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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら八泊目
1 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/10/29(日) 16:15:16 ID:vi16nIqg0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです
短編/長編小説形式、レポ形式、オリジナル、何でも歓迎です
・基本ですが「荒らしはスルー」です
・スレ進行が滞る事もあります、まったりと待ちましょう
・荒れそうな話題や続きそうな雑談は容量節約のため「避難所」を利用して下さい
・スレの性質上レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので、スレが470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
・物語の続きをアップする場合はアンカー(「>>(半角右アングルブラケット二つ)+半角数字(最後に投稿したレス番号)」)をつけると読み易くなります
前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
ttp://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1148786712/
まとめサイト(書き手ごとのまとめ/過去ログ)
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」保管庫@2ch
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html
避難所「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(作品批評、雑談、連絡事項など)
ttp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi
482 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/07(水) 22:23:28 ID:PQjbNgDw0
>>481
ビアフロって姉妹だったけ?
それって小説だけの話だったけ?
483 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 09:57:46 ID:M3LTlWWy0
>>482
うんと遠い親戚じゃね?
484 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 11:06:19 ID:zRXKHmWQ0
人を倒しても経験値って得られるのかな?
邪悪主人公を思いついたんだが。
485 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 14:09:52 ID:WXV6L+a3O
カンダタ・マルチェロ・呪われしゼシカ等々
倒したら経験値がもらえる人はいっぱいおりますがな。
486 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 17:24:55 ID:NrXB8F4K0
敵になると「匹」扱いなのが切ないよな。…関係ないけど。
487 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 23:17:27 ID:dNSAUVvM0
DQ4なんか「ミスターハン 1ひき」だからな
武闘大会
「アリーナひめ 1ひき」
488 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/08(木) 23:44:48 ID:M3LTlWWy0
個人的な事情により、避難所の鯖を引っ越すこととなりました
ブクマ・お気に入りのURLの変更をお願いしますOTL
tp://coronatus.sakura.ne.jp/DQyadoya/bbs.cgi
489 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/09(金) 22:17:10 ID:Jv1kLIrc0
ほす
490 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/11(日) 01:42:45 ID:B4ReevFo0
保守
491 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/02/11(日) 16:54:16 ID:898pat7Q0
>>488
取り急ぎ、避難所のURLだけを変更しておきました。
まとめのほうは今しばらく、お待ちください。
492 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:16:10 ID:d5Jh/BPq0
あれ・・・・・・
俺は・・・・・・・・・・・・
何があったんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・?
すごく眠い・・・・・・・・・・・・
このまま寝てしまおう・・・・・・楽になるやろ・・・・・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−目を覚ませ!!
マタニゲルノカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
ほっとけよ・・・・・・・・・俺はもう・・・・・・・・・・
493 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:17:36 ID:d5Jh/BPq0
もょ「タケ!!しっかりしろ!!」
タケ「もょ?お、俺は・・・・・・・・?」
もょ「まったく。しんだようにねむっていたんだからしんぱいしたんだぞ!」
タケ「そ、そうだったのか・・・・・・どれぐらい寝ていたんや?」
もょ「ふつかぐらいねむっていたな。とっくにローレシアについたぞ。ムーンたちはさきにいった。」
タケ「そ、そうなんや。さぁ行こうか・・・・」
もょ「タケ、ようすがおかしんだがだいじょうぶか?」
タケ「こんな時もあるよ。心配せんでええ。大した事が無いからさ。早く行こうや。」
俺達はローレシアに入っていった。
ローレシアに入ってから人々がもょもとの周りに集まってきた。
子供や女性達には暖かく歓迎されたんだが兵士達は仕事だから渋々王子の帰りを歓迎している・・・・って感じだった。
ムーン「へぇ、もょもとって子供や女性には人気があるんだわ。」
もょ「そ、そうか・・・・?」
サマル「しかしこの城はサマルトリアと違い、兵士も体格が良い人が多いね。」
もょ「ああ・・・・・・」
ゼシカ「どうしたのもょもと?どうかしたの?」
もょ「ちょっとふなよいしただけだ・・・・・・」
もょもとの様子がおかしすぎる。
494 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:18:52 ID:d5Jh/BPq0
タケ「(どないしたんや?生きて故郷に帰って来れたにも拘らず、暗い感じやな。)」
もょ「(タケ、おまえにまかせていいか?)」
タケ「(なーに弱気になってるねん。って・・・・・・・・・・・?)」
その時のもょもとは別の恐怖で怯えていた様だった。何があったんだろうか?
タケ「(ええよ。但し、俺の好きなようにやらせてもらう。)」
もょ「(な、なにいっているんだよ。)」
タケ「(お前に昔何があったのかしらへんけどな、今のもょは何か物事から逃げたがっているわ。)」
もょ「(うっ・・・・・・・・・・・・・・・)」
タケ「(悪いようにするつもりはあらへん。けど、黙って今から起きる物事を静観してたらええ。)」
タケ「とっ言いたい所だが、実はククール達が見当たらないから不安なんだ。」
ムーン「それで様子がおかしかったのね。とりあえず私は王様に生還報告をしないといけないのだわ。
ついでククール達の事も聞きましょ。」
リア「もょもとさんのお父さんってどんな人かなぁ?楽しみ☆」
タケ「会ってみてはわかるよ。じゃあ行こうか。」
王の座についた。
ローレシア王(もょもとの父親)は威圧感が感じられる人物だった。
サマルの親父の様な道楽者ではなく抜け目がなさそうな感じがするのであった。
495 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:20:21 ID:d5Jh/BPq0
ムーン「始めまして。おじ様。ムーンブルグ王国の皇女、ムーンです。」
もょ父「そなたがムーンか。とにかく無事で何よりだ。お父上が無くなった事がは辛い事だと思うが、
時間をかけて悲しみを乗り越えなければならぬ。頑張るが良い。」
ムーン「は、はい・・・・・・・・・・・」
ムーンが緊張感を漂させた表情をしている。案の定、サマルとリアは表情がこばわっている。
もょ父「そちらの者は?」
王様がゼシカに話しかけた。
ゼシカ「わ、私はゼシカと言います。実はこの国で旅仲間と合流する予定だったので、
もょもと王子に頼み込みさせていただいて同行させていただきました。」
もょ父「ほう、もしかしたら、先程拘束した3人組の男の事かも知れぬな。」
