:07 ID:OGbR6aMw0
ゼシカ「それにね、慣れてない内に呪文を多用してしまうと術者に負担が大きくなるの。」
  タケ「どういうことだ?」


ゼシカ「例えると今のもょもとが私が使える呪文メラミを使った場合、
    もょもとの体に大きな負担がかかり、最悪の場合死に至る事があるの。」


  タケ「マ、マジかよ…サマル達は呪文を多用しまっくているのは大丈夫なのか?」

ゼシカ「サマル君達の場合は魔力が強いからよ。しかし彼らもいきなり上級呪文を使ったりすると危ないわね。」

  タケ「しかし上級呪文も簡単には習得出来るとは思えないけどな。」

ゼシカ「確かに簡単には習得できないけどそれは各個人の才能が開花してで使えるようになるって感じね。」

  タケ「なるほど。今の俺には天空上の話の内容だな。」




  タケ「それにしてもゼシカはすげー詳しいな。いかにも体験談を語ってるみたいだな。」
ゼシカ「そうね。以前、危ない時にベギラゴンって言う呪文を使ったの。」
  タケ「それってベギラマより強い呪文か?」

ゼシカ「そうよ。しかし無理して使ったとたんに急に苦しくなったの。血も吐いたし。治癒呪文をかけてもらっても中々回復しなかったわね。」

  タケ「無理しすぎたら必ずツケが来るって事か…」
ゼシカ「それを防ぐためには日々特訓するしかないわよ。いいわね!?」
  タケ「わかった。」


667 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:47:05 ID:OGbR6aMw0
ゼシカ「後1つ、気になる事があったわ。」
  タケ「どうした?」

ゼシカ「魔力を引き出している時にもょもとの後ろに男の人の影が見えたの。半透明って感じだったな。」
  タケ「それなんてオバケ?」

ゼシカ「上手くは表現出来ないけど何故かもょもとを見守っている感じだったわ。」
  タケ「そのオバケはどんな感じの特徴だった?」
ゼシカ「間違いなくこの世界や私の世界の人間ではないわね。黒髪に服装も青いズボンに、変わった靴、
     見慣れない文字?の赤色のシャツを着ていたわ。」





それは間違いなく現実世界の俺だ。じゃあ俺はもょもとの守護霊って訳なのか!?
仮にそうだとしても何で背後霊じゃなくもょもとの体内にいるんだ?ツマジマが合わないじゃねーか。訳わかんねぇ…





  タケ「案外守護霊かもしれないなそいつは。根拠は無いけどそのような感じがするよ。」

ゼシカ「無根拠なのにそんな事良く言えるわね。」

  タケ「さぁ?俺自身がそう感じているからな。他人が聞いたら納得できないけど。」

ゼシカ「うーん私はなんとも言い切れないわね。何かの暗示かもしれないし…まぁいいでしょ。もょもとがどこまで言うのなら。」



668 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/09/21(木) 09:53:20 ID:OGbR6aMw0
  タケ「ゼシカ、今日の事は内緒にしといてくれないか?」

ゼシカ「どうしたの?」

  タケ「俺がメラを完成させた時みんなにびっくりさせたいからな。格好良くバシっって決めたいモンよ!」

ゼシカ「それだけじゃないでしょ?」

  タケ「他に何か理由があるのか?」

ゼシカ「決まっているでしょ。朝から私と一緒にいたらムーンやリアに疑われるからでしょ〜☆ムーンがカンカンに怒りそうね。」

  タケ「そんな事ないってば!!でも怪しまれるのは間違いないな…」

ゼシカ「そんなに悩まなくてもいいわよ。黙っておいてあげる。その代わり私もローレシアに連れて行ってもらうわ。」

  タケ「それなら良いよ。よろしく頼むぞ。ゼシカ。」

ゼシカ「こちらこそよろしくね!もょもと。」





もょもと&タケ
Lv.16
HP:112/112
MP:  0/  2
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 
特技 共通技:チェンジ
 もょもと専用:隼斬り・魔人斬り
 タケ専用  :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御・メラ

669 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/21(木) 19:15:42 ID:pdnSobgVO
乙です。
しかし、一年以上書き込んでいる作者は4の人、総長、レッドマンの3人だけなんだよな。
ある意味凄いな。

670 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/22(金) 06:30:05 ID:ucDu0OgaO
乙デイン。

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/22(金) 10:11:29 ID:KORdkVGk0
しかし主人公・2・8キャラをどう上手く絡ませていくのか
見ものだな。
グダグダした展開にならないで欲しい。

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/22(金) 14:27:36 ID:sXq2cTisO
4の人と総長て初代スレからいるんだよな
今さらだけどここまで続くとはねぇ当時は単発ネタスレだと思ってたのにw

673 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/23(土) 12:57:32 ID:4kd0zycy0
つまらん。つまらんぞーーー

674 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/23(土) 16:32:18 ID:nYxQvsCQO
>>673
お前はじめてかここは。
力抜けよ。

675 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/24(日) 17:18:26 ID:xjXhxyp20
遅い、早く書け。

676 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/24(日) 18:22:47 ID:IpHdfPZd0
>>675の人生

677 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 00:03:43 ID:+q/ART6RO
「心にも無い事言ってくれるじゃないの ところで俺の*を見てくれ こいつをどう思う?」

678 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 12:31:07 ID:8W1u/3aIO
死ねばいいと思う

679 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 16:38:20 ID:KYwXitxb0
しかしこのスレは敷居が高い気がするのは俺だけか?
メンタル的に強い奴じゃないと投下しにくいと思うのだが。

680 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 17:28:44 ID:rmZJOot50
七スレも続いたのが奇跡だな

681 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 18:48:30 ID:w6erd/7lO
>>679
どうして?

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/25(月) 18:59:15 ID:/m82jn3RO
定期的に嵐が出るし、住人も他の職人スレに比べると辛口気味だからじゃないか?

683 :679:2006/09/26(火) 09:02:25 ID:eGDesQlo0
>>679
スレの悪い雰囲気で書き続ける事を辞めた職人さんが過去にいたからなぁ。
それに新人が中々投下しにくいと思う。


684 :679:2006/09/26(火) 09:07:36 ID:eGDesQlo0
間違えた
>>681ね。

685 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/09/26(火) 09:45:33 ID:HgDvcceO0
まとめサイトのURLが変更になりました。
URLは
http://ifstory.ifdef.jp/index.html
になります。
理由は、以前使っていたFC2がどうもおかしな挙動をするためです。

まとめ作業はゆっくりになってしまいますが、ご容赦下さい。

686 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/27(水) 13:21:04 ID:pNFtGUNl0


687 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 14:30:49 ID:pLVaiHNY0
兵士「まずは王様に会いにゆけぱらりりゃ

俺は王様に会いに行った。

王「おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
勇者ロトの血を引く者よ!」

王様は俺に会うなりバケツをひっくり返したように感激の涙を流した。

王「そなたの来るのを待っておったぞーっ!う、ううう。
もうね、聞いて聞いて!大変なの!この世の中!聞いて聞いて!」

王はハンカチで鼻汁をすすりつつ泣きついてきた。

王「あのね!チーン!竜王って言う悪い奴がね!チーン!
光の玉っていうね!チーン!すっごい大切なもの盗んでね!チーン!
そんでね!チーン!さらにね!チーン!ぼくの大切なローラひめまで…

「わかった、わかった」
俺は王のほとばしる鼻水にびしょ濡れになりながら言った。
「とりあえず、その汚い鼻水を全部出し切ってからしゃべりなさい。

688 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 14:32:44 ID:pLVaiHNY0
「ウン!わかった!」王は大きくうなずいた。
「ぼく、鼻水出し切ってからしゃべる!」

王はひとりうなずきながら王座から立ち上がり、
すううっと大きく息を吸い込むと天も割れよとばかりに
勢いよく鼻水を鼻腔から噴出しだした。

王「ブッ!チーーンブリュリュリューッズババババーーーーーーーーッッ!
ヂッ!ヂヂッ!ヂーーーーーーーーズズズーーーー
ピーーーーゴロードンガラガッシャーングバババーッグバッ!
グババッ!!ギューンギュギュギューンドロドロピシャーーーーッ
ドリュルルイドバババーーーーーーーーーーッビビビビーンブリュァーーーーーーーーッ
シュゴーーーーーーゴゴゴッ!ゴッ!ドベッ!ズビズバビビビビョ!
ブビョ!ドバババブーゴブゴゴゴゴ!
・…ゴゴッ!ゴッッ!!!!バタン」
兵士A「王!
突然王が倒れ、後頭部をしたたか床に打ちつけた。
兵士B「し、死んでる…
兵士C「鼻汁を出しすぎたんだ…

その日ラダトームでは盛大な葬式が行われた。


689 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 15:18:40 ID:pLVaiHNY0
※葬式の間にて

ラダトーム兵「ウ、ウウ…王…
城の門番「この大変な時期に何で!どうして!
女性「せめて最期にローラ姫に会わせてあげたかった…
道具屋の前の青年「おいたわしや。おいたわしや。
武器と鎧の店の前の女性「ヒーン!
老人「おお!神よ!何ゆえこのような苦しみを!
老婆「終わりじゃ。もうこの国は終わりじゃ。

国民の嗚咽と絶望の声が教会に響き渡る。
と、その時。

兵士A「皆!聞いてくれ!」

教会の祭壇に、あのとき部屋にいた兵士Aが飛び出した。

兵士A「王に先立たれ、わが国の行く末を案じる者もいるだろうが、
まずは事の真相を知って欲しい。
あのとき、王が亡くなられたとき、
王はそこにいる1人の若者と謁見中であった。」

兵士Aが指差す方に皆が一斉に注目する。俺だった。


690 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 15:20:48 ID:pLVaiHNY0
兵士A「俺は聞いたぞ。そいつが王に『鼻水を出し切れ』というのを。」
兵士B「そうだ。俺も聞いたぞ。」
兵士C「王は『鼻水を出し切ったら死ぬ病』におかされていたというのに。」

途端に批難罵倒の声が俺に対して浴びせ掛けられる。

女性「何て酷いことを!
武器屋のおやじ「それでも人か!
老人「鬼じゃ!悪魔じゃ!鬼畜じゃ!
道具やの主人「お前が王を殺したんだ!

(ワーワー、ワーワー)
「待たれよ皆の衆!」

突然飛び出す白い陰。

大臣「この方をどなたと心得る!」

大臣が祭壇で民衆に向かって話し始めた。

大臣「この方はかの勇者ロトの血を引き正しきものぞ!
あのとき王に謁見していたのも竜王を倒す命を授かっていたからだ!」

「そんなの知るか!」
1人の戦士が怒鳴り返す。「王を殺したのはそいつだぞ!竜王じゃない!」
「姫様だっていないのにこの国はどうなる!」
今度は違う方から声がした。


691 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 15:22:26 ID:pLVaiHNY0
大臣「フム…確かにおぬしたちの言う事も一理ある。
王殺しの罪は重い。ならば、その罪を洗い清めるため、
また今は無き王座の後継ぎへとなる姫を取り返すためにも、
この若者を竜王討伐へと向かわせればよかろう。」

そして、俺は竜王討伐の旅へ出発することになった。

―出発の日―

大臣「この城を出るととなりにマイラの街がある。
そこでまず武器と防具を買い揃えることだな。
これは少ないが旅の足しにするがよい」

大臣はGの入った白い皮袋と松明をよこした。
袋の中をのぞくと10G入っていた。

俺「たったこれだけ…!」
大臣「何じゃ?不満かな?」
大臣は長い眉毛をひそめいぶかしそうに言った。

大臣「忘るるでないぞ。おぬしは罪人だ。
本来ならば死刑のところをこのわしが助けてやったのだからな。
よいか。必ずや竜王を倒し姫をとりもどし、
この世に再び光をもたらすのだ!ゆけ!勇者よ!」


692 : ◆ltQdejOgQI :2006/09/28(木) 15:25:00 ID:pLVaiHNY0
※ラダトーム城下街。

「人殺しー」
「モンスターにでも喰われちまえちまえー」
「気取ってんじゃねーぞこの豚やろうー」
「王様を返せー」

わーわー。わーわー。

見晴台より見下ろす、大臣
「ひひ。これでこの国もろた。
邪魔者であるロトの末裔も追い出す事に成功した。けけけけけ。
どうせあいつも1人で竜王の城までたどりつけっこあるまい。
ひひ。いひひ。いひひひひ。」

別室にて、水晶を眺める呪い解き爺さん
「かわいそうじゃ・・・勇者アレルはアリアハン王の要請を
受けて、人々の歓呼に送られ冒険の旅に出発した・・・
それなのに、わしらの勇者に対する仕打ちはこれか!?
勇者が・・・あまりにかわいそうじゃ・・・」

693 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/28(木) 18:24:33 ID:ZxMnKNxV0
アレルって観呼どころか見送りすらされてなくね?

