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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/11(土) 21:30:54 ID:2kKEOzWo0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1134827399/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/

413 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/13(木) 22:22:44 ID:Spu2TPAH0
>>409
男塾か?

414 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 06:30:05 ID:Ff5OfH1cO
>>412-413
おまいらレスミスりすぎw
>>408だろ?しかもにしこりだったっけ?

415 :素股三四郎 ◆BmPkDhDVz6 :2006/04/14(金) 08:04:47 ID:AJOGTKft0
朝、目覚めるとそこは見たことも無いベットの上だった。
ガンガンする頭を振りながら横を見ると、見たことも無い女が寝ている。
(またやっちまったか・・・)酔うと見境無く女を連れ込んでしまうのが俺の悪い癖だ。
よっ、とベットから飛び出すと思いっきり窓を開け朝日に俺のマグナムを晒す。
うーん、いい天気だ。
「いつまで俺のベットで寝てんだよ」俺は牛のようにだらしなく寝る女の形のいい尻をぴしゃり、と叩く。
童貞諸君の皆さんは人の家に泊まっておいてこれは無いと思うだろうが、
こう理不尽に言ってやったほうが女と縁は切りやすいのだ。 「とっとと出てけ、この売女」
「あなたは198人目のプレイヤーです」突然、女が機械のようなかすれた声でしゃべりだした。
「あなたはこのゲームの主人公です。迫り来る敵を倒し、大魔王から世界を救い出してください」
なんだ?何を言ってるんだこの女は?状況の飲み込めない俺は冷静さを装いながらも
ついチンコをしごいちまう。コレも俺の悪い癖だ。 「どういうことだ?」
突然、窓がぶち破られ、外から見たことも無い馬鹿でかいコウモリが現れた。「キキーッ」
何かやばそうだ。コウモリはかわいいつぶらな目をしているものの、
しかしその大きく開けた赤い口は、完全に人肉をほおばる種類の生き物である事を俺に告げていた。
やばいぞ。完全にやばい。しかし俺はこういうときこそ落ち着いて考えられる男。冷静に考えよう。
俺は今、見知らぬ女の家で見たこともない怪物に襲われている。そんなときどうすればいいか。
すぐさま俺は人差し指を両のこめかみにあて、「ぽっく、ぽっく」と独特のリズムでいい案を考え出した。「チーン」
思いついた。俺はすぐさま部屋にあるものを片っ端からコウモリにぶつけることにした。
鏡も、花瓶も、タンスの引出しも、全てだ。知ったこっちゃない。全部この知らない女のものだからだ。
後で警察が来て面倒な事になったらすぐ逃げてやる。

416 :素股三四郎 ◆BmPkDhDVz6 :2006/04/14(金) 08:05:56 ID:AJOGTKft0
「死ねええ!」飾台を思いっきりぶつけたのが功を奏したようだ。でかいコウモリは動かなくなった。
しかし俺を驚かせた罪は重い。すぐさま俺はコウモリを何度も何度も踏み潰す。
そして出てきた内臓に火をつけて燃やした。「ふはは、燃えろ、燃えろ」
「そこまで!」つんざくような声で、さっきまで動かなかった女が叫ぶ。
「もういいわ。もうやめてちょうだい」 呆れたように女がため息混じりに呟く。
金髪をふりみだしてベットに中座すると、桜色の乳房が朝日の中で美しく揺れていた。
「いかがでしたか?私は反対です」突然、女は誰もいない天井へ向かって話し掛けた。
「確かに冷静ですが、余りに残虐すぎます。勇者には向かないかと」
勇者……?何言ってんだこの女。クスリで頭がイカレちまってるのか?可愛そうに。
俺は女の前に仁王立ちになる。
「ハイ…ハイ…しかしマスタ」ぴしゃん、と俺は自慢の超ロング馬並ポコチンで女の頬を叩た。
「お空と交信中のとこ悪いな」イカレちまってる女を落ち着かせるには、これだ。「咥えろ」
ピシャリ。遠くで何かが割れる音がし、耳の奥がキーンと鳴った。「調子に乗ってんじゃ、無いわよ!」
どうやら俺はこの女にひっぱたかれたらしい。
茫然自失の俺にかまわず、女はますます別世界との交信を始める。
「ハイ。どうやらあなたの見込み違いなようです。この男に世界を救う力があるとは私には思えません!」
ふつふつと、俺の中に怒りが充満するのが分かった。「おい、黙って聴いてりゃ勝手なことばっかり言いやがって」
俺は完全に切れた。「てめえみてえな女が一番俺は気にくわねえんだ」
「何するの、やめなさい」 抗うのも構わず、俺は女に飛びかかった。
「やめてええ」俺は無理やり女の乳首を物凄い速さで擦る。
その摩擦力で火がつくぐらい、俺はコレでもかと擦り上げた。 「ああ、そんな、乳首にメラなんて」
訳の分からんことを、だがまあいい、どうやら感じてきたらしいぞこの女、と
俺は自分のもくろみが上手く行ってニヤリと笑う。女の股に手をやると十分湿った陰毛が、
俺の指をパックリ開いたアレに勝手に誘った。「ああん、いや、やめて、あっ、やめてえええ」

417 :素股三四郎 ◆BmPkDhDVz6 :2006/04/14(金) 08:36:41 ID:AJOGTKft0
「……ハイ……ハイ」
十分満足の行く行為が終わって、俺は煙草に火をつけていた。
「ハイ。ですから、その、やはり、私の勘違いでした、ハイ。この男、いいえ、このヒトには素晴らしい
勇者としての素質があります。ハイ。確かに、この世界の枠にはおさまらない破天荒なところがありますが、
それはでも、このヒトの魅力…というか、そんな型破りな性格だからこそ、大魔王から世界を救えるのかもしれません。
ハイ。分かりました。では、本格的に冒険を始めます。それでは」
「もうお空との交信はいいのか?」口に含んだ煙を一気に肺に流し込み、ふーっと吐き出して俺は言う。
「改めまして、初めまして」女は今にも四つ指立てそうな勢いで、俺のほうに向き直って恥ずかしそうに言い出した。
「こんな形で出会う事になっちゃって、ごめんなさい。と言ってもこれはあなたの無意識下のイメージのせいなんだけども」
「何が何だかわからねえや」もう一度煙草のフィルターから煙を吸い出す。
「あんた頭おかしいんだろ?SEXは最高だったけどな」
「ドラゴンクエスト」女がじっと俺の目を見詰めてつぶやいた。「やったこと無い?」
ふーっと煙を吐き出して、俺は言う。「あるよ」指先がかすかに痺れた。「小さい頃な」
「その世界に突然自分が飛び込んじゃったら、どうする?」
しばらく時間が流れた。女は真剣な眼差しで俺の目を真っ直ぐ見詰めてくる。
「見て」女が指差した方向には、さっき俺が燃やし尽くしたコウモリの残骸があった。
「あれは、ドラキーよ。あなたが倒したのは、まぎれもない、本物のドラキーなのよ」
「ちょっと待ってくれ」嘘を言っている様子は無かった。
「それじゃ何かい?」しかしこんな奴に限って関わるとろくなことが無い。
「俺は今ドラゴンクエストの世界にいるっていうのかい?」「そうよ」
女は自信たっぷりに言い切った。ヤバイ。俺の直感がそう告げていた。この女、ヤバイ。

418 :素股三四郎 ◆BmPkDhDVz6 :2006/04/14(金) 09:09:17 ID:AJOGTKft0
ゲームをやっているうちに自分がそのゲームの世界にいるような錯覚、
それは俺も味わった事がある。だからこの女の言っている事は何となく理解できるのだが、
ここまでくるともう完全に‘キ印’だ。ご愁傷様。
「いいSEXありがとう。俺帰るわ」俺は立ち上がるとその辺に落ちていた衣服をつかみ取り、
足早に部屋を出て行こうとした。「ちょっと待って」
後ろの方でいそいそと女が着替える音が聞こえたが、どうでもいい。
まとわりつかれないように、早いとこ逃げるだけだ。
西洋の旅館風の廊下を服を着替えながら足早に走り抜け、カウンターの親父の髭面にも目をくれず扉を開く。
開いて、俺はあんぐり口を開けた。「どういうことだ!」
街を歩いていたのは、どう考えても時代錯誤な衣服に身を包んだ人々と、
中世ヨーロッパにまいこんじまったかのような町並みの光景だった。
「だから言ったでしょ。あなたは今、ドラゴンクエストの世界にいるの」
追いついて来たた女が、俺の背後で静かに言った。「それも、勇者としてね」
「ああ?うるせえ!ここはどこだよ」
「始まりの街、ラダトーム」女は呟くように俺に言った。「とりあえず、王様に会いに行きましょう」
王様?ラダトーム?付き合ってらんねぇぜ。頭がこんがらがってきた。
俺はぎゅっ、っとチンコを握るとゆっくりさすりながら女に向かって言った。
「これは何かの祭りかアトラクションか?それともディズニーランドとか」
「期待していたより理解が遅いのね」長い睫毛をした青い瞳で俺の顔を覗き込んで女が言う。
「これはもう現実よ。レベル1の勇者さん」

419 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 16:23:41 ID:K+LYU/XR0
エロエロな主人公降臨!!
ウッフンアッハンな展開に期待していいかな?

420 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 20:29:54 ID:df1TVm6Y0
期待保守

421 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 20:41:41 ID:xnXMUSfUO
>>418よくできてんな〜

422 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 20:48:36 ID:YwL1EuX60
文体は上手いんだがこれはちょっと・・・

423 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 21:03:19 ID:DLTlylqs0
鬼畜王?w

424 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 21:56:55 ID:hVDdU7Gz0
>>422に同意。
既出の作品群には無い個性だが、やはり表現に抵抗を感じてしまう。
今後の展開が面白そうなだけに、残念。
下ネタ有りと明記して別スレたてて、他の同志募ってみては?

425 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/15(土) 02:05:09 ID:QdN7q59G0
面白いし、気になる作品ではあるだけど、板の性質上、小学生とかも
来訪者もいるからな…今後は全年齢版ではなく大人板寄展開になりそ
うだし

大人板でこのスレからの派生ということをスレタイに入れたスレを立てて、
続きを連載した方が良いかも。読みに行くので…

426 :素股三四郎 ◆BmPkDhDVz6 :2006/04/15(土) 19:15:28 ID:z8H9VnHX0
分かった。別スレ立ててシコシコやるよ。お目汚しすいませんでした。

427 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/15(土) 20:19:50 ID:6iLw95v4O
ちょwwこの板にたててるじゃねーかwwまぁ心意気は大いに認めるw

428 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/15(土) 21:31:43 ID:QdN7q59G0
まぁFFのヒロイン関連で結構あっち系が立ってたりするから良いんじゃね

429 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/16(日) 18:35:39 ID:DKLxb9DcO
保守

430 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/04/17(月) 00:37:37 ID:hXyOkRmI0
次に目を覚ましたのはあの酒場だった。そう例の神酒のとこだ。パンツがここまで担いできたらしい。
店長は号泣しながら礼を言ってきた。別にお前のためにデカブツと倒したんじゃねえ。
うざいから泣くな。と、ねーちゃんが手招きしている。ははーんさては俺の男の中の男の闘いっぷりに
惚れちまったか?ったくこれだからモテる男はつらいぜ。誘われるがままに店の外に出る。

勇者殿…

来た来た。いつでも準備は万端だぜハニー。今晩は最高級のスイートルームを予約しようかってぬお!
振り返った視線の先にいたのはおっさんだった。なんでてめーがここに居るんだチクショーが!!!
実は洞窟でこんなものを拾ったのですじゃとおっさんが勲章のような物を見せた。
竜の形をしていて真ん中にはよくわからない文字が刻まれている。なんだこりゃ。

それはジパングの紋章よ。それもかなり地位の高い人しか身に付ける事ができないものよ。

ねーちゃんが続ける。男心を弄びやがって酷いぜねーちゃん…ってえ!?どういう事だ!?
あの洞窟にこの国の偉い奴しか身につけられない物が落ちている。どうやら嫌な予感は的中した
ようだ。沸々と湧き上がる俺の怒り。すぐに酒場に戻り全員に召集をかける。

おまえらこれを見て欲しい。

みんなの視線が竜を象った紋章に集まる。


431 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/04/17(月) 00:38:34 ID:hXyOkRmI0
これは洞窟に落ちていたものだ。おっさんが拾った。ブローチだかペンダントだか何だかしらねーが
どうやらこの国のお偉いさんしか身に付ける事ができないものらしい。

勇者の顔が強張る。パンツが何か大発見をしたような顔で喋りだす。総長それはつまり…黙れ。
会議中においておまえに発言権は無い。

俺はハッキリ言ってブチ切れた。今から城に殴りこみに行くぞてめーら!

俺は大声を張り上げた。ちょっと待ってとねーちゃんが話し出す。

今日はみんな疲弊してる事だし準備を整えて明日改めて訪ねましょう。それにその格好じゃ
多分城の中に入れてくれないわよ。

自分の服を見つめてみる。ボロだ。これは服というより完全なボロだ。いやしかし服装など関係ない!
俺は今殴りこみをかけたいんだ!

あの…お取り込み中失礼しますがささやかですが出来る限りの料理と酒を用意しました!
娘の恩人です!遠慮なく食べて下さい!