タケ「なんだって!?」
もょ父「貴様はだまっとれ!!」
王様がいきなり吼えた。俺もびっくりしたのだが、それ以上にもょもとから恐怖感が感じられた。
――――――――――――――――――そういう事か。なるほどね。
ゼシカ「ど、どういう事なんです?」
もょ父「町の者から怪しい者達がいるって通報があってな。
どこから来たのか分からないという事なのでとりあえず拘束したのだ。」
ゼシカ「そんな・・・・・・・・」
タケ「安心しろ、ゼシカ。俺がすぐに釈放させる。」
496 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:21:46 ID:d5Jh/BPq0
もょ父「貴様なにほざいている・・・・・!?」
タケ「父上・・・・・いや、ここはあえてローレシア王と呼ばせてもらう。
王が拘束したもの達の身分に関しては私が保証する。」
もょ父「・・・・・・・・・それで?」
タケ「その者達に私は命を助けられている。実際問題、ここにいるサマル、リア、ムーンも同様だ。
責任は王子である私が持つ。その者達の釈放を認めていただけないだろうか?」
もょ父「貴様いつからそんな生意気な口が利けるようになった?この愚息がぁ!!」
タケ「ハハハ!!逆にわらかせてくれるぜ。諸外国は王は、我が国の王の事を馬鹿にするだろうな。」
もょ父「な、なんだと!?」
タケ「『視野の狭く、弱者を受け入れる度量もない裸の王様』ってな。…………こりゃ傑作だ!」
もょ父「貴様は許さん!!牢にでもぶち込んでやるわ!」
ムーン「王様!!やめてください!!」
タケ「いいよ、ムーン。俺が牢に入ったらククール達は釈放。これでいいじゃないか。」
ムーン「で、でも・・・・・・・」
タケ「俺は喜んで入るぜ。命の恩人に対して敬意を表し、借りを返す。それだけだ。」
もょ父「ならば貴様の望みどおり牢に入れてくれるわ!!ひったてい!!」
俺は牢屋へ豪腕の兵士達によってつれて行かれた。
こんなはずじゃなかったんだけどなぁ・・・・・・・・・・・・・・・
どうやら俺は独房に入れられたみたいだ。あれこれ考えても仕方がない。とりあえず時間を過ぎるのを待つか。
497 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:22:59 ID:d5Jh/BPq0
しばらく時間が過ぎるともょもとが離しかけてきた。
もょ「タ、タケ・・・・・・・・」
タケ「どしたん?」
もょ「お、おれたちどうなるんだろ・・・・?」
タケ「俺の予測どおりになれば明日でも釈放になるやろ。」
もょ「な、なんでそんなことがわかるんだ?」
タケ「まぁ聞いてくれよ。親っていうのは『子供を愛さない親なんていない』って言う事なんや。」
もょ「しかし・・・・・・・・おれは・・・・・」
タケ「もょの場合お母さんが早く亡くなっている訳やんか。そしたら父親としたら立派に育って欲しいって事やねん。」
もょ「う、うん・・・・・・」
タケ「後悔していると思うで。親戚や友人の前で無様な行動を起こしたんだからさ。」
もょ「け、けど・・・だ、だいじょうぶなのかなぁ・・・・・」
タケ「大丈夫。多分親父はもょにしっかりして欲しいから厳しい態度とっているんよ。」
もょ「そ、そうなのか・・・・・・?」
タケ「ああ。自分の息子が情けなかったら親として不甲斐無いんよ。
だから立ち向かう勇気を持って欲しいと思っているわ。」
もょ「ゆうき・・・・・・・・?」
タケ「そやで。逃げるのは簡単やねん。
けど逃げ続ければ自分に対する負い目が増えるだけなんよ。それを俺は知っている。」
498 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:24:24 ID:d5Jh/BPq0
もょ「もしかしてタケも・・・・・・・?」
タケ「ご想像の通り、俺もガキの頃は厳しい父親のもとで育ってな。嫌の事あったら逃げていたんだ。
ある時俺と俺の親父が意見がぶつかってな、対立したんや。」
もょ「それで?」
タケ「普段だったら親父の言いなりになっていいただろ。その時はそう言う訳にはいかなかった。
自分自身にとって大切の物を失ってしまう状況だった。
結果的には自分の意思を通し、失敗したんだが後悔はしなかったわ。逆に爽快感があった。」
もょ「そ、そうなのか。いまだからいえるが、
タケがはむかってくれたことによってなんかすがすがしいきぶんだな。」
タケ「そっか。それなら良かった。俺達は意思を持った人間なんや。
だからこそ、自分の意思や誇りを他人に委ねる訳にはいかへんって事や。
これを理解するのに4年はかかったよ。」
もょ「よ、よねんも!?おまえってばかだなぁ。」
タケ「うっさいわ!単純な問いかけほど答えを出すのは難しいんやで。人によって答えは皆違うからな。」
もょ「なるほど、じゃあタケのいまのいけんはタケなりのことなのか?」
タケ「勿論。他人にこの俺自身の答えを譲歩つもりはない。後はもょ自身が決めることや。」
自分の体験談をもょもとに伝えた。
もょもとは辛くなった時、一人で怯え、苦しみ、悲しみながら生きてきたんだろうな・・・・
499 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:26:36 ID:d5Jh/BPq0
隣の独房から声が聞こえてくる・・・・・・・・・・
*「隣の方、どうされたのです?大丈夫でしょうか?」
なんだか心地よい響きだ・・・・・・・けど逆にそれが恐ろしい。
タケ「別に。話しかけてくんな。そんな気分じゃないんで。」
*「まぁいいでしょう・・・・・・それにしても世の中おかしいと思いませんか?」
タケ「ん?」
*「悪人がのうのうと暮らしており、力も無き善人は奴隷のようにして生きなければならない。」
タケ「冗談はよしてくれ。牢屋に入っているあんたが言っても説得力は無いね。」
*「まぁいいでしょう・・・・・貴方と私はまた会う運命でしょう・・・・・・ふふふ。」
気持ちわりぃ。電波ゆんゆんの奴って何するかは分からん。ほっておこう。
500 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:28:58 ID:d5Jh/BPq0
翌朝、俺の予測通り釈放された。
牢屋に出たとたん最初にリアとククールが駆け寄ってくる。
リア「もょもとさん!」
タケ「おう、ただいま。シャバの空気はうまいぜ。」
ククール「あんたにはでかい借りが出来てしまったな。」
タケ「気にするな。逆に無様な真似してしまって申し訳ない。」
ヤンガス「もょもとがしっかりしているにも拘らずここの王様は厳しいでがす。」
タケ「身内の責任は俺の責任でもあるんだからな。」
トロデ「しかしもょもとがここの王子だとはの〜以外じゃった。立派な青年じゃわい。」
タケ「そんな、人生経験が浅いガキにそんな事言わないでくださいよ。」
ムーン「無事に済んで終わったわね。」
タケ「ああ……ち、…………じゃなかった親父はどうしてる?」
サマル「伝言を預かっているんだ。『しばらく戻ってくんな。きっちりハーゴンを倒して、必ず生きて帰って来い』ってさ。」
タケ「そっか。」
ゼシカ「なーに後味が悪そうな表情しているのよ。結果的には貴方の主張通りになったんだけど。
王様を説得するのに相当時間がかかったんだから。」
タケ「どういうことだ?」
ゼシカ「サマル君やムーン、リアが必死に貴方のことを庇ってくれていたのよ。」
タケ「でかい借りが出来てしまったな。」
ムーン「いいのいいの。もょもとに助けてもらってばっかりじゃ良い気しないからね。」
サマル「僕ももょもとがいなかったら大変だったし。今後、君がいたら心強いよ。」
リア「それにね、もょもとさんのお父さんって厳しいんだけど優しいそうな感じがしたの。
だからもょもとさんも優しいんだね!」
501 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2007/02/11(日) 21:31:18 ID:d5Jh/BPq0
タケ「まぁ、ありがとう・・・・みんな・・・・・・」
ククール「おいおい。何うろたえているんだ。もょもと?」
ヤンガス「げーすげすげすげす。もょもとは照れているんでがすよ。」
タケ「う、うるさいなあ。もー(///)」
ムーン「これからどうしようかしら?」」
トロデ「そうじゃ!この機会だから皆で食事をしようかの。ワシらが異世界の人間とは言え、
食事ぐらいは一緒に楽しむのも良いもんじゃろ!」
ゼシカ「それはいいわね。」
ヤンガス「おっさんも流石は一国の王様でがす。」
ククール「合流記念って言う事でいう事だな。もょもと達はどうだ?」
タケ「異論は無いぞ。俺達全員参加させてもらう。」
リア「やったぁ!早く食堂に行ってみんなで食べようよ!」
リアの掛け声で食堂へ向かいみんなで食事をした。
飲んで騒いで色々話し合い、楽しい時間を過した。
そして俺達はラダトームへ向かうために、そしてククール達はエイトを探すために別れて旅立つことにした。
もょもと&タケ
Lv.16
HP:112/112
MP: 2/ 2
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:隼斬り・魔人斬り
タケ専用 :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御・メラ
502 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/12(月) 08:54:56 ID:tDn/AQ6O0
おお!!