694 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/29(金) 07:38:57 ID:q9drhJJ9O
きっとそこは、ロト紋パクったんだよ

695 :mbl116-129.mable.ne.jp:2006/09/29(金) 09:44:34 ID:qTOfz/Xz0
   

696 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/29(金) 10:12:28 ID:wy1GDuh40
今後も見守っていこうではないか!!
1の世界がベースみたいだな。

697 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/29(金) 17:09:19 ID:qNuz2kmU0
なかなか面白い

698 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/29(金) 18:46:47 ID:ZoQ/9113O
もはや宿屋じゃないけどな

699 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/29(金) 23:25:53 ID:eQBgm2b/O
まぁ宿屋から始まってないのもあるからなぁ

700 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/30(土) 11:19:22 ID:VAoWOktn0
スレタイも読まない阿呆は(ry

701 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/01(日) 18:29:57 ID:JAMvoGaa0
埋め

702 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/02(月) 06:15:21 ID:AGNo+F6oO
チンクルだろ

703 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/02(月) 16:45:33 ID:y4U2osXd0
無限ループに突入しているな。

704 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/03(火) 09:41:42 ID:9v3dOaXnO
保守

705 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/03(火) 19:12:40 ID:HY0KfNvd0
点検

706 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/05(木) 11:05:44 ID:PRud503jO
保守

707 : ◆ltQdejOgQI :2006/10/06(金) 06:40:00 ID:CEVz+TbY0
>>692の続き

ラダトームを追い出されて2日、北に向かって歩いて行くと街が見えてきた。

いや、正確には「聴こえて」きた。
何かのメロディーが町から流れている。
今日はお祭りか?
ウキウキしながら町へ入ると、

「こんにちはぁ〜♪ここはガライ♪ガライ♪ガライの」
『町ですう〜〜〜♪』←合唱

町人達が一斉に歌いながら集まってきた。

「ようこそ〜♪ミューズに愛されし町ガライへぇええ〜♪」
「きみィ〜の歌声、聞かせておくれよォ〜♪」
『楽しみっ!楽しみっ!楽しみっ!楽しみっ!』←合唱

まるで町人全員がミュージカルをやってるみたいだ。

「私はロトの末裔です。
竜王にさらわれたラダトーム姫を探して旅をしているのですが、
みなさん何かご存知ないでしょうか」
『!!♪』

一瞬町人全員に驚きと、焦りと、苦悶の表情が浮かんだ。

708 : ◆ltQdejOgQI :2006/10/06(金) 06:40:56 ID:CEVz+TbY0
「?どうか・・・なさいまし」
「ララ!ラララ!ラララ〜♪」
「勇者は歌声を持たないー♪」
『持たない!持たない!持たないー♪』

必死にメロディーを作り上げようとしているのだ。

「こォ〜の町では歌わなければならないィ〜Ah hooo♪」
『ならないィ〜♪』
「そォ〜れがこのまち〜の掟さぁ〜〜♪」
『掟さァ〜♪』
「屁をこくにしても!」
「プップ〜♪」
「糞するにしても!」
「ブリッ♪ブリブリミチミチィッ♪」
『歌わなけれ〜ば、な〜らない〜♪』

そう歌うとみんな「ラララ」と合唱を始め、
1人の少女が道に出された大便を嗅いで
「く、くさい〜♪」と歌いながら倒れた。

どうやらこの町ではみんなで一つのメロディーを作らねばならないらしい。
レストランに入れば食器でリズムをとったり、
パンの食べカスを口からとばしながら歌ったりしているし、
道行く人も足音でタップダンスをしたり、
合唱の輪に加わろうと声を張り上げ歌ったりしている。

町人たちの歌によると、なにやらこの町を作ったのが
有名な吟遊詩人とかで、自然と町自体も歌と踊りの町になったらしい。

709 : ◆ltQdejOgQI :2006/10/06(金) 06:42:16 ID:CEVz+TbY0
しかし、一見このミュージカル風の町の雰囲気は楽しそうに見えるが、
例えば排尿の際に
「ジョボボボジョボボボジョボボボボ〜♪流れるよ、わたしの真っ黄色なオシッコ〜♪」
と歌わねばならなかったり、
「あん、ア、アアア〜♪」
「どうだいぼくの×××の味はァ〜♪君のアソコに△△して○○〜♪」
「E!E!気持ちE♪」
といった、あられもない人間の生理現象、性衝動さえも、
この町全体を包み込む1つのメロディーに昇華しなければならず、

「ぉおっと、かわいい姉ちゃんだね〜♪」
「へっへへ、おいらたちと一緒に遊ぼうや〜♪」
「なんです!あなたたちは♪やめて下さい♪」
「いいじゃねえか遊ぼうよ♪」
「やめて♪やめて♪やめて下さい〜♪」
『やめて♪やめて♪やめて下さい〜♪』
「ああ、やめて、あん、そこは・・・やめて触らないでお願い・・・」←哀しそうなメロディーで

といったことも、全体を通して流れるメロディーの雰囲気に
調和していれば誰も何もとがめず、むしろはやしたてたりする。
これを、メロディーを無視して例えば「やめろ!」となど言って殴りかかると、
すぐさま町から追放されたり、音楽それ自体の持つ陶酔感によって
群集が怒り狂って死刑にまで発展するからたまったもんじゃない。
「やめろ〜♪」と歌いながら止めに入らねばならない。

要するに町全体に流れる音楽にマッチしていれば何でもアリなのだ。

(姫の情報を聞いたら、こんなアブナイ町すぐおさらばしよう)



俺は何とかみんなの歌に混ざりながら竜王と姫の情報を聞き出し、町を出た。

710 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/06(金) 09:09:55 ID:RenIcMak0
ヴォースゲー!
乙です。町人がイカレポンチばっかりに噴いたw

711 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:23:01 ID:jDZDth3R0
「う………?」

変だな…
違和感を感じる…

「起きた 起きたよ!」

!!
だ、誰なんだ…?
なんで勝手に俺の部屋に─

「よかった、気がついたのね」

誰だあんたは?
うまく… ものを考えられない…

「まだぼんやりしてるみたいだね」
「それはそうよ、長い間、眠っていたんだから…」

長い間…?

「とにかく、起きてくれてよかった
 おはよう、私はレア」
「おはよう、僕はレムス」
「お、おはよう… 俺は、タチバナ…」

う…あ…
俺は何を普通に挨拶して…
だいたい─

「ちょ、ちょっと待った!」

712 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:23:57 ID:jDZDth3R0
少し裏返った声に二人がきょとんとした表情になる

「い、いや ここって何処?」

ようやく、驚きの次に感覚を取り戻したタチバナが誰にとでも無く問う

「ここはメザレの宿屋だよ」
「メザレ?宿屋?」

わからない わからない…

「ねぇタチバナ、あなたはまだ目が覚めて少しだから混乱してると思うの
 だから少し落ち着いて、とりあえずお父さんとお母さんを呼んでくるから」

そう言いレアが部屋を出て行く

俺は一体、どうしてこんなところに居るんだ…
レアという女の言う通り、混乱だ

「まぁ少し落ち着いてさ、少し気持ちはわかるよ
 そうそう、あんたの服は着替えさせたよ
 まさか寝かせるのにあんな格好じゃあね」

あ…
これはベッド…
俺はベッドに寝かされていたのか

"あんたの服"
現実的じゃない場面での現実的な"この"言葉に、俺はようやく落ち着きだけは取り戻した

713 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:24:35 ID:jDZDth3R0
「あ、ありがとう… 俺、いつ頃からここに? それと、どれくらい眠ってた?」

すぐ意味があるとは思えないけど、頭に浮かんだこの疑問を、俺はレムスに聞いてみた

「う〜ん 確かアプリーリスの5日朝だったと思う
 ごめん、僕もあんまり覚えてないんだ
 それで今日はユーニウスの13日朝だから…70日くらいかな?」

70日!
アプリーリスとかユーニウスとか意味がわからないけど、70日…
どうなってるんだ…………
そうか!
夢!
夢だ、夢なんだこれは!

そう考えると楽しくなってしまい

「フフ」

と声に出して思わずほくそ笑んでしまった
レムスが少し驚いた顔をしたが俺は"なんでもないよ"と誤魔化す

そうか、夢ならどうって事はない
寝て起きれば現実に戻れるんだ

714 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:25:33 ID:jDZDth3R0
「お待たせ」

レアが部屋へ戻ってきた
その後ろにはレアの両親だろう二人が続く

「やぁ、俺はカルリ
 レアとレムスの父親だ」
「私はテティス
 カルリの妻よ、身体は大丈夫?」
「あ、俺はタチバナといいます」

レアとレムスは姉弟なんだな

「あの… ところでここはどこなんですか?」

夢なんだからどうでもいいんだけど、一応聞いてみる

「うん、ここはメザレの村だよ」

メザレの村か
夢にしては姉弟や親子や村の名前がやたらしっかりしているんだな
もしかして俺は天才なんじゃないか?
よくわからないけど

「タチバナさん、起きられる?
 動けるなら、食事を摂ったほうがいいわ
 寝ている間はずっと薬草だけだったから」

身体は─ 動かせる
どこも調子は悪くない 夢なのに健康だ
ん? 夢だから健康なのか

715 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:26:37 ID:jDZDth3R0
「はい、動けます」

"ヨッ"っとベッドを飛び降りる

「レムス 彼の服を取ってあげなさい」
「わかった、父さん」

"ありがとう"とレムスから受け取った服
それは俺が気に入ってしょっちゅう来ている白の長袖シャツと薄色Gパン

タチバナが着替え始めるのを見てレアとテティスは部屋を出る

「あれ靴は…?」
「君は裸足で村の入り口に倒れていたんだ」

カルリがそう言いながらゴツゴツとした革の靴を差し出す

うーん、これしか無いな
蒸れて変な病気にならなきゃいいけど…
まぁ夢だからいいか

着替えもすっかり終わり、三人は部屋を出る
短い廊下を歩き、階段をミシミシ下りるとすぐフロアに出た

「ここがこの宿自慢の食堂兼休憩室なんだ」

カルリが少しテレながら言う

なるほど、どうやらこの宿屋は全て丸太を組んで作ったログハウス
広いこのフロアは観葉植物が並び大きな窓があり開放感に溢れている
窓の外では緑が陽の温かさを全身に浴び、嬉しそうに揺れていた

716 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:27:34 ID:jDZDth3R0
「へぇ 心地いいですね」

俺は素直な意見を言った
嬉しそうなカルリは俺を広いテーブルの席へと案内し、その対面へ座る

「君は… タチバナくんはどうしてこんな辺境の地へ?」
「あ、タチバナって呼び捨てで呼んでもらえますか?
 なんだか慣れなくて…」

額をカリカリ掻きながらカルリへ伝える

「ん、そうか …タチバナ、よければ教えてくれないか?」

テティス、レア、レムスは料理の盛られた皿を忙しく運んでいたがやがて、席に座り俺とカルリの話に耳を傾けた
各人の前にはメインであろうスープ皿と拳大のパンが二つ、中央には大きめの更に緑のサラダ

そう言われても…
これは夢で、目が覚めたらここにいたんだからどうにも答えようが無いし…
あ、もしここで"夢だから"って言ったらこの夢は終わるかな?
"おもしろそうだ"
俺は軽い気持ちで、それでも顔は真剣に答えた

「それはもちろん、これが夢だからですよ」

717 :夢の夢の終わり ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:28:53 ID:jDZDth3R0
俺は─ "ここで目が覚め時計を確認している" そんな様を思い描いていた
だけれど目は覚めず、代わりに四人のまっすぐな、別の意味で目が覚める程の注目を浴びる事になる

「あ… あれ?」

この、変な違和感は何だ?
あの、目覚める前に感じたモノと同じ
その、リアルな感情はまるで現実
とても夢とは感じられない、感覚

そんな…
夢だったんじゃないのか?

夢はここで、終わりだったんじゃ─ ないのか?



