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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目

580 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/08/27(日) 17:47:09 ID:N7lIc/5j0
  「逃げたんじゃなかったの?」
  「一つ聞いていいかな? 君がこっちの世界に来た時、どこに現れたんだい?」

真理奈はさすがにうんざりとする。こんなに会話出来ないヤツは初めてだ。

  「アリアハン! ってかアンタ何なの?!」
  「やっぱり。グリズリーを倒したのも君だったのか」
  「え? どうして!」
  「また今度会った時には、君の疑問に答えてもいいかもしれないな。今日はホント、もう帰るよ」

青年が真理奈に背を向ける。

  「待て待て待てー!!」

再三、真理奈が青年に突っ込み、鉄の爪で攻撃する。
が、振り返った青年はその細腕でいとも簡単にその刃を受ける。
ブレザーの袖は、一つも傷ついていなかった。

  「なっ……!!」
  「うん、まぁ一応仇を取っとくか。バギマ!」

彼が呪文を唱えると、鉄の爪の周囲だけで真空の刃が生じる。
高速回転するその刃は、鉄の爪の『爪』を綺麗に折ってしまった。
三本の爪が落ち、絨毯に突き刺さる。

  「勝負はお預けだ。今日は殺さない。こういうのは大抵死亡フラグなんだろうけどね。
   まぁ同郷のよしみってヤツさ」

ククッと声を殺して笑う。どこまでも気に触るヤツだ。
青年は再び真理奈に背を向け、出て行く。

真理奈はしばらくの間、炎と煙が充満しつつある玉座の間で立ち尽くしていた。

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