……よし。出発は明日にしよう。

432 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:38:35 ID:RdyazwDA0
>>321続き
ピラミッドは王家の墓であり、財宝庫であり、イシスの象徴であった。
見るもの誰もがその大きさに圧倒されるだろう。
そして夕日がピラミッドに沈む光景には自然の偉大さを感じ、
夜の暗闇に佇む姿に畏怖と崇高さを覚える。
ピラミッドという存在は、ファラオの力を一番端的に示しているのだ。
「こっちの世界にもピラミッドあるんだね〜ますますエジプトみた〜い」
エジプトみたい、じゃなくてそうなんだけどね・・・
「よ〜し、一番乗りだ〜!!」真理奈が正面の入り口に駆ける。
「こらっ!ここは王子である僕が一番に決まってるだろ!」
フィリーが真里奈の後に続く。
「あっ、フィリー様!私も行きます!」
「待て待て、ここは危険が無いかワシが調べてからじゃな―――」
プエラ・パトリスもピラミッドに入って行った。
皆が宝探しにワクワクしている中、残されたジュードは
「は〜やってらんねぇぜ。何であんなヤツの為に・・・」と1人ダルそうにしている。
「・・・・」コクコクッ
ジュードの隣でフィリアが同意、とばかりに頷く。
「何だ?お前もアイツ嫌いなのか?」
「・・・・」コクッ
「だよなぁ〜あのうるさいトコが気にくわねぇ。お前もそうか?」
「・・・・」
違うよ、という目でジュードを見る。
「あ?違うのか?」
「・・・・・・・・・名前、似てるから」
フィリアとフィリー。
「名前?あぁ確かに似てるな!ってか同じじゃん!ははっ、こりゃ笑える!!」
爆笑するジュードの事を軽く睨み、フィリアは脇腹にパンチを入れる。
「いでっ!!・・・何だよ・・・」
ジュードを無視し、フィリアもピラミッドに向かう。
ごめんねフィリア。あんなのと似てる名前にしちゃってごめんね・・・


433 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:40:05 ID:RdyazwDA0
ピラミッドの入り口はそのまま大回廊となっている。
が、横幅が無いので2列なって進むしかなかった。
先頭に真理奈とパトリス。真ん中にフィリーとプエラ。しんがりはジュードとフィリア。
暗く、静かな廊下に唸り声が響いてくる。そして突然襲い掛かってくるモンスター。
「げげー!!これってミイラ?!」
「そうじゃな。気をつけるんじゃぞ真理奈。ここは狭いからの」
「大丈夫だって!うりゃあ!!」
ミイラ男にお得意の蹴りをかます。体をくの字に曲げ吹っ飛んでいった。
「王家の財宝を守るモンスター、か。もしくは財宝荒らしを獲物にしとるんじゃな」
しかし財宝が眠っているのに、このピラミッドの造りは何だろうとパトリスは思う。
普通何かを隠したり、大事なものを守ろうとする場合には厳重な扉をつけたりする。
それがピラミッドにはまったく無かった。イシスの兵士が警備をしてるでも無い。
「どうぞお取り下さい」とばかりに開け放たれている。
その代わりにモンスターがいるのかもしれないが・・・
(意図的にそうしている・・?まぁモンスターは財宝に興味はないからのぅ)
「それにしてもおじいちゃん達はジュードみたいに鎧を装備しなくていいの?」
真理奈の問いかけによって思考は中断されてしまう。
「ん?あぁ、あんな重たいモン装備しなくてもワシには呪文があるからの。
 例えばスカラという呪文がある。対象者の守備力を上げる効果があってな。
 これを使えばワシやフィリアのように防御力が低い者でも、
 モンスターの攻撃に耐えれるようになるんじゃ」
「へ〜」
「むっ!信じておらんな?よ〜し、スカラ!!さっ、真理奈よ。ワシに攻撃してみぃ」
「いいの?」「あぁ。逆に真理奈の方が痛いかもしれんがな。フォッフォ」
「じゃあいくよ〜」ボコッ!!!
「!!!!!!!」
「あっ、ゴメン!やっぱ痛かった?」
「いやいや、スカラのおかげでちっとも痛くないわい・・・おおぅ・・」
パトリスは真理奈に見えないように、懐からそっと薬草を取り出したのだった。


434 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:42:01 ID:RdyazwDA0
回廊を真っ直ぐには進まず、小さな部屋を片っ端から見て回る。
その途中で宝箱をいくつか見つけたが、どれもからっぽだった。
「まぁ、黄金の爪は地下に眠っているという話じゃからのぅ」
「でもどうやって地下に行くの??」
「・・・分からん。もっと先に進まんと地下への階段がないかもしれんな」
しかし、モンスターが引っ切り無しに襲ってくるので、中々先に進めない。
大体は真理奈の一撃やパトリスの呪文で倒せるのだが、
この狭い回廊では倒したモンスターをまたぐ必要があるので面倒なのだ。
そうこうしている内に大王ガマが姿を現す。
と、それまで珍しく静かにしていたフィリーが声をあげた。
「ええい!僕はロマリアの王子だぞ!僕だって戦える!!」
一番前に飛び出し、赤いカエルに突っ込むフィリー。
攻撃を仕掛けようとした瞬間、踏み出した足元の床が抜け、フィリーは姿を消した。
「フィリー!!」プエラが叫ぶ。
穴の中からは「わ〜!!助けて〜!!」という声が・・・
真理奈がすぐさま飛び込み、フィリーの上に着地する。
上の階より暗いが、周りにモンスタ−がいるのが雰囲気で分かる。
「ぐえっ!」という声を無視して、足に力を入れモンスターに飛び掛る。
「フィリー!?」
プエラが穴から降りて、これまたフィリーの上に着地する。
「うぎゃっ!」
「あっ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「ぜ、全然平気ですよ・・・」
「そんなカッコで言ったって説得力ないわよフィリー。
 ったく、どうせ姫にイイトコ見せようって思ったんでしょ?」
モンスターを追い払った真理奈がちょっかいを出す。
「まぁ、そうなのですか?」「っ!!」
赤面するフィリー。まぁ暗くて表情はあまり見えないんだけどね。
「違いますよ!僕はただロマリアの王子としてですね!」「ふふふ」
フィリーはプエラに手を引かれて立ち上がる。
そんな2人を見て真理奈は、うまくいけばいいなと思う。


435 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:43:07 ID:RdyazwDA0
ピラミッド地下1階。視界の利かない中を真理奈達はゆっくりと進む。
プエラはここに来てようやくピラミッドの本当の怖さを実感していた。
それは、暗闇がいっそう濃くなったとか、ここから無事に地上に出られるのだろうかとか
そういった不安や恐怖がもたらすモノではない。
明らかにここは力の強さが違う。
まるでファラオ王に直接見られているような―――
実際に会った事はないが、ファラオ王にはこんな風に場を支配する力があったのだろう。
そう感じざるを得ないような場所に隠す財宝は、まさに秘宝を呼ばれるのに相応しい物。
つまり黄金の爪をはそういった類の物なのだ。
それ故に手に入れるには危険も数段高くなる。
女王があの時、占いの結果を伝える時に躊躇いを見せたのも分かった気がした。
しかし、もしそうならば女王はなぜ今回の儀式に黄金の爪を選んだのだろうか。
プエラ『占い』が建前だという事を知っている。
所詮ファラオやルビスの名を借りて、思うままに政治を行っているに過ぎないのだ。
それなのにこんな困難な命を下したという事は、この結婚話は成立しない方がいい。
そんな風に女王は考えているのかもしれない。
(どうして・・・?私達が死んでしまってもいいと言うの?)
周りの雰囲気も手伝ってか、嫌な考えばかりが浮かんでくる。
プエラは立ち止まり、その場で強く目を閉じてしまった。
どうしようもない不安から逃げ出したくなったのだ。
その時、不意に手をギュッと掴まれた。相手の温もりが伝わってくる。
「プエラ」 「・・・フィリー?」
「大丈夫。黄金の爪はもうすぐそこだよ。一緒に国に帰ろう」
「・・・・・・はいっ!」
それは太陽のような―――
「邪魔するなよモンスター!そしてピラミッドの主ファラオよ!!」
手を繋ぎ、再び歩き出す・・・・と、
「イシスの姫プエラと、ロマリアの王子フィリーがっ!!あぁあああぁぁぁ〜!!」
ガシャンガシャンガシャンガシャン―――ドシンッ!!
派手な音を立てフィリーは再度、奈落の底へ落ちていった・・・。


436 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:45:37 ID:RdyazwDA0
(また落ちた・・・)
誰もがそう思い、呆れた。
「フィ、フィリー!!」
びっくりして思わず手を離してしまったものの、一番早く我に返ったプエラ。
フィリーを追いかけ、階段を駆け下りる。
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・」
フィリーはモンスターの唸り声に似たうめき声を上げていた。
「フィリー!フィリー!!しっかり!!」
「・・・フィリア、ホイミしてあげなさい」
パトリスに言われ、フィリアが嫌そうな顔でフィリーに近づいた。
そして薬草をプエラに渡す。
(相当嫌いなんだな・・・)
その様子を見てジュードは一人納得する。
「しかし、まだ下があったとはのう」
「きっとこの先に・・・?」
長い間空気を入れ替えていないのであろう。息をするのも嫌になりそうだ。
フィリーのうめき声が止むと、また沈黙が辺りを包んだ。
そして誰からとも無く歩き出す。
曲がり角を含んでいるが、これまでと違い変哲も無い一本道。
それは、この先に捜し求めていた物があるという確信でもある。
再び左へ曲がる。
そこは行き止まりで、小さな部屋になっていた。
部屋の中央には1つの棺。
棺を見る者が必ず見上げるようにするため、その床は他より高く造られていた。
正真正銘のファラオの墓だった。
「やっと、たどり着いた・・・」
フィリーが皆の思いを口にする。
そしてフィリーとプエラは祭壇のように奉られている棺へと近づいた。


437 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/17(月) 01:47:58 ID:RdyazwDA0
今日はここまで、と。
思ったより長くなってしまうなぁ・・・
もう少しスマートに話を展開したいと思うオール明けの日曜日。

438 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 18:26:32 ID:1o+24vtY0
暇潰し氏乙です!
長くなるのは歓迎ですw

439 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 19:20:33 ID:dLjJSU6k0
>>総長
現金主義で身替りが早いなw
>>暇潰し
内容的には申し分はないが文章の間に間を上手く開けたら
もっと読みやすくなって面白さが良くなる…か・も。


440 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 20:04:55 ID:zMQCTWcDO
総長のギャグとシリアスの微妙なさじ加減にはいつも関心させられるw

441 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/18(火) 08:01:29 ID:hsXxyjcW0
あっつい・・・・・

俺達はドラゴンの塔に向っている。道中に教会があって水と食料を補充したのだがやっぱりしんどい。
俺の場合はもょもとがいるから交代制で歩く事ができるがサマル達はそう言う訳には行かない。 
 もょ「(タケ…すまん…)」
 タケ「(ええんよ。しばらく休んどき。しかし砂漠はホンマに疲れるで。)」
 タケ「レオン、大丈夫か?」
レオン「俺は慣れているから問題無いがムーンとリアがちょっとしんどそうだ。」
 タケ「日影になる場所があればいいのだが………」

マジ困った。なかなか日影になる様な場所が見つからない。やっぱり馬とかラクダは必要だったのだろうか?

サマル「ムーン。地図にはオアシスは載ってないのかい?」
ムーン「はぁ…はぁ…の、載ってないわ。」
サマル「そうなのか…ちょっと休みたいなぁ…」
 リア「しんどいよぉ〜…こ、こんなに疲れるなんて…」
流石に休憩はしないと本気でやばい。熱中症で誰かが倒れてもおかしくは無かった。
レオン「おや……あれは?おい、もょもと。」
 タケ「どうした!?」
レオン「オアシスがみつかったぞ!」
 タケ「マジっ!?みんな!オアシスが見つかったってよ!」
 リア「本当!?早くいこっ!」

俺達はレオンが言う通りの方向に向かった。

サマル「やったー!!これで休めるぞ!」
 タケ「ヒャッハー!水だ水だ!」
レオン「ここで野宿をしよう。日が暮れてきているし体力的にも限界だな。」
ムーン「そうね。休める場所があるだけでも贅沢は言えないわ。」
 リア「本当にありがとうレオンさん。」
レオン「可愛いレディのために男として当然の事さ。」


442 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/18(火) 08:03:14 ID:hsXxyjcW0
 タケ「いいぞベイベー!ここで水浴びしなければ只の馬鹿だ!ホント オアシスは天国だぜ!フゥハハハーハァー!」
            
                   ざっぶ〜ん

 リア「きゃあっ!」
ムーン「ふふっ、もょもとって子供みたい。」
 タケ「うるせーな、ムーン。水浴びはいいぞ!レオン、サマルも入れよ!」
サマル「ぼ、僕はいいよ。」
レオン「確かに水浴びしないとやってられないな。俺も行くぞ!」

レオンもオアシスに入ってきた。

 タケ「レオン!お主のお陰で余は大満足じゃ!かっかっか。」
レオン「まぁ、無事で良かったぜ。それにしてももょもと、最高のチャンスが回ってきたぞ。」
 タケ「どう言う事だ?」
レオン「まぁ聞けよ・・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・・・・」
 タケ「マ、マジで!?」

こいつ、もしかしたらかなりウマが合いそうだ。別の意味で。

 タケ「しかしそれは大丈夫なのか?」
レオン「当たり前だ。恋愛の百戦錬磨の俺が言うのもアレだがたまには違うスリルを味わうのもいいかなって思ってな。」
 タケ「レオン。なかなかの悪ですな。しかし自分で恋愛の百戦錬磨って言う奴はいるか?」
レオン「ククク、俺には実績があるからな。まぁもょもとほど悪でもないけどな。」
 タケ「阿呆。プラン立てた奴に言われたくはないけど。」
レオン「まぁ実行するのは夜だ。それまで飯を食ったり、明日の準備をしたりして待つとするか。」

俺達は夜を待つ事にした。今夜はまさしくハプニングミッドナイトの予感!!