718 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/06(金) 23:34:32 ID:jDZDth3R0
久しぶりに投下してみました。
タカハシの旅はまだ続編が出来てません。
まだしばらくの時間を下さい。
再度書きますが第三部まで、という事でお願いします。
投下済みの第四部は破棄します。

その間、短編─ で終われるかわかりませんが、短い話を投下していってみようと思います。
トリップに関しては、タカハシの旅だけ「タカハシ ◆2yD2HI9qc.」とするつもりです。
では、また新しい話が書けた時に。

719 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/08(日) 19:20:36 ID:ekiEsmwCO
乙乙

うん、まぁやっぱりタカハシの続き読みたいよね

720 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:30:41 ID:dbWlljoc0
以下の前スレ579からの続き
ttp://ifstory.ifdef.jp/log/ifyado_log006.html#R579



●前後

「こ ここもか…」

青い鎧を身にまとったその男、言葉と共に乾いた地面へ腰を下ろす
彼の名はテリー

世界からはゆっくりと人間が消えていた
なんの前触れも無く刺激も痛みも声も無く
まるで幻の源がその場から立ち去ってしまうかのように

「世界は一体、どうしてしまったんだ
 人は消える… 神の加護を全く感じない… 魔物はかつて無いほどの群れをなし襲ってくる…
 このままでは魔物の世界になってしまうではないか…!」

ガツンと、彼は拳を地へ叩き付けしばし項垂れる

彼、テリーはタカハシと別れた後グランバニア近郊で商いをするメルビンと合流した
毎日まいにち剣の修行に明け暮れ過ごした
数ヶ月してメルビンの教え全てを吸収したテリーは単身修行に出る
壮絶な修行だったけれど自身が強くなるのを自分で感じることが出来た
修行の途中、チゾット近くで倒れるタカハシを手助けしたりもした

721 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:31:38 ID:dbWlljoc0
ある日、旅商人と大地の上で会話していると目の前で突然消える商人
テリーは嫌な予感と焦りを感じ、情報収集のためグランバニアへ赴いたが町人も兵士も王も
そして姉ミレーユの姿もついに見つけることが出来なかった
姉を思いテリーは少し泣いた
泣いたけれどそれではいけないと、何が起こっているのかを知りたいと
タカハシを探しここライフコッドへやってきたのだ

「タカハシ…! お前は一体どこにいるんだ…
 まさかお前も消えてしまったのか……?!」

突如、耳の中、頭の中へ音が響く
やさしく聞いたことがある、初めて聞く声

「……そうか、そういう事なのか─」

テリーは立ち上がり歩き始める
増え始めた魔物と剣を交えようとする決意

希望と少しの笑顔が混じる、それは凛とした顔だった


722 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:32:14 ID:dbWlljoc0

●再び

真白な空間にぼんやりと浮かぶ白い影

『あ、あれは…』

手の届きそうなほど遠い箇所に、その影が次第に灰色の人物へと姿を変える
対峙する三つの、見覚えのあるシルエット
禍禍しい男が手を伸ばすと、その情景はぐしゃりと歪む
突如、目の前の弱弱しい男が後ろにある細細とした女を斬る

『俺、だ…!』

何度も何度も、時折り息継ぎながら伝わる殺気と共に斬りつけてゆく

『やめろ…! わからないのか…! 結末は………!』


723 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:32:58 ID:dbWlljoc0
「タカハシが苦しそうだ… なんとか、早く元に戻せないだろうか」

タカハシの苦しむ姿を直視出来ず、つい漏らす
いままで何十回、何百回おなじ言葉を口にしただろう
聞いたところで答えは変わらないのだが、交わしたかった

「…今はただ、祈り待つだけしか…」


俺は、あの魔物による大襲撃の間、ずっと戦い続けていた
何人かと一緒に戦ったけど、圧倒的なその数には敵わず
終には一人となり、おかしな術でここへ連れてこられたのだ

ここは生気の抜けた人間が集まるまさに地獄
名前を付けてやるなら"絶望の町"
何人かは強い意志を持って自我を保っているが、大半の人間はからっぽだ
どういう事か、話を聞いて廻ってわかった事がある
この世界で少しでも気を抜くと、すぐさま力を吸い取られてしまう
俺もこの状況に心が折れそうになってしまったが、どうにか堪えている
それはここにいるタカハシ、そして姉ミレーユと再開することが出来たから─

「姉さんだってこうして生きる力を取り戻すことが出来た
 タカハシだってきっと、戻ると思うんだ」
「ええ、ほんとうに… テリーのおかげね、ありがとう」

こんな状況だというのに、俺は少し気恥ずかしくなって俯いた

724 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:33:47 ID:dbWlljoc0
そう、姉も他の人間同様、力を抜かれまるで生きる屍
俺は傍に、ずっと傍について声を掛け続けた
それはとてもとても長く、終わりの見えない遥かな時間

姉が立ち、初めて絶望の町を隅々まで見てまわったとき
静かに、だけど苦悶の表情を浮かべ横たわるタカハシを見つけた
その様は姉やその他の人間とは違い、まるで何かに憑かれているよう

「彼もきっと、こうして私達が傍にいてあげれば、私のように力を取り戻すに違いないわ」
「うん…
 だけど俺も姉さんも、そして他の人間も戦う力だけは一向に戻らない
 話に聞いた"魂の集まる場所"へ行けば、なんとか…
 戦う力さえ戻れば…!」

気配を感じた
言葉は途切れ、その正体が判明するまでの僅かな時間─

「どうですか? 様子は…」


725 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:34:29 ID:dbWlljoc0
●仕組み

「あ、トルネコさんか…」
「おや 私で何かご不満でも?」
「いえ、なんでもないんです」

トルネコ─
彼は、この絶望の世界で連れてこられた我々人間を管理していた

「さぁ、彼の着替えです
 少しだけ部屋を空けてもらえますかな
 …見たいなら構いませんけど ほっほっ」
「ああ、ははは… お願いします」

俺と姉はトルネコとタカハシを残し部屋を出る

ここ絶望の町は魔物が用意した割りに設備が整っている
トルネコによると健康を保たなければ上質な力を吸い取れないかららしい

「トルネコさん、どうしてあんなに…」
「仕方が無いよ姉さん あの人は以前の心を無くしたまま、連れてこられたんだ…
 ルビス様の選んだ勇者というだけであんな事をやらされてる
 誰の事も、人間の世界の記憶だって残ってない」

しばらくして着替えが終わり、部屋へと戻る

「あなた方も、まだ元気なんですねぇ
 知ってますか? 力は一定量溜まると吸い取られてしまうのですよ」
「ええ、それは… 知ってます」
「意識をもって辛い思いするより、無意識で楽にしていたほうが良いと思うんです
 力を吸い取りつくす事はないですし」

726 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/09(月) 04:37:41 ID:HD/6Z1BTO
回避

727 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:37:53 ID:dbWlljoc0
思わず反論しそうになる
だけど…
彼は、記憶も人間の意志も持たず、ただただこの世界を管理しているだけなんだ
魔物側でもなく人間側でもなく、ただただ中立な存在なんだ
この発言もその所為で…

「そういえば、力はギリギリまで持っていかれるんですよね?」

姉はずっと黙っているが、表情が辛い
話題を変えようと俺は常々疑問だった事を聞くことにした
トルネコはいろんな事を教えてくれる
この町や世界から抜け出る方法以外で知っている事だけだが─

「ええ、そうですよ 死なない程度に」
「持って行かれた側は力を無くす だけどまた吸い取るなんて出来ないですよね?」
「そうですね さっきも言いましたが一定量の力を蓄えると…
 ええと、力を吸い取るにも上限下限があるんです
 ここで言うのは"吸い取られる側の限度"ですね」
「だけどそれは、吸い取られきった人に対しての答えでは…」
「それは今からお教えしますよ
 ようするに、人間は食事を摂っていれば栄養になり力となる
 少なからずそれは、意識を持っていようがなかろうが潜在的な力にもなるわけです
 知っていると思いますが、意識を持たず生きている人たちも食事だけはしています
 それはこちらである程度操作している部分もあるわけですが、大半は必要として自ら摂る
 力を失い絶望を感じ自らを失っている、だけど本能はそれを許さない
 深い深い所では"生きようとする力"は失われていないわけです」
「へぇ… わかるようなわからないような…」
「そういう人たちの場合、下限で力が吸い取られます
 貴方たちのようにはっきりと意識を持つ人たちは上限まで蓄えられます」

728 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:38:35 ID:dbWlljoc0
「それはなぜ? 私達も下限で力を吸い取れば、こんなに元気ではいられないわ
 その方が魔物にとっては都合が良いと思うのだけど…」

沈黙していた姉が、トルネコをまっすぐにそう言った

「明確な生きる意思を失った者の上限から吸い取るよりも、上質な強い力を頂けるからですよ
 それに貴方たちの強い力を中途半端な段階で吸い取ると、その効率は落ちるのです
 どういう仕組みなのかはわかりませんが、そういう事なんですよ
 …話がずれてしまいましたが、ようするにこの世界に居る人間は私が管理している以上、
 力が完全に無くなってしまう事はないのです
 固い意思で自ら命を落とす人も、もちろんいますけどね」
「…生かされず殺されず、という事ですか」
「そうなりますね
 ただ貴方たちは少なくとも"生きて"いますよ
 他にも数人、元気な人がいますがいつ力を無くす事か」
「……トルネコさんは、どう思いますか?」
「ほ? 何がですか?」
「人間が、このまま全員だめになっていくほうがいいのか…
 それとも全員が奮起してこの世界を崩すほうがいいのか…」

思わず、どうしても気持ちを抑えきれず意味の無い質問をしてしまう
今のトルネコにこんな事を聞いたって、仕方がない事なのに

「私としては、どちらでも構いません
 どうなっても管理するのは私ですからね
 自分の仕事をするまでですよ」

やっぱり…
ほんの、ほんの少しでも良い答えを期待した自分が情けない

729 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:39:32 ID:dbWlljoc0
「…ですが、ここまで堕ちた人達が再び奮起するなんて事があるのであれば、見てみたいですね
 興味として、ですがね」

興味として…
だけど、その答えって自分の意思、じゃないのか

「トルネコさん、あなたはもしかして─」
「私はこの町の管理人トルネコです
 それは、少しの意志くらいは持ってます
 ですがそれでどうこうという話はありませんぞ?
 前と同じ事を言おうとしたのはわかってます
 自分で言うのもおかしいのですが、私に期待したって何もありません ほっほっ」

やはり味方に出来そうにはない
俺は以前に、実はトルネコがわざと演技でこんな事をしているんじゃないかと問い詰めた事がある
いろんな情報を提供してくれるだけでも、ありがたいと思わないといけないか

その後、他愛の無い話をし、トルネコは別の部屋へと移っていった

勇者トルネコが守ろうとした世界は今─
こんな世界に人間としての記憶を持たず彼がここにいるという事
それだけが俺にとっても救いであった


730 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:41:47 ID:dbWlljoc0
なんだか中途半端だけど、ここまで。

>>719
タカハシの続き、やっぱり自分でも知りたいから奮い立たせる意味でも投下してみました。

731 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/09(月) 04:43:33 ID:dbWlljoc0
書き忘れた
何度もごめんなさい

>>720
から仕切りなおしの第四部始まりです

732 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/09(月) 11:56:37 ID:eBR88P7pO
タカハシGJ!
ありがとう

733 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/09(月) 21:35:39 ID:GUF2tENd0
タカハシ乙
ローディとか総長とか来ないかなぁ

734 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/10(火) 10:23:17 ID:w5hdGNxE0
隙間風氏が帰ってくるの待ってる
あの先の読めない展開が今後どうなるのか気になって気になって

735 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/10(火) 15:54:50 ID:pHhMRi8C0
今回はテリー編みたいだな。
乙!!

736 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/10(火) 21:39:57 ID:gSbG275A0
アッー!

