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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 12:25:12 ID:AaT+g6Z00
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言、オリジナル何でも歓迎です。

・スレの性質上、レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
tp://www.geocities.jp/if_dq/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
tp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi

201 :シャルルT. 36/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 18:52:25 ID:Hk62CTjD0
 ゆらゆらと蝋燭の光が揺れる。
 自分は夜の帳が下りる頃、宿屋に戻って来ていた。
 あれから爆音を聞きつけた人々が集まって来るまでローランを抱えたまま泣き続けていた。
 ――ローランはまだ僅かに息が合った。
 あの場っで生き残った者は自分とローラン二人だけ。
 何があったのか聞いてくる人々を押し分け、集まった人々の中にいた神父が回復魔法を掛け続けてくれたのだ。
 そして薬が有ったここに運び今に至る。

 部屋の中にはローランと神父、そして自分。
 ベットに寝かされ体中を包帯でグルグル巻きにされたローランに、神父は今も玉のような汗を浮かべて回復魔法を掛け続けていた。
 その甲斐があったのかローランの閉じたままだった瞼がぴくりと動き、やがてゆっくりと開いた。

「ここ、は? 」

 傷が痛むのか顔をしかめながらローランは口を開く。
 亡くなったと思った人が生きている。
 それはなんて喜びだろう――良かった。心からそう思えた。


202 :シャルルT. 37/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 18:53:29 ID:Hk62CTjD0
 ――決心を固める。
 伝えないといけない真実があった。
 言わなければならない言葉があった。
 自分はこの人に与えられてばかりで、何もしていない。

 ――返さないと。
 例え、その結果がどんなことになっても――言わないといけない。

「――――――――――」
「――――――――――」

 ローランと視線が合う。
 ローランは瞳から意思を汲み取ったのか、神父の方を見て言った。

「神父、済まないがもう良い」
「! で、ですがあなたの体は「息子と話がある、席を外してくれないか」――ッ! 」
 神父の言葉を遮るようにローランは口を開いた。
 暫くの間迷っていた神父だったが、やがて静かに席を立ちローランに告げた。

203 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 18:55:22 ID:MU4x32+H0
私怨
…間違えた、支援!

204 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 18:56:52 ID:MU4x32+H0
アゲてしまった
ごめん

205 :シャルルT. 38/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 18:57:11 ID:Hk62CTjD0

「……一刻(三十分)だけです。貴方は今だ回復魔法でも癒しきれない程の重態です。 それに貴方は祝福を受けていない。
 一刻を過ぎたら問答無用で眠っていただきます」
「承知した」
 短くローランは答え、神父は部屋を出て行った。

「――さて、話を聞かせて貰おうか」
 そして話し始めた、二十日前自分に突然起きた出来事を――

 精神がこの世界の人間ではないこと、
 元の世界で剣を学んだこと、
 目覚めたらシャルルとなっていたこと、
 どうしてそうなってしまったのか原因もわからないこと、 
 せめて少しでも情報が欲しくて図書館に通っていたこと、次々と包み隠さずローランに話した。
 そして――ああこれだけは言わないと。

「ごめんなさい。……貴方の息子を奪い、貴方の息子とこの二十日間偽った。――それと、ありがとう。貴方に何度も救われた」

206 :シャルルT. 39/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 18:58:49 ID:Hk62CTjD0

「……一刻(三十分)だけです。貴方は今だ回復魔法でも癒しきれない程の重態です。 それに貴方は祝福を受けていない。
 一刻を過ぎたら問答無用で眠っていただきます」
「承知した」
 短くローランは答え、神父は部屋を出て行った。

「――さて、話を聞かせて貰おうか」
 そして話し始めた、二十日前自分に突然起きた出来事を――

 精神がこの世界の人間ではないこと、
 元の世界で剣を学んだこと、
 目覚めたらシャルルとなっていたこと、
 どうしてそうなってしまったのか原因もわからないこと、 
 せめて少しでも情報が欲しくて図書館に通っていたこと、次々と包み隠さずローランに話した。
 そして――ああこれだけは言わないと。

「ごめんなさい。……貴方の息子を奪い、貴方の息子とこの二十日間偽った。――それと、ありがとう。貴方に何度も救われた」

207 : ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:01:12 ID:Hk62CTjD0
ゴメンミスった。

208 :シャルルT. 39/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:03:08 ID:Hk62CTjD0
 そう言って頭を深々と下げる。
 これで与えられたモノを返せたなんて気はしていない。
 でも、これが今の無力で情けない自分に出来る唯一だった。

「……一つ。一つ訊く、何故キャタピラーに立ち向かった」

 眉間に皺を寄せながら黙って話を聞いていたローランが口を開いた。
 ずきり、と胸が痛んだ。
 ローランの痛々しい姿はそのせいだ。
 でも答えないと、せめて今からでも勇気を出さなければ。

「……それは、自分の力を過信して「そうではない」――え? 」
「何の為に、何をする為にキャタピラーに立ち向かった? 」

 こちらの返事を遮ったローランが重ねて訊いて来た。
 何の為って、あの時は――


209 :シャルルT. 40/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:04:59 ID:Hk62CTjD0
「守ろうとしました」
「あの貴族の少年――サティロスをか? 」
「はい」

 そうあの時パニックになったサティロスを守ろうとした。
 だけど、それが何だと言うのだろう。
 結果として最悪の事態を自分は招いてしまった。
 ――あのアークマージの言う通りに。
     
「それで良い」
「は? 」
「それで良い、と言ったのだ。お前は守ろうとしたのだろう? ならば結果がどうあれ、お前は間違っていない。
 ――剣とはその為に取るモノなのだから」

 お前は正しい。そうローランは言った。

 ――何て人だろう。
 自分が全身にこんなひどい怪我を負って、その原因にそんな事が言えるなんて――本当になんて人だろう。

210 :シャルルT. 41/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:06:45 ID:Hk62CTjD0

 脳裏にキャタピラーから救ってくれた時のこの人の背中が浮かんだ。
 あの時に覚えた気持ちが、どちらから出たかなんて――関係無かった。
 例えこの身が覚えた物だったとしても、心もこの人に惹かれたのだから。

「お前の名は? 」
「サトウ、佐藤大介といいます」

 しっかりと目を見て答えた。
 では、とローランは続ける。

「サトウダイスケ、君が元いた世界に帰る方法を探せ。……出来るならシャルルの精神を救う方法も探してくれ」
 そう言われて頷く。

「――ああ、それと。サトウダイスケ、君を私の息子として認める。
 帰るまでで良い。私の後を継いで、領主となれ、騎士となれ。解らぬ事はカザーブの城にオリビィエと言って妻がいる、彼女に訊け」
「なっ!! 」
 驚きだった。