443 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/18(火) 08:04:59 ID:hsXxyjcW0
 タケ「隊長。夜になりました。自分はドキドキドッキンの状態であります!」
レオン「緊張するな。先に俺が様子を伺ってくるからな。しかし意外な一面があるなもょもとは。」
 タケ「そ、そうか…?」
レオン「まあいい。俺が先陣切ってくるからな。」

レオンは先に行動を移した。

 もょ「タケ、なにをしようとしているんだ?」
 タケ「たいした事は無いっすよ。まぁ、サマル達の警護やで。レオンと一緒にする事にしたんや。」
 もょ「なにかあやしいな〜べつのもくてきがあるんじゃないか?」
 タケ「ホ、ホンマにみんなの警護だけやから!」
 もょ「いっておくがへんなことしたらだめだぞ!」
 タケ「わ、わかってるがな…」

言えねぇ…ムーン達の所にタシーロしに行くなんて言えねぇ…

レオンの指示通りに待っていたのだがなかなかレオンが戻ってこない。何があったのだろうか?
これは気になるな。とにかく指示を無視して後を追いかけるか。
レオンの後を追いかけるとリアがレオンと一緒にいた。あの野郎!今度はリアに手を出すつもりか。
あのスケコマシめ!鋼の剣の錆びにしちゃる!
しかし二人とも様子がおかしい。何か入り込めない雰囲気がある。匍匐前進状態にしてここは様子を見るとしますか。


444 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/18(火) 08:09:49 ID:hsXxyjcW0
レオン「なぁリア。眠れないのか?」
 リア「うん…」
レオン「それにしてもいい夜空だな…あいつら、大丈夫かな…」
 リア「あいつらって誰なの?」
レオン「俺の仲間達さ。この世界に来ていると信じたいのだが、確証はもてない。」
 リア「そうなんだ、レオンさんの仲間が早くみつかればいいね。」
レオン「ああ…馬鹿ばっかりな奴らだけど、バラバラになったらやっぱり寂しい物があるな…」
 リア「レオンさん元気出して。必ずいるはずだよ!この世界に。」
レオン「どうしてだ?何か根拠があるのか?」
 リア「………わからなくてごめんなさい。でも、私は信じていたいの。レオンさんの仲間がこの世界にいるって。」
レオン「悲観的に考えても仕方がないな。僅かな可能性に賭けてみるか。」

そのうちレオンは自分の事を語り始めた。

リア「……なんて言えばいいのかわからないよ。」
レオン「気にするな、でも…もょもとと同様にリアも優しい女の子だな。」
 リア「えっ…で、でも…(////)」
レオン「いい笑顔だ。何か引き寄せられるものがある。」
 リア「そ、そうなんかなあ?」
レオン「俺もあんまり自分の事を話したくはない。けど、もょもとやリアの影響で思わず話してしまった。ハハッ…」
 リア「でも、ちょっとだけレオンさんの事を理解できて良かったと私は思うんだ。明日からもよろしくね!」
レオン「ああ…そろそろ寝るとするか。」

リアは自分のテントに戻っていった。俺もレオンにばれる前に自分のテントに戻るとするか…

テントの中でと何かゴソゴソする音が聞こえる・・・・・・・ドロボウか!?思わず俺は

 タケ「何しているんじゃクルルルルルルァァァァァァァァ!!」
  ?「し、しまった!!」

誰かがいた…俺は側に置いてある鋼の剣を持って戦闘態勢に入った。

445 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/18(火) 18:10:10 ID:h15tWj8z0
ちょww
ここでやめるかwwww

446 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/18(火) 22:16:57 ID:sTYlvsJjO
外道すぎるwwwwwwwwww
だが、そこがいい!

447 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/19(水) 07:12:50 ID:ZAFEuJSQO
まさかこのスレで某コピペが見れるとは思わなかったw

448 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/19(水) 19:13:52 ID:w7zcJyYM0
ああ・・・タケがますますネタキャラに・・・

449 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:03:31 ID:V8Ajd0Z10
>>436続き
2人が棺を恐る恐る開けると、暗い部屋の中で、名前の通り黄金に輝く財宝が現れた。
  「おお〜」
  「うわ〜何か趣味悪い〜」
  「鉄の爪に似てるな。お前装備できるんじゃねーの?」
  「ヤだよこんなの!」
  「鉄の爪より攻撃力がありそうなんじゃがのう」
  「おじいちゃんまで何言うのよ〜」
その時、低く聞き取りづらい声が辺りを支配した。
              ―――我の眠りを覚ますのは誰だ―――
  「え?!」
  「何なに?」
         ―――王家の財宝を荒らす者よ。生きて帰れると思うな―――
突然棺から光が放たれる。暗闇に慣れた目にはひどく眩しかった。
  「・・・・・・?」
数秒の沈黙。何も変化が無いと思われたその瞬間、
  「ぐはっ!!」 ドカンッ!
ジュードが攻撃を受け、倒れる。
いつの間にかミイラ男が真理奈達の背後に迫っていた。
  「・・このッ!」
真理奈が鉄の爪をミイラ男に突き刺す。その一撃で勝負は決まった。
が、ミイラ男が倒れると、その後ろからまたミイラ男が・・・
目を凝らすと、この小部屋にどんどんとミイラ男が入って来るのが分かった。
  「何これ!さっきまでこんなにいなかったのに・・・!!」
目の前のモンスターを倒しながら真理奈が舌打ちする。
  「よし!ここはワシにまかせんしゃい!ベギラマ!!」
炎の渦がミイラ男達を焼き尽くさなかった。
  「・・・ありゃ?ベギラマ!ベギラマ〜ッ!!」
  「ちょっと!何してんのよ!!」
  「呪文が使えない・・・・」
な、なんだっ(ry


450 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:09:10 ID:V8Ajd0Z10
  「ホイミ」
フィリアもジュードに呪文を試してみるが、効果は表れなかった。
パトリスを見上げ、首を横に振る。
  「・・・呪文なんか無くったって平気だっての」
ジュードは薬草を乱暴に飲み込み、ミイラ男の群れに突っ込んで行った。
狭い通路に真理奈とジュードが並び、少しずつモンスターの波を追い返していく。
  「今回ワシらは出番なさそうじゃのう・・・」
パトリスは戦う2人を眺めて嘆息し、フィリアは不思議そうに棺を見つめていた。

斬る。殴る。薙ぐ。蹴る。刺す。突く。裂く。
真里奈・ジュードはそれらを向かってくる相手にお見舞いしていく。
と同時に少しずつ相手の懐へ踏み込んで行く。
何せ通路いっぱいにミイラ男の列が出来ているのだ。
ただ倒すだけではここから一生出られないだろう。
パーティーはそれに合わせて徐々に前進して行く。
が、この通路では一度に2人しか戦えないのでその前進は微々たるものだった。

一番後ろで待機しているパトリスは再び疑問に思う。
通常倒したモンスターはそのまま死体となる。
中にはそのまま消えてしまうようなモンスターもいるが、少なくともミイラ男は違う。
それなのに真理奈とジュードが倒したミイラ男は跡形も無くなっているのだ。
暗闇に溶け込むように体が消失していく。
まぁそのおかげで、通路が死体だらけにならずに済んでいるのだが・・・
さらに呪文が使えない謎。人智を超えた力が働いているに違いない。
  (これが王の呪いなんじゃろうな・・・まったく女王も無茶させおるわ)

  「あぁぁあ〜もう!!いつまで続くのよ〜!!!」
ピラミッドにこだまするその声は、真理奈の苛立つ姿を嘲笑っているかのようだった。


451 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:11:31 ID:V8Ajd0Z10
階段を上り、地下1階へとようやくたどり着いた。
しかし今度は四方からモンスターが迫ってくる。
未だ呪文の使えないパトリスやフィリアも戦闘に参加せざるを得なかった。
  「出口っ!どっち!?」
  「知るかよ!!」
さすがに真理奈やジュードには疲れの色が見え始める。
  「ピーピー!!」
それまで真里奈のバッグに隠れていたブルーがツノを出し、訴える。
  「あっちが出口なの・・?オッケー!ブルー、信じるよっ!!」
皆は真理奈を信じ、進行方向を定める。
戦えないプエラを守りながら周りに気を配り、モンスターを排除していく。
4人は何とかそれを実践していたが、1人フィリーだけが何もしていなかった。
いや、正確には何も出来なかった。
これだけのモンスターに囲まれ、足がすくんでしまっている。
真理奈達についていくだけで精一杯。
初めて感じるここまでの恐怖。
この試練がどれだけ難題だったのか、今になって実感しているのだ。
その時、1匹のミイラ男が4人の隙をつき、フィリーとプエラに襲い掛かってきた。
ミイラ男の包帯に巻かれた両腕が振り上げられる。
  「きゃあああぁぁぁぁあああ〜!!」
  (こんなの・・・・無理だよ・・・・)
  「フィリー!!」
気付いた真理奈が叫ぶ。しかしフィリーは動けない。
  「ロマリアの紋章が泣いてるわよ!」
  (そうだ!僕は・・・!)
  「うわああああああああ〜!!!」
フィリーは大声と共に気合を入れ、鉄の槍を突き出した。
が、王子様渾身の一撃はミイラ男には当たらず、脇に外れてしまう・・・
そして勢い余った王子はそのままミイラ男に渾身の体当たりをする形になる。
フィリーのヘンテコな会心の一撃はミイラ男を見事に吹き飛ばした!


452 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:15:15 ID:V8Ajd0Z10
フィリーに飛ばされたミイラ男は、後ろのモンスターにぶつかり将棋倒しになる。
その先には天井から差し込む光が・・・
  「プエラ!行こう!」「はいっ!!」
王子と姫は手を繋ぎ、ピラミッドを脱出した。
プエラのもう片方の手にはもちろん黄金の爪がしっかりと握られている。
  「よっしゃ〜私達もこんなとこからオサラバしよっ!」
モンスターを適当にいなしながら真理奈達もピラミッドの外に出る事に成功する。
どうやらミイラ男達はピラミッドの外までは追って来ないようだ。
太陽がオレンジ色の光を放ち始め、一日の終わりを告げようとしていた。
  「はぁ〜終わった〜・・・」

  「きゃあぁぁぁぁあぁ〜!!!」
  「え?!」
突然プエラの前の地面が盛り上がり、赤くて巨大なカニが現れる。
地獄のはさみだ。ミイラ男のように次々と湧き出てくる。
  「ちょ・・・終わりじゃないの・・・?」
うんざりする真理奈を横目に、地獄のはさみの前に立つ者が1人。
  「ふっふっふ。神はちゃんとワシにも活躍の場を与えてくれたようじゃな。
   ここはワシに任せんしゃい!」
パトリスが子供のように楽しそうな表情で言う。
  (外に出ればこっちのもんじゃて!それに少しは働かんとご褒美にありつけんからのう)

フィリーがプエラを避難させ、パトリスが一番前に出る。
その間6匹の地獄のはさみは攻撃をしかける事無く、しきりにはさみを上下させていた。
[スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト]
みるみると地獄のはさみ達の甲羅が堅くなっていく。
  「無駄じゃ無駄じゃ。ワシの呪文の前ではな!!
   メラミメラミメラミメラミメラミ〜!!」
パトリスがここぞとばかりに張り切り、地獄のはさみを焼いていく。
その一帯だけ昼間の灼熱の熱さを取り戻したかのようだった。


453 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:21:10 ID:V8Ajd0Z10
炎に焼かれ、地獄のはさみが動かなくなる。
  「どうじゃ!呪文の力を思い知ったか〜!!」
  「カラ剥いて食べたらおいしいかな?」
  「お前モンスター食うのかよ」
  「え〜だってこれカニでしょ?カニっておいしいんだよ〜!」
  「・・・・・・・」
パトリスをかつて無い程のやるせなさが包んだ。

何を思ったかフィリアがトテトテと地獄のはさみに近づいた時、
  グググググググググ・・・
良い具合に焼かれた地獄のはさみ達の中から低い唸り声をあげ、生き残りが現れた。
  「もー勘弁してよ!早く帰ってシャワー浴びたいっ!!」
  「よ、よしっ!今度こそこれで終わりじゃ!メラミ!!」
しかし、パトリスの杖からはメラの炎は出現しなかった。
  「・・・・・MPが足りないようじゃの」
  「もーおじいちゃん使えない〜!」
  「な、なんじゃと!」
  「やるなら最後までしっかりと締めてよねっ!」
真理奈が止めを刺しに地獄のはさみへと走り、背中に飛び乗る。
  「おりゃ〜!!」
ガキンッ!!
  「・・・・!!!痛った〜!!!」
金属の壁を殴ったかのような衝撃。鉄の爪を通じて腕に痺れが伝わってくる。
  ググッ!グググ・・・
地獄のはさみは真理奈を攻撃しようとするが、はさみが届かなくてもだえる。
  「ありゃダメだよ。硬すぎ〜」
真理奈が地獄のはさみの背中からジャンプして戻ってくる。
  「やはりワシの呪文が無いと困るじゃろ?」
  「使えないのに言われても・・・」
  「・・・どうする?」
一応攻撃を試したジュードも戻ってくる。どうやらダメだったらしい。

454 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:33:22 ID:V8Ajd0Z10
  「・・・」
そこでフィリアがここは私が、と声を上げる。
いや声は出してないんだけどね。
  「ルカニ」
久しぶりに聞くフィリアの声は、やはり凛としていた。

  「ねぇねぇ、ルカニって?」
  「ルカニは相手の守備力を下げる呪文じゃ。これで攻撃が効くように―――」
  グググ! [スクルト!]
地獄のはさみは不気味な笑みを浮かべながらはさみを振り上げ、呪文を唱える。
  「・・・あれじゃあ意味無いよね?」
真理奈の質問に対して、パトリスは明後日の方向に目を逸らした。

  「・・・ルカニ」
敵の的確な対応に少しムッとしたフィリアが再び呪文を唱える。
  [スクルト]「・・ルカニ」[スクルト]「ルカニ」[スクルト]「ルカニ!」・・・
フィリアと地獄のはさみの呪文が応酬を繰り返す。
フィリアを見下すように呪文を唱える地獄のはさみ。
それが気に食わないのか、意地になってフィリアも呪文を唱える。
  「なんじゃコイツは・・・MPが尽きんのか?」
それは魔法使いの自分よりMPがあるのではないかと思わせる程だった。

  「フィリアちゃん頑張って〜!!」
  「頑張ってください!」
  「ピーピー!!」
皆の声援を背中に受け、フィリアは呪文を唱え続けた。

ってかもうバギで倒せばよくね?