737 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/12(木) 11:49:03 ID:dvdRhvZTO
保守

738 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 02:04:59 ID:9pRpT/MI0
まとめサイト
http://ifstory.ifdef.jp/index.html
埋めマン◆TZg1R4cTLE氏とタカハシ◆2yD2HI9qc.氏の物語を現行スレまで更新しました。

739 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:49:36 ID:9pRpT/MI0
>>729
からの続き


●逃毀

ある日、夜も昼もわからないこの世界
目覚めた頃に二つの魔物、りゅうき兵が現れこう言った

「そこの女、お前ついてこい」

耳を疑った
意味はわからないが、身体が動く

「待て、何の用なんだ!」

俺は椅子に座り緊張する姉をかばう様に、立ちふさがる

「女、早くしろ」

りゅうき兵はそれを無視してミレーユを睨む

「くっ…! お前ら俺を無視するな!!」

敵うわけが無い
武器も鎧も魔法だって無いんだ
だけど何もしないわけには─

740 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:50:25 ID:9pRpT/MI0
ミレーユを睨みつける一つの魔物、それめがけてテリーは殴りかかった
"バシリ"と少し平手打ちに近い音
テリーの拳は確実にりゅうき兵の頬を捕らえている

「なんだお前は」

"ジロリ"とようやくテリーへ眼を向けるりゅうき兵
同時に腕を強く引き上げられ、宙に浮く身体
渾身の打撃は魔物の顔をわずかに動かすだけ、期待した効果を発揮しなかった

「う…ぐ…! 離せ!!」

やはりどうする事も出来ない…!
くそ!
このままでは姉が…
どうしたら、どうしたら……

「こんなに生気にあふれる人間だ、殺すわけにはいかん
 しかし頬に触った 俺はひどく痛憤している」

意地の悪い顔を、テリーに向けるりゅうき兵

「まって!」

ミレーユが声をあげる

「なんだ女 俺は今こいつをどう苦虐させるか考えているんだ、邪魔をするな!」

姉さん…!
だめだだめだ絶対にダメだ!

741 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:51:11 ID:9pRpT/MI0
「言う通りに、します… 弟に何もしないで……!」

悔しさなのか恐怖からなのか、ミレーユの身体が小刻みに震える

「んん? こいつはお前、女の弟なのか ク、ククッ
 ならば話は更に易い」

先よりも邪悪な笑みを浮かべる魔物二つ

「女、お前 今から連れて行くが、今後一切抵抗してみろ
 ククッ こいつの無事は無いと思え 貴様ら人間が想像できない苦しみを与えてやる
 言っておくが自害するなど無駄だ
 古代魔法ザオリクを以って、悪魔神官が苦しみを永遠に与えてくれるだろう クックッケッケッ!」

な、な、なんて事だ……
俺が、おれが抵抗したばかりに余計な条件が…!
いらない事をしなければ… まだ、もしかしたら救える方法があったかもしれないのに……!

りゅうき兵の手が開く
俺は地面へ落ちガックリと頭をたれ、掌を握る
素早く、傍へ来た姉がそっと、耳元で囁いた

「どうあったとしても、私は連れて行かれる…
 こんな世界だけど、少しの間だけど一緒に過ごせて良かった
 …無事でいて、そしていつかタカハシと一緒に世界を─」

"バサッ"
ミレーユが魔物に腕を捕まれ連れて行かれる

俺は、顔を上げて姉を見ることが出来なかった
きっと俺を見ているだろう、姉の顔を……


742 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:51:50 ID:9pRpT/MI0
●白い女性

時間だけが過ぎていた
変わらず俺はタカハシへ話しかけている
違うのはただ一つ

姉さんがいない

この世界でたった一人
これは、思っていた以上に辛い
目の前で捕らえられる姉を助けることが出来なかった
それは現実で、実際に俺は一人だ

「俺は何の為に…」

今までの戦いを全否定したくなる
"勇者になろうと思う"
そう、タカハシに語った事が懐かしい
戦えなかった事が恥ずかしい─

今はただただ、タカハシを元に戻すことだけを考え、力を持っていかれないようにするだけだ…



「テリーさん、いいですか?」

トルネコが、入り口に立っている
どうやら俺は、床に座ったまま膝を抱え、寝入ってしまったらしい

「あ、ああ… はい…」

椅子へ座りなおし、中へ入るよう促す

743 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:52:45 ID:9pRpT/MI0
「ええと、新しく来た人がいるのですが」
「まだ戦っている人がいたのか…」

トルネコへ言うでもなく呟いた

「戦うようにはみえないんですけどね」

そう言い、入り口に向かって"どうぞ"とトルネコが言う
その声に応え、そこに白い女性が現れた

「ここですか… あれが…」

女性が、タカハシの姿を見つけ言った

「この人、名前を思い出せないそうです
 ちょうどあなたのお姉さんが連れて行かれてここが空いたので、いろいろ教えてあげてもらえませんか」

トルネコの、悪気のないその言葉に、俺は歯を噛む

「トルネコ 案内、ご苦労でした」
「え? あ、ああ、じゃあ、私はこれで
 何かあったら呼んでください」

女性の言葉に戸惑いながらも、トルネコは部屋を出る
女性は立ったまま動かない
俺も特に、声を掛けることなく、タカハシを挟み奇妙な時間を過ごす

744 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/13(金) 03:55:05 ID:18aiQ84oO
回避

745 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:55:15 ID:9pRpT/MI0
「彼は…」

女性が細い声で話し始めた

「いつからこんな状態に…?」

この人は、タカハシを知っているようだ
俺は聞かれた事を、簡単に、短く伝えた
伝えるといっても、俺が見つけた時からこの状態だったから二言三言で済む

「…そうですか テリー、あなたも約束を守ってくれているのですね」

約束…?

「悪いが俺はあんたを知らない
 おおかたトルネコに名前を聞いたのだろうけど─」

女性が顔を俺に向ける
普通の人間とは違う…
どこか懐かしささえ感じる…

「タカハシへ十分に協力してほしいという願いを… 今も、守ってくれています」
「え…? な、なぜその事を知って……!」

まさかと思うが…
人間へ姿を見せるなど、ありえない事
だけどこの感じ……

「思い出してくれましたか?
 私はルビス、貴方たち人間の生みの親…」


746 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:56:15 ID:9pRpT/MI0
●無くした希望

「な…… なぜ! なぜこのような所へ…!!」

思わず椅子から飛び降り、肩膝を突く
俺は、人間を守る神であるルビスが人間を守らなかったのか
それを聞くより先に、こんな場所へ来た理由を問いかけた

「以前にお話ししました、タカハシの事…
 私はタカハシに全てを託し見てきました
 ですが彼は、ゾーマに破れこの世界へ飛ばされてしまった…」

な…!
タカハシは、魔王とすでに戦って……!

「この世界はゾーマが新たに作った世界
 10番目の世界といえるでしょう
 そしてこの10番目の世界は、私たち神には手を出すことが出来ない世界」

何を、何が今、起こっているんだ
タカハシは魔王に敗れたといい、神であるルビスが目の前に居る
そうして世界が違うとかなんとかと…

「手を出せなくとも、私にはタカハシを導く責任があります
 この世界の事は全く見ることが出来なかったのですが…
 魔物を欺きようやく、この世界へ取り込まれる事が出来た」

わからない事だらけだけど、ここにルビスが来た
神が、直接きてくれた
これは世界が救われる前兆じゃないか…!

747 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:57:07 ID:9pRpT/MI0
「ルビス様! では、タカハシをすぐ目覚めさせて…!」
「いいえ 残念ですが、私の力ではどうする事も出来ないようです
 なぜなら、今の彼は誰の声も届かない深く暗い場所に佇んでしまっています…
 これでは私の声など、役に立たないでしょう」
「え、ですが!
 あなたは神だ!」
「…テリー、言っておかねばなりません
 通常の私は肉体を持たず、見える姿は貴方たち人間の思う女神の姿…
 私はここへ来るため人間の姿へと形を変え肉体を持ちました
 その時、ほとんどの力を消費し、肉体を持った瞬間、多くの力を失ったのです…
 今の私にタカハシを呼び戻す力などありません」
「そん、な……」

じゃあ…
姉さんも助けることが出来ないじゃないか…!

「じゃあ… ルビス様… 一体、何の為に…」

身体から力が抜け、壁を背にだらしなく足を伸ばす
少し、気力というか精神が、抜けていく感じがする

ああ…
俺はもう、だめだ…
力を奪われていくのがわかる…

「ルビス…様……」

無表情のルビスに、俺は話しかけた

748 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 03:58:23 ID:9pRpT/MI0
「俺はもう、だめです…
 これ以上、気持ちを強く持つことなど、出来ない…
 神でさえ、どうすることも出来ないのでは、タカハシが目覚めたとしてもきっと……」

静かに、言葉を聞くルビス

「せめて、せめて姉さんを自由にしてやる事は、出来ませんか……」

もう、動けない…
俺は今から闇に、飲まれるんだ…

「……方法が、無いわけではありません」

ルビスのその言葉に、安心した俺はやがて、飲み込まれた



姉さん、ごめん
姉さんはルビス様が、助けてくれるよ…
俺は先に、眠ることにする………


749 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/13(金) 04:01:10 ID:9pRpT/MI0
今日はここまで
まとめにあわせ慌てて投下

あと誤字修正
>>746
五行目
肩膝を突く -> 片膝を付く

現在431952バイト
まだ大丈夫かな?

750 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/13(金) 11:45:53 ID:tgfwHNaZ0

    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
   |ヽ(`Д´)ノ 萌えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!  |
    \                            /
       ̄ ̄V ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          |や、やめなさい! |
           \          /
              ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

             ∧_∧  
            (´Д`;)
            .r'    `ヽ
           / ,    , ヘ
           ,l ,lヘ    .l  |
           l l ヘ__,ノ ,l
       ∧_∧^m)、,.__,ノ )
       (´∀`*)l /  /^l, 〈
      と    ノ r' r'  l  'l
       / /〉 〉_|  l   |  |、
      .(_,(_)(__ノ  .(_,ノ





751 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/13(金) 16:53:53 ID:8mxE/bUQ0
タカハシ乙!まだ読んでないけど増えてたんで脊髄反射的にレスしてしまったw
これから堪能させていただきます

752 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/14(土) 20:30:25 ID:icrUELOk0
まとめサイトを更新
http://ifstory.ifdef.jp/index.html

・ローディ◆qdB5QYIaRc氏
・レッドマン ◆U3ytEr12Kg氏
の物語を現行ログまで更新しました

753 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/15(日) 07:13:55 ID:s4uM8zzP0
まとめサイトを更新
http://ifstory.ifdef.jp/index.html

・スレ立て用テンプレートの追加
・暇潰し ◆ODmtHj3GLQ氏の物語を現行スレまで更新
・隙間風 ◆njN6YTN.DI氏の物語を現行スレまで更新
・七泊目レス93一発ネタ氏の物語を「完結した物語」へ追加

恐怖の月曜日氏が襲ってくる前に更新できました
またしばらくまとめ作業をさぼろうと思います

754 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/15(日) 13:01:32 ID:BcLXfL79O
よくやった!感動した!

755 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/15(日) 20:15:34 ID:++kfeyfF0
保守

756 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/17(火) 09:31:03 ID:GzPDVRpoO
あげほ

757 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/19(木) 17:17:38 ID:/ptTgsRzO
保守

758 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/20(金) 23:58:16 ID:gePhk2P10
424KB

759 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/21(土) 13:23:17 ID:UWs6RQw20
まとめサイトを更新
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html

・エイコLv.1◆h97CRfGlsw氏の物語を「完結した物語」へ追加
・魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g氏の物語を現行ログまで更新
・ニートLV1 ◆tHwkIlYXTE氏の物語を現行ログまで更新
・まとめローカル用圧縮ファイルを更新

エイコLv.1◆h97CRfGlsw氏の物語は完結していませんが終了書き込みがあったため完結としています。

760 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 00:16:08 ID:28i/j6X30


761 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 18:46:49 ID:Jh1F5qgN0
よくやった!感銘した!

762 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 19:55:12 ID:3UACBvdnO
早めに次スレ立てた方が良いかなぁ・・・。

763 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 22:56:02 ID:nN2lawAj0
でも、もう書く人いないし・・・。

764 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 23:53:20 ID:NQoWewc8O
その発言はどうだろう

765 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/23(月) 23:57:48 ID:T6P6zja8O
危険な発言だなあ

766 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:29:41 ID:OadCEK2S0
世界樹の花

「何故、止める!!ソフィアァァァァァァァ!!!!」

ソロの慟哭を正面から受け止め、ソフィアは兄に語りかける。

「もう、止めよう、兄さん。憎しみで憎しみを殺してもどうしようも無い事は、兄さんだって解ってる筈」

「奇麗事を言うな…例えそれが解っていたとしても、この身を焼く怨嗟の焔、消えるわけが無いのはお前が一番解る筈だろう…!」

「消えはしない…殺しても、殺さなくても…この哀しみは消えはしない。マーニャとミネアを見ていれば、それは解る」

姉妹は小さく俯いた。
確かに、それはその通りだった。
エドガンの仇を討ったすぐ後は、嬉しかった。無常の喜びを感じた。
なのに、虚しい。
その理由は既に解っている。例えバルザックを殺したとしても、あの頃は戻りはしなかったから。
頼もしい父が居て、優しいオーリンが居て、賢いバルザックが居た。
優しい笑顔に満ち溢れていたあの頃には。

「ピサロを殺しても何も戻らない…父さんも母さんも、師匠も長老も…シンシアも!!!」

姉妹はソフィアのその言葉が嬉しかった。
復讐を遂げた彼女達には、その言葉を言う資格が無い。
自分たちで気づいてもらうしかなかった。
長い時を共に過ごし、本当の妹のように愛し、慈しんできた少女がそこに至れた事に、知らず涙を流す。
少女が――その考えに至れたのだとしたら、自分達のしてきた事も、間違いではなかったのだと思える。

「マーニャとミネアとてバルザックが生きていれば心中穏やかではいられまい!
それと同じ事だ!終った後が虚しかろうが…こいつが生きている事が、俺には許せない!どけ、ソフィア!」

767 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:30:14 ID:OadCEK2S0
がっと剣の柄で少女を押す。
不安定な足場でバランスを崩した少女が、落下する。
地上で青年が少女を抱きとめるのを確認するまでもなく、ソロは雷光を纏った剣をデスピサロの頭に叩きつけ、そのまま飛び降りる!
頭、顔、胸、腹に浮かぶ顔…その全てを雷光神剣(ギガソード)で切り裂いて、勇者は地上に降り立った。

「――トドメだ」

再度、掌に雷を宿らせる。
天招大雷檄(ギガデイン)――勇者の、勇者たる光が、今――。

放てない。
放てない。
放てない……!