211 :シャルルT. 42/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:08:48 ID:Hk62CTjD0
 息子として認めると言ったのもだが、――何で、これで最期みたいな口ぶりなのか。

「何故そんな言い方をするんです!? 」
 思わず横たわるローランに詰め寄る。
 ローランは視線を外し、天井を仰ぐようにして言った。

「ああ、私はもう長くない」
「な、ならすぐに回復魔法を――」
 すぐに神父を呼んで来ようとして、腕を掴まれる。
 その力はもう長くない、と言った人間の者とは思えなかった。それに振りほどくことが出来ない意思を感じた。

「……私は、祝福を受けていない。祝福を受けていない者は蘇生する事は無い。それに回復魔法でもこの傷では二度と……剣は握れまい。
 ――頼む、息子よ。剣士として、騎士として……子を守った父として死なせてはくれないか」



212 :シャルルT. 43/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:10:05 ID:Hk62CTjD0
 騎士としての矜持だろうか。正直、自分には分からない。
 ここで掴まれた腕を無理にでも振りほどいて、神父を呼べばこの人の命は助かるだろう。

 命より大切なものなんて無い……でも、それは――正しいのか?
 この事態を引き起こした自分の事を、正しいと言ったこの人に――報いることなのか? 

「サトウ、私の剣を此処に」

 黙ったまま答えない自分の腕を放し、ローランは言う。
 迷いながらも言われた通りに彼の十字を施した剣を持ってくる。
 剣を手に取ったローランは、戦いの時の動きなど見る影もない生まれたての小鹿のような動きで半身を起こした。

「私の前に跪け」 

 言われ跪いた肩に抜き身の刀身がとん、と当てられる。
 剣にはあれだけの戦いの後でも刃こぼれ一つ、曇りの一つも無い。
 しばらくそのままで静止し、ローランが口を開く。


213 :シャルルT. 44/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:12:50 ID:Hk62CTjD0
「弱きを守るのだ。力なき民を守るのだ。常に正しき道を歩め。虐げられた人々を救い、闇を晴らせ。
 ――私の息子よ。
 お前のその四肢は、その血潮は、そしてその心は。――今この時より、その為に在れ」
   
「この剣を持て」
    
 おもむろに差し出された抜き身の剣を、そのまま両腕で抱えるように抱きしめた。
 くしゃり、とローランは満足そうに頭を撫でてきて、最初にこの世界で目覚めた時のような嬉しそうな笑顔を見せた。

 ざあざあと木の葉を揺らして風吹き明かりが消えた。

「それで、こそ……わた、しの……わた、しの、あい、する、む、す、こ――――」
   
 それが最期。

 笑顔のままでローランは逝った。
 託された剣を抱く腕に力が入った。


214 :シャルルT. 45/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:14:26 ID:Hk62CTjD0
「――――――ちかう、から」だから、と言いかけて止めた。
 それは違う、と思ってしまった。
 この人は己が息子に騎士の剣(ちかい)を託して笑顔で去った。

 ――この人に報いるなら。

 ――何度も救ってくれた、息子と呼んでくれた、許してくれた人に報いるのなら。

 ――託された誓いを貫き通す。

 そうしなければこの人の笑顔を汚してしまう。
 自分の息子がいなくなって平気な親などいる筈が無い、その心中は如何程のものだっただろう。
 それでも。
 この人はわが子を奪った人間を息子と認め、笑って逝ったのだ。

 ――その想いを汚すことだけは絶対にしてはいけない。

 だから。

215 :シャルルT. 46/46 ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:17:49 ID:Hk62CTjD0
 自分が言うべき言葉は、この人の生を願う言葉じゃない。
 ――――この人の想いに応える言葉こそ、言うべきなのだ。
 立ち上がり、去った人を見据え、剣を捧げる。

「――――誓う。今、この時、この瞬間より佐藤大介は、シャルルの精神を救うまでローランの息子として弱きを守り、力なき民を守り、
常に正しき道を歩み、闇を晴らすと。――父、ローランに己が全身全霊を以って誓う」

 返る言葉は無い。
 当然だ、去った人が応えるという定理はどこにも無い。
 それに、返事(えがお)は既に貰っている、ただ自分がすべき誓いを遅れて口にしただけ。
 重い剣(つるぎ)を握る手を固く、固く握り締めた。

 ――この剣の重さに負けない自分に。必ず、なる。

 月明かりすらない闇の中。
 剣は鈍く。だが、確実に輝いていた――――
 

216 : ◆zu/zVku.Kc :2006/06/28(水) 19:18:38 ID:Hk62CTjD0
投下終了。以上です。
御免なさい投下ミスしてしまった……orz
>>206は脳内消去の方向でよろしくお願いします。


217 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 19:56:11 ID:0G8PvIvT0


218 ::2006/06/28(水) 20:03:54 ID:vhr/LRSmO
そっこ〜自分が主人公か調べる

219 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 21:02:50 ID:2+hutyKdO
おー、お疲れ様ー
かなり読み応えがありました

220 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 21:44:36 ID:+2ddTIFRO
乙だねェ

221 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/28(水) 22:25:18 ID:iREgOkXB0
超面白
これだからこのスレはやめられない

222 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 00:46:23 ID:eygBUBtCO
シャルルさん乙。
単発で終わると思ったんだがすげー更新されましたなぁ。
ダイスケがどういう展開になっていくのが楽しみです。

223 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 09:23:19 ID:aqffZKU00
シャルル氏乙。とてもよかったです
ぐいぐい引き込まれました

224 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 14:43:49 ID:e1Isa8Qv0
もっと短くできんもんかねぇ

225 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 15:32:19 ID:yuUkBMTFO
頭悪い子ハケーン。

226 :224:2006/06/29(木) 15:41:58 ID:z5PLjJnu0
>>18

227 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 16:05:11 ID:FTVj7ZSHO
色々なスレがあるんだな


228 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 16:29:18 ID:mJXj1Cd90
>>226
いわゆる日本語でオkというやつか

229 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/30(金) 21:08:35 ID:0PrSc3P+O
保守

230 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 00:29:07 ID:tMTM+C4V0
>216
今更ですが乙です。

展開良し、文体もお気に入り。そしてボリューム大とかなりいい感じです。

ですが…パナマ上陸とか航宙自衛隊とか突撃し続ける三州公とか言いたくなるのは何故でしょうか。(最後の一字が違うが)

231 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 09:13:24 ID:krEl1sQD0
ドラクエ自衛隊とか妄想してみる

232 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 09:53:16 ID:q6XuHz6q0
>>231 こんな感じ?
http://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/fjieitai.html

233 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 17:17:40 ID:bD+EsNcA0
>>232
うはwwwそんなスレあったのかwww

234 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 17:31:40 ID:tMTM+C4V0
まあ似たようなことを考えるヤツは居るわけで…

235 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/02(日) 22:42:41 ID:7xYBOQe4O
ほす

236 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 09:49:12 ID:/7h50aHS0
俺達は港町ルプガナに到着した。結構大きな町で結構人が歩いていた。
しかし、シャールが俺達に護衛を頼むって言う事は何かあったのだろうか?