455 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:36:40 ID:V8Ajd0Z10
  「はぁはぁ・・・」
魔法合戦はフィリアの方が先に息を切らして終わった。

  グガァァァァ〜
スクルトを唱えた姿そのままで地獄のはさみはチャンスと攻撃をしかけてくる。
幸いに地獄のはさみのスピードはそこまで速くなかった。
が、力尽きそうなフィリアは完全には避けきれずに倒れる。
そこに続けてはさみが振り下ろされる。
 ガキンッ!!
ジュードがフィリアと地獄のはさみの間に入り、剣で受け止める。
しかし力の差は地獄のはさみに軍配があり、ジュードの体は砂漠に沈んでいく。
  「くっ!!」
ジュードの顔が苦しくゆがむ。

  「攻撃が効かない、か。こりゃあ万事休すかのぅ・・・」
  (マリア・・・使ってもいいか?)
パトリスが心の中で何かを決めようとした時、真理奈が叫んだ。
  「そっか!スカラよ!」
  「何じゃと?強くしてどうするんじゃ!防御力を下げないと――」
  「違う!私にスカラしてって言ってんの!」
  「真理奈ならあんなヤツの攻撃食らわんじゃろ」
  「いいからっ!早くっ!」
  「!!スカラっ!!」
驚いたパトリスが思わず呪文を掛ける。
  「オッケー。姫様、ちょっとコレ借りるね」
  「は、はい!」
次に鉄の爪を外し、プエラが持っていた黄金の爪を手にはめる。
  「よ〜し!行っくよ〜!!」
真理奈は再度、地獄のはさみに向かって走り出した。


456 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:44:50 ID:V8Ajd0Z10
  「ジュード!どいて!」
ジュードがフィリアが無事なのを確認してから、剣をずらす。
はさみが刃を滑り、力のベクトルが変わる。
ドシンっ!!地面にはさみが飲み込まれ、砂煙が舞い上がった。
ジュードはその隙に敵の懐から抜け出した。

視界が晴れると、地獄のはさみの目に真理奈が立ちはだかっているのが映った。
  グゥゥゥゥ〜
地獄のはさみは攻撃を低い声で唸りながら仕掛けてくる。
  「フィリアちゃん!もう1発ルカニを!」
フィリアは頷き、最後の力を絞って呪文を唱える。
  「ルカニっ」
地獄のはさみの防御力が下がる。ニヤリと笑う真理奈。
  「や〜い!スクルトしなくていいの〜?体がヤワくなってるよん」
真理奈の挑発に乗り、地獄のはさみが呪文を唱えようと体を起こし腕を振り上げる。
  (今だ!!)
真理奈は素早く地獄のはさみの体の下に入り込み、
  「よっ・・・っと!!」
綺麗にサマーソルトを決めた!!
  [スクル―――]バクンッ!!
だらしなく開いていた口が閉じられ、地獄のはさみの体が宙に浮いた。
真理奈は着地時の屈伸と同時に右腕に力を込める。
スカラのおかげで足に痛みは無い。そして思いっきり足を伸ばし跳躍。
  「とぉりゃあぁ〜!!」
黄金の爪を地獄のはさみに突き刺し、そのまま腹を引き裂いた!
最後の地獄のはさみは泡を吹いてそのまま仰向けに倒れる。
  「うしっ!」
真理奈のガッツポーズが決まる。
モンスターの血がその右腕にある爪に吸収されていく。
そしてイシスの秘宝は黄金の輝きを夕暮れに負けじと再び放ち始めた。


457 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/04/20(木) 01:56:03 ID:V8Ajd0Z10
戦闘終了〜今日はここまで

>>438
歓迎ありがとうございますw
ってか読んでみたらそんなに長くないかな
自分としてはこんなに物語を書いたのは初めてだ・・・

>>439
指摘ありがとうございますー
やはり読みづらいですよね・・・
一応今回、少し試してみましたがどうだったでしょうか
行数制限が無ければもっと空けたりできるんですが・・・
ってか1レスに詰め込みすぎですよね
もう少し考えよ

458 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/20(木) 03:06:32 ID:Q3qNO7eoO
ジュード!どいて!そいつ殺せない!

459 :たかはし ◆2yD2HI9qc. :2006/04/20(木) 21:52:37 ID:pi9ouaoiO
職人さん住民さん、お疲れさまです
展開に悩みついで、保守しておきます

460 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/21(金) 01:03:42 ID:soZhbYVI0
そろそろ4の人が来る頃な予感
た の し み

461 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/21(金) 09:51:09 ID:HY5Krcjy0
>>460
プレッシャーかけんなよ

462 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/21(金) 17:11:00 ID:z6/ndob70
>>460
こういうのがいるから困る

463 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/22(土) 08:31:25 ID:QblPf5ze0
>>460の人気に嫉妬wwwww

464 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/22(土) 09:22:11 ID:/hQSZ6Aq0
ほかの職人達もあんなのは気になさらずに気ままに投下してください。

465 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/22(土) 15:55:52 ID:84pH0c25O
暇つぶし氏もそうだからいまさらだけど、
別に三人称小説でもありなんだよな?

466 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/22(土) 18:10:36 ID:B+SFArZj0
別に良いんじゃね?

467 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/22(土) 23:17:27 ID:2CA4plR/O
最近、物語の終わりを考え迎えるるのがなんというか、こわい
今まで一生懸命書いた、自分にとっては大事な話が、エンディングで全てを決定付けしてしまう気がするから。
だから、保守する
なかなか投下できなくてごめん

468 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/23(日) 00:50:21 ID:yxMT4yKx0
タカハシさん推敲がんばってー
急がず自分のペースでまったり書いてくださいな

469 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/23(日) 02:12:51 ID:KzSmMtMqO
頑張れ頑張れ!
そういう悩んでる時間も無駄じゃないから

470 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/23(日) 15:02:04 ID:06FMUuLY0


471 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/23(日) 15:52:38 ID:EDzOVYEc0
やあ、あげるよ

472 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/24(月) 14:51:41 ID:MLq8/WWf0
    /          ヽ、
      ィ              i
     /        i      ヽゝ
    //´    / ノ イl       、ヽ
    l   , ‐ィ ´ir'´〃',       トl
    {  f三ミ'' アT ー-'ヽ       ノ
    ヽ !、´ /i ヽ    }、     /
     ヽ l´ .ノ   `ー 'ノ l    l
   _,. - Jィヘ. `、''__  ヽ'ノノ   ,.人、
  /  /ヘ ヘ ー   `ィ_ /  lヽ\
  l   _,\  /`ー,. ''_,.ゝ'   /   |   \
  | r┴―┐' r´-く    ハ  l
  l l_   !  .|  ゝ、  /  ヽ--
  r '´__,.)〜┤  !ーi  ヽ /    `7
 / /, -‐- 、 l /i  |   /     /
 } '´ _, =-く┘'   l  /     /
 l ''   , ィ     ! /
 ヽ ‐ ´ ノ     | /

     ショクニン・オツ [Shain Otz]
      (1949-1988 アメリカ)


473 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/24(月) 18:04:49 ID:T9cYdfXH0
男は度胸!なんでもやってみるものさ。>タカハシ
暇潰しさんGJですぅ。すごくよくなったと思うのですぅ。

474 : ◆vNFYAR5c0g :2006/04/24(月) 19:54:01 ID:4BFi3ghn0
更新しようと思ったがメモした内容が紛失したwwwwofz

475 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/24(月) 22:25:18 ID:5nuXSItp0
>>474
頭の中のメモまでなくしたというのかね?

476 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/25(火) 09:50:46 ID:Xwjra6Ep0
>>475
あらすじは把握してても書いてるうちに変わってくことだってあるんだよ

477 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/25(火) 15:21:53 ID:MoQmn3q20
話の内容全部覚えられるとでも思(ry

478 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/25(火) 18:32:17 ID:qGbAFdqHO
>>475はそういった意味じゃないと思うが…

479 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/26(水) 09:53:38 ID:BZ0IFYhT0
本人なりの事情があるんだろ。俺達にとやかと言うことはできない。

480 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/26(水) 09:59:45 ID:5zoXgKtV0
× とやかと
○ とやかく

481 : ◆vNFYAR5c0g :2006/04/26(水) 11:40:58 ID:wY0eq9qC0
リーザス村  11:52

扉を開ける音とともにサイモンは自分の部屋に入った。
ふと前を見ると筋肉が盛り上がり、身長は・・・・・サイモンよりは低い男
が彼のベットに横たわっていた。
 おい!」
っとサイモンは体格の良い男をベットから蹴り落とした。それでその男
はようやく目が覚めたようで起きあがると元気よく。
「お帰りなさいサイモンさん」
「人の家に無断で入り込むとは良い度胸してるじゃねぇか。アベル」
アベルと呼ばれた男はサイモンの言葉を受け流し論点をすり替えた

「村を出るんですね?」

「何で知ってる?」

「ゼシカお嬢様の屋敷での会話を盗み聞きさせてもらいました。屋根で」

「なるほど・・・・俺の感動の別れを盗み聞き・・・死にたいようだな」
サイモンは剣を引き抜く体制をとった。しかし肝心のアベルはそんなことは
気にもとめておらず。ニヤニヤと笑いながら話を続けた。

サイモン          アベル

Lv30           Lv10
HP200/200 HP30/30
MP300/300 MP0/0
武器:鋼の剣 鉄の胸当て 武器:銅の剣
呪文:ライデイン マホステ      呪文:
特技:隼切り        特技:正拳突き


482 : ◆vNFYAR5c0g :2006/04/26(水) 11:42:37 ID:wY0eq9qC0
ずれたofz
サイモン            アベル

Lv30             LV10
HP200/200          HP30/30
MP300/300          MP0/0
武器:鋼の剣 鉄の胸当て    武器:銅の剣
呪文:ライデイン マホステ       呪文:
特技:隼切り         特技:正拳突き


483 : ◆vNFYAR5c0g :2006/04/26(水) 11:44:32 ID:wY0eq9qC0
またずれたofzスレ汚しスマン

アベル
LV10
HP30/30
MP0/0
武器:銅の剣
呪文:
特技:正拳突き

484 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/26(水) 17:28:31 ID:HQq5XQow0
内容短すwwww
三人称は苦手なようですな。

485 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/27(木) 14:49:20 ID:YnI7YmDrO



486 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:02:25 ID:bHmsBRUz0
>>392
から続き

●慣れない男と小さな事件

「おかえりなさい、タカハシさん」

診療室へ戻った俺をクリーニが迎えてくれた

「あ、そういえばここを宿屋変わりに使ってしまって…」
「とんでもない
 実はもともと私は宿屋を営んでいまして、実際ここは宿屋だったんです
 私が医者を始めてしまったせいで、この町からは宿屋が無くなってしまいました
 旅人は皆、民家へお金を払って泊めてもらうんです
 そんな環境ですし、構いませんよ」
「そうでしたか」
「お代はテリーさんにいただいてますから、どうか気にせず」
「…遠慮なく使わさせていただきます」
「私は地下の自分の部屋にいますから、何かあったらすぐに呼んでください」

クリーニが地下へ降りていく
俺は背負っていた食糧袋を床へ起き、メイの寝ているベッドの側にある椅子へ腰かけた

487 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:03:19 ID:bHmsBRUz0
ここチゾットから封印の洞窟まで、メイの持つ古文書の地図を見る限り距離はないからすぐ行けるだろう
だけど…
隠されていた道が今では誰でも利用できるようになり、商人や旅人は当然あちこち見て回る
洞窟が誰にも見付かっていないなんて保証はどこにもない
むしろ、すでに見付かっていると考えたほうが良い
…封印された魔法は、高度な魔力を持つ者にしか封印を解くことが出来ないという事だけが安心材料
しかしこれは封印方法にもよるよな
もし持ち運べる程ちいさな封印であれば持っていかれているだろうし
とてつもなく巨大なものであれば、持っていかれないとしても破壊されているかもしれない
賭けだ これからいく洞窟に果たして、何が待っているのか
メイの事を考えれば封印が残っていると、信じたい
俺にはシャナクがなくてもまだ、カルベローナの生き残った住人という可能性がある
それにしても…
しばらく魔物の姿を見ていない
もしかするとここら辺一帯は魔物がいないのだろうか
道具屋の話だと旅人も多いそうだし、壊滅させられた町の人も西には多く住むという
魔物が現われないから交流も盛んに行われているんだな
魔物はどこへ行ってしまったのか…

メイの顔を眺めた
とても落ち着いた表情で眠っている

488 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:03:57 ID:bHmsBRUz0
…なんで俺と行こうと思ったんだろう
俺なんて、フィッシュベルにいる時はとても弱かったし助けられてばかりだったのに…
もっと強い人と旅をしていればこんなに身体を痛めつけることもなかったのに…