ソロは悔しさに歯噛みした。

「どうして…なんで…やめろ、俺の前に…」

ぼろぼろぼろぼろ。
止める事もできず溢れ出る涙。
思い出してしまった。自分と共に最後まで戦った少女。妹の姿に変じ、殺されながらも尚、魔族が引き上げるまで妹の姿を保ち続けた少女。
その少女に良く似た…ずっと守り続けてきた、世界樹の花の力を受け蘇った、エルフの娘。

「ロザリー…」

「ソロ様…申し訳ありません。ソロ様の、気が済むようになさってください。
私は何をされても…恨みはしません」

768 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:30:58 ID:OadCEK2S0
そう言って、デスピサロに向かって歩いて行く。
ソロは膝から崩れ落ちた。
出来る訳が無かった。
他の誰かなら、例え巻き込んだとしても雷を叩きつける事ができただろう。
だが…ロザリーにだけは…できる訳が無かった…。
傷ついた勇者の頭を王女が抱きかかえる。

「ピサロ様…」

巨大な化け物と化した恋人の成れの果ての前で、エルフの娘は手を組み合わせる。
デスピサロは動かない。だが、それはダメージが大きかったからに他ならない。そのダメージすらも、進行形で癒えていっている。
全て癒えれば、デスピサロは動くだろう。目の前のロザリーを屠り。
既に彼の者の瞳に理性の光は無いのだから。

それを見て…ロザリーは悲しくなった。
何をされても耐えた娘が、耐えられない悲しみに襲われていた。
たった一人…たった一人の為だけに。
このような姿になる者に。
たった一人…たった一人の為だけに。
涙を流す娘。

紅い瞳から零れる紅い涙。
頬を伝い、顎へと進み、宙へと舞う。
大地に吸い寄せられる間に――凝固し。
ルビーと成りて、地へと降り立つ。

769 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:31:35 ID:OadCEK2S0


(ハハハ、自分を追いかけていた人間が殺されて悲しいとは。面白いヤツだ)

(……)

(お前の名は?)

(……?)

(なんだ、名も無いのか。…そうだな、ではロザリーとこれからは名乗るが良い)

(ロザリー……?)

(そうだ。また、会おう、ロザリー。私の名はピサロだ)

(ピサロ……様……)




770 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:32:13 ID:OadCEK2S0
(此処に塔を建てようと思う)

(塔、ですか?)

(そうだ。私だけが鍵を知る、安全な塔をな)

(……)

(なんだ、嬉しくはないのか?)

(いえ、そのような事は…ありません。ただ、少し…寂しいです)

(案ずるな。この地は人間は無く、住んでいるのはホビットと動物たちだけだ。ホビットたちにはもう話をつけてある。
そうだな…この地にも名をつけようか。…ロザリーヒル。ロザリー、お前の丘だ)

(私は…皆の丘が良いです)

(フフ…お前ならそう言うと思ったぞ)

771 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:37:00 ID:OadCEK2S0

「ロザリー……」

「私……寂しかったんですよ……ピサロ様……」

「あの地は賑やかになっていったろう……スライムでは、慰めにはならなかったか……」

「お気持ちは嬉しかった……あの子も、私をよく励ましてくれた……だけど、私は……貴方に、会いたかった……貴方と一緒に居たかった……!」

「……すまなかったな……ロザリー……」

ピサロとロザリーが抱き合う。
その感動的な光景を、俺はどことなくつまらなそうに見ていた。
だって、マーニャに踏まれてるんだもん。それで感動して泣けって言うほうが無理だろ。

「私たちの間にも浮いた話ないってのに…なんであそこでラブってるのかしら…複雑ね。敵に先越されるだなんて…」

実は俺たちも、とでも言ったらきっと殺されるに違いない。
黙ってようそうしよう。

「ピサロ……」

「ソロ、か……」

「人間たちをロザリーヒルの塔に招きいれたのは、エビルプリーストだ。人間の力だけでは、あの塔には入れない」

ソロは知っていた。
結界を解く為に向かった先で待っていたエビルプリーストは、聞いてもいない事を実によく喋ってくれた。
それを仲間達に言わなかったのは…。
リーダーが迷う、迷いを見せてしまう事の危険性を理解していたからに他ならない。

「……そうか。そうだったな。では、行くとしよう」

772 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:38:42 ID:OadCEK2S0
二人は一度も目を合わせず、同時に歩き出した。
傍にいたアリーナがきょとんとしている。

「ちょ、ちょっと待ってよ!何、一体どういう事!?どうするの!?」

「元凶を叩きに行くって事よ。皆でね」

戸惑うアリーナの肩をぽんと叩く。
振り向くと、そこには晴々とした笑顔を浮かべたソフィアが立っていた。



「それで、何で俺たちは水着を着ているんだろう?」

「さあ…どうしてでしょうねえ」

トルネコが囚人服みたいな水着で隣に寝転がっている。
なんだか見てるだけで憂鬱になってくるので視線を外した。
此処は海辺の村…ハバリアから船で北に進路を取ると辿り着く小さな島にある村だ。
そこにシートを敷きパラソルを立てて、何故か暢気に海水浴をしている。
おかしいな…俺たちはラストダンジョンでラスボスと死闘を繰り広げている所に乱入したと思ったんだが…。

「女性たちの我が侭なんて今に始まった事では無いではないですか」

にこやかに言いながら槍を振るうライアン。全裸で。いや、ふんどし一丁で、か。
まあそうなんだけどさ。俺もいつものように槍の手解きを受けてたりするし。

「ちょっと!今日くらいは遊ぶのよ、あんたたちも!!」

隣にソロとピサロを侍らせて、マーニャさんはご機嫌だ。
ってピサロもかよ!!怖っ!!物凄い怒ってるし!!

773 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:39:59 ID:OadCEK2S0
「………………」

「なによ、ピーちゃん。文句あんの?」

「……品が無いな、お前は。ロザリーはどこだ」

「あんですってぇぇぇぇ!!!!」

と、怒り狂いながらピサロの腕を掴み、自分の胸で挟む。
な…!なんて、羨ましい……!

「俺とピサロの扱いが違いすぎる件」

「ピーちゃんにはこっちのが利くと思って」

見てみると、俺に呼び捨てにされたピサロが何か怒ろうとしているのだが、
顔が赤いのでそれもいまいちままならないようだった。

「ほほぅ…魔王様は初心なんですな」

「ふざけるな!こんな所をロザリーに見られたら、また哀しませてしまうだろう…えぇい、手を離せ!」

だけどそういうときにこそ、見られちゃうもんだよね。
俺とマーニャが嫌な顔をしながら指差す先には、アリーナ、ソフィア、ミネア、そしてロザリーの四人がいた。ついでに荷物持ちのクリフト。

「…………!!」

今にもルビーの涙を溢しそうになるロザリー。
ソロがマーニャの傍で嘆息し、呆れた目で見てはいるのだが、それもまるでソロがマーニャに侍っているように見えて驚きに目を見開くアリーナ。
興味津々なソフィア。姉の所業に申し訳なさからごめんなさいごめんなさいと聞かれてもいないのに謝るミネア。
ビーチボールだとかネットだとかを持たされて余裕の無いクリフト。

774 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:41:20 ID:OadCEK2S0
皆それぞれのリアクションをしている。楽しそうだなあ。
俺はといえばマーニャはまあいつも薄着だもんで、他の女性陣の水着姿にでれでれとしていたのだが。
すこーんと剣の鞘が飛んできた。ソフィアの仕業らしい。顔はにこやかだが、何とも。

ちなみに無論ピサロも水着だ。
最初は競泳用を穿かせようとしたんだが抵抗しやがった。なんか呪文とか唱え出したから諦めたさー今はハーフパンツ型のを穿いてパーカーを羽織っている。
なんともな。なんだかこの暢気さ。
いいのかねーこんなんで。


水辺で貝を拾っているソフィアに向けてその疑問を言う気にはならなかった。
まあ、良いだろうさ。
次の戦いが最後になる――それを、皆薄々感じているようだった。

「私は、まだみんなと旅ができて嬉しいなあ」

アリーナなどは素直に感情を口にするから、こんな事も言ってしまう。
皆、それにそれぞれの反応で賛同しているようだった。かくいう俺も…。

何か珍しいものを見つけたのか、ソフィアが俺を手招きしている。
なんだなんだと傍に寄ってみると、海の中に一点だけ、海水が無い場所があった。
海水が無い…というのもおかしな話なのだが、なんというか。海に穴が開いている、が一番近いか。

「珍しい石ね…」

「そうだなあ…あ、そうだ。この石あったらさ…」

俺はこしょこしょとソフィアに耳打ちする。
何やら身を捩っていたソフィアだったが俺の考えを聞くと、即座に賛同してくれた。



775 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:42:39 ID:OadCEK2S0

キメラの翼で近くにまで降り立ち、俺たちは目当ての洞窟を発見する。
一度きたものの、水の中に階段があるだけでどうにも先に進めなかった場所なのだ。
そこに、先ほどの渇きの石を放り投げる…見事に水は引き、俺たちはその階段を降りていった。

「私いっちばーん!」

「お、お待ちください!姫様!危のうございます!!」

アリーナが駆けていき、クリフトがそれを追いかける。
仲間達はそんな様子を見て、呆れながらも楽しそうに三々五々中へと足を進めた。

「…お前達はいつもこうなのか」

「楽しそうで良いですね」

対照的なリアクションを返すピサロとロザリーに、ソフィアは笑顔を向ける。
滝の流れる洞窟という事で皆水着のままだ。なんともシュールな光景である。
特にライアンとかトルネコとかブライとか。
あの辺は意識的に見ないようにして良いだろうか?良いよね?

偶に出てくる魔物もアリーナに蹴飛ばされたりピサロに睨み付けられたりして程よく散っている。
長閑なものだ…やがて、先の方でアリーナが何か武器を見つけたらしく、トルネコを先頭に皆駆けていった。

その場に残ったのは、俺とソフィアのみ。
俺は自然に、無造作に、どこか意識をしてソフィアと手を繋いだ。

「……」

少女がこちらを見て何か言いたそうにしていたが、俺は敢えて視線を合わせない。
結局諦めたのか、それともこれで良いと思ってくれたのか。何も言わずに前を向く。

776 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:43:20 ID:OadCEK2S0
こうしていると…デートみたいだな、と思う。
みたいだ、ではなくそうなのかな。そう…思おうか。
最初…で。
最後…の。

「…?」

くいっと腕を引かれた。
少し物思いに耽っていたので驚いたが、何かでたのかと視線を向ける。
だが、ソフィアの瞳に剣呑な光はなく、むしろ何かを発見したかのような喜びに満ちていた。
少し見え難い所に宝箱があったらしい。

「どうするかな。ブライさんがいないと敵性識別(インパス)ができないから…」

「開けてみよう?人食い箱やミミックでも何とかなると思うし、何かあってもクリフトに完全蘇生(ザオリク)してもらえるし」

ソフィアがこういう積極性を見せるのは珍しい事だった。
仲間の安全をかなり優先する傾向があったので、こういう時は大抵焦らず皆を待つ。
だが…もしかしたから、何か思うところもあるのだろうか。
甘えたように腕を引かれれば俺も嫌とは言えない。

ゆっくりと宝箱を開ける。
どうやら罠の類はなさそうだ…バーンと一気に開けきると。
箱の奥には…小さな砂時計が置かれていた。

「何かしら?これ?」

「んー…時の…砂…って書いてあるな」

「時の砂…」

777 :世界樹の花  ◆gYINaOL2aE :2006/10/24(火) 01:44:44 ID:OadCEK2S0
一見するとただの砂時計のようだった。
さかさかと振ってみるが、特に何も起こらない。
後でトルネコさんに見てもらえば良いか…。それよりも、何となく二人で見つけた物である、というのが、なんか良い。
世界樹の頂上で見つけた花は、消えてしまったから…。
そんな気持ちでソフィアを見たら、ぱちっと視線が合った。
お互いを察したのか気恥ずかしそうに笑う。

「ソフィア…。俺…」

「……」

意を決し、改めて俺の気持ちを自分から告白…。
しようとしたのによおおおおおおおおおお!