シャール「ありがとう。無事に町に着く事ができたよ。」
 サマル「何事も無くて良かった。」
  もょ「まずはムーンをやどやにはこんでそれからこんごのことをかんがえるか。」
  リア「シャールさん、宿屋はどこにあるの?」
シャール「わしが知っている所に連れて行ってあげよう。」

シャールはそう言うと俺達を案内し始めた。案内された宿屋はローレシアやサマルトリアの宿屋も大きな建物だった。

 サマル「で、でっかいなぁ…」
  リア「結構高そうじゃない?」
シャール「この町は色んな国から旅人や商人が集まってくるからここは大衆向けの宿屋なんだ。料金はそんなに高くは無いぞ。」
  もょ「なにからなにまでありがとうございました。」
シャール「護衛をしてくれたお礼だ。わしもやっと娘に会いにいけるからな。」
 サマル「へぇ、そうなんですか。」
シャール「ああ、機会があったら是非わしの家にも来てくれ。後、薬を買うとしたら必ずわしの所に来るようにな。」
  リア「シャールさんって商売上手だね。」
シャール「こりゃ可愛いお嬢さんに一本採られたか。ハハハ…」

シャールはそう言いながら町の方へ戻っていった。


237 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 09:50:36 ID:/7h50aHS0
 もょ「さて、どうしようか?」
サマル「まずはムーンが目を醒めるのを待つ事だね。」
 リア「ムーンさんが起きるまで休憩だね。」

うーん、このままではおもろーないわ。――――――――――ここは一発かき回すか。
  
 タケ「サマル。留守番を頼めないか?」
サマル「どうしたんだい?もょ?」
 タケ「リアちゃんとちょっと町をブラって回りたいからさ。」

 もょ「(お、おい!タケ!い、いきなりなにいっているんだ!?)」
 タケ「(まーまーここは俺に任せておけって。)」

サマル「えーっ?でも………………」
 タケ「もっとこの町の情報を知りたいからな。それに男一人で動き回るよりもリアちゃんと一緒の方が効率が良い。」
サマル「わかったよ………じゃあ行っておいで。」
 タケ「なら決まりだな。リアちゃん、行くぞ。」
 リア「うん!」

よしよし俺の思惑通りに行ったで。さぁ!!!イッツ・ア・ショウタイムや!!!

 タケ「(もょ。ついに初デートやな。)」
 もょ「(か、か、かってにはなしをすすめるなよ!)」
 タケ「(あのなー、もょも男ならこのチャンスをモノにしろや。まぁ、頑張れ。ひひっ。)」
 もょ「(お、おい………………よわったなぁ……………)」 
 リア「もょもとさん。はやくぅ。」
 もょ「あ、ああ………」


238 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 09:51:31 ID:/7h50aHS0
ドッキン、ドッキン――――――――――もょもとがすごく緊張しているのが良く分かる。

 リア「もょもとさん。どうしたの?」
 もょ「な、なんでもないぞ。」
 リア「耳まで真っ赤っ赤だけど大丈夫?」
 もょ「だ、だいじょうぶだぞ。と、とにかくいこうか。」
 リア「あっちの方に行ってみようよ。」

リアがもょもとの手をつなぎ、引っ張っていった。

 タケ「(もょ、どないや?)」
 もょ「(き、きんちょうしてどうすればいいのかわからないな…)」
 タケ「(ホンマに奥手やな〜。変に気持ちを入れ込む必要はないんやで。」
 もょ「(あ、あたまではわかっているんだが…)」
 タケ「(普段通りにしとけばええやん。俺も流石にイキナリ決めろって言っているんやないで。)」
 もょ「(そ、そうゆうものなのか?)」
 タケ「(ああ、何でも時間をかけて成長しやんとアカンやろ。剣も恋愛もな。)」
 もょ「(だ、だからなにいっているんだよ!!)」
 タケ「(もょ必死やなwwwwwwwwほらほら、リアちゃんが呼んでいるで。)」

 リア「もょもとさんボーッっとしてどうしたの?」
 もょ「ああ、ごめんごめん。さぁいこうか。」

俺は何も口出しせずにもょもととリアのやり取りを見ていた。


俺にもこうゆう事をしていた時があったっけ……懐かしいな……
まぁ、今は感傷にひたってもええやろ…



239 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 09:53:07 ID:/7h50aHS0
しばらく町を歩いて情報収集していたら、いろんな情報が集まった。
その内容は

・ルプガナから北東に向かうとラダトームの城があるのだが定期船の運行が中止になったらしい。
・しかもラダトームはロトの子孫アレフの故郷。
・ある富豪が嵐に巻き込まれて財宝を海底の底に沈んでしまった。
・シャールがルプガナに2年ぶりに帰ってきた。

 リア「う〜ん・・・・船が要るみたいだね。」
 もょ「ていきせんもないからふねをかりることがひつようだな。」
 リア「シャールさんに頼んでみようよ!」
 もょ「そうだな。とにかくなにもしないよりはこうどうをとることにするか。」


もょもと達はシャールの店に向う事にした。

シャールの店に入ろうとしたら怒鳴り声が聞こえた。

   *「バカタレ!今頃に何しに帰ってきたんじゃ!この放蕩息子が!!」
シャール「悪かったよ。親父。だから誤っているだろう?」
   *「自分の娘を2年間もほっておいた父親にそんな事言える立場ではないわ!」
シャール「マリンには申し訳ない事したって思っているよ。だから帰ってきたんだ。」
   *「屁理屈言うとる奴なんかウチの敷居を跨ぐ事など許さないんじゃ!!出て行け!!」
シャール「ああ、わかったよ。このクソ親父!!」