気付くと、濃い茶色の長い髪
メイの頭へ手を乗せてしまっていた

「うぉ…」

思わず発し、手を除ける

「どうしました? 顔を真っ赤にして」

ベッドの横の階段からクリーニが登ってきながら言う

「あー 邪魔をしてしまいましたか?」
「え、うぅあ そんあ、そんなこと無いですよなんでもないですから」
「はは、そうですか さっき言い忘れてしまいましたが、お湯を用意しました
 どうぞ使って下さい」

はぁ なんてザマ
別におかしな事はしてないんだから堂々としててもいいはずなのに
無意識だったけど、慣れない事はするもんじゃないよ…

489 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:04:53 ID:bHmsBRUz0
気をとり直し、クリーニへ返事をする

「それは助かります 二十日も水浴びすらしていなかったですから」
「では地下を降りてまっすぐ、突き当たりへ
 これ、タオルです」
「ついでに洗濯してもいいですか?」
「どうぞどうぞ」

クリーニからタオルを受け取り、荷物から全部の着替えを取り出し風呂場へ向かい湯を浴びた

「ふぅー…」

この世界では始めての湯舟に浸かりながら一息

やっぱり湯に浸かるに限る
水じゃなんだか、うまくないんだよな

そのまま裸で、衣類全てをゴシゴシこすり洗い、風呂場を出ようとしたとき事件は起きた

「着替えまで洗っちまった…!!」

まずいぞこれは
まさか全裸で上がるわけにもいかない
考えろ、俺!
………そうだ魔法の鎧!
いやっまてっ!
裸に鎧は、胴体しか隠れないし明らかに変質者じゃないか
このまま服が渇くまでここにはいられない…

この世界に来てたぶん一番脳をフル活用して出た答えは─

490 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:05:40 ID:bHmsBRUz0
「クリーニさん!! クリーニさーん!! 服を貸してください!!」

この場から助けを呼ぶ事
しかし、ついてない事にその時クリーニは出かけていた

そうとも知らず俺は必死に叫びつづけ
急いで着替えを持ってくるクリーニを
かなり長い時間待ったのだった


491 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:06:20 ID:bHmsBRUz0
●静寂と形跡

メイは夜になって目を覚まし、クリーニから完全回復のお墨付きをもらい喜んでいた
だが気が、少し疲れているのだろう
湯を浴びた後すぐにベッドへ入り、上半身を起こした状態で会話をしている
クリーニは自分の部屋へ戻り、夜の診察室はランプの中で燃える炎の灯りでぼんやりと照らされる

「さっきは本当にこの世界… いや、ここまで生きてきた中で一番の恥ずかしさを味わったよ」
「ふふ タカハシはどこか、いつも抜けているのよね」
「いや、まぁ、言い返せないな はは
 ん? ところでその首に下がっているのはなんだ?」

メイの首には小さなガラス玉
透明で穴が開けてあり、紐が通されている

「これ? これはね、私のお守りなの
 ずっと首から下げていたんだけど、ローブのせいで見えなかったわね」

メイはこの診察室に運ばれた後、民家のおばさんに借りたサイズの大きいパジャマのような服装に着替えさせられていた

492 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:06:53 ID:bHmsBRUz0
「お守り? 何か特別な力でもあるのか?」
「これは"静寂の玉"っていって、場の魔力を封じ込める特別な水晶らしいの
 私が幼いときにイシスの外で見付けて、それからずっと身に着けているのよ」
「魔力を封じる… 封じた事はある?」
「いいえ、一度もない
 静寂の玉は古代魔法と同じ古代の力で作られた水晶玉
 身に着ける者の思いを、長い年月をかけて込めなければ効力を発揮しないそうよ
 だからいつも身に着けているの」
「そうなのか もしもの時の為に、これからも身に着けておかなきゃな」
「─もし、私ゃタカハシが危険な時、助けてくれたら いいね…」

少し、どこか遠くを心で見つめるような表情で答えるメイ

「うん? なんだ、大丈夫だよ
 俺達はきっと、目的をやり遂げる …必ずだ」

俺が言い終わるのを待っていたかのように、外でザアザアバシャバシャと音が弾け始めた

「雨? そういえば雨なんて初めてだ」
「初めて? いくらなんでも初めてなんて、やっぱりタカハシは変わっているわね
 と言っても、雨は私も一回しか見た事がないけどね」

この世界の雨は滅多に発生しないんだな
まぁ俺の世界とは気候も違うだろうし、別に変ではないか…

その夜降り始めた雨は激しく止むこと無く一晩中、世界をびしょ濡れにし続けた
何かを必死に、洗い流すかのように─

493 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:07:28 ID:bHmsBRUz0


「本当にお世話になりました
 すっかり元気になって、クリーニさんと村の方のおかげです」

翌朝、俺たち二人はクリーニの診察室を出て封印の洞窟へ向かう事にした
洞窟はここから近い
ならばすぐにでも行って封印の無事を確認したい、そう思っての決断だ
丁寧にクリーニと俺たちを運んでくれた人達に挨拶をし、村を出る

今まで隠されてきた"西の道"
その道は平坦に舗装され登り降りもきつくない
しっかり休んで回復できたのもあるだろうが東の道を進んできたときよりも遙かに、楽に進むことが出来た
あんなに苦労して歩いてきた東の道の苦労は、なんだったんだろう

西の道を歩み初めてまる二日、俺たち二人は緑に囲まれる森の入口に居た
相変わらず、魔物とは一度も遭遇していない

「この森、古文書の地図にも書いてある
 それで地図は… ここから更に西を指しているわ」

だが、目の前にある道はまっすぐ北へ延びている
西へ行く道なんて存在していない
あるのは背丈ほどの鬱陶しい草の壁だけ

「しかしというかやはりというか、西への道なんてないぞ?」
「うん でも地図は西を指しているの だから…
 先頭で道を作っていってね、よろしく!」
「やっぱりそうなるよな、仕方がない…」

494 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:08:14 ID:bHmsBRUz0
俺は先頭にたち、オリハルコンの剣でバサガサと草を薙ぎ斬り倒し道を作っていく
魔力はもちろん使わない
使えば楽に進めるとは思うが、草相手じゃあな…

バサバキと草が茎から折れ、倒されていく音だけが森の中へ響く
鳥や虫の声も聞こえず、時折り剣がヒュウと空を切る音が混じる
メイはというと大人しく俺の後ろを着いてくる
こんな調子で休憩を挟みながら数時間は進んだだろうか
目の前から草が無くなり、変わりに地面に張りつく石畳が姿を見せた
その石畳はまっすぐと続く道を作り、道の両脇には刈り取られ枯れ果てた大量の草の山

「道が、現われたのはいいが… これは誰かが通ったみたいだ…」
「…」

なんとも言いようの無い、重たい空気が流れ始める
俺はそんな空気を嫌いメイへ話しかける

「どうしようか?」
「……もちろん、進む
 もし誰かが洞窟を見付けて入っていたとしても、封印を解かない限り古代魔法を取り出すことは出来ないから…」
「そうだな 封印は魔力の強い者にしか解けないんだよな?」
「そう、私の様に賢者かそれ以上の魔力を持たないと封印を解くことは出来ないわ
 そしてそれほどに魔力が強い人間はとても少ないから─」
「よし、行こう」

剣に着いた草の切れ端や汚れを拭き取り、収めながら俺は一歩踏み出し振り返り、ちょっと笑って言う

「もう剣は必要ないよな?
 このまま草刈りばかりしてたら剣も腕も錆びてしまうよ」


495 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:09:09 ID:bHmsBRUz0
●封印された魔法

夜になり、まだ洞窟へはたどり付けず俺達は石畳の道沿いで過ごすことにした
メイは、古代魔法が近くにある為かなかなか寝つけないようで、見張りをいつもより長くしてくれると申し出てくれた

「眠たくなったらすぐに声をかけてくれよ」
「ええ、ありがとう
 でもここ最近、魔物の気配は感じられないしこんな森の奥に人が来るなんてなさそうだから」
「魔物か… どうして急に姿を見せなくなったのか気になるけど、体力を温存できるから助かるな
 でも油断は禁物だよ」
「もちろん 何か起こったらすぐに起こすわ
 だから、たまには… タカハシは安心して休んで」
「たまには? ははっ いつも安心して休んでいるさ
 まぁそう言ってくれてるんだから、今夜は少し多めに休ませてもらうよ
 何度も言うけど、何かあったとしても一人で無理するなよ」
「うん」

木々の隙間からわずかにのぞく深い青色をたたえる夜空
その夜を物憂げに見上げるメイにその場をまかせ、俺は固く薄い毛布に身を包んで眠った




496 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:09:56 ID:bHmsBRUz0
この世界に"季節"は存在しないのだろうか
もうかなりの年月、この世界を旅しているが気温も湿度も変わりなく一定だ
雨だってこの間が初めてだった
俺は、そんな気持ちの良い風と空気にすっかり慣れきってしまっている…

だけど、今いるこの場所の環境はとても酷い
多量の水分を含み生温かい空気
体中にじっとりとまとわりついてくる汗
こんな場所早く出たい 外が恋しい
ここは─ 封印の洞窟内部

夜が明け、歩きだした俺達は程無くして、外へぽっかりと口を開ける岩山を見付けた
それはすぐに洞窟だと分かり同時に目指す場所であることもわかった
だが入口周辺には洞窟を見付けた人間が残した者であろう焚火の痕と、置き去りにされ朽ち果てかけたいくつかの布袋
"もう 封印は解かれてしまったのでは─"
ここまでリアルな人の形跡を見せつけられ、そんな思いが頭をよぎった
だけどやっぱり諦める事なんて出来ない
だから俺が率先して中へと踏み込んだ
メイの、不安そうな表情をなんとかしようと思ったのもあるが─

497 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:10:35 ID:bHmsBRUz0
焚火に使う燃料用の油を布へ染み込ませ、それを手頃な木の棒へ巻き付け松明を作り進んでいく
洞窟の中は人間三人が横に並んで歩ける幅
高さは二メートル半ほど
壁はデコボコで、明らかに手で堀進んだことが分かる
一面にびっしりと苔も張りついている
魔法を封印するためだけに掘ったのだろうが真直ぐ続く道はとても深い
相当の年月がかかっただろうと思う

「嫌な空気… 早く古代魔法を見付けて外へ出たいわ」
「きっと、長い時間人の出入りがなかったのだろうから空気の入れ換えができず、澱んでしまったんだろう…」

警戒して足早に進んで行き、やがて丸く広がる空間へとたどり着いた
松明の明りでうっすらと先が見える

「正面の奥、何かあるわ!」

メイの言葉に急いでその場所へと進み寄る
炎で照らし出されたのは石出で出来た石の土台と数メートルはある巨大な石の球体

「これが 封印…か?」

少し緊張しながらメイへ問いかける

「ええ… 古文書にはこの"丸い石に手をかざし念じろ"と書かれているわ
 …やってみる」

メイが球体へ手をかざし、集中を始める

「…… …… よかった! この封印はまだ解かれていない!」

498 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:11:15 ID:bHmsBRUz0
顔を見合わせお互い安堵の表情
先に入った人間は、恐らく封印を解くことが出来なかったのだろう
これだけ巨大であれば持ち出すことさえ不可能だ

「いよいよ、封印を解くわね…」

メイは手をかざしたまま古文書に書かれた古代文字を指でなぞり、何かを呟く
すると、その呟きに反応するかのように球体が赤くぼんやりと光り、ゴゴと音をたて二つに割れてしまった

「! 割れたぞ……」

俺は声に出して驚いたが、メイは目を瞑ったまま集中している
その様子に俺はなんだか声を掛けられない
しばらくしてメイが、口を開いた

「……封印されていた魔法は、全部で三つ 全て、会得出来た…」
「もう終わったのか?
 いやにあっさりしてるんだな… それで─」
「ごめんね…… シャナクは、無かったの…」

499 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:12:47 ID:bHmsBRUz0
シャナクは 無かった─

「ここまで来て… 本当に残念……」
「いや、これは誰も悪くない 謝ることは無いよ」
「でも 私が期待させるような事を言ってしまって─」
「気にしなくて、いい
 元々、イシス以降まったく宛の無かった俺の旅なんだ
 そんな旅に希望をくれたのはメイなんだよ 感謝してるさ
 それにまだカルベローナがあるんだ
 大丈夫、まだ希望はあるし何があっても誰のせいでもないから」

泣きそうな顔のメイ
俺は自分自身にも言い聞かせるように、そう言った


500 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:13:44 ID:bHmsBRUz0
●巨大なその、邪悪なるモノ

「早くここから出よう ここは空気が悪い」

ゆっくり、松明を左右に揺らしながら元来た道を帰ろうと振り返る
と─

「あれは…?」
「もしかして… これと同じ魔法が封印されていた丸い石じゃあ…」

うっすら見える巨大な物体へ近付くとやはり
さっき俺達が封印を解いた球体の割れた姿

「もしかして誰かが封印を解いたとか…」
「そうとしか、考えられないわね
 でもどうして全ての封印を解かなかったのかしら…」

この球体にはどんな古代魔法が封印されていたんだろう
ん、そういえば魔物たちは古代魔法ルーラを使っていたな
……まさか!?