「みてみてソフィア!凄い剣みつけたわよ!!」

奥からどやどやと空気の読めない奴らが戻ってきた。
いや、中には読めるのもいたのか小さく頭を下げている者もいたが。

少し残念ではあったが仕方が無い。
むしろ…これで良かったのかもしれない、とすら思う。



HP:205/205
MP:125/125
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒

778 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 01:48:32 ID:S23fZ3C50
GJ!

779 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 01:50:50 ID:nVFsiV4K0
やった!リアル遭遇したよ俺!!
ちょww水着で動き回ってんのかこいつらw
ピサロがすっかり導かれし者達ペースに巻き込まれてるwww

780 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 08:52:43 ID:ngEHKGFa0
ちょwwww久々にキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!と思ったら
さらにえらいことになってるwwwwwwみじゅぎwwwwwもっと描写kwskwwww

781 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 09:32:41 ID:rCa41WK30
テンションの変化が素敵すぎるw なんで今更海水浴なんだよw
まじ乙でグッジョブです。久々に読めてドキドキしてますよ。

782 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 17:03:30 ID:V0RLhu0p0
やっぱ4の人のは面白いな
そろそろ旅も終わりに近そうで寂しいけど
他の職人さんたちも待ってるよ

新まとめのタカハシ氏も忙しいのに乙

783 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 17:55:06 ID:xnq5phcE0
◆gYINaOL2aEさんお疲れです。
今回もドキムネで面白く読ませてもらいました。

今450KBだけど、そろそろ次スレ必要かな?

784 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 19:43:04 ID:NUoUBECR0
ピサロを普通に呼び捨てにできるまでに成長したか主人公w
かつてのソフィア+その他の荷物持ちの立場が懐かしい。

785 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/24(火) 20:13:21 ID:3EhAFEPHO
とりあえず、乙。

786 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:11:37 ID:bbZbfxbc0
>>748
から続き

●結んだ願い

「ん……?」

確か…
そうだ、気力を失いそして力を吸われ…

「気が、つきましたね テリー」
「ルビス様…」

いつも使うベッドに横たわっている

なぜこうも意識がはっきりしている?
力を失ったんじゃないのか、俺は…

「私が、貴方が眠る前に言った言葉を… 覚えていますか?」
「もちろん… 覚えてます」

眼を閉じ、瞬間を思い出す

「方法があると…」
「……世界を救うにはテリー、貴方しかいません
 そしは姉ミレーユをも救うことになるのです」
「本当ですか?!」

勢いよく身を起こし、続く言葉を求める
ルビスはベッドの隣へ立ち、厳しい口調で語り始めた

787 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:12:10 ID:bbZbfxbc0
「今からあなたの力を取り戻します
 私は─ あなたが眠り、しばらくこの世界の事を探りました
 魔物には知り得ない力を使いましたが─
 調べていく内、私に残された能力で力を取り戻せる事がわかったのです」
「ルビス様は……?」
「…この世界で、あなた方と同じように私の力はほとんど抑えられています
 更に肉体を持った事で、元々持っていた能力のほとんどを失いました
 元の姿に戻ることは不可能、戦いに役立つ事はないでしょう
 それに力を戻す事が出来るのは、一回だけなのです」
「で、では…」
「テリー、あなたに託します
 たったの一回、この一回が後世の世界を決定付ける
 失敗は… 許されません」

……力を取り戻した後、どうすれば?

「あなたはある場所へ向かい…
 そこには無数の光が浮かび……
 その光は奪われた力や魔力、肉体の精神を形作る元─ "いのちの源"を見るのです」
「命の みなもと…?」

命の根源があるというのか、こんな世界に…

「これを持ち"いのちの源"へ触れて下さい
 私の考えが正しければ、タカハシは目を覚ますでしょう…」

ルビスがそっと小さな玉を手渡す

788 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:13:18 ID:bbZbfxbc0
「それはメイが持っていた静寂の玉
 彼女が肉体を離れる際、タカハシに託した持ち主の精神を込める事の出来る特殊な石です」

肉体を離れる……?!

「それは… 彼女は死んだと?」

俺はその表現から導き出した言葉で問いかけた
その問いに、ルビスの視線が眠るタカハシへと移る

「……タカハシの手で傷つき、そして守るため彼女は命を落としました」
「えっ??」
「タカハシを手助けしてほしいという私の願い、彼女は命で結んでくれたのです」

どういう事だ?
タカハシが殺したのか??
状況がわからない…

「…ゾーマの罠に掛かり、タカハシはメイを自分の手で斬ってしまった
 それでも彼女は、私の願いを…
 自身の想いもあったと思いますが究極魔法マダンテでタカハシを助けようとし、命を落とした
 ですが… ですがマダンテをもってしてもゾーマが斃れることは無く……
 そうして彼、タカハシの開放されようとしていた力は深いところへ、絶望に飲まれ、意識と共に沈んでいった…」
「なんと、いう…」

マダンテがどういった魔法なのかはわからなし、俺にはあいつの苦しみがわかりようもない
さぞ、無念だっただろう……

789 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:14:04 ID:bbZbfxbc0
「この静寂の玉に込められたメイの精神が、"いのちの源"と共鳴しタカハシに働きかけてくれるはず…
 メイならば、今のタカハシを闇から引き出す事が出来る…
 神とはいえ人間の深く広大な心理全てに対し、働きかけを行うことは出来ないのです
 ですから私には、いえ、世界は… "静寂の玉に込められた想い"を信じるほかありません」

神にもわからない人間の深さ
土壇場で力を発揮する、そういう部分がきっと計れない所なんだろうな
俺は彼女とタカハシの関係を知るわけではないが、命を懸けて守ろうとしたんだ
その想いは本物、そう感じる

「ですが、もしうまくいったとしてもタカハシの力はどうなるのです?
 一回しか戻せないのでは」
「それは心配いりません
 タカハシが意識を取り戻せばそのような事、容易に跳ね除けることができます」

そうか…
ルビス様がここまでしようとするタカハシは、きっと特別な力を持つに違いない
わからない事も多いが今は世界のため姉のため
詳しい事は後で聞けば良い

未来に希望を見出せた俺は、さっそく行動することにした



790 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:14:47 ID:bbZbfxbc0
●錆びた世界

身体の奥から溢れ出してくる力
失われていた、充実する魔力

これだ
ずいぶん懐かしい、この気力

「……これで、全てです 力は戻されました」

ルビスは疲れたように、深く、椅子へ腰掛ける
入り口には呼ばれたトルネコ
ルビスの力によって、まるで操り人形のごとく指示を待つ
この、人間を押し込める窮屈な建造物から出るためには彼の力が必要だ

「では、行ってきます」

言葉少なく俺は部屋を出た
トルネコに導かれグルグルと階段を降り続ける
この"絶望の町"にいる"壊れた人間"の、いくつもの目線だけが、その様を追いかける

「ここへ…」

静かに一言、発するトルネコが何も無い壁へ向かい、鍵であろう小さな棒を差し込む
ベージュの壁にぽっかりと穴が開き薄暗い部屋が姿を現す
部屋の中は無数に並んだ武具で埋め尽くされ、その先の壁を更にトルネコが鍵を使い開く
開いた壁の向こう─ そこには錆びた色が見える

「武器はここに隠されていたのか…」

連れてこられた人間の武器を棄却せずに並べてあるという事は、恐らく魔物達で使うつもりなのだろう

791 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 02:16:18 ID:Dz/svwqRO
回避

792 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 02:19:50 ID:Dz/svwqRO
連投回避

793 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:20:54 ID:bbZbfxbc0
ガラガシャと手前から武器防具をひっくり返し剣を探す
が、なかなか見つけることが出来ない
もしや、すでに持ち去られた後なのでは…

そんな不安を抱き始めたとき、奥まった箇所で青白く鈍い光を放つ一振りの剣を見つけた

「あの光…!」

跳ねるように剣へと近づき、柄をグッと掴む

「これだ… 雷鳴の剣!」

剣をゆっくり天井へと突き上げる
見覚えある、刀身に刻まれた一筋の青
まるで再会を喜ぶかのように、魔力と共鳴する雷鳴の剣

この剣を手に入れてから、様々な事があった
ライフコッドでのドラゴンとの戦い…
メルビンとの出会い…
激しい修行の旅…
あれからとても強くなった
今ならあのドラゴンにだって、敗れはしないはず…

身体は小刻みに震え、心は強く奮う─


794 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:21:38 ID:bbZbfxbc0
「きっと、良い結果を持ち帰ります」

トルネコへ、今は理解できないだろう言葉を掛け、外界へと向かう
らせん状に高く伸びたその建物から一歩二歩、振り返るとゆっくり静かに塞がる肌色の穴
真っ赤に染まる煉獄そのもの、炎の鎧を身に纏いゆっくりと錆色の世界を見渡す
赤茶色に焦げた空
不気味な殷紅色の地
匂いも音も無く、時が止まったような空間

「この方向だな…」

空は鈍鈍と蠢いている
雷鳴の剣をしっかと携え、目的へと歩みだす



795 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:22:38 ID:bbZbfxbc0
●言葉の意味

思った以上に広いこの地
竹の水筒を口に当て喉へ胃へ、水を流し込む

「そんなに距離はないと聞いたのだが…ん?!」

突如、あたり一面に生成色の霧雨が立ち込める
同時に邪悪な気配と汚れの無い気配
正体の見えない相手に、息を潜め剣を抜き戦闘態勢で様子を見る

「やはり長くは続かないな… ゾーマ様のおっしゃるように完璧な隠蔽は出来るのだろうか」
「ギャアギャア」

霧雨が薄まり、目と鼻の先に二つの魔物が会話しているのを聞いた
その向こうには幾重にも重ねられた純白の雲─?
あれが邪悪とは違う気配の…

「! おまえ、どうやってこんな所へ!」

鎧の魔物、ガーディアンに見つかった
覚悟を決めキッと睨み返す

「なぜだ? お前から力を感じるな…」

ジリと足元を踏み固める鎧の魔物

「待て! その雲がなんなのかを教えてくれれば、お前達の疑問に答えよう」

796 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:23:10 ID:bbZbfxbc0
ガーディアンの言葉を遮り、逆に質問を投げかけた

「……」

ガーディアンが少し考え話し始めた

「力を持ったとして、我々に敵う訳も無い… いいだろう」
「ギャ!」

もう一つの魔物、ダークサタンも同調したようだ

「この雲の中にはゾーマ様の力が蓄えられている
 いのちの力とおっしゃられていたがよくわからない」

いのちの力
じゃあここに、ルビス様の言っていた"いのちの源"が…

「そして元々魔力の高い人間を選び出し、安定させるためこの中で、邪神の像へと魔力を送らせているのだ」

魔力の高い人間?
それじゃあ─ !

「姉さんもここか?!」
「姉さんだと? そんなもの知るわけがない
 つい最近、女が一人つれてこられたがな」

間違いない、姉さんだ
こんなところに!