レッドマンが復活したか。
最後まで頑張れ。
503 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/12(月) 21:20:24 ID:97ax3Hde0
レッドマンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
504 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/12(月) 21:58:19 ID:t0MT0ahCO
復活ッ!レッドマン復活ッッッッ!
( ;∀;)オカエリ
505 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 00:11:48 ID:IUh3Qnu70
レッドマンさん、ファイトだお
506 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 08:10:01 ID:c2nn0f2oO
べ、別にあんたの作品の続きなんか読みたくないんだからね!
しかし書く以上はしっかりしなさいよ!
507 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 16:32:06 ID:L1W5VAMm0
俺も書いてみた。
舞台はDQ6です。
508 :
序章・目が覚めたら……
◆/Vo4sINk9g
:2007/02/13(火) 16:33:30 ID:L1W5VAMm0
「今日はもう寝るかな……」
俺は、あまり意味の無い独り言を呟きながらパソコンの電源を切って、
そのまま、歯も磨かずにベッドにダイブした。
俺はニートだ。
格好良く言えばNEET……いや、大して変わらんな。
まだ17歳だってのに学校にも行かないで、毎日家でダラダラと過ごしている。
部屋から出るのは、ご飯と風呂の時だけ。
外に出るのは、コンビニにジャンプを買いに行くときだけ。
金は親から貰ってる。
働くつもりなんてさらさら無いし、これからもそれは変わらないと思う。
だって汗流して頑張ったって、少しも面白くないし。
(あーあ、もっと面白い世界に生まれたかったなあ)
そんな戯言を考えながら、俺はいつの間にか深い眠りについてしまった。
509 :
序章・目が覚めたら……
◆/Vo4sINk9g
:2007/02/13(火) 16:34:10 ID:L1W5VAMm0
深い眠りから覚めて、俺は大きく伸びをする。
今日もまた、退屈な一日が始まるのか……そう思うと憂鬱だ。
「おはようございます、旅のお方」
「あー、おはよ……ん?」
誰だお前。
目の前のおっさんにそう言おうとして、初めて異変に気が付いた。
「どこだここ?」
俺はキョロキョロと周囲を見る。
まるで洞窟の中みたいに、岩の壁に囲まれている小さな小部屋。
その中に簡素なベッドが二つ置いてある。
「いやですねぇ、宿屋に決まってるじゃあないですか」
おっさんが気味良さそうに笑う。
待て待て。
俺、いつ宿屋になんかに泊まった?
昨日、確かに自分の部屋のベッドで寝たはずなんだが。
心の中でツッコミを入れながら、自分の服装を見てみる。
寝たときの上下ジャージの姿ではなく、滅多に着ないお気に入りの一張羅を着ている。
いつ着替えたっけ?
これ何かのドッキリ企画か?
「どうかしましたか?」
ドッキリの看板を探していた俺に、おっさんが話しかけてくる。
「あ……何でもない、です」
とりあえず適当に返事をしておいた。
「ありがとうございました。またおこしください」
一先ず俺は現在地を確かめようと、宿屋から出た。
「えーと……どこだよここ」
外に出ても、ここが何処なんだか、どうして俺がここにいるのかさっぱりわからん。
唯一わかったのは、ここが山で、さっきの宿屋はやはり洞窟の中だったと言うことだけだった。
510 :
序章・目が覚めたら……
◆/Vo4sINk9g
:2007/02/13(火) 16:34:50 ID:L1W5VAMm0
「夢じゃないみたいだな……」
何度か自分の顔を殴って確認した。
これは夢じゃない、現実だ。
現実だとしたら、何で俺はこんな所にいるんだ?
親がニートな俺に愛想を尽かして山に捨てたか。
ありそうで怖い。
夢遊病患者の様に、ふらふら歩いて来てしまった。
これは無いな。
「まぁ、何でもいいや。どうにかして家に帰るか」
これ以上考えても無駄そうなので、俺は山を降りて家に帰ることにした。
山を降りれば、町か村かがあるだろう。
そこで警察にでも行って、家に帰してもらおう。
そう思いながら、俺は山にあった階段を下りようとして、ピタリと足を止めた。
階段の下のほうに、変な生き物がいたからだ。
マンドラゴラがあらわれた!
続く
名前:俺
職業:ニート
HP:13
MP:0
装備:お気に入りの一張羅
現在地:ライフコッド周辺・山肌の道
511 :
◆/Vo4sINk9g
:2007/02/13(火) 16:35:36 ID:L1W5VAMm0
以上です。
拙い文章ですが、ご容赦を。
512 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 16:43:48 ID:UhwB7EOe0
6は珍しいな
続きwktk
513 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 16:53:09 ID:h1yWCSzP0
キタイシテルヨ(・∀・)
514 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/13(火) 16:53:11 ID:t8TfXhtg0
>>DQ6
乙。続きが楽しみだ
515 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/14(水) 22:19:59 ID:CCYrWUaa0
保守
516 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/16(金) 23:32:11 ID:yVgXZEd00
いいかげんに捕手
517 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/18(日) 08:11:19 ID:xnk4yulK0
ほしゆ
時間が出来たら書きたい
518 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/18(日) 22:19:25 ID:J7z+VPOp0
保守
519 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/18(日) 22:20:59 ID:J7z+VPOp0
あげちまったスマソ
520 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/19(月) 20:35:26 ID:WiYlZHfDO
月曜日に保守
521 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/20(火) 21:46:38 ID:u3ybMfiIO
保守
522 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/21(水) 07:52:32 ID:d2GEqEn2O
保守
523 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/21(水) 23:50:04 ID:VuyZpkIx0
>>426
の続き、投下します。
けどその前に一言。
レッドマンさん、おかえりなさい!