「早くここから出たほうがいいかもしれないぞ」
「どうして?」
「実はな、トルネコさんと旅をしているときにルーラを使う魔物がいたんだ」
「ルーラ それは確か古代魔法ね… !」
「そう、この封印を解いたのは魔物かもしれないんだ だから」

501 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:16:56 ID:bHmsBRUz0
何か、やばい気配が辺り一面に流れ込んでくるのを感じた
俺とメイは急いで洞窟を駆ける
正面に外のまぶしい光が見え、その光へ飛び込むように洞窟から抜け出す

外には森のさわやかな風が吹いているが、身体は汗だらけ
走ったのもあるがそれだけではない

「気配が消えない─」

『ガサリ』

「貴様ら、何をしている?」

不穏な気配の正体
それは目の前に突如現われた巨大な魔物 一目で、鍛え上げられた身体を持つ、アトラス

「まさか封印を解いたのではないだろうな?」
「お前に言う必要は無い…!」

オリハルコンの剣を抜きながら俺は、アトラスの前に立つ

「ふん 弱い人間のくせに口答えするか
 …もう一度だけ聞く 封印を解いたのか?」

アトラスの大きな身体にギュッと力が入るのが分かった
こいつは簡単に倒せそうな相手では無い
救いは魔力を僅かしか感じられないから、力だけかもしれないという事だ

502 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:18:46 ID:bHmsBRUz0
「もちろん解いたわ! なにか、不満?」

メイが俺の前へズズイと出て、強気な返事を返す

「メイ、俺の後ろへ…」
「不満だと?
 封印を解いたのなら生かしておくわけにはいかんな
 解いてなくても殺すがな! ぐあっはっは!」

久しぶりの戦いだ
魔力も体力も完全に回復している
どう仕掛けるか…

「殺されるのなら、知りたいわ
 他の封印を解いたのはあなたたち魔物?」
「ふむ どうせ死ぬのだから教えてやろう
 俺達魔物では無い ゾーマ様自ら封印を解いたのだ
 魔法はルーラだけだったが、俺のように強い魔物にもゾーマ様はルーラを授けてくださった」
「ルーラだけ… 魔王にしか封印を解けないのだったらあなたは何をしにここへ?」
「俺か? ゾーマ様がルビスの力を潰せと俺に命じたからだ」
「ルビス…だって?」

唐突に出た"ルビス"という単語に、今度は俺が聞き返す
こいつは単純なのかよく喋ってくれる

503 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:20:01 ID:bHmsBRUz0
「そうだ 下らない、創造神ルビス
 相当の猛者がいるのだろうと期待してみればどうだ
 いたのは貧弱な男と女ではないか…!」

足を踏みならし悔しさを表現するアトラス
右手に持つ巨大な棍棒をドスンと地面へ叩きつけ、俺達二人を見下ろした

「ゾーマ様はこうもおっしゃった
 ルビスの力はどんなに小さくてもいずれ大きな力となり我々魔族を脅かす、とな
 そして貴様等は"か弱い"くせに封印を解き古代魔法を手に入れた
 貴様等のどれがルビスの遣いで、なんの魔法を手にしたかは知らんがな!」
「ルビスなんて、俺は知らん…」

俺はかなり迷った
こうなってしまっては、メイに俺の正体を隠しつづけるなんて出来ないからだ
だけどメイには、メイにだけは話しても…

「さて 貴様等と下らない話をするのにも飽きてきた
 さぁ! 死ね!」

アトラスがドシンと前足を出し棍棒を俺に振りかざす
俺は戦いの事以外を考えていたから反応が一瞬おくれてしまった
やばい…!

504 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:21:25 ID:bHmsBRUz0
「イオナズン!」

ズドドォと、アトラスの居たあたりに凝縮され圧力の高まった爆発が起き、激しい爆風が辺り一面に埃のカーテンを作り出す

「はぁはぁ… やっぱり古代魔法はまだ私には負担が……」

メイだ
メイは俺とアトラスが話をしている間に魔力を溜めていた

「メイ! 大丈夫か?!」
「ええ… 古代魔法の一つよ、すごい威力だわ…
 これだけで魔力をほとんど使ってしまった…」

爆発は空気中で起きていた
爆風は収まり、もうもうとのぼっていた埃が消え視界がはっきりしてくる
その痕は、木々をほとんど薙ぎ倒し残っている
アトラスは地面に俯せ倒れていたが、致命傷にはならなかったらしい

「く… なんて魔法だ…」

頭を抑えながら立上り俺達を睨み付けるアトラス
胸元はブスブスと煙が立ちこめ焦げている
あれだけの爆発を一身に受けながらこの程度の傷しか与えられないとは、なんと恐ろしい魔物だろう

「うがががががああああああ!!」

薙ぎ倒された木々を更に蹴飛ばしながら、力任せに棍棒を俺にいくつも振るうアトラス
その度にドスンズシンと地面が揺れ、意外にも素早いその動きを懸命に俺が避ける

505 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:25:11 ID:bHmsBRUz0
「しねぇぇぇぇえええぇ!!!」

ただひたすらに、前に立つ俺を追いかけ回し棍棒を地面へと叩きつけるアトラス
俺は叩きつけた後に出来る少しの隙を狙い、魔力を十分に送り込んだオリハルコンの剣で斬り付ける
が─ 刃があたる瞬間、妙な感触のせいで思った以上に深い傷を与えることが出来ない
魔王の力なのかなんなのか、とにかくこのまま地道に小さいダメージを与え蓄積させるしかない─

そうしてそんな追いかけっこが数分続いた所で、俺はある事に気づく
それは─
アトラスが蹴り飛ばす木は、確実に退路を絶っているのだ
その事に気付いたときはもう手遅れで、俺とメイは積み上がった折れた木に挟まれ、目の前には余裕の戻ったアトラス

「俺が力だけだと思っていただろうが、残念だったな!
 貴様等の魔法や剣など闇の衣の魔力の前では無力!
 もう逃げ道はない さぁ、死んでゾーマ様の力となれ!!」

おおきくゴツゴツとした棍棒がいままでよりも遙かに早い速度で近付き、俺は両手を使いオリハルコンの剣で受ける
が、とてつもなく重いその一撃に直撃こそ免れたが、俺とメイは地面から足が数十センチ浮き、吹きとばされてしまった

「くっ……… なんて、力……!」

ゴスッ!

「カ ハッ……!」

腹に激痛と苦しさ
同時にゴキッという骨の砕ける音
俺の口から苦く、温かい液体が飛び出す
血だ

腹の上にはアトラスの大きく太い足がグイグイとのしかかる

506 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:26:05 ID:bHmsBRUz0
「タカハシ!」

少し離れた所へ飛ばされたメイが、ヨロヨロ立ち上がりながら声をあげる

「女 人の心配をしている場合か?」

アトラスは俺から足を除けおもむろにメイへ近付き、身体に見合う大きな手で、叩き払った
メイの小さく軽い身体はまるで折紙のように空を舞い、倒された木々へガラガラと落とされる

「う……」

折れた木の枝が、胸部を貫通し真っ赤に染まってゆく
表情を歪ませその枝から身体を引き抜き、更に地面へ落ちるメイ



『力を─』

ルビス…か?
俺に、こいつと戦う"力"をくれ…

『あなたはすでに"力"を持っている 守りたいモノや人を強く、思いなさい…』

507 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/27(木) 16:26:21 ID:S+iMreCV0
>>魔神
テラ少なす・・・
>>タカハシ
テラ多すwww

508 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:27:01 ID:bHmsBRUz0
俺の中で何か大きな力が起き上がり、身体を支配する
逆にオリハルコンの剣は輝きを無くし、変わりに刀身が純白へと変わる
だが酷く損傷した俺の身体は思うように動かせない

「ベホ……」

メイが何かを小さく呟き、俺の身体にフワリとした感覚─

『ズシュ』

「クッ!! なんだキサマ!? この後に及んでまだ俺に抵抗しようというのか!
 人間が無駄な事を!」

意識とは無関係に、アトラスの腕へオリハルコンの一撃を見舞う俺

その後は 覚えて、ない
気が付き目の前にあったのは 横たわり動かない、アトラスだった


509 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/04/27(木) 16:28:37 ID:bHmsBRUz0
今日はここまで
さんざん迷いまくって、結局こうなった
かなりツギハギしたから話の前後が今まで以上にわかりにくくなったかも…
脳内補間、お願いします

>>507
たぶん、今後も長くなると思いますw

510 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/27(木) 16:54:24 ID:9DeGN5oLO
GJGJ!

511 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/27(木) 17:01:23 ID:g9gkIwP30
そうだ…うまいぞ…タカハシ…

やればできるってもんだ。っと阿部さん風に言ってみる。

とにかくGJ!!

512 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/28(金) 12:36:52 ID:9V435TaC0
ま〜え〜ま〜え〜こ〜な〜ぎ〜


513 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 18:53:37 ID:hdMcF9gS0

拝啓、皆さま。お久しぶりです。
私は今、死出の洞窟の前に立ち、こうして最期の別れを告げるべく筆を取り……じゃない。

今私たちは、ラダトームから北、岩山の麓から地下へと延びるほら穴の前にいる。
この奥が、宿屋を後にしてから町中で聞きまわり、ついに引き出した賊たちの隠れ家だ。
「じゃ、いこうか」
私の前に立つミモザが、気合を入れるように鞭を振るった。
「……うう」
行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない生きたくない、いやいやいや逝きたくない!

最初はラダトームの宿屋でミモザを見送るつもりだった。だけど今の私には、彼女のほかに頼るものも
なし、金……ゴールドもなければ知識常識もない。
そしてそんな私に、ミモザは言い放った。
「あ、付いて来ないんなら、あんたの面倒見ないからよろしく」
……そんなこと言われたら、付いてくしかないじゃん。あんた鬼や。

このアレフガルドとやらに迷い込んでからこちら、ろくなことがない。
ちょいと振り返ってみれば、
朝起きーの、宿屋追い出されーの、魔物に襲われーの。トツギーノ。いや、嫁いではないけど。むしろ
嫁ぎたいですけど。
おまけにその後ときたら、盗賊に助けられーの、下っ端になりーの、山賊退治に同行させられーの。
トツギーノ…とか言ってるバヤイじゃない。
まあ大体そんなことがあって、今現在、こうして私はミモザという女盗賊の金魚の糞をやっているわけで。

「ほらほら行くよ、あたしの荷物ちゃん」
ミモザは元気に洞窟の入り口へと足を踏み出す。ていうか人のこと「荷物」呼ばわりかい。人権なんて
あったもんじゃないですか。…まあ確かに荷物運び以外は役に立ってないけどね。
「……荷物って呼ばないでください」
私も死にそうな顔で洞窟の入り口へと足を踏み出す。ああ、父さん母さんごめんなさい。娘はこんなわけも
分からぬところで死んでゆきます。

514 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 18:55:03 ID:hdMcF9gS0

洞窟のなかは思ったよりも広く、思ったよりも乾いていた。人の手が随分加わっていて、あちこちに燭台が
設置され、石造りになっている壁面もある。
ミモザの掲げるランプのおかげで、辺りはばっちり見えた。
真っ暗だったらつまづきそうな足元も、あちこちに生えているコケだのシダだのも、隅っこで朽ち果てている
不気味な骸骨も、雄たけびを上げてこちらへ襲い掛かってくる魔物も…
!!11!!!!1!!
「ちょ、ま、うわ、魔物マモノまも」
「……あんた慌てすぎだよ」
慌ててるんじゃない、テンパッてるだけです。ってそりゃ言い訳にならないか。
「ほら、ちょっと下がってな。あぶないから」
自信満々、余裕綽々でミモザは鞭を振るう。
「何だ、トロルか。戦うのめんどいなー…」
手に持った武器を眺めて、目の前の敵を眺めて、そして彼女は呟いた。
「バシルーラ」

……
…………
しかし なにも おこらなかった!

「……あれ?」
「どうしたんすか?」
「……魔法が使えないみたいだ」
「えっ」
それってやばいんじゃ、と思った私の勘は正しかった。
ていうか考えればそんなことすぐに分かるか。はは、私ったらおばかさん。
「ぎゃあああAAAAaaaaa!!1!」
「逃げるよっ!」
手に持った棍棒を思い切り振り回し、魔物――トロルが襲いかかってきた!

515 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 18:59:18 ID:hdMcF9gS0

がきぃんッ!