シャールが勢い良く店から出て行った。ヤケになってたのかもょもと達に気がつかなかったみたいだった。

  リア「ど、どうしたのかなぁ…シャールさん…?」
  もょ「とにかくはいってみよう。」

数分後もょもと達は店に入った。

240 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 10:02:46 ID:l9yJ9+n20
数分後もょもと達は店に入った。

もょ「こんにちは。」
 *「やぁ、いらっしゃい。」
もょ「じょうやくそうを3ついただけませんか?」
 *「上薬草?生憎ウチではとりあつかっておらんのぉ。」
もょ「そうですか…」
 *「お客さんすまんのぉ。ワシの息子なら作れるんじゃが…」
もょ「シャールさんのことですね?」
 *「………………………………………なぜワシの息子を知っているんじゃ?青年。」
もょ「シャールさんがくださったじょうやくそうでわたしをたすけていただいたのです。」
 *「そうじゃったのか………」

老人が納得した表情で答えた。

もょ「シャールさんはどこに?」
 *「どっか行ってしまったワイ。行き先は見当が附かないんじゃ。」
もょ「そうですか…」
 *「しかし青年よ。シャールに何の用事だったのじゃ?」
もょ「ラダトームにいきたいのですが、ていきせんがちゅうしになったので、ふねのことでそうだんしにきました。」
 *「そうだったのか…力に馴れなくてすまんのぉ。」

店の奥から女の子が出てきた。

241 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 10:04:26 ID:l9yJ9+n20
 もょ「このこは?」
  *「ワシの孫のマリンじゃ。マリン、あいさつしなさい。」
マリン「こ、こんにちわ。」

女の子は元気が無さそうに挨拶した。シャールとじいさんの口論を見て凹んでいるのだろう。

 リア「こんにちはマリンちゃん。私はリア。よろしくね!」
マリン「………………………………」
 リア「マリンちゃん、お姉さんと一緒に遊ぼうか?」
マリン「う、うん!」

マリンの表情が一瞬だが嬉しそうな表情をした。やはり、リアには人を元気つけさせる力がある。

 もょ「かってにしては………」
 タケ「行っておいで!気をつけてな!」
 リア「ありがとうもょもとさん!マリンちゃん行こう!」

リアとマリンが店から出た。


242 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/07/03(月) 10:06:11 ID:l9yJ9+n20
 *「大丈夫ですかの?」
タケ「リアなら大丈夫ですよ。彼女は少しながら呪文も使えます。それに剣術も中々の腕ですよ。」
 *「まぁ、青年が言うなら安心じゃの。」

もょ「(いまのはとめたほうがよかったんじゃないのか?)」
タケ「(リアちゃんは自由に伸び伸びさせた方ええで。その方があの娘にとってプラスになるわ。)」
もょ「(こんきょはあるのか?)」
タケ「(サマルと一緒におる時と今と全く表情が違うからな。今の方が生き生きしとるよ。)」
もょ「(う〜ん…そこまではみぬけなかったな。)」
  
もょ「おじゃましました。」
 *「明日またきてくだされ。シャールの事で何か分かったら報告させてもらいますわい。」
もょ「しつれいします。」

俺達は店を出た。 

もょ「これからどうする?」
タケ「宿屋で夜を待つ事にするか。まぁ、のんびりしようや。今日は疲れたで。」    
もょ「じゃあやどやにいくか。」
タケ「おう。」

Lv.15
HP:91/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
タケ専用  :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御


  

243 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/03(月) 12:18:55 ID:IG/mjASdO
タケ乙!
ルプガナにとうとう着いたか〜。
ここから世界が広がってゆくよな…。
ムーンに照れてるもょカワイスwwともかく乙!

244 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/03(月) 12:21:10 ID:IG/mjASdO
スマン、レッドマン氏だった…。
乙!

245 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/03(月) 12:22:28 ID:IG/mjASdO
再度すまない、リアちゃんだった…。
逝ってくる

246 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/03(月) 12:40:28 ID:45sTEGkAO
レッドマン
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
いなくなったと思ったぞ。とにかく乙!

247 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/04(火) 07:49:37 ID:LoPYaCWz0
シャルル・レッドマンGJ!

他の職人さんが戻ってくる起爆剤になろそうだな。

248 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/04(火) 07:50:42 ID:LoPYaCWz0
×なろそう
○なりそう

249 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 14:58:20 ID:qIpcu4y30
皆さんお疲れ様です
今回はキャラの名前について少し話そうかと…
たいていの名前はラテン語から取ってきています

まずはパトリス。patrisと表記します。ラテン語の父という単語からつけました。
まぁ父というよりは、おじいちゃんなんですけどね…

フィリアはfiliaで、娘という意味です。こっちもパトリスの孫なんですけどね
だいたい語感で決めてしまうのです…

ジュードはjudoで、聖書のユダ(juda)から取りました。ラテン語ではJはYと同じなんですねー
決して裏切る訳ではありませんよw

では真理奈はというと、聖母マリアからです。そのままですね…
でも全然聖母という感じでは無いんだよな〜もっとおしとやかにすれば良かったかな

他のキャラはまた今度って事で。
では>>148の続きです

250 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:01:08 ID:qIpcu4y30
――――――――――――――――――――6――――――――――――――――――――

明朝、町の大広場の中心にフィリアは立っていた。
霧が薄っすらと立ち込める中、ブルーを抱え、じっとしている。

朝の散歩を楽しむ人に時々おはようと声をかけられ、ブルーがそれに答える以外は静かなものだ。
散歩人は反応したのがフィリアでなくスライムだったという事に驚き、いぶかしげに去っていく。

フィリアはほとんど喋らない。
真理奈達が挨拶してもチラリと目を合わせただけで終わってしまう。
でもそれは言葉ではない、フィリア特有の表現方法なのかもしれない。

  「フィリアちゃん、やっぱいない?」

プレナが霧の中から現れ、フィリアに駆け寄りながら確認する。
フィリアはふるふると首を横にして左右に揺らして肯定した。

  「はぁ……どこ行っちゃったんだろ」
  「さぁな、もうほっといて出発しよーぜ。時間の無駄だ」

ジュードがプレナの後ろから近づいて来る。心底呆れたといった感じで冷たい言葉を放つ。

  「仕方ないの……真理奈は事が済んでから探すとしよう」

パトリスもそれに合流する。

昨日の夜、兵士長を探しにいった真理奈はそのまま帰って来なかった。
朝になっても戻らないので、もう一回探してからエジンベアに出発する事になったのだ。

251 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:03:31 ID:qIpcu4y30
その問題を考えると、携帯があるというのは何と便利な事なのか、改めて理解されるだろう。
待ち合わせや、動向の確認がすぐにできるのだから。