524 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/21(水) 23:52:53 ID:VuyZpkIx0
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
フォルテとの初めての出会いは、彼女の歌声から始まった。
友達とかくれんぼしてた時、いつもより遠く逃げ込んだ森の奥。
「〜〜♪」
不意に聞こえてきた楽しそうなメロディ。
彼女の世界に一瞬にして引き込まれてしまった。
ただそれだけで、好きだと思ってしまった。
「キャッ!」
無遠慮に近づオレに気が付くと、彼女は岩影に体を隠した。
怖がらせてしまったと瞬時に後悔したが、
どうすればいいのかも分からなかった。
「あのあの……」
恐る恐るといった感じでひょっこりと頭だけを出す彼女。
その可愛さに顔が赤くなり、心臓が跳ねた。
「歌……どうだった?」
声に出して答えられなくて、何度も必死に頷いた。
フォルテの笑顔がまぶしかった。
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
525 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/21(水) 23:56:09 ID:VuyZpkIx0
「さて、そちらはこの娘を取り戻そうとしているようだが、
こんな提案はどうだろうか。
この娘を返す代わりに女王様、あなたの血を頂けないだろうか。
何も私は戦いたい訳ではないのだよ」
くくっと含み笑いをしながら大げさに手振りを付けて話すクルエント。
喋り方も身体年齢に影響されてか、先程までの老人臭い話し方ではなくなっていた。
しかし負けるなどとは微塵も考えていない、その傲慢さだけは常に変わらない。
提案とは言いながらも実際は選択を迫るような言い方にもそれが見られるだろう。
無抵抗で血を差し出すか、勝てぬ無駄な戦いをするか、選択をしろと言っているのだ。
「あなた達にエルフは渡さない」
クルエントの問いに対して女王より先にフィリアが答える。
その声は簡潔で迷いがなく、決意に満ちていた。
いつものフィリアとは違って、こんなにも感情をあらわにしているのは珍しい。
予期せぬ一言に女王は言い得ぬ安心を覚える。
「その通りです。あなた達は自分の立場が分かっていないようですね。
負けるのはそちら側ですよ」
「そうだそうだ!」
ソールの元気も相まって、女王のパーティーの士気が高まる。
悪いのはどちらなのか明白だった。
だから、必ず勝てる。
「ふふふ、そうですか……では」
会話の終わりを感じたジュード達は武器を構えた。
それを見てからクルエントの側で控えていたアヴァルスも自身のダガーを握りしめる。
対してクルエントはその手に掴んでいるフォルテを目線の高さまで上げるだけだった。
見せ付けられるフォルテの体は力無く、だらりとした四肢に生は感じられない。
526 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:00:05 ID:260lfAA50
しかしクルエントが何故今そのような事をするのだろうか。
その行動の意味を計りかねて攻撃のタイミングを逃す。
するとクルエントは足元に転がっていた宝箱を足だけで起こしてフォルテを閉じ込め、
ゴミを捨てるかのように宝箱を背後の湖に蹴り込んだ。
宝箱は大きな水しぶきを立て、水底へと消えていく。
「フォルテー!!」
その声を合図に全員が動き始める。
ソールはフォルテを助ける為に湖へと全力で走った。
ジュードはアヴァルスに、女王はクルエントに。
それぞれソールの邪魔をされないように、進路を確保する為の動きをとる。
そしてフィリアはマヌーサで敵の攻撃を惑わそうと呪文を唱えた。
マヌーサの効果は視覚障害を引き起こし、強制的に錯覚させるというもの。
クルエントはともかく、アヴァルスは格好から攻撃呪文を使うタイプではないと判断したのだ。
ならば攻撃を封じてしまえばいい。
広範囲を狙う事の出来る武器を使ってこない限りはこちらは有利になる。
「マヌーサ!」
アヴァルスとクルエントの2人を目標に呪文を仕掛ける。
呪文発動後、ジュードはアヴァルスの右側に回りこんだが、アヴァルスはそれに反応しない。
思惑通りにいったようだ。
アヴァルスは手持ちのダガーを突き出すが、ただ空を切るだけに終わる。
きっとアヴァルスの脳内ではジュードを斬りつけようとしたのだろう。
その隙にジュードはガラ空きのわき腹へと蹴りをおみまいする。
防御もままならないアヴァルスはうめきながら土にまみれた。
「マヌーサか、やっかいだな」
女王と呪文の応酬を繰り広げているクルエントがアヴァルスが倒れている方に目を向けて、
それほどやっかいだとも思っていないような口調でつぶやく。
527 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:03:49 ID:VuyZpkIx0
クルエントにはマヌーサは効いていないらしい。
呪文への耐性や、精神的な強さがある敵には補助呪文は効きにくくなる。
クルエントのレベルが相当に高い事の証明でもあろう。
そしてクルエントは女王への攻撃を怠らないまま、アヴァルスに一つの呪文をかける。
「バイキルト!」
痛みに耐えながらもアヴァルスは立ち上がり、口の右端を上げて笑う。
「へへ……すまねぇな」
ニヤリとしたまま彼はズボンに仕込んであるダガーを取り出し、今度は両手に装備する。
しかしマヌーサの効果が切れている訳ではなさそうだ。
アヴァルスは正確にジュードやフィリアの方向に体を向けてはいない。
何の呪文を掛けられたかしっかりと把握しているはずだが、諦めの表情は見られない。
しかしいくら呪文で攻撃力が上がっていたとしても、攻撃が外れるなら意味は無いのだ。
それでもなおダガーによる攻撃を仕掛けてくるアヴァルス。
ジュードやフィリアの近くを攻撃したりするが、当然ダメージは与えられない。
音を頼りに位置を探ろうとしているのか。
それともまぐれ当たりを期待しているのだろうか。
(イケる!!)
これなら勝てると判断したジュードは目線だけでフィリアに合図をする。
フィリアの方も、コクリとうなずくだけで了解の意を示した。
声を発してわざわざ居場所を教えてやるまでもない。
汚名を返上しなくてはいけないジュードにとって、このチャンスを見逃す理由は無かった。
フィリアの方もなぜバイキルトなのか、という思考回路は形成されなかった。
ジュードは闇雲に攻撃してくるアヴァルスの背後を取り、背中に斬りかかる。
(もらった!!)
528 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/22(木) 00:04:47 ID:4Df63I+/0
支援
529 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:08:06 ID:260lfAA50
両手の力を柄に込めて放った一撃は、刃と刃が交差する音と共に防がれてしまった。
「な…何……?」
予想していない事態にジュードは焦る。
アヴァルスは右手を肩越しに後ろに回す動きだけで防御したのだ。
前を向いたままなので見えている訳がないのに。
いや、それ以前にマヌーサが効いているはず。
(足音で気付かれたのか?)
しかし攻撃の軌道までは分からないはずだ。
その疑問の答えを見つける前に、フィリアのモーニングスターによる攻撃が飛ぶ。
時間的に見れば二つの攻撃はほぼ同時だ。
しかしそれすらもアヴァルスは空いている左手で難なく無効化する。
同じくダガーでモーニングスターのチェーンを絡め取ってしまった。
「へへ……残念」
2人の攻撃を嘲笑ったアヴァルスは、背後のジュードに右足を引っ掛けて体勢を崩させる。
と同時にフィリアの手から武器を取り上げるかのように左手を力の限り引っ張った。
圧倒的な力の前にフィリアは成す術無く、手からモーニングスターをこぼしてしまう。
その目はいつもより見開かれ、驚きを隠せないようだ。
アヴァルスは引っ張る力を利用して左足を軸にその場で反時計回りに回転し、
その遠心力を右足に乗せて、先のお返しとばかりに倒れかけのジュードを蹴り飛ばした。
「がっ……!!」
攻撃力の上がった蹴りの衝撃で、ジュードは面白いように吹き飛んでいった。
そしてちょうど一回転するところで背中に回していた右腕を伸ばして、
野球のフォームで球を投げるようにダガーをフィリアに投げつける。
530 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:11:37 ID:260lfAA50
引っ張られて前のめりになっていたフィリアは着地を考えずに身を投げ出して
ダガーを避けるが、それを見越したように二本目のダガーがフィリアを襲った。
「……!!」
フィリアは唯一の防御手段である腕を犠牲にして頭をかばう。
装備している服では守備力が足りずに、ダガーは腕を貫通してしまった。
(抜いて、回復呪文……)
顔をしかめながらも痛みに負けずに脳がはじき出した対処方法に従おうとするが、
ダガーの柄に手を掛けようとしたところで力が入らなくなり、フィリアは地面に突っ伏した。
フィリアの血が土を濡らしていく。
「へへへ……こりゃあ思ったよりも上手くいったなぁ」
「げほっ……フィリア……」
動かそうとしたジュードの右手の甲にもダガーが突き刺さる。
簡単に骨を貫いたその攻撃に、ジュードは剣を落としてしまう。
それは痛みからだったが、ほんの数秒で腕の感覚が無くなってしまった。
「アサシンダガーの味はどうだ?」
余裕の足取りで歩きながら語りかけるアヴァルス。
惑わされていた先程とは違い、進行方向は確実にジュードへと向けられていた。
「マヌーサ…効いてなかったのか」
「いやいや、今でもニイさんの本当の姿は見えてないぜ?」
「じゃあ何故……」
「んまぁ、盗賊の能力を測ろうとしなかったニイさん達が悪いって事だな」
「能力……?」
531 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:17:07 ID:260lfAA50
空間把握能力とアイテム探索能力に長けている盗賊という職業。
彼はマヌーサをかけられた時からある呪文を使っていた。
その呪文の名はレミラーマ。
アイテムの場所を探る効果があり、その場所が光となって知覚されるという。
その光はマヌーサに惑わされずにジュードとフィリアの行動を彼に教えてくれた。
正確には2人の装備している道具がどう移動しているかを把握した、と言うべきか。
しかしジュードにはそんな事に思い至らない。
頭がボーッとして段々と視界が狭まってきた。
どこかで水の音がした気がした。
「へへへ、さぁどうする? 今ならまだ仲間に戻してやるぞ?」
「最初から仲間になんかなった覚えはないぜ……」
「そうか、残念だなぁ…」
心底悲しそうに言う。意外に役者なのだろうか。
しかしニヤニヤ顔が気持ち悪い。
「アンタみたいに迷ってるヤツに道を示すと何故か迷いがなくなるんだよなぁ。
こんな仕事でもよ。
だから引きずり込むのに調度いいんだ。分かるか?