797 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:24:01 ID:bbZbfxbc0
「さぁ、お前! どうやって力を取り戻した!」
「すぐに教えてやるさ」

全身の力を込め地を蹴り、ガーディアンへまっすぐ剣を突き刺す

「クッカッ…!!」

突然の事に動けないダークサタン
雷鳴の剣は鎧を貫き、ガーディアンが穴の開いた胸を抑え後ずさりする

「お、お前…! だましたのか!!」

ガーディアンはいきりたち盾を捨て、巨大な刃のついた矛をビュウと俺めがけ振り下ろす

「だましてはいない!」

その刃を横っ飛びで避け、オロオロするダークサタンの目の前へ─

「ギャ!!」

驚いたダークサタン
滅茶苦茶に尻尾を振り回し間合いを取ろうとする
が─ 尻尾を振る事だけに気をとられた魔物
俺は難なく背後へまわり尻尾を切り落とし─

「ギ………!」

地へ転がるダークサタンの頭
背中に飛び乗った俺は胴体と頭の付け根へ剣を叩き付けていた
歴然とした差を見せ付ける

798 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 02:25:45 ID:Dz/svwqRO


799 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:27:07 ID:bbZbfxbc0
「はっ……!」

敵の力を知り怖気付くガーディアン

「言ったじゃないか、"理由"を教えると」

剣を構えゆっくりと鎧の魔物へ近づいていく
両者はもうほとんど、手を伸ばせば互いの顔へ届く距離にある

「う、か……」

巨大な矛を構えるその態勢は、戦うモノではない
混乱し、ただ持っているものを目の前に突き出す
それは目の前に対峙する、自分より強い者から身を隠すように─

「もう終わりか?」
「ぐぬ─!」

身を乗り出したガーディアンは、その動作よりも早く払われた雷鳴の剣によって矛ごと二つに分かれた
ガシャンと墜ちる二つの身体

「…力を取り戻した方法 それはこうやってお前達魔物を倒し平和を築くと、行動したからだ」

ふわりと気体とも固体ともいえず"いのちの源"へ吸い込まれる魔物
その一言だけを言い放ち、俺はいよいよ向かうべき目の前の雲へと足を踏み入れ雲を割って進んでいく
感触はほとんどない
あるのは視界を遮る白い雲

800 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:27:51 ID:bbZbfxbc0
「この中に…」

確実にわかるのは"いのちの源"がありそして、姉がいる事だ

気配を殺し、確実に前へ歩む
水筒の水が完全に無くなった時、視界が開けた─



801 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:28:31 ID:bbZbfxbc0
●最後の教え

「あ… あれが、いのちの……」

目の前に広がる、まるで見たことも無い途方な情景
夜の空に浮かぶたくさんになった小さな光たち
それぞれが不定な大きさで、ゆらゆらと、それぞれに力を携え瞬く
その光たちに囲まれて、更に大きな光が浮かんでいる
光の集中する地だけが部分的にぽっかりと口を開け、地から天、天から地へと無限に続いていた

「ここは…夜空じゃあないか…!
 あの光が、ルビス様のいう"いのちの源"…
 なんて、なんて美しい………」

しばらく散りばめられた光を眺め、はっと我に返り使命を思い出す

「そ、そうだ、静寂の玉を持ってこの光に触れて─」

視線を上から下へ向けると数人の人間が、小さな像に向かって集中している
その中には姉ミレーユの姿もある

「姉さん!!」

声はじゅうぶん届いたはずだ
だが、届いていない

「姉さん!俺だ、テリーだ!」

802 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:29:11 ID:bbZbfxbc0
すぐ側へ駆け寄り、更に大きな声で呼びかける
が、やはり届かない
ミレーユ以外の人間も声に応えるでもなく、全くの無反応
まるでそれは、何か心奪われてしまったように、無心にひたすらに

「な、なんだ… まるで俺の存在に気付いてない─」
「オマエ ナニシテル グルゥゥゥ…」

う?!
低く、醜い声へ振り向く

「あ、お前はあの時の…!」

姉に気を向けすぎ全く気がつかなかった
目の先には、ライフコッドで戦ったあのドラゴン─ バトルレックスが今にも襲い掛かろうとしている

「ドウヤッテ ココマデ キタ? ナゼ、チカラヲ モッテイル…」

外に居た魔物と同じ事を投げかけてくる

「俺は 邪魔されるわけにはいかない…」

"いのちの源"を見る
どうやってもこのバトルレックスを相手に触れられる距離じゃない
どうあっても、ここで倒さねばならない

803 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:30:13 ID:bbZbfxbc0
「マア、イイ コノ クウカンデ シネルコトニ カンシャ スルンダナ」

死んでたまるか!

「うおおお!」

スラッと剣を抜き魔力を込めまっすぐ駆ける

『シャァアアァアァアァァア!!!』

きた!

思惑通り激しい冷気を吐くバトルレックス
真正面の広範囲に広がるそれを、俺は避けるように動く
前は恐ろしい技だったが、今はそれが恐ろしく鈍い攻撃に感じる

いける!
俺は、自分で思う以上に強い─!

バトルレックスの横腹へ回り込み一突き
ギシリと固い音が聞こえ、厚い鱗を破る
同時に尾が俺の頬をかすり、直撃を免れるため場を飛び退く
更にじりじりと、他の人間が巻き添えにならない位置へと移動する

「く、油断ならんやつ… さすがに外にいた雑魚とは違う…」

だが─
以前は無理だった剣での直接攻撃でダメージを与えられる
制約なく動けるその意味は大きい

804 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 02:32:01 ID:Dz/svwqRO
_

805 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:32:38 ID:bbZbfxbc0
「ギガデイン!!」

突進してくるバトルレックスへ魔力の薄い雷撃魔法を見舞う
大した効果は望めないがこいつは雷撃にめっぽう弱い
考えたとおり、ドラゴンの足が一瞬とまる

「おおぉお!」

その隙、飛び上がり上段へ構えた剣を振り下ろす

「バカメ!」
「!」

ガスッと胴へ、バトルレックスの腕が入り弾き飛ばされる

「ソンナ コザカシイ コトデ コノ オレヲ!」
「ぬ…!」

炎の鎧のおかげか、俺の力か、大したダメージではない
こいつは目晦ましなんかじゃ無理だ
力で剣技で、対抗するしか─

「わかっていたがやはり簡単じゃないな
 よし、真っ向勝負といこう!」
「ヨシ ノッテヤル」

話に乗ってきたバトルレックスが、少し笑ったように見えた
こいつは、俺と同じにおいがする…

806 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:34:40 ID:bbZbfxbc0
「は!」

敵は一つ
強烈な冷気にさえ気をつければ問題ないはずだ
俺は剣を斜めに、間合いを詰め切りかかる
対してバトルレックスの武器はその鋭い爪と腕力、そして長い尾
俺の連続した剣技を器用に、そして力強く捌いていく

キィンギィンギリガキリと、次々に雷鳴の剣を叩きつけ払われる
少し隙を見せれば今度は逆に爪と尾が襲い掛かり、それを刃で払い除ける
一進一退、だが一瞬でも気を抜けばあっさりと爪に裂かれるだろう

振るわれるドラゴンの爪を剣で払い、勢いのついた身体を回転させ刃を身体へ中てる
尾を足で受け、切先を突き刺す

刃を撥ねられドラゴンの尾が胴へ衝撃を伝え、爪によって頬や腕が切られる

「はぁはぁ… ちくしょう、このままじゃ埒があかない…」
「グゥゥゥゥ…… グゥウ…」

互いに体力を消耗し、だんだんと手数も減ってくる
ダメージが蓄積されてゆく
対峙したまま距離を置き、肩で息を切る
ほぼ互角─

「ふぅはぁ… こんな、強い魔物が、まだいるっていうのか はぁはぁ」

思わず漏らしたその言葉に、ドラゴンも続いて呟く

「グルゥゥ オレハ ゾーマ サマノ ソッキン ダ… グゥゥルゥゥウゥ…」

807 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:36:57 ID:bbZbfxbc0
強すぎると思えばこいつは側近か!
倒せばもしや、魔王を除いて残りは雑魚かもしれん
そうとわかればまだまだ踏ん張れる
こいつを倒しタカハシを目覚めさせ、共に魔王を討つ!

「いぁぁあ!」

力なんてほとんど残ってなかった
だが倒さなければ なんとしても─

『シャアァァアァアアァァァ!!』

「し、しまっ…!」

冷気!
俺は咄嗟に両腕を身体の正面で合わせ、防御する

「ぐうぅぅぅぅうう!!」

体中が軋む
冷たさが全身を蝕み痛みを発生させ筋肉を硬直させる
体内から確実に肉体を滅ぼさんとする究極の技

「オ、オレハ マケルコトハ デキヌ… カタネバナラヌ グゥゥウゥ…」

どうにか冷気に耐え、倒れる事はしなかった
幸いだったのはバトルレックスも消耗し冷気の質が高くなかったことだ
だがダメージはそれでも、大きい

「う、うう… 俺だって、負けるわけにはいかん… ちくしょう…」

808 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:39:07 ID:bbZbfxbc0
痛い
全身が痛い
身体は、足や腕は辛うじて動かせる
だがどこまでもつか

「ソロソロ オワリニ サセテモラウ! グゥオォオ!」

バトルレックスの追撃
全力の打撃を見舞おうと高く尾を持ち上げ地を鳴らし近づいてくる

これは、この攻撃をかわしたとしても今のままでは決め手に欠け─


『これは非常に危険な技じゃが… お前なら成功させることが出来るじゃろうテリー…』


ふと、メルビンの言葉が思い出される
彼が最後に教えてくれた、危険な技

ヤツも次を最後の攻撃にしようと全力だ
ならば俺も、全ての体力と魔力を懸ける─!

「グアアォォォオオ!」

バトルレックスの尾が振り降ろされる瞬間

「おぉぉおぉおお!」

体力魔力全てを攻撃力とし、切先で地面を削りながら防御無視の刃をドラゴンへ叩きつける─!

809 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:41:01 ID:bbZbfxbc0
『ズバッガッ!!』

「ガアアアァァァァァアアアアア!!!」
「がはっ!!」

血を噴きながら地面へと突っ伏すバトルレックス
尾によって殴り飛ばされ地面へ這い蹲る俺

相打ちだと思った
だが僅かに早く、雷鳴の剣がドラゴンの胴を切り裂き、尾の一撃は失速していた
通常の戦闘では絶対に使うことの出来ない、捨て身の攻撃
この剣技は相手との力が互角に近くないと威力を発揮しない
防御を完全に捨て、もてる全ての力を攻撃力のみへ傾けるソレは"まじん斬り"と名付けられていた

「グ ググゥゥ…… ガッハッ! アノ シュンカンニ、ミゴト ナ… コウゲキ…… ダ………」

バトルレックスの呼吸が止り、そしてもう二度と、動くことは無かった

「はぁはぁ 勝った、勝ったぞ……」

尾は肩から胴、足へかけ袈裟斬りされたような感覚
炎の鎧の硬い鉄を通してもなお、衝撃はすさまじい

もし、もしもヤツがベホマを使っていたら、俺は確実に倒されていた
冷気を使ったが俺の言葉に乗って魔法までは、使わなかったのだろうか
ふむ… どちらにしても、強かった 見事だったよ……

冷気ダメージもあり、薬草も回復魔法もない今、動くためにはしばしの休息が必要だった



810 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:44:27 ID:bbZbfxbc0
●静寂の光

落ち着きと少しの体力を取り戻した俺は"いのちの源"へと歩み寄る

「この静寂の玉をもって、どれでもいいから触れればいいんだよな」

夜空に浮かぶ無数の光
生命全ての元であるこの光に、手を触れるなど通常なら躊躇する
果たして触れていいのか、触れて平気なのか
全く一切の予想も出来ないがそうしなければ世界は滅ぶ

開いた地から沸いてくる光へ触れようと右手をかざす
左手には静寂の玉を持ち、いよいよ光へ手が触れる─

「??!!?」

触れた瞬間
喜びに声を張り上げそうな感覚
怒りに我を失いそうな感覚
哀しみに引き裂かれそうな感覚
楽しさに笑い出しそうな感覚
懐かしさで満たされるような感覚
心へ何かが入ってくるような感触
理解を超える理性に支配されそうな感触
身体が飲み込まれてしまいそうな感触

たくさんの"意識"が一度に大量に押し寄せる
このままでは精神が持たない

811 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:47:49 ID:bbZbfxbc0
「ううぅ…」

た、たしか
ルビス様は静寂の玉が反応すると…
それでわかると しかしどう反応するというんだ!
早く…!
なんなんだこの …!