この世界にもそのような呪文があれば良かったのだが、今は仮定の話をしても仕方が無い。

  「とりあえず出発する事にしましょう。真理奈は弱い人ではありません」

ジュードの怒り。フィリアの疑問。パトリスの妥協。プレナの不安。
それぞれのモヤモヤがこの霧に表れている様だった。

パトリスがルーラを唱えようとした時、霧がさぁーっと動き、不意に視界が晴れる。
陽が差し込み、4人は目を伏せる。

まぶたをゆっくりと持ち上げると、広場を大勢の兵士が埋め尽くしているのが見えた。
しかし突然の出来事というのは理解するのに時間がかかるものだ。

  「何だ、貴様らか」

兵士長が相変わらずの無表情でそこにいた。


252 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:05:07 ID:qIpcu4y30

  (真理奈〜今日遊んで帰ろうよ〜歌わないとやってらんないよ〜)

  「そうだね〜ストレス発散しよーぜ!」

     …………

  (あ、真理奈先パイ! もう帰るんですか? 今度デートしましょうよw)

  「お〜おごってくれるならいいよw」

     ………

  (能登、ウチの部に入ってくれよ。お前なら全国狙えるぞ)

  「またその話ですか先生〜助っ人くらいならいいですよ」

     ……

  (……真理奈 …起きて ……遅刻するよ?
   ………ったく……
   起きろっつってんだろー!!)

  「!!」


253 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:07:00 ID:qIpcu4y30
急に頭が回転しだす。が、そういう時は霧が晴れた時と同じ様なものだ。
赤い絨毯。右腕を下にして寝そべっている自分。動かない手足。
少しずつ理解していく、一種の防衛本能。

  (あれ…? どうしたんだっけ…? 確か……)
  「気が付いたかな?」

突然の声に驚く。その声は背後から聞こえてくる。

  「誰?!」
  「手荒な事をしてすまないな。けれど……ふふ、仕方ないんだよ」

絨毯を擦る音が聞こえる。声の主が近づいてくる。
それから逃げようとするが、体に力が入らない。

  「まだ動けないはずだ。キャビンの腕はワシが認めている」

足音が耳元で止まる。

  (キャビン! そうだ! 私――!)
  「久し振りだな。会いたかったぞ」

そう言って後ろから顔を覗き込んでくる。この顔は……エジンベア王だ。

  「お前っ!」
  「おっと。女はそんな口を利くもんじゃないぞ。…くそっ、これでは待つのではなかった」
  「どういう事だよっ! 早く動けるようにしろ!」
  「まだ動けない、と言ったはずだ」
  「み、皆は?」
  「クク……もう殺されている頃じゃないか?」



254 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:08:58 ID:qIpcu4y30
  「何だお前ら! 特にお前!」

ジュードが兵士長に吠える。

  「我らの邪魔をしてもらっては困るのだよ」

そう言って兵士長は片手を振り上げる。それを合図に兵士達が解散しようとする。

  「むっ! ボミオス!」

すかさずパトリスが兵士達の動きを止める。対象の素早さを限りなくゼロにする魔法だ。

  「ふん…ピオリム!」

兵士長が真逆の魔法を唱え、パトリスの魔法の威力を相殺させてしまう。

  「なんと?!」

動き始めた兵士達に今度はボミオスをかけ続けて全ての兵士の足を完全に止める。

  「…邪魔をするなと言ったはずだが?」
  「いきなり言われて、はいそーですかってなる訳ねーだろ。 …お前の目的は何なんだ?」
  「ふん、まぁいい。貴様らから始末すればいいだけの話だ」

そう静かに言い放ち、兵士長はいきなり4人の方へ走り出した。

  「!! こやつにボミオスは効いておらんぞ!」


255 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:10:55 ID:qIpcu4y30
走りながら剣を抜く兵士長。その刃がパトリスに届く直前にジュードが同じく剣で受け止める。
が、わずかに兵士長の方が力が強いようだ。ジリジリと押されていく。
ジュードに焦りの色が見える。しかし少しでも力を抜けばやられてしまう。

  「ぐはっ!」

その時、ジュードと兵士長の競り合いの後ろから、フィリアの兵士長への攻撃が決まる。
ジュードはすかざず兵士長のヘソの辺りに蹴りを入れ、突き飛ばして距離を取る。

  「サンキューフィリア……」

フィリアはジュードをじっと見つめる。しっかりしろ、と言いたいのかな…?

  (分かってるよ……だけど、コイツ、強ぇ)
  「先ほどの質問に答えていただきましょう。あなた達は何をしに来たのですか?」

戦いの間を使い、プレナが問いかける。兵士長は剣を杖代わりにし、立ち上がった。

  「ふん、貴様らに言う必要はない」
  「そういう訳にはいきません。私はこの町の責任者です」

ずいっとジュードの前に進み出て、その立場を示す。

  「…なるほどな。では教えてやろうか。この町がどうして潰されるかを、な」

256 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:12:32 ID:qIpcu4y30
  「なっ! 何でだよ!」
  「最初から交渉など必要なかったのだ。必要なのはあの大陸へと渡る足だ。
   足さえあれば後は町を潰すのみよ」
  (な…何言ってんの?)

自前の論理を前提に話をされると、何を言いたいのかすぐには理解できないものだ。
しかし王はそれをする。基本的に傲慢なのだ。

  「あの町は使える。あの物流をこの手にすれば世界中のアイテムは私の物だ。
   そこへイエローオーブの話が舞い込んだ。お前達の事だ」

横たわる真理奈の側にしゃがみ込み、ニヤニヤと笑いながら機械的に事の次第を話し続ける。
王の間でだ。普通ならば到底有り得ない状況だが、それを咎める家臣はいない。
真理奈と王の2人きり…

  「あの時お前が荷物からオーブを取り出した。という事はその中にはイエローオーブ
   以外のオーブが入っているに違いないと感じた。事実そうじゃったからな」

王は真理奈に皮の袋を見せる。オーブが入れてあった袋だ。

  「あっ! 泥棒するなよ!」
  「泥棒ではない。これは収集だよ」

真理奈のツンツンした声色とは対照的に、王はその口調を崩さない。

  「戦争もその為だ。植民地などにはしない。
   我が国が支配する土地は、我が国民が住むべきだからだ。
   だから、彼らは皆殺しだ」
  「――!!」
  「理解したかね?」