使い捨てが出来るって事だよ」
バカなヤツに教えてやってんだ、と言わんばかりのアヴァルス。
完全に見下されてるのが分かる。
「けどアンタに声をかけたのは失敗だったかな?
下手な潜入捜査のつもりか何だか知らないけどよ。
最後で裏切られちゃあ困っちゃうよなぁ」
結局利用されるだけだったジュードを悔しさが包む。
けれど毒のおかげで、そのこぶしを握る事も出来ない。
532 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:26:44 ID:260lfAA50
「俺がいなきゃ里は見つからなかったんだぞ…
それに…裏切ったから仕事が増えて……ふっ…!
大好きな金が貰えるじゃねーか……
やっぱバカなんだな…」
頭が痛い。
喉が渇いて、上手く喋れない。
毒なんか使うなんて卑怯だ…
色んな思いがジュードの中を駆け巡る。
勝てなかった。
守れなかった。
コイツの言う通り、迷いがあるせいなのか…
やっぱり分からない。
まだ求めるべき答えの糸口さえも見つからない。
「へへ、確かにまぁそうだな。
じゃあ感謝するよ、ジュードさんよぉ!!」
アヴァルスのアサシンダガーが再び振り下ろされる。
ジュードは動かない体に怒りを覚えながら、最後を覚悟した。
しかし神はまだジュードに終わりを告げはしなかった。
刃物が刺さるより前にポカッと間抜けな音がしたのをジュードは聞いた。
続いて人の倒れる振動が伝わってきた。
「はぁはぁ……ったく、だらしねぇなぁ…」
薄れ行く意識の中で、濡れた眠りの杖と開けられた宝箱を見た。
533 :
暇潰し
◆ODmtHj3GLQ
:2007/02/22(木) 00:29:13 ID:260lfAA50
短いですが、今日はここまで。
>>528
さん支援ありがとうございました。
ではまた。
534 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/22(木) 20:21:47 ID:ALsG+maaO
暇潰し氏乙!
戦いぶり臨場感あるなぁ。
535 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/23(金) 22:58:19 ID:RV9AU7xf0
ホッシュッ!!
536 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/24(土) 22:15:46 ID:+H8wVcyZ0
更新無くても倦まずに保守
537 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/25(日) 18:42:53 ID:CfuZtWcK0
自分が更新する側になる日を夢見て保守
538 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/02/25(日) 23:36:20 ID:1ImZWZEdO
みなさんお疲れさま保守
539 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/26(月) 21:18:46 ID:f0edg0sb0
保守は3日に1回ほどでいいんじゃない?
最近この板では10日以上書き込みの無いスレでも落ちて無いし。
保守ばっかりで埋まるのもなんだし。
まあ、このスレ初?の1000を目指してみるのもアリか?(今325KB)
でもやっぱり保守
540 :
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 15:55:47 ID:IbD5/7GN0
またまたお久し振りです
遅ればせながらお礼を
>>472
>>473
>>474
……(*´д`)
>>475
感謝です
ちょっと暗すぎやしないかと
最近の展開が心配です
>>481
ありがとうございます
家庭環境(?)については
どうやって書こうかなーって感じで
姉妹にはしないつもりですが
(ゲーム上ではそのへん出てこなかった気が)
>>読んでくださる方
いつもありがとうございます
541 :
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:01:04 ID:IbD5/7GN0
>>タカハシさん
乙です
>>レッドマンさん
改めておかえりなさい
親子いいなあ、ほろりとしました
続き期待してます!
>>暇潰しさん
クライマックスひっぱるなあw
自分も緊迫感ある戦闘シーンを書きたいです
なんかあっさりしてしまう・・
では
>>470
続きです
542 :
アルカパ
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:02:39 ID:IbD5/7GN0
目が覚めるともうすっかり夜だった。
ビアンカは先に目を覚まし、既に装備を整えていた。
夕食をとりそこなった事に気づいたが、不思議と腹は減っていなかった。
夢なんだともう一度自分に言い聞かせる。
『起きたのね。今日こそお化け退治に行きましょ』
言いながら、ビアンカが俺の手を取って身を起こさせる。
感傷はまだ残っていたが、俺はビアンカに笑い返してその手に体を預けた。
昼間購入した装備をビアンカに見せる。
ナイフと鍋の蓋はキッチンに戻しておくようビアンカに言い、
真新しい棘の付いた鞭を手渡した。
ビアンカは嬉しそうに『ありがとう』と言い、
初めてのちゃんとした武器を物珍しそうに眺めている。
木の帽子は格好悪いから、と
ビアンカが身に付けるのを嫌がったので自分で被り、
うろこの盾をビアンカに渡した。
渋々それを左腕に装備する。
昨日と同じように慎重に注意を払って宿から抜け出すと、
夜の闇は昨日ほど恐ろしいものではなくなっていた。
月明りは煌々と世界を照らし、
草原の緑が濃い波を立てて風に靡いている。
北の城、と確認して俺とビアンカは、
北へ向かう細い道を辿っていった。
543 :
アルカパ
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:03:18 ID:IbD5/7GN0
戦闘は随分と楽になった。
いばらの鞭を手にしたビアンカは、昨日とは見違えるほど強くなった。
初めは扱いにくそうにしていたが、
何度かの戦闘で慣れてくると一振りで複数のドラキーを仕留め、
嬉しそうににこにこと鞭を撫でている。
『サンの言ったとおりだったわ。強くなるって楽しいのね』
昨日は苦戦した芋虫の死骸を爪先で蹴りながら、
ビアンカは鼻歌さえ口ずさみそうな声色で俺に言った。
小銭を抜き取りながら返事をして、俺は顔を上げて空を仰いだ。
青黒い空の向こう側に、暗く城の輪郭が見える。
立ち上がって声を掛けると、ビアンカは
ぴょんと跳ねるようにして俺の後ろに付いた。
一歩ずつ、足を進めるごとに城の姿が大きくなっていく。
現れたモンスターはもう簡単に倒すことが出来たが、
べったりと張り付くようにそびえるレヌール城の影が、
何故だか恐怖さえ覚えるほどに不安を掻き立てていった。
ビアンカは相変わらず、そんな不安には無頓着なように
軽い足取りで草原を進んでいく。
これが子供なのか、と俺は羨ましくさえ思った。
544 :
アルカパ
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:04:24 ID:IbD5/7GN0
『あら、子猫ちゃんだわ』
開け放たれた城門がすぐそこに見えるまで近付いた時、
ビアンカが唐突に声を出した。視線の先には、
町で子供たちが虐めていたのと同じような姿の動物が一匹、
こちらには気付かない様子で横切っていく。
『なんでこんな所に。あの子達町の外に捨てちゃったのかしら』
歩み寄ろうとするビアンカを制止して、俺はモンスターだよ、と囁いた。
相手はまだこちらには気付かない。このままやり過ごせるだろうか。
『モンスター?あの子が?』
俺に倣うように声を潜めてビアンカが言う。
頷いて、同じだけどあの猫じゃない、と俺は言った。