……
次の瞬間。私はまだ生きていた。
「ばかっ何してる!」
「あ……」
ミモザがいた。盾で棍棒を受け止めて、私の前に立ちふさがっている。また助けられた。
「はやく逃げな、もうもたない……きゃあっ!」
軽いからだが、いとも簡単に吹っ飛ばされた。
私は慌ててミモザのもとに駆け寄る。ほかに、どうしていいか分からなかった。
「ミモザさん、ミモザさん、しっかり、ねぇ、ねぇ!」
「揺らすなっあほっ!……くぅ」
悪態をつきながら足に体重を乗せようとして、ミモザは眉をしかめる。立ち上がれないのだ。

ずしん。がきん。ずしん。どすん。
醜い足で地面を揺らしながら、無骨な棍棒で壁を破壊しながら、トロルが迫ってくる。
どこにも逃げられない。
死ぬ?
――やだ。ヤダ。嫌だ。
武器は? 無い。でも何かしなくちゃ、このまま死んで魔物の餌になるなんて嫌だ。
そのとき。ミモザの腰に吊るされていた短剣が、ちらりと目に入った。
咄嗟。
「これ、借りますっ!」
「え、ちょっと、おいっ!」
私は武器を手にとり、がむしゃらにトロルめがけて突きこんでいく。

とすん。
刃は、あっけないほど簡単に魔物の体を貫いた。

516 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 19:03:16 ID:hdMcF9gS0

「ごがああぁあぁぁあ!!!!」
トロルは狂ったように叫び声をあげ、そして、
「よけろ、潰されるよっ!」
「え、あ、はい!」
よろけて倒れ、そのまま動かなくなった。
ミモザのとっさの声で後ろに下がっていなかったら、その巨体の下敷きになって私も死んでいたかも
しれない。

――倒した、んだ。私が、魔物を。

「大丈夫か?」
何とか立ち上がったミモザが、私の横にやってきた。
「怪我はないか?」
「……」
「ちょっと、ねぇ?」
「ひっぅ……ふっ……えぐぅ……」
止まらなかった。
緊張の糸が切れた途端、さっきまでの恐怖が襲ってきた。こわかった。こわかった。こわかった。
大人のくせに泣きじゃくるなんてみっともない。分かっていたけど、止まらなかった。
「……大丈夫だよ、もう泣かない。な」
「うん……」
ぽんぽん、とミモザが肩を叩いてくれる。その感覚が、とても温かかった。

トロルの死骸から離れて、私たちは岩陰に身を潜めた。今、他の魔物にあったら、多分逃げる暇もなく
やられてしまう。
ミモザは黙って荷物の中から薬草を取り出して、打撲や裂傷になっているところに貼り付けていく。
私にもいくつか分けてくれた。
治癒呪文をつかったときと同じように、あっというまに傷が治ったけれど、その不思議さは何だかもう
どうでもよくなっていた。そういうもんなんだ、と納得するしかなかった。

517 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 19:04:53 ID:hdMcF9gS0
そしてだいぶ気分も落ち着いてきたところで、ミモザがぽつんと言った。
「それ、あんたにやるよ」
私の手の中にある短剣を指差して。
「え? いいの?」
「あたしにはこれがある。気にすんな」
短剣の鞘が吊るされているその反対側には、鋼鉄を紡いだ鞭。「それに、ここじゃあ駄目みたいだけど
魔法だって使えるしね」
そして彼女は腰のベルトから鞘をはずして、それを私に放る。
「ほら、しまっときな。あ、その前にちゃんと汚れを落としときなね、錆びたら大変だから」
確かに短剣は魔物の血でずぶぬれになっていた。……へえ、トロルの血って青いんだ。
ミモザから布を受け取って、丁寧に汚れを落としていく。刃はランプの光を反射して、紫色にきらめいた。
「やっぱり、紫色なんだ」
「ああ、毒が仕込まれてるからね。ちょっとした魔法剣みたいなもんだよ」
「へぇ」
「さっきトロルがあっさり死んだのはそのせいだろ。急所に入ればどんなでかい奴でも簡単に倒せる」
「へぇ。あの、ミモザさん」
「なに?」
「……ありがとうございます」
大事な武器を譲ってもらって。転んで動けないときに庇ってもらって。怪我の手当てもしてもらって。
そしてこうして面と向かってちゃんと彼女にお礼をいうのが初めてだと、言ってから気がついた。
「ございますはいらないよ」
ミモザは白い歯を見せて笑った。
「あ、はい、その……」

518 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/04/28(金) 19:07:51 ID:hdMcF9gS0


「ありがとう」

先は長い。当面の目的である山賊退治もこれからだ。ミモザの魔法も使えないし、私はただの足手まとい。
だけど、不思議だ。
――何とかなるかもしれない。
アレフガルドに落ちてきて、そのとき初めて、私はそう思った。


クロベ Lv8 フリーター
HP 17/55 MP 0/1
E アサシンダガー E ピーコート ミモザのにもつ




―――――――――
コピペ失敗orz
下の分は514と515の間に入りますよ

519 :クロベ ◆LZJDwNvDH2 :2006/04/28(金) 19:09:29 ID:hdMcF9gS0

人間をむりやり数回りふくらしたような青い体に、一つ目の豚のような顔。だらしなくにやけた口からは、
舌がぶらんとはみ出している。
滑稽な姿をしているが、多分あの武器が一度でも当たったら、五回分くらいは軽く死ねるだろう。
ガスッ!ドスッ!と嫌な音が後ろから追いかけてくる。何が起きているのか気になったけど、振り向けば
待っているのは間違いなく、死だ。

でっぷりとした見た目に似合わず、奴は意外と俊敏だった。
走る。走る。走る!
ものの壊れる音が、後ろから迫ってくる。
もっと早く、早く。逃げなくちゃ、逃げなくちゃ。
でも。
息が詰まる。
足がもつれる。

――がくん。
「……っ!」

そこが私の限界だった。
つんのめって、肩にしょっていた荷物が前にふっとぶのがやけにはっきりと見えた。
肘を思い切りぶつけたようだった。本当なら泣きわめきたいくらい痛いはずだ。
でも、声が出ない。
あたまのなかが、まっしろに、なる。

何も考えられず、私はとっさに振り返った。
棍棒が、目の前にあった。トロルの顔には、いっそうニヤニヤと嫌な笑みが浮かんでいる。
ぐわん。
あ。もうだめだ。
しぬ。

520 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/28(金) 21:26:55 ID:iBHRdHWGO
クロベ氏、乙
主人公が本格的に参戦、楽しみです
これからが大変だと思いますが、頑張ってください

521 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/29(土) 14:41:42 ID:Qgm7nNciO
クロベさん乙。
久しぶりの更新だな。

522 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/29(土) 15:14:10 ID:If2KLtkBO
乙!
主人公の運テラタカスwww

523 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/29(土) 21:19:11 ID:ZFAHOL0n0
期待あげ

524 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/29(土) 23:30:21 ID:FOFV0E5/O
そーうーちょーうー

525 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/30(日) 11:52:34 ID:mr0vm9Le0
524 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/29(土) 23:30:21 ID:FOFV0E5/O
そーうーちょーうー


526 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/30(日) 12:32:31 ID:MMoXms1V0
4の人は書くのが遅すぎるのであげ

527 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/30(日) 14:02:36 ID:cSQ18Q0uO
どうして毎回こう失礼なやつが現れるのか理解に苦しむのでsage

528 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/30(日) 15:21:41 ID:FtYOzSmh0
4の人マダーー?とか言ってるマルチは放置

529 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 21:57:46 ID:wRmz2JKx0
>>444の続き

その泥棒は食料や水を盗もうとした所で俺に見つかったらしい。良く見てみると北斗の拳のハート様の様な男だった。

タケ「この小ざかしい泥棒がぁ!ブッた斬ったるわ!」
 ?「チッ!ここはズラかるか。」
タケ「待たんかい!!うわっ!!」

泥棒が俺に砂みたいなものを振り掛けて逃げ出した。目がぁ〜〜目がぁ〜〜って言いたい所だがこのまま逃がすわけにはいかん。
何とか視力が回復させ、泥棒が逃げ去った方向に走って向った。

















すぐに追いつけた。なんだかあっけねぇな……………………やっぱりハート様だな。


530 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 21:58:35 ID:wRmz2JKx0
 ?「ちっ!ここまでか…」
タケ「人様の食料勝手にパクって何様や!ボケェ!」
 ?「なら強引にでも奪ってやるぜ!」
ハート様が大きな斧を持ち出し構えた。パワー型の盗賊って言うところか。足は遅いけど…

タケ「こいやオラァ!!」
俺が斬りかかったのと同時にハート様も斧を振り下ろしてきた!

ガキィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!

タケ「なっ………なんちゅ〜馬鹿力や…」
 ?「オラオラどうしたぁ?俺様をなめるなよ!」

コイツ、パワーだけは一級品だ。このままの体制なら確実に力負けをする。だが…

タケ「足元ががら空きやで!」
 ?「し、しまっ…」

俺は足払いをした。ハート様はステンっと簡単にこけた。今がチャンス!

タケ「おまん逝けや!!!」
ハート様に追い討ちをかけるように俺は剣を突き刺した。



それが甘かった。




531 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 21:59:39 ID:wRmz2JKx0
タケ「ガハッ!!」
ハート様が(寝ながらだが)サマーソルトを俺に食らわした。俺の攻撃は回避され
しかもあごにまともに入ったためにちょっと脳震盪をおこした。

――――――――まだ動ける。

もょ「(だ、だいじょうぶか!?)」
タケ「(ちぃっ!パワーだけがやっかいやな。今の所は大丈夫やで。)」

タケ「中々やるやないかい!詰めが甘すぎたワ。」
 ?「てめぇもなかなかやるな。簡単にやられてたまるかってんだ。」
タケ「死にさらせ!」  
 
剣を打ち込んでいるのだが中々クリーンヒットがしない。
テクニックでは俺のほうが何とか勝っているが致命的な一撃打たせないために早く打ち込む事に精一杯だった。
しかもハート様のなぎ払いで吹っ飛ばされた。

タケ「ハァ…ハァ…こいつのパワーはある意味人間やないな。」
 ?「しつこい野郎だ。俺様の最強の技喰らわせていやる。」

ここで本領発揮って所か。スピード系の技はまず有り得ないな。大防御で対処できるだろう。

 ?「くらえ!蒼天魔斬!!」



532 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:00:37 ID:wRmz2JKx0
ハート様が斧で地面に円を削ると紺色の霧のようなものがハート様の周りを包み始めた。
なんと霧が髑髏の形になって俺に襲い掛かってきたのだ。

俺は咄嗟に大防御の構えを採ったのだが恐怖で身震いしていた……
死ぬんじゃないだろうか?まして夢の世界であるはずなのに―――――――――

髑髏が俺を飲み込んだときに全身に激痛が走った。

タケ「あがががががががが!!!!!!!!うぐぐっ………!!」
もょ「(タ、タケ!!)」
タケ「(も、もょは出たらアカン!!お前も激痛が走るで!)」

次第に髑髏が消え去っていった。大防御のおかげか何とか防ぎきった。マジで死ぬかと思ったぜ。

タケ「甘くみるんやないで。防ぎきったわい。びびらせやがって。」
 ?「ガハハハハハ!!上手くいったようだな!」
タケ「何やと?そのアホ面を斬り刻んでやったる!」

体を動かそうとしたら全く動けない。どうなっているんだ?


 ?「蒼天魔斬の真の目的は相手の動きを止めることだ。思惑通りに麻痺させる事ができたぜ。」




533 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:01:44 ID:wRmz2JKx0
タケ「アハハハハハ!だから体が痺れて動けない訳やな。」
 ?「な、何笑っているんだ?こいつ…」
タケ「だってよぉ〜
            ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',    / 状 .あ ま ヽ
             ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{     |  況 .わ だ  |
             ヽ::r----―‐;:::::|    | と て    |
             ィ:f_、 、_,..,ヽrリ    .|  ち る     |
              L|` "'  ' " ´bノ     |  ゃ よ     |
              ',  、,..   ,イ    ヽ う う    /
             _ト, ‐;:-  / トr-、_   \わ な   /
       ,  __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃   `i,r-- 、_  ̄ ̄
      〃/ '" !:!  |:| :、 . .: 〃  i // `   ヽヾ
     / /     |:|  ヾ,、`  ´// ヽ !:!     '、`
      !      |:| // ヾ==' '  i  i' |:|        ',
     |   ...://   l      / __ ,   |:|::..       |
  とニとヾ_-‐'  ∨ i l  '     l |< 天  ヾ,-、_: : : .ヽ
 と二ヽ`  ヽ、_::{:! l l         ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ   」※AAはイメージです。

 ?「ムカツク野郎だぜ!状況が悪くなってケロっとしている奴などはいないはず…」
タケ「(もょ。蒼天魔斬だけ気をつけたら何とかなるわ。)」
もょ「(そうてんまざんってドクロがでてくるわざだな!)」
タケ「(ああ。蒼天魔斬は遠距離攻撃みたいやから接近戦で攻撃したらもょのペースでいけるやろ。隙があったら魔人斬りを喰らわせてやれ。)」
もょ「(まじんぎりってなんだ?)」
タケ「(もょが以前、レオンが持っていた盾を破壊したやんか。勝手にそう呼ばしてもらった。強撃って呼ぶのも弱弱しいしな。)」
もょ「(なまえのつけかたがうまいなタケは。あとはおれにまかせろ!)」
タケ「(すまん。頼むで!)」

もょもとと代わり、もょもと対ハート様とのバトルになった。


534 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:02:35 ID:wRmz2JKx0
もょもとが向った行った瞬間にハート様はさずがにとどまった。その隙を突いてもょもとは攻撃を仕掛けた。
 ?「バ、バカな!ありえねぇ…」
もょ「とにかくこうげきさせてもらうぞ!!」
もょもとが先手を取ったようで有利な体制で力比べになった。
 ?「ぐぐっ………こいつ、こんな底力を隠していたのか…」

もょもとが強引にハート様を押し込んでいる。このまま押し倒す事ができそうだ。
 ?「足元がお留守だぜ!」
ハート様が足払いを仕掛けてきたがもちろん想定の範囲内である。
タケ「(もょ!バックステップや!)」
もょ「(おう!)」
 ?「く、くそっ!かわされた!」

もょ「たにんのわざをつかうなんてまだまだあまいな。」

こいつめ、いっちょ前に格好つけやがって。

もょ「いくぞ!まじんぎり!」
 ?「こ、これは…ぐばぁ――――!!!」

魔人斬りが綺麗に決まった。流石に立ってこれまい。
 ?「こ、ここまでか…」
もょ「さぁ、ぬすもうとしたりゆうをきかせてもらおうか!」
 ?「くくっ…」


535 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:03:57 ID:wRmz2JKx0
尋問しているときにレオンとリアがやってきた。
レオン「もょもと!何があったんだ?」
 もょ「こいつがおれたちのしょくりょうをぬすもうとしたんだ。」
 リア「もょもとさん大丈夫?怪我はない!?」
 もょ「だいじょうぶだ。」
 リア「良かった…」
レオン「ん…あ、あんたは…?」
  ?「ク、ククールでがすか!?」
レオン「ヤ、ヤンガス…」

まさか――――――――――――――――レオンの仲間が見つかったって事か?