257 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:16:07 ID:qIpcu4y30
  「そ…そんな事理解できる訳ないでしょ!! 何考えてるのよ!」
  「何も考える必要は無い。貴様らは我が国の為にいなくなればいいのだ」
  「――!!」

言葉には力がある。だからこそ、それは時に暴力として表現される。
相手の反論を許さず、ただその言葉を受け入れろ、とでも言いたげな兵士長の表情に
プレナは声を詰まらせる。

この人は怖い、と。

  「だから、死ね」

兵士長が剣を構え、再びこちらに駆けて来る。

  「くそっ!」
  「ダメー!!」

それに合わせて駆けようとしたジュードの右腕をプレナが掴み、自分の方へ強引に引き寄せた。

  「いっ?!」
 
上半身が後ろに引っ張られ、足は前に進もうとしたため、仰け反る格好になる。

258 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:19:00 ID:qIpcu4y30
ジュードが予期せぬ出来事に体勢を崩したところに、兵士長の剣が振り下ろされた。

ジュードはとっさに左腕に装備している盾でそれを受け流し、
プレナに腕を取られたまま体を捻り、兵士長の頭にハイキックを決める。
金属のぶつかり合う音が不快に響く。

フラつく兵士長に、今度はプレナを引き剥がしたジュードが襲い掛かる。
しかしそれもプレナのジュードへの体当たりで、攻撃が阻止される。

  「邪魔だ! 何で敵を助ける!」

ジュードはそう怒鳴りながらプレナを突き飛ばし、後ろへ向き直って兵士長と相対する。
レンガの敷き詰められた地面へと投げ出されたプレナは、
そのままの体勢で荷物からまだらクモ糸を取り出し、2人へ投げつけ、
再び剣を交えようとした2人の動きを封じた。

  「何なんだよっ!」

  「それはこっちのセリフよ! どうしてすぐに戦おうとするの? 
   それじゃあモンスターと変わらないわ!」

雲が太陽を遮り、広場を暗くしていく……


259 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:21:35 ID:qIpcu4y30
  「馬鹿じゃないの! それだけの為に人を殺すなんて!!」

しかし真理奈の世界の歴史は、そのようにして成り立ってきた一面がある。
そこまで思いが至らないのは、
真理奈が勉強不足だからなのか、勉強が本当の教育となっていないからなのか。
しかし思い至ったとしても、真理奈が発する言葉は同じだっただろう。

  「これからは魔王の時代ではない。モンスターでもルビスでもない。
   我らの時代よ。いつかはその事に世界が気付くじゃろうよ」
  「そんなの絶対におかしい!」
  「何とでも言いたまえ。 
   ……少々お喋りが過ぎたようだ。王としてのクセだよ、これは」

王は恐るべき内容を淡々と、ただ淡々と語った。
真理奈もプレナと同様に恐怖を覚える。

  「では本題に入ろうか。なぜお前がここに連れて来られたのか」
  「???」
  「オーブを手に入れるためだけの目的でお前自身をここに連れてくる理由などないだろう?
   しかも毒まで使って身動きできないようにしてまで、だ」

  「……! まさか!!」 
  「その通りだよ」

260 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:24:51 ID:qIpcu4y30
真理奈に手を伸ばす王。ニヤニヤは崩さない。
それどころか、ますます醜悪になっていく様に真理奈は感じた。
まず、肩に手をかけ、横たわっている真理奈を仰向けにする。

  「ちょっ! 止めてよ!!」

そして王は真理奈のブラウスのボタンを外そうと、胸元に手を持っていく。

  (マジ……?! 体! 動けっ!!)

しかし真理奈の体は、辛うじて手先が動くくらいにしか回復していなかった。

  「死ねっ! 変態!!」
  「女がそんな口を利いてはならんと言ったであろうが。黙ってろ!」

ボタンを少しずつ外していく王。 あぁ…真理奈の胸が……

  「やめろって言ってるだろ!!」
  「…ハァハァ……」
  「くっ……イヤー!!」

  「ふふ… いい! イイぞっ!! この肌触り! シャープなライン! 素晴らしい!!
   この服はどこで手に入れたのだ?!」
  「やめっ…………え?」

…………は?

  「そしてこのスカートの色! 素材! こんな服見た事が無い! は、早くこれを私の物にっ!」
  「服かよっ!!」


261 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/07/04(火) 15:27:19 ID:qIpcu4y30
今日はここまで…

262 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/04(火) 18:46:31 ID:tbNPWlDyO
ちょwwwwwwwwww暇さんwwwwwwwwww
王様は制服フェチかよwwwwwwwwww
とりあえず つ囲
シャルル・レッドマンが投下したお陰で良い流れになりそうだ。


263 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/05(水) 23:47:48 ID:QqG3fNI00
職人さん達乙です!
制服オチおkwwwww

264 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/06(木) 19:12:23 ID:p09ofrqf0
> 服かよっ!!
クソワラタ

265 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/07(金) 18:37:00 ID:wfeucbD+0
全然笑えない。お前らご機嫌取り乙

266 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/08(土) 12:30:28 ID:73E6TWOBO
>>265
お前初めてかここは。
力抜けよ。

267 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/08(土) 16:22:40 ID:jg4lXkEy0
お前らもよく見とけよ。
よかったじゃないですか。265のせいに出来て。
生265様の生レスを拝見してもよろしいでしょうか?

268 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/08(土) 19:30:03 ID:8wUApjTt0
>>267
意味がわからないのは私だけ?

とにかく続ききぼーんぬ
がんがれ職人さん

269 :名無しさん@ご利用は計画的に:2006/07/09(日) 06:59:01 ID:DyX5Vbfj0
テンプレとは違うが荒らしにレスする奴もついでにあぼーんできる2chブラウザ
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/7474

270 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/09(日) 10:08:18 ID:i991slKk0
IDって日にちがたつと変わるからNG入れてもその日の内しか意味なさげ

271 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/09(日) 19:25:46 ID:i991slKk0
同意

272 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/09(日) 19:29:03 ID:i991slKk0
ID変わってqあwせdrftgyふじこlp


273 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/10(月) 19:42:10 ID:+U5rKmBZ0
>>272
ワロスw
つドンマイ

274 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/11(火) 15:16:10 ID:tfKOHhRK0
DQ4の作品、面白かったっす!
保管庫の魔でしか読んでないんだけど、過去ログには続き載ってますか?