光が、静寂の玉が反応を始めたのか光を放つ
同時に熱を帯び始め、左手から右手へ身体を巡り─

「これ、が! 反応?!」

右手から"いのちの源"へと伝わったのを感じ、素早く手を引く

「か、はぁはぁはぁはぁ…………
 とにかく、うまくいった はぁはぁ」

静寂の玉から光が失われ、発せられていた熱も無くなった
その不思議な現象に、しばらく心を奪われてしまう

「…これで」

やるべき事は完遂できた
後は姉を連れ戻し、あの建物へ戻る

未だ、バトルレックスと派手に戦っていたというのに邪神の像へ魔力を込め続ける人間達
何も無かったかのように静かに

「姉さん、帰ろう」

812 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:51:33 ID:bbZbfxbc0
姉の肩へ手をかけ話しかける
しかし反応が無い…

「…どうなっているんだ」

手荒な事はしたくなかったが、姉の両腕を掴みそのまま立ち上がらせようとする
が、動かない
いや、動かせなかった
どういうわけか全く、微動だにしない

「くそ! 像を破壊すればいいのか?」

邪神の像は"いのちの源"のすぐ側へ無造作に置かれている
それはこの世の生き物とは思えない姿を形取り、不気味に"いのちの源"を凝視していた
放置したとしても絶対に害にしかならないだろう
俺はそれを剣で破壊しようと構えた時─

「それを破壊されては困る…」

背後に漆黒の霧と禍々しい気配
構えた身体を動かすことが出来ないほどに、強烈なその魔力

「私の… 力に乱れを感じた
 何事かと来てみれば…」

813 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:54:17 ID:bbZbfxbc0
鼓動が激しくなる
汗腺全てから嫌な汗が滲み出してくる
突如あらわれたその男の声
気が遠くなるほどに圧倒的な存在感
"私の力"と言った
この男は"いのちの源"を自分のモノだと言ってのけた

恐恐とその正体を確認する
いや 確認するまでもなく、わかってしまった

こいつは… 信じたくはないが こいつが魔王 ゾーマ、だ

「人間、私の力になにをした」

その言葉に俺は、質問では無く死を感じた



814 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:57:21 ID:bbZbfxbc0
●失敗

魔王ゾーマ
俺を冷たい目で見浅む男

「隠蔽は失敗… 我が側近を倒し… なぜお前は力を持つのだ」

魔王の言葉は全て質問のようでそうではない
発するたびに俺の終わりが確実に近づいてくる
そんな言葉だ

「邪神の像を破壊しようとしたのか… やはり隠蔽する術を見つけなければならぬな…」

タカハシはこんな相手と戦ったというのか
対峙して初めてわかった
次元が、そのものが違いすぎる…!

「俺の」

だけど俺は、せめて姉だけは救ってやりたい
どうにか手段を聞き出し─

「姉に何をした…」

魔王が"ほう"とテリーの言葉に興味を持つ

「お前、そうかあの人間の女は姉か」

魔王は、何かを唱えミレーユを指差す

815 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 02:59:41 ID:bbZbfxbc0
「どうだ 縛りを解いてやったぞ
 さぁ、再会を喜ぶが良い」

姉を見ると確かに、様子が変わり周りを訝しげに見渡す
状況が理解できていないようだ

「姉さん!」

ザッと駆け寄り姉を背に隠す
他の人間達は変わらず像へ魔力を送り続けている

「どうだ、望み通りだろう」

こ、こいつは何を考え…
は!
しまった、姉を知られてしまったのは却って逆効果だったか
タカハシとメイの事を忘れていた─

「テリー! これは一体…」

ミレーユが今にも消えそうな声でテリーへ話しかける

「姉さん、すまない 俺は失敗してしまった…!」

俺の言葉に姉はますます"わからない"という顔をする
今ここで、全てを説明するのは無理だ
そしてなにより、生きて戻る事はないかもしれない

「あれは… 魔王ゾーマなんだ
 詳しく説明することはできないけど、すまない もう、無理かもしれないんだ…」

816 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:04:16 ID:bbZbfxbc0
俺は側近にさえ危うく倒されかけた
そんな俺が満足に戦えるとは到底思えない
先の戦いでの傷だってまだ癒えていないんだ

「そんな…… テリー、私を助けにこんなところへ…」

それもある
それもあるんだが、もう一つ大事な事もあった
そしてそれは幸運にも済ませる事ができた…
くそ!
このままうまくいくはずだった…
まさか魔王が目の前に現れるなど!

「ククク……」

魔王の目が怪しく光る

こうなるとわかっていれば…
俺一人が死ぬだけで済んだかもしれないのに…!

「喜びは分かち合えたか? そろそろ絶望をいただくとする」

817 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:08:00 ID:bbZbfxbc0
殺られる!

「姉さん! 時間稼ぎをする! 白い雲に向かって走るんだ!
 どうにか逃げてくれ!」

ミレーユの背中を強く押し、促すテリー
剣を構え呪文詠唱に入っていた

「ギガデイン!」

ズガガと強力な雷撃がゾーマの頭上へと落ち、テリーの雷鳴の剣がうなりをあげ斬りかかる
その様子を、ミレーユは背後で感じ、だがテリーの思いを無駄にするまいと雲の中を駆けた



818 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:14:00 ID:bbZbfxbc0
●我が力と

「ぐ!!」

俺の剣が全く効かない!
くそう!
身体さえ完全なら掠るくらいは…!

「楽しくないな まだ人間界で抵抗してきたルビスの使いと女のほうが楽しめた
 少なくとも絶望の味は格別であった! クックックックック」

それはタカハシとメイの事か
楽しいとか楽しくないとか、絶望がうまいとか……!!

「おおおお!!」

もう一度、今一度まじん斬りを!
命尽きてもかまわん!!
再び剣を構え全ての力を込め─

「う?!」

身体が動かない…?
な、んだ
何か強い力が俺を抑え付けてくる…!

「どうした? フハハハハハ!」

だめだ…
絶対に考えるのはよそうと決めたんだが
どうしたって絶望を─

819 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 03:15:30 ID:wdZZDGtE0
支援

820 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:18:19 ID:bbZbfxbc0
「メラゾーマ!!」

ゴオという爆音と共に魔王が巨大な火の玉に包まる

「テリー!!」
「!!」

姉さん!
なぜ戻ってきたんだ!?

「弟が傷つけられるのを、黙ってみていられないわ!」

即座に魔法詠唱をはじめ─

「ベギラゴン!!」

俺の身体は未だ動かせない
魔王は益益、強大な炎に包まれていく

「テリー! 今のうちに!!」

くっ!
だめなんだ姉さん!
動けない、声すらも……あ!

前触れ無くテリーの拘束が解ける
急いてテリーは姉の下へと向かう

「フフ それでこそ、絶望はより深くなるというものだ…」

強い魔力を感じたかと思うと一瞬にして、魔王を取り巻く炎が消えて無くなった

821 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:18:53 ID:bbZbfxbc0
「無くすには惜しい逸材だな」

姉の震えが伝わってくる
正直もう、打つ手は無い

「お前たち 借した力を返してもらおう」
「借した力だと? これは元々じぶんのモノだ!」

わからない
どうなるんだ俺達
どうしたらいいんだ
ルビス様…

「簡単なことだ」

魔王が両手を二人へかざす

「く…!」

身体が持ち上げられ、再び身動きが取れなくなる
今度はミレーユも一緒に─

「死んだ者がどうやって"私の力"へ取り込まれるのは知っているが─」

ググッと姉弟の身体が"いのちの源"へ移動させられる

「生きた者がどう取り込まれるのか、今、知りたくなった」

魔王が手をグイと握る
同時に二人の身体は中央の大きな光へ押し付けられてゆく

「う、うううぅうううぅううぅっぅぅぅ!!!!」

822 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:20:57 ID:bbZbfxbc0
テリーとミレーユの声が混ざり合い、空間へ響く
先刻触れた小さな光よりももっと大きく複雑な"意識"が二人を襲う


か…た、たかはし
た の む……


膨大かつ巨大な意識に支配され、やがて気を失い
身体は溶けるように"いのちの源"へ取り込まれ─


魔王は静かに、そして感動と共に眺めていた
テリーとミレーユ、二人の取り込まれる様が
予想以上に、魔王にとっては美しいのだ


空間は静けさを取り戻し
夜空は美しく光を湛え
邪心の像は一心に魔力を受け取り
人間達は無心に魔力を送り続けた


「我が力となれる事を 光栄に思うが良い」


利用される"いのちの源"
その悦事に魔王自身、身震いすら覚えるのであった



823 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:27:11 ID:bbZbfxbc0
以上、第四部完です
話は第五部へ続きます

470KBになったので新スレ立てようとしたのですが、規制されているようで無理でした。
テンプレを次のレスへ乗せるのでどなたかお願いできませんか。

>>819
ありがとう!

824 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/25(水) 03:30:29 ID:bbZbfxbc0
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら八泊目

ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言、オリジナル何でも歓迎です。

・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1148786712/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」保管庫@2ch
http://ifstory.ifdef.jp/index.html

「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
http://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi

825 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 19:07:53 ID:79U2kQOiO
乙!!!なんかゾーマ様が強すぎて、この先どうなるのかが不安だww

新スレについては携帯からは無茶でした。

826 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/25(水) 19:39:18 ID:IshGe3BkO
ゾーマの描写が絶対的な物になっているな。

こいつぁ!たまげた!

827 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/26(木) 08:25:31 ID:lsXF9ESB0
     ::|
     ::|    ____
     ::|.  ./|=|    ヽ.    ≡三< ̄ ̄ ̄>
     ::|. / |=|  o  |=ヽ     .≡ ̄>/
     ::|__〈 ___  ___l   ≡三/ /
     ::|、ヽ|.|┌--、ヽ|/,-┐|    ≡/  <___/|
     ::|.|''''|.\ヽ--イ.|ヽ-イ:|  ≡三|______/
     ::|.ヾ |.::. .. ̄ ̄| ̄ /
     ::|  ';:::::┌===┐./
     ::| _〉ヾ ヾ二ソ./       こ、これは乙じゃなくてスラッガーなんだから
     ::||ロ|ロ|  `---´:|____    変な勘違いしないでよね!
     ::|:|ロ|ロ|_____/ロ|ロ|ロ,|`ヽ
     ::| |ロ|旦旦旦旦旦/ロ/ロ|旦,ヽ
     ::|ロヽ 旦旦旦旦旦./ロ,/|::旦旦)
     ::|ヾ旦旦旦旦旦旦,,,/::::|、 旦旦|



828 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/26(木) 16:34:35 ID:AreUZde40
タカハシならぬタカハ神だなこりゃ

829 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/26(木) 20:48:18 ID:ZgQvE+ka0
スレ立て依頼出してきます

830 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/27(金) 18:35:11 ID:hiVOfj7f0
保守

831 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 16:43:20 ID:a5QuCCax0
総長さんとレッドマンさんがまだだな。
後暇潰しさんや隙間風さんも。

彼らは一体どうしているのだろうか

832 : ◆u9VgpDS6fg :2006/10/28(土) 17:33:15 ID:dnuE0xcC0
書き込み初めてです。
皆さんの面白さに触発されました。
新スレ立ったら投下しようと思うので
新人ですが宜しくお願いします。
賛否あるかと思いますが
リメ5で行きたいと思います。

モチベーションの維持が最重要課題みたいですね。


833 : ◆u9VgpDS6fg :2006/10/28(土) 17:51:10 ID:dnuE0xcC0
あ、すいません。
船の上って宿屋ですか?w
ダメそうなら諦めます。


834 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 18:09:51 ID:hnnUL7FZ0
とりあえず投下
話はそれからだ

835 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 21:59:17 ID:9lAbzfIE0
残り28MBしかないから投下は次スレで

836 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/28(土) 22:32:17 ID:gOKcbn3h0
>>835
KBですねw

スレ立て代理をサロンにある依頼スレでお願いしたのですが、どうやら過疎ってるようで。
他に依頼できるスレとか、ないかな

837 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 23:25:48 ID:EVltbHZO0
ちょっと立ててみる

838 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/28(土) 23:29:31 ID:EVltbHZO0
ごめん
無理だった

839 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 00:44:08 ID:WzW7Es2y0
俺もためしてみるぜ

840 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 00:50:52 ID:WzW7Es2y0
無理だった
すまん・・・

841 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 02:08:28 ID:tYEK74O30
試しに立ててみようか?

842 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 02:10:59 ID:tYEK74O30
すまない、うちのホストでもダメなようだ

843 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/29(日) 10:05:04 ID:yv0LFzOi0
サロンでの依頼を取り消し、自治でスレ立て依頼してきました

844 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/10/29(日) 16:15:48 ID:vi16nIqg0
自治スレに依頼ありましたので立てました。

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら八泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1162106116/

845 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/10/29(日) 16:30:44 ID:yv0LFzOi0
>>844

感謝!ありがとう!
正直このままDAT墜ちしてしまうのではと、はらはらしてました。


上でも書いてくれていますが、次スレです
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら八泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1162106116/

作品投下は八泊目からお願いします >> 書き手のみなさん

474KB
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