ビアンカの瞳が少しだけ真剣になる。
『じゃあ、あの子達モンスターの仲間を虐めてたの?』
もう一度頷いて、俺はモンスターに目をやった。
ビアンカは信じられないという面持ちで俺の顔とモンスターを見比べている。
ざわ、と風が抜けた瞬間。
通り過ぎかけていたモンスターがひくりと鼻先を震わし、
警戒するようにこちらを振り向いた。
その視線が俺の視線を捉え、剥き出した牙の隙間から
ぐるるる、とこちらにも聞こえるような威嚇の唸り声を上げる。
『猫ちゃん・・・』
呆然とその姿を見つめるビアンカの隣で、俺は武器を抜いて身構えた。
敵の視線が俺とビアンカを見比べ、無防備な少女の前で止まる。
545 :
アルカパ
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:05:19 ID:IbD5/7GN0
「ビアンカ!」
敵が地面を蹴ると同時に俺は叫んだ。
びくりとビアンカが肩を揺らし、反射的に盾を目の前に掲げる。
敵の牙は盾に弾かれたが、ビアンカは衝撃で後ろに転び尻餅を付いた。
立て直す前の敵の背中に一撃を食らわす。
相手の背中から僅かに液体が飛び散り、武器を汚した。
ぐるる、とまた敵が唸った。
「ビアンカ!」
もう一度呼びかけると、ビアンカは
思い出したように立ち上がり、武器を手に取った。
その手に未だ迷いがあるのが解る。
モンスターはこちらを伺うように唸り声を上げている。
俺のつけた傷が痛むのか、時々僅かに表情をゆがめている。
後一撃あれば、多分倒せるだろう。
止めを刺そうと武器を構えた直後、
ビアンカが何ごとかを発したのが聞こえた。言葉が聞き取れない。
振り向こうとした時、辺りが赤い色に染まった。
眼前を横切って、真っ赤な炎の塊がモンスターに向かって行く。
ビアンカはさっきのままの姿勢でそれを見つめている。
ぼん、という炎のぶつかる音と、モンスターの悲鳴が響き、
余韻も残さずに闇に溶けて世界が沈黙した。
目の前がちかちかする。
目を開けても、ネオンのような緑色の炎の残像が
闇に慣れた眼球を追いかけて視界を濁らす。
何度か瞬きをしながら俺は、ビアンカの傍に歩み寄った。
546 :
アルカパ
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:08:53 ID:IbD5/7GN0
『あたし、今・・・』
自分の両手を見下ろしながら、ぽつりとビアンカが呟く。
『・・・びっくりしたわ。呪文って凄いのね』
自らの放った炎に呆然としながら、ビアンカが言った。
少女の目に迷いはもうなかった。
見えるのは、純粋な感動と、おそらくは、快感。
まだぼんやりと自分の手を見下ろしているビアンカに、
俺は行こう、とだけ言って城の正門に向かって歩き出した。
何故か胸糞悪かった。
「猫ちゃん」を心配しながら、同じ生き物に手を挙げる。
結局自分もそうなのだ、それは理解しているつもりだけど。
同じ事をする、それを楽しむ、無邪気なビアンカの振る舞いが
今になって何故か哀しかった。
この世界では当たり前だ。
モンスターを殺すことも。自らの強さに酔うことも。
自分だってそうじゃないか。何の疑問も持たずに、異形と判断した生物を。
この世界では。この世界では。
それなら俺の世界はどうだ。
同じことをしていないと、言い切れるのか。
俺はどうだ。
何の迷いもない、それは正しい、本当にそうか。
それなら俺は、この世界では異形のものではないのか。
近付くごとに城が月を遮って、俺は暗闇に足を踏み込んでいく。
547 :
◆u9VgpDS6fg
:2007/02/27(火) 16:10:31 ID:IbD5/7GN0
本日ここまでで
ありがとうございます
投下ペースに書くペースが追いつかず
書き溜めが尽きそうです(笑
またゆっくりになるかも
次回も宜しくお願いします
548 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/27(火) 17:11:48 ID:KokievsS0
乙!
ビアンカ、可愛いなーと読み進めていたが、後半の展開にやられた。
後々メラゾーマをぶっ放す素質ありありですなw
主人公の自然と魔物使いに進みそうな、心の動きが上手い。
549 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/27(火) 20:21:46 ID:kHsBzMgt0
乙。
現実であれば、魔物と動物の境界なんてないも同然。
その動揺が当たり前で、なんか悩ましいな。なんともいえない。
550 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/27(火) 21:06:52 ID:3MaoOlEF0
イイヨイイヨ〜(・∀・)
551 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/27(火) 21:25:38 ID:/65jXd/00
今回も面白かった
主人公達と一緒に◆u9VgpDS6fg 氏の文才もLVうpしてるかんじ
続き期待。
552 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/02/28(水) 01:36:39 ID:QVsXJWAO0
うわー、深いです。
ビアンカちゃん、こんなことでこれからやっていけるのかな・・・とおもったら、この展開。
子どもゆえの、無邪気さゆえの残酷さっていうの、ありますよね。
猫ちゃんをいじめていた子ども達と2人がかりで魔物を殺す主人公達とどう違うのか。
いろいろ考えさせられます。
553 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/03/02(金) 12:54:01 ID:lIB7wMEE0
みなさま、お久しぶりです。
久しぶりにまとめサイトを更新させていただきました。
職人のみなさまお疲れ様です。
タカハシの物語は、続きを書いてあるんですが時間がないため、
直接まとめサイトへ掲載させてもらいました。
まとめのトップからリンクをクリックしてください。
スレへの投下が出来ず、申し訳ありません。
では、また忙しくなるのでそのうちに。
554 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/02(金) 17:53:41 ID:15ZBRHuq0
タカハシ氏乙です!
555 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/02(金) 20:42:49 ID:i7N9WZTX0
更新日が未来になっとります
556 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2007/03/03(土) 02:52:22 ID:3GwpAAS3O
>>555
さん
気づきませんでした…
まとめも途中のをアップしてしまってるし、急ぐとロクな事がないですねorz
折りを見て直しておきます。
557 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/04(日) 23:15:12 ID:PjVleOkg0
ちゃんと感想書けないけど楽しく読ませてもらってるよ保守
558 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/06(火) 07:42:00 ID:QZXOzw+70
二日で保守
559 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/07(水) 22:33:12 ID:+tQVb8sJO
ほす
560 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/09(金) 00:49:15 ID:jX3MZagJ0
守って保つぜ!