275 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/12(水) 11:31:50 ID:Qm4qnMsT0
>>274
途中までだけど載ってるよ
過去ログはこちら
ttp://ifdqstory.web.fc2.com/

276 :274:2006/07/12(水) 21:20:52 ID:s8ekCcfm0
>>275
サンクス


277 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/13(木) 23:19:00 ID:0Fa+2D0AO
保守

278 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/14(金) 21:02:54 ID:P+CPpAjnO
あげ保守

279 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/15(土) 20:31:42 ID:WyNkAMRC0
保守

280 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 01:35:28 ID:giZF/MQw0
ほす

281 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 12:17:43 ID:gO9cniZ80
保守祭りにするぐらいなら一発ネタでも書くべきかな

282 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 14:36:24 ID:sPNeEjEtO
>>281
頼んだ

283 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 15:16:02 ID:IisPZtgx0
ふとんがふっとんだ

284 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 15:57:19 ID:JQfsk9rp0
スライムがスライムを買ってきた

285 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 16:02:38 ID:w+yaQpWs0
>>283
マジレスすると、6の空飛ぶベッドは、まさにそれ状態。
布団でもベッドでも、寝床には変わらん。

286 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:10:18 ID:VhKQKXO90
ちょっと書いてみたので投下してみます。

287 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:11:02 ID:VhKQKXO90
01

強い衝撃を感じ、俺の意識は急速に覚醒した。
目覚めればそこは薄暗い建物の中だった。地下室か何かだろうか?
ひんやりとした石造りの壁で、端っこの方に壷や樽が置いてあるほかには何も無い。
そして目の前には何かごっついおっさんが変な格好をして木剣を片手に仁王立ちしている。

「どうした、もう降参か?」

何を言っているのだろう?さっぱり意味プーだ。
とりあえず今だ少しぼやけている頭を振ると、跳ね起きる。
何時の間にか俺の手にもおっさんの物と同じ木剣が握られている。

「ほう、どうやらまだ気力はあるようだな。だが、今日のところはここまでだ」

いや、意味わかんないから。
おっさんは、状況を整理しようと必死になっている俺には全く頓着せず、
呼び止める間もなくさっさと行ってしまった。
ええと……一体何をどうしろと?
いきなり放置プレイを喰らって呆然としていると、次第に体が痛み出してきた。
どうやら大分痛めつけられているらしい。

288 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:12:03 ID:VhKQKXO90
ふむ。情報が足りなすぎるが、とにかく俺の天才的頭脳で以って予測演算してみるに、つまりこれは――



痛めつけられた。

ここは地下室。

俺は虜囚の身。

拉致監禁+秘密の特訓。

組織最強の暗殺者として育てられている!!



…………な、なんですとーー!?

ま、まずい。いつの間に拉致られたのかは全然覚えていないが、おそらく薬でも盛られたのだろう。
きっとこのまま行くと、泣いたり笑ったり出来なくなるんだ。飛べない豚は唯の豚なんだー!

逃げなければ!

自由をこの手に掴む為に!!


289 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:12:49 ID:VhKQKXO90
地下室から地上へ上る階段を見つけると、一段一段慎重に上り、外へ出る。
そして周囲への索敵を怠らずにゆっくり歩く。と。

『勇者様、勇者様!』

ぬあ!?この俺が全く気配が感じられなかっただと!?
慌てて振り返ると、川辺に一匹のカエルがいた。

カエルが喋っている……!?

……ちょっと待て、落ち着け。
よく考えたらよく考えるまでも無くさっきから何かがおかしい。あまりにも脈絡が無さ過ぎる。
冷静になって状況をよく見渡すんだ。つまりこれは――

――ああ、なんだ。これは夢だ!!
夢ならばそんなにむきになって構える必要は無い。

『私は実はとある国のお姫様で――って、ちょっとユーリル!?』

俺はカエルを引っ掴むと、どうするかしばし思案に暮れる。
爆竹は無いし、夢とはいえ流石にそれは可哀想だ。
ストローも無いが、まあいいか。夢だし。
俺は大きく息を吸い込むと、カエルのケツに吹き込んだ。

『きゃあああああ!?』

大きく腹を膨らませたカエルを天高く放り投げると、中空でジェット噴射の如く加速し、
彼方へと飛んでいった。HAHAHAHAHAHA…………。

290 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:13:47 ID:VhKQKXO90
「空しい……」

わかってはいるのだ。
これは現実。多分原因は、あれだ。
俺が自宅の研究室で空間跳躍の研究実験をしてたことだろう。
あれが成功して実用化されれば、ちょっとシャレにならないくらい世界の有り様は変わっていったろうに。
あの時片方のカプセルに実験用の物体Xと共に愛猫ニトロが入り込んでしまった為、
つい慌てて俺までカプセルに飛び込んでしまい、さらにふとした弾みで最終スイッチまで入ってしまったのだ。
あの時は最悪、ネコ人間として生まれ変わってしまうのではないかとちょっとドキドキしていたりもしたのだが、
やはりそんな足して引いてない結果が出る筈も無く、何かこの俺の天才的頭脳をもってしても意味プーな
状況に陥ってしまったというわけでR。

う〜む、やはりまだ実験が手探りの段階だからって、転移用の物体に嘘か真か北極で発見されたという、
あらゆる解析を受け付けない謎の巨大生物の体細胞など用いたのが拙かったのだろうか?

「まぁ、とりあえずそれは置いといて」

すぐ傍を流れる川の面を覗く。
何か俺の世界じゃ天然では絶対ありえない緑色の髪がサラサラと微風に揺れている。
うむ。男の俺から見ても美男子だな。とかそれはどうでも良く、
カエルが喋ったり人間の風貌が人間離れしていたり、やはりこれは良く考えるまでも無く。

「世界越えちゃいましたー、HAHAHAHAHA……」

やはり空しい……。
拉致監禁でなかったのは幸いだが、俺自身の状況としては大差ない。

「さ〜て、どうしたものかな……」


291 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:14:41 ID:VhKQKXO90
と。
殺気を感じた。
振り返ると、そこには何か耳がとんがってて、さらにピンク色という俺以上にありえない色の
髪を持った美少女がいた。土や草にまみれてはいるが、この美少女っぷりはちとシャレにならない。
もちろん俺も引き篭もりがちな科学者とはいえ一人前の男な訳で綺麗な女の子に興味が無いわけも無く、
こんな状況でもなければ挨拶の一つもかけて、分化系硬派な生活にささやかな潤いを得たりもするのだが。
それはともかく。

――何で、彼女はあんなに怒っているのでせう?