ククール「あんた何やっているんだ?」
ヤンガス「おっさんが倒れたから食料と水を探していたのでがす。そしたら返り討ちにされてしまったでがす。」
ククール「トロデ王やミーティア姫もいるのか!?」
ヤンガス「そうでがす。」
ククール「他のみんなは?」
ヤンガス「気がついたらあっしとおっさんと馬姫さんだけだったでがす。兄貴達はどこに行ったのかわからないでがす。」
  もょ「どうなっているんだ?レオンのなかまなのか?」
ククール「ああ…」
  リア「レオンさんどういう事なの?」
ククール「レオンって言うのは偽名さ。本名はククール。この盗賊の名前はヤンガスって言って俺の世界の仲間だ。」
ヤンガス「そ、その前に治療を頼むでがす…」
ククール「わかった。しかしあんまり無理はするなよ。」

ククールがベホイミを唱えるとヤンガスは立ち上がった。

ククール「もょもとすまない。ここは俺の顔に免じてヤンガスを許してやってくれないか?」
  もょ「しかたがないな。しかし、ひとのものをぬすむのはよくないぞ。」
ヤンガス「すまなかったでがす。とにかくおっさんの所に案内するでがす。」

ヤンガスはトロデ王の場所に俺達を案内した。

536 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:05:59 ID:wRmz2JKx0
案内された場所に着くとナメック星人みたいな生き物が倒れていた。しかも馬が心配そうにナメック星人をみていた。
  リア「こ、この人がトロデ王?」
ヤンガス「そうでがす。おっさんも馬姫様もドルマゲスって奴に呪いをかけられたのでがす。」
もょ「のろいか…」
ククール「この馬もトロデ王の愛娘ミーティア姫さ。しかしドルマゲスは許せねぇ…」

ククールが感情むき出しで語った。よっぽどドルマゲスって奴に悲惨な目にあったのだろう。

  タケ「(おい、もょ。)」
  もょ「(どうした?)」
  タケ「(もしかしたらラーの鏡でトロデ王やお姫様の呪いを解く事が出来るかもしれへんで。)」
  もょ「(なるほど!ムーンののろいをといたようにやるんだな!)」
  タケ「(しかし成功するとは限らへんけど…)」

  もょ「レオン…じゃなかった、ククール。もしかしたらトロデおうとおひめさまののろいをとくことができるかもれないぞ。」
ククール「なんだと!?」
ヤンガス「本当でがすか!?」
 
  もょ「ラーのかがみでムーンののろいをといたことがある。いまからもってくるよ。」
  リア「さっすがぁ!もょもとさん!即実行あるのみだね。」
  もょ「ちょっとまってろ。」

ラーの鏡を取りに行きリア達の場所に戻った。

戻った後トロデ王の水と食料を与え。とにかく起きてもらった。

537 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:07:22 ID:wRmz2JKx0
 トロデ「お蔭様で助かったわい。」
ヤンガス「おっさん良かったでがす。」
 トロデ「バッカもーん!!ワシの家臣でありながら何をやっておるんじゃ!!」
ヤンガス「あっしは家臣ではないでがす!」
 トロデ「しかしこの者達がワシとミーティアの呪いを解いてくれるとな?」
ククール「俺達の世界と全く違う世界だからな。可能性はあると思う。」
  もょ「まずはトロデおうからはじめることにするぞ。」

もょもとがラーの鏡でトロデ王を写し出し、覗き込むと人間の顔が写し出した。

ヤンガス「お、おっさん!手が人間の手に戻っているがす!」
 トロデ「なんじゃと!?おおっ!」
ククール「凄いなこれは…元通りに戻ったみたいだな。」
 トロデ「どうじゃ?ヤンガス、ククール。これでワシもギャルにモテモテじゃ!!」
ヤンガス「おっさん何言っているんでがすか!?」 
ククール「はいはいわかったわかった。」
  リア「後はミーティア姫だけだね!」
 トロデ「そうじゃった!ようやくミーティアも元通りに戻せるぞ!もょもと!早くやってくれ!」
  もょ「わかったぞ。」

もょもとがラーの鏡を馬に写し出した…しかし――――――――

バリィィィィィィン!!!!!!!!!!!

ラーの鏡が砕け散ったのだ……………………その瞬間全員の表情が硬直してしまった。

538 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:08:29 ID:wRmz2JKx0
  もょ「な、なぜだ…?」
  リア「そんな…」
 トロデ「な、なぜミーティアだけ呪いが解けないんじゃ!?」
ククール「多分、トロデ王の呪いより姫の呪いの方が強いのだろう…」
ヤンガス「やっぱりドルマゲスを倒すしかないでがす!!」
 トロデ「ドルマゲスめ…」

その時サマルとムーンが来た。

 サマル「どうしたんだい?今凄い音がしたんだけど。」
 ムーン「凄い音がして目が覚めたわ。」
  もょ「ムーン、すまない。ラーのかがみがわれてしまったんだ。」
 ムーン「…しかもレオンもいるじゃない。状況を説明して。」
ククール「俺が話そう。」

ククールは今までの話の流れを話した。

 ムーン「ミーティアさんの呪いはハーゴンのよりもきついみたいわね。」
 サマル「しかもドルマゲスって奴もハーゴンと同様に邪悪な魔術師みたいだね。」
 トロデ「ムーン。家宝を壊してしまってすまんのぉ…」
 ムーン「気にしなくていいわ。王様。人助けに使って壊れたんだからいいじゃない。」

なかなか話が進まない沈黙の状態でリアが切り出した。

  リア「これからどうするの?」

539 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/04/30(日) 22:09:58 ID:wRmz2JKx0
 サマル「バカ!空気を読め!」
  リア「ご、ごめんなさい…」
ククール「そうだな。もょもと、すまないが俺はここまでだ。」
  もょ「なんだって?」
ククール「ヤンガスやトロデ王達と一緒に行くとする。俺のわがままで付きあせる事はできないからな。」
  リア「そんな、寂しくなっちゃうね…」
 ムーン「リア、ククールも目的があるんだから仕方がないじゃない。」
ククール「すまない…」
ヤンガス「それならまた待ち合わせしたらいいんじゃないでがすか!?」
 トロデ「それもそうじゃの。ヤンガス、お前もたまには良い事言うもんじゃ。」
ヤンガス「余計なお世話でがす!」
  もょ「そうだな。ローレシアでまちあわせしよう。ローラのもんのつうこうきょかしょうがいるな」
 サマル「それなら僕が紙に書いて作っておくよ。」
 ムーン「なら決まりね。私達はルプガナに行くわ。」
ククール「俺達はムーンペタに行ってローレシアに向うとしよう。元気でな!」
  リア「またね!ククールさん、ヤンガスさん、トロデの王様。元気でね!」

もょもと&タケ
Lv.15
HP:43/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄の盾 E鉄兜 
 特技 共通技:チェンジ
 もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
   タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御

540 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/01(月) 01:09:57 ID:nFz9QxX20
レッドマン乙

みんな職人さんマダー?って言ってるけど、俺は書庫さんの安否が心配じゃ

541 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/01(月) 07:28:48 ID:kEfj/vhoO
ちょwwwwそれ何て仙道wwwwwwwwww

542 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/01(月) 12:01:58 ID:P7AbthPB0
さり気無くムスカが絡んでるw

543 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 12:03:08 ID:jUiphBIdO
レッドマン乙。
今後の展開が楽しみだ。

544 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:35:40 ID:1RKN4gD70
>>508
から続き

●変わらない

巨大なアトラスの身体には無数の深い斬り傷がパックリと開き
その命を奪ってしまっていた

「倒したのね…」

メイがよろよろと、立ち尽くす俺の横へ歩み寄り言った
深々と突き刺さった木の枝の傷痕は、消えてなくなっている
残っているのは真っ赤に染まった血痕

「残った全ての魔力で、古代魔法ベホマラーを使ったの」
「ベホマラー?」
「そう ベホイミやベホマとは違って、一度に複数の人を治せる
 だけど、イオナズンとあわせてかなり魔力を消耗してしまったから、一晩くらい休まないと…」

だから…
不思議な力が湧いてすぐには起き上がれなかったけど
ベホマラーのおかげで立ち上がることが出来た
あの時メイが呟いた魔法はこれだったんだ
もし、洞窟で古代魔法を手に入れることが出来ていなかったら、今ごろ魂だけの存在になっていた

「ありがとう」
「お礼なんて、私たちは一緒に旅をして一緒に戦っているんだから」
「…そうだな ありがとう」

545 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:36:20 ID:1RKN4gD70
口の中に鉄のニオイに似た味が、ザラザラと残っている
俺はいったいどうやって アトラスを倒したんだろう

「剣が白くなって、タカハシはとても早い動きで何度も何度も… 斬り付けたのよ」
「何度も… 全く覚えていないよ」

右手に握るオリハルコンの剣は、いつもの通りの金属色
不思議な力は効力を失っていた
倒れる巨体へ目をくれると、光に包まれ空へ溶けこんでいくところだった
同時にシュンと、辺りから不穏な気配も無くなる
そのまましばらく無言で空を眺め、俺は口を開く

「メイ、ルビスの事なんだけど─」

話しておかなければならない
俺といれば、またアトラスのように強い魔物が現われるかもしれない
だから、真実を言って そして俺は一人で旅を続けたいと─

「私は… なんでもいい」
「え?」
「タカハシが"どこの誰で何者"だろうとタカハシである事は変わらない
 今まで通り、なに一つ変わらないの」
「…そうだとしても、また強い魔物に襲われてしまう可能性は高いんだ
 これ以上、俺と旅を続けるのは危険過ぎる」
「平気、よ タカハシがきっとまた、強い力で助けてくれると信じてる
 それに、まだタカハシと旅を続けるって決めてるの」
「しかし─」
「私は、こんな事だいじょうぶだから─」
「聞いてくれ 俺は本当は─」

言い掛けた言葉は、メイの手の平で抑えられ出口を失った

546 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:37:02 ID:1RKN4gD70
「いい 言わなくても、いい
 今まで通り、いつもみたいにまた、旅を続けようよ
 今までだって常に危険だったじゃない」

メイの目も"それ以上なにも言わないでほしい"と語っているのが感じとれる
俺はいったいどうすれば…

「わかったわ じゃあ、こうする
 もしまた不穏な気配を感じたら、私はすぐに遠くへ離れ逃げるから…
 約束するから、お願い…」

アトラスとの短い会話の中でメイは何を、何に気付いたのか
もしかしたら俺が普通の人間では無いことに気付いているかもしれない
俺のあの不思議な力、俺自身が驚いてるんだ
……だけどやっぱり危険すぎるよ

その後も説得し続けたがメイは折れてくれず
"危険を感じたら必ず逃げる"
という約束を俺は信じ、一緒に今まで通り旅を続けることを承諾した


547 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:37:44 ID:1RKN4gD70
●遙かな時間

アトラスを倒ししばらくの休憩後、俺達はチゾットへ向け歩きだしていた
しかしあまりに厳しい戦いだったために、二人とも気持ちを前に進めることが出来ない
あまりに強すぎた敵アトラス…
そんな、お互いが不安定な状態では危険過ぎる
またゾーマの刺客が現われるかもしれない
だから明るいうちに野営を始め、そしてそのまま夜を迎え今に至っている

魔力を使い果たし疲れ果て眠るメイ
穴の空いたプリンセスローブは丁寧に繋ぎ合わせられ、血痕だけが濃く残っている
俺が身に着ける魔法の鎧はぐしゃりと潰れてしまったから、途中で破棄してしまった
今の装備は予備として持ち歩いている旅人の服

「あの力は、なんだったんだろう…」

ルビスに"守りたいモノや人を思いなさい"と言われ、思ったのはメイと自分の世界…
そして俺は意識を失い、いつのまにかあのデカブツを倒していた
ルビスの言う"真の力"はあの事だろう
だけどあれ以来、力を感じることは無くなってしまった
もしかしてまた死にかけなきゃ発揮されないとでもいうのか…?

「ふぅ…」

俺は溜息と一緒にググッと腕を伸ばし筋肉をほぐす

548 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:38:30 ID:1RKN4gD70
あの時"自分の世界"を思うのは当然だけど、今の目的である"トルネコと呪い"を思い浮かべることが出来なかった
いや、当り前かもしれない
目の前で木に貫かれたメイがいたんだ
だけど……
それだけじゃない感情が、俺に入り込んできていたのも事実
俺はこの世界の住人じゃないのにな
メイはどう、思ってるんだろう…

だめだ
俺はこんな感情を持っちゃいけない 捨てなくてはいけない
イシスからチゾットへ向かう間、ずっと考えていた

ここは俺の世界とは繋がることのない、遙かに遠い異世界なんだ
いつかは終わる、旅なんだ


549 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:39:08 ID:1RKN4gD70
●残り人

翌朝、アトラスとの戦いの記憶も多少薄れ、俺達は出発した

「もう一つの古代魔法はマホトーンっていうの」
「どんな魔法?」
「相手の魔力を、少しの間だけ無力化する事が出来るのよ」
「へぇ じゃあ、その静寂の玉と同じようなものか」
「そうね だけどマホトーンは失敗する事も多いらしいの
 だからあまり過信してはいけないわね」

アトラスを倒してからも、魔物の気配は感じない
俺達はかなりゆっくりとした歩調で進む

魔王にはルビスの気配を感じとれるらしい
わざわざあんなに強い魔物を送り出してくるんだ
俺にはそう思えないが、ルビスは特別な力を持っているんだろうな
それとアトラスの言っていた"