561 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/11(日) 01:42:27 ID:1XUevERK0
◆u9VgpDS6fg さんの作品を読んで、DQ5引っぱり出してきちゃった
まとめサイトでも時間を忘れて読みふけってます
ゆっくりと練ってから更新してください。期待してます
と言うわけで、保守。
562 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/12(月) 11:31:06 ID:yy8ZLuG50
このスレ向きじゃないか?
ttp://eucaly.net/~iso50/createStatus/createStatus.html
563 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/12(月) 23:52:42 ID:aYNNQch30
>>562
FC版の夜の青色が大好きだったんだ
癒されるw
564 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/14(水) 01:56:23 ID:5B1ERKLv0
帆狩
565 :
焼肉屋
:2007/03/15(木) 11:03:49 ID:qf/eOLKpO
あげ奠奠
566 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/15(木) 14:00:15 ID:aSIdlme20
hssry
567 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/15(木) 15:13:15 ID:7fQyUflqO
久々に
>>1
から読みふけった
568 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/15(木) 20:42:00 ID:oIMRaKZH0
tennou-ha sini-masi-ta
569 :
焼肉屋
:2007/03/16(金) 10:30:33 ID:LPYWJ/HlO
あげ
570 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/17(土) 10:01:28 ID:L719GYpYO
保守
571 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2007/03/17(土) 20:10:15 ID:8GZC5S8i0
4の人もうこないのかな(´・ω・`)
572 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:25:50 ID:irPHk7bj0
終章
ピサロがデスパレスに戻って来た時の魔物たちの反応は様々だったが、大半が彼の帰還を喜んでいたのには驚いた。
意外と人望があるのか…いや、魔望…魔にとっての希望なのか。この男が。
玉座まですんなりと昇って行くと、そこには巨体の魔術師がいた。
「エビルプリースト…」
「ピサロ様…いや、ピサロ。今更のこのこと戻ってくるとはな…」
「愚か者め…それは私も同じか。多くは語るまい。それこそ…今更だ」
魔界の剣を抜き放ち、ピサロが構えるのと同時に、ソロ、ソフィア、アリーナが臨戦態勢に入る。
俺もまた剣を抜き、皆より一歩下がった場所で構えた。すぐに術の構成に取り掛かる。
エビルプリーストの身体が変化する――それはデスピサロと同じ変化だった。
腕を飛ばし、頭を潰したあの状態へと変化し、腹に眼が浮かぶ…まるであの戦いを早回しにしたかのような。
「進化のスピードが速まっている…?」
「デスピサロの時と同じ、という事はあの変化がやっぱり進化って事になるのかしら。…私、進化したくないなあ」
最後の決戦が始まる――。
そう、息を呑んだのは良いのだが。
「睡魔(ラリホーマ)」
ソロのラリホーマで一発で寝るエビルプリースト。
ちょ、いいのか!?緊張感たりなくね!?
俺が内心突っ込んでいるとさっさと攻勢力向上(バイキルト)をかけろと言われる。
いいじゃないか…どうせピサロも使えるんだし。
ま、ソフィアに対して使われるとむかつくから俺がやるけどさ!
573 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:26:23 ID:irPHk7bj0
ピサロが回転しながら宙を移動し(!)ソロ、ソフィア、アリーナが打ちかかる。
俺とミネアは後方待機だ。正直、この面子で負ける気がしない、というのが俺の本音。
特にピサロがなあ…あれ変態だわ。
豊富な魔術に強力な剣技。修正してください。
あっという間にエビルプリーストの形態が変化していく。
最早――敵では無かったのだ。その、最初から。
彼奴が死に物狂いで吐き出した冷たく輝く息でさえも――ミネアのフバーハで威力は著しく軽減され、ソロの極限治癒(ベホマズン)が全てを無かったことにする。
アリーナが会心の一撃をぼこぼこに繰り出すし、ピサロは自分に攻勢力向上を施し魔界の剣を振るう。
そして――ソフィアだ。
あの狭間の世界での戦いは彼女を飛躍的にレベルアップさせたらしく、今や彼女の剣は比類なき冴えを放っていた。
「ば…ばかな……。
……それとも これも……進化の秘法が…見せる幻影…なのか……」
ざらざらとした風化し、消えてゆく。
最後まで魔族の王を自称した、愚かな末路。
「……バカめ」
ピサロがぽつりと呟いた。
彼にとっては、愛しき者を奪った憎き敵。で、ある筈なのに。
その眼には憐憫の光が宿っているように思う。
そんな彼のマントの端を、離れて見守っていたエルフの娘がそっと握った。
――そのときだ。
あの、忘れがたい声が響いてきたのは。
声は誘う。
勇者を、天空の城へと。
眩い光が辺りを覆う。ソフィアは、思わず瞳を閉じた…。
574 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:26:55 ID:irPHk7bj0
外に出ると、馬車もまた消え果ていた。
その場に残されたのは、俺と、ロザリーと、ピサロ。
「私は仮にも魔族を束ねるものだ。天空の城に暢気にはいることなど無い」
そう言い捨てて、魔王は歩き出す。
城を出るまで何かしらに集中しているような素振りを見せていたのは、ソロとソフィアにメッセージを投げていたらしい。
…意外と律儀な男だ。
「何をぼんやりしている。速くついてこい」
「……」
「お前とは話したいこともある。
それに…此処に残りたいのか?」
「まさか。…けど、そうだな」
ニヤリと笑うピサロ。
俺はなんとはなしに背後を振り返り――その幽鬼のような城から避けるように前へと進み始めた。
って前は魔王じゃん!ロザリーの後ろについていこう…。
575 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:27:49 ID:irPHk7bj0
ロザリーヒルの丘から空を進む気球を眺める。
のどかな気球の旅が何処か懐かしい。
やがて、ピサロが一人、こちらへと歩いてきた。
「もう、いいのか?」
「ああ…」
俺の問いにピサロは短く答え、歩き出す。
ゆっくりと…小さくなっていく気球から、未練を断つように。
俺はキメラの翼を空に放り投げる。
ブランカへ――だが、空に舞った羽はそのまま地に落ちた。
「ダメだな…そっちは?」
「少し待て。行ける所を探す」
ピサロが瞬間転移(ルーラ)の術を紡ぐ。
だが、それも中々発動しない。暫くの時が流れ、ようやく発動したその術で、俺たちは草原のど真ん中へと現れた。
この風景は…見覚えがある。…そうか、ここは…ブランカの東…か…。
俺達は逸る気持ちを抑え、歩き出した。
576 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:28:26 ID:irPHk7bj0
「今頃、どの辺にいるのかな」
「さてな」
「まずはサントハイムだな!