控えめに言っても、キレてます。
知っている。アレは快楽殺人者の目だ。
知り合いの科学者やってる女が未知の触媒や実験動物に出会ったときにも似た、
見るからにおぞましい狂気の光が瞳にぎらぎらと宿っている。

『コロサレル』

と思考した時には彼女の姿は既に視界から霞み、同時――衝撃、が。
顎を、手か足で跳ね飛ばされたと認識する前にさらに打たれる。打たれる。打たれる。
水月金的人中胸尖村雨壇中鳥兎向骨――
美少女の華奢な拳は人体の前面に存在する急所という急所を的確に打ち抜き、
それと同時、俺の命も削り取っていく。
段々と痛みが薄れ――

「落ち着けシンシア!」「ひぃ、何だこの赤いの!まさかユー……」「離して、離してー!!」

――闇の中、黄金の光に包まれた、巨大な何者かの姿の影を垣間見ると同時――

「一体何があったんだ!!」「おい、じいさんはまだか!」「ユーリルを殺して私も死ぬ、死ぬのーー!!」

――俺の意識はホワイトアウトした。


292 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:15:33 ID:VhKQKXO90
目覚めるとやはり知らない天井だった。
先の地下室とは違い、ごく普通の木造家屋のようだ。
意識を取り戻す以前のことはあまりよく覚えていない。
とりあえず神の領域に到達しかけたことだけは覚えているのだが。
寝てても仕方が無いので痛む体に鞭打って寝かされていたベッドから何とか身を起こそうとすると、
何かオバハンがやってきた。

「体はもう大丈夫?」
「え、あ、はい。何とか」

察するにこの人があの桃色の暴風から命を救ってくれたのだろう。
この人とこの体の持ち主との関係は不明だが、先に外を見渡した限りでは、
ここは本当に、小さな村というか集落という感じだった。恐らく村人全員が知り合いなのだろう。

「一体何があったの、ユーリル?あの温厚なシンシアがあそこまで我をなくすなんて……」

問いかけには心からの気遣いが感じられる。きっとかなり近しい人物なのだろう。親子だろうか。
だがその割にはあまりにも容姿が似ていない。父親似とかそう言う次元ではなく、
何というか黄色人種と白色人種くらい違う。
ともあれ、俺が気にすることでもない。何か複雑な事情でもあるのだろう。
それよりあのピンクの殺戮者、シンシアというのか。本気で、あれはいったいなんだったのだろうか。
このオバハンは温厚とか訳のわからないことを口走っているが、アレを温厚と呼んでいいのなら、
この世の全ての事象を愛という言葉で解決しても許されると思う。
まぁ恐らく、俺が乗り移る前にこの体の持ち主、ユーリルがあの娘に酷いセクハラでもしたのだろう。
顔に似合わずスケベなヤツだ。
少々納得はいかないが、今後のためにも、折を見て謝っておいたほうがいいかも知れん。



293 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:16:21 ID:VhKQKXO90
夕食の材料を取りに行ったオバハン(後に母親と判明)の話によると、どうやら俺は丸一日気絶していたらしい。
昨日地下室から上がってきた時点で夕暮れ時だったので今もそのくらいの時間なのだろう。
ベッド脇のハメコミ式の窓を覗けば既に逢魔ヶ時。何か気持ち悪いくらいに真っ赤な夕焼け空が見える。

「う〜ん、まるで燃えているかのようですなぁ。何か焦げ臭いし、外で騒ぎ声が悲鳴が喧しいし……。
 …………………………………………て言うか、燃えてますなぁ」

な ん で す と ! !

呆然としているとヒゲのおっさんが家に飛び込んできた。

「ユーリル!まだこんな所にいたのか!」
「ああ何が何やら急展開が大安売りで意味不明の大ピンチと考えられる状況はどうすると思われるのが
 一番でしょうか――!?」
「とうとうこの日が来てしまった……さあ、私について来なさい」

シャレにならない空気を感じ、流石に混乱している俺をヒゲ(後に父親と判明)は軽くスルーし、
燃え盛る村を突っ切って、俺をあの地下室へと引きずっていった。
その後ヒゲは何か勇者とか魔物とか、情報が全く足りてない異邦人の俺にとっては正直、
毒電波にしか聞こえない戯言を垂れ流し、俺を地下室に閉じ込めて頑丈な扉に鍵を掛け、また出て行った。

「いや……だからどうしろと……」

294 :隙間風 ◆njN6YTN.DI :2006/07/17(月) 20:17:22 ID:VhKQKXO90
しばらく上から聞こえてくる爆発音やら絶叫やらをBGMにこれからの行動を何とか模索しようとしていると、
新たな人影が階段を下りてきた。
それは――ヒィィ!!ピンクの殺戮者だった!!!!!ピンクは扉を開け、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
……騒ぎに乗じてこの俺を抹殺しに来たのか――!?

「ユーリル……私、お別れを言いに来たの……」

や は り か ! !

ピンクが何やらぶつぶつとつぶやくと、何とピンクの姿が緑色の髪をした美少年へと変化してゆく。
って、俺やん!!
落ち着け。カエルが喋るくらいなんだ。そんな魔法じみた技術があってもおかしくない。落ち着いて考えるんだ!
……そうか!さては俺を亡き者にしたあと俺になりすまし、完全犯罪を達成するつもりか!!
元ピンクの偽俺が後ろを振り返る。――今しかない!!!!!

「今まで楽しかったわユーリル……。さようなガフッ!!」

バイト先の先輩直伝、上段回し蹴り。
十二分に遠心力を効かせた俺の左足刀は、油断していたのか隙だらけだった偽俺の延髄を確実に刈り取った。
一瞬で崩れ落ちる偽俺。だがいつ目覚めるかわからないので油断は出来ない。
すぐさま部屋から出て、扉を閉めて鍵を掛ける。よし、これでとりあえずは大丈夫な筈だ。
上ではまだ騒動が続いているようだが、少なくともここよりは安全であろう。
いざ行かん、愛と自由と平和を求めて!!



HP:10
MP:120

装備:E旅人の服


295 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 23:02:01 ID:ST4Wnw4yO
だめー!
行っちゃだめー!ww

296 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/18(火) 01:02:15 ID:eL4ZwAnE0
テラワロス

297 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/18(火) 02:08:13 ID:S3CxDzNR0
この新職人の続き期待wwww

298 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/18(火) 09:16:59 ID:SvRDh+eZ0
勇者バロスww
HPのわりにMPが多いなw

299 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/18(火) 22:51:08 ID:wf1wk23eO
期待してるwwww

300 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/19(水) 15:34:13 ID:boWJR/Y40
MPが多いのはアレか、学者だからかwwww

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