鳥卵がサントハイムの人達をこっちに帰してくれてる筈だし、今頃アリーナは喜んでるだろうなあ」
飛び跳ねて王に駆け寄る娘。
それをしっかりと受け止める、頼もしき王。
王と兵は姫の帰還を喜び、姫とその忠実なる僕二人は王と兵の帰還を喜ぶだろう。
そして、勇者により世界が救われたことを。
「宴が何日も催されたりして…だけどあんまり長居もできないから、こっそり抜け出してたりしてな」
「あの姫君のことだ。恐らくそう簡単には…そうだな、ソロが残ったかもしれん。アレがいれば暫くは収まるだろう」
「じゃあ次はバトランドだな!ライアンは王宮戦士だから…やっぱり宴とかかなあ」
「あの国は武人の国だ。華美な催しは得手ではあるまい…皆も故郷へ帰りたいと思えば早めに辞しているやもしれん」
「なるほど。…その次はエンドールかな。トルネコさんの奥さんの料理は美味かったなあ…ってそういえば城の中にデスピサロにビビッてるのがいたような…」
「なんだそれは?」
「なんだったかなー剣幕にビビッた思い出。その後はモンバーバラ…かな?」
「…あの小さな村かもしれないな」
「…ああ、そうか。そうかもしれない…」
577 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:30:24 ID:irPHk7bj0
夜が更け、梟の鳴き声が聞こえる。
ぱちぱちと木の爆ぜる音。
静かな森には虫の声も響き、賑やかなことだった。
尤も。
仲間が皆一緒だった旅とは比べ物にはならなかったが。
「それで…」
長い沈黙を破り、ピサロが口を開く。
放った薪がぱちっと乾いた音を立てて燃え上がった。
「何処まで気付いた」
「……ああ」
何処まで――または、何を。
「マスタードラゴンは進化の秘法を使ったな?」
ほう、とピサロの眼が見開かれる。
彼の眼は、彼の神のそれとは違う。
小さなものを見るような眼ではない。彼は、魔王は今、対等に俺を見ている。
「どうしてそう思う?」
「天空城にあった書とエドガンの手記を読めば誰でも想像がつくさ。
ヤツが元々何であったのかは解らない。だけど、究極の進化とは何か――それをあの姉妹の親父さんは掴んでた。
即ち、神へ至る道、だ。そもそも錬金術っていうものは…そういった術、学問であったから」
「…かつて、エスタークと呼ばれた存在がいた。
彼は…神と同じ道程を辿り究極の進化を遂げ、比類なき力を手に入れようとした。
が…神は一つの世界に神が並び立つことをよしとしなかった」
578 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:30:58 ID:irPHk7bj0
「だから、封じた。滅ぼさなかったのは…さて、誤算か意図か、どちらでも良いことかな。
神への反逆者を地獄の帝王と断罪し、地の底へと」
「地上にとっては平和な時間の始まりだ。
だが…奴にとってはその平和な時間も…酷く、退屈なものだった」
深い森。ブランカからこの場所までの道に存在する民家はたった一件だけ。
もう少しで…辿り着く、彼女の村であった場所。
「一人の天空人と一人のきこりの間に産まれた運命の子供が育った村を魔王に滅ぼされ…。
導かれし者達と共に魔を打ち倒す物語…」
「そう。それが数十…数百万と繰り返されてきた。もっとも…私の結末は、流転したが…それも大枠を外れることはない」
「そして…」
「……。急ぐぞ。休憩は終わりだ」
俺たち二人は火の始末をし、再び歩き出した。
嘘であれば良い。
だが、嘘では無いだろう。そう…確信していた。
あの眼をしたものならば、やるだろう。そこに躊躇いなど…あろうはずもない。
懐かしい…風景。
彼女と二人で走った森。
先にあるのは、絶望の象徴。
ああ――なんて、酷い。此処はただの更地では無い。更地であれば良かった。
此処には、人の住んでいた痕跡がある。
579 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:32:34 ID:irPHk7bj0
「私は…後悔はしていない」
ピサロがぽつりと呟く。
ともすれば眼を逸らしたくなる光景を見据え、俺もまた後に続く。
やがて、村であった土地の中央部が見えてくる。
懐かしい…そう、確かあそこには…花畑が――ある訳が無い。
だって、あの土地は焼き尽くされたから。
今尚、爪痕は痛々しく残り、ぼこぼこと不気味な気泡を時折噴き出す浅い沼のようになっている。
そして、その中央に。
「――――――――――」
嘘だと。
言って欲しかった。なのに、ピサロはただその沼地を見詰めている。
俺はふらふらと歩き出した。
ふらふら、ゆらゆらと、夢遊病にかかるとこんな足取りになるのだろうか。
だって、まるで夢心地。
そんなことはあってはならないことだから。なら、それは夢であるべきで。
「……ソフィア」
青白い顔をした少女。
沼地の中央で、まるで眠っているかのよう。
幸せそうに微笑んでいる。きっと、楽しく、嬉しい夢を見ることができたに違いない。
…末期の、夢は。
半分ほど沈み込んでいた少女の身体を引き摺り上げる。
びりびりと、毒素が俺の身体を苛むがそんなことに気を割いている余裕などない。
いや…余裕はあったのかもしれない。
もう…手遅れであったから。
580 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:33:25 ID:irPHk7bj0
仲間を送り、勇者は独り育った村へと戻る…勇者には、そこしか行き場所が無かったから。
滅んだ村――その中央で。勇者は俯き、背負った盾が地に落ちる。
そのとき、奇跡が起きた。
勇者の周囲、毒の沼地がかつての花畑へと変貌し――喪われた命が一つ、輝きを取り戻す。
再会。そして、勇者の仲間たちが駆け寄る……。
まさに絵に描いたようなハッピーエンド――とてもとても、幸せな…夢。
ピサロが行う完全蘇生(ザオリク)の呪。
彼女の瞼は…開く事は無い。
「魔王、などと呼ばれても…神の呪には、届かない。
情けない話だがな…」
「…………」
声も無い俺を、ピサロは責めることはなかった。
ただ、少しだけ…悼ましそうな眼をして。何かに気がついたかのように、森へと視線を転じる。
「…来たか」
荒い息遣いで現れたのは…ソロだった。
呼吸を整える間すらも惜しんで駆け寄って…そして、知る。最愛の妹の…●を。
581 :
終章
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:34:03 ID:irPHk7bj0
うぐ。ぎ。ぐう。
ギイ…がぐううううううう嫌だ嫌だ嫌だ認めない知らない…。
違う。
それじゃダメだ。それじゃあ何一つ…俺は成長していないことになる…。
俺の存在。俺の運命。俺の…為すべきこと、成したいと思うこと。
「ソフィア…こんな…。
本当に、これは…奴の…ピサロ、お前が常々言っていた、神の仕業なのか…」
「…確かめてみるがよかろう。彼の神に、直接、な」
「ピサロ…そう、だな。…そうしよう」
勇者と魔王。
決して並び立つ筈のない存在が今再びその道を同じくする。
そして――。
「……行こう」
二つの影が、三つに増える。
全てを終らせる為に。
全てを、変革する為に。
終らない物語を終らせる…為に。
582 :
神殺
◆gYINaOL2aE
:2007/03/17(土) 20:36:25 ID:irPHk7bj0
天の玉座に竜の神。
世界を統べる、絶対たる王。
その王の前に今、三つの矮小な命がある。
勇者も。
魔王も。
彼の存在にとっては、吹けば飛ぶ程度のものでしかない。
それを、まるで魔王は自分と匹敵するかのように…。
勇者が魔王を打ち倒せる唯一の存在であるかのように…。
祭り上げ、おためごかし、意のままに操り。
「デスピサロ…いや、ピサロ、か…。
そなたも懲りぬな…」
「……」
「数十万という途方も無い数を、たった独りで私に挑み、その度に破れ…。
少々、飽いた。今回は中々に楽しめたというに最後がこれでは――」
「マスター…ドラゴン」
「――ほう。ソロか?ソロもいるのか――これは、そうか…」
喜色を浮かべるマスタードラゴン。
それに対し、疑問とも戸惑いとも言える表情でソロは問う。
「貴方が…ソフィアを…」
「ああ、そうだ。あの結末は私が用意した。
悪くはないだろう?帰るべき場所は既に滅ぼされ…待つ人のいない村に独り戻る勇者…。
本来絶望しか無かった者へのせめてもの手向けだ。実際、あの娘はよくやってくれた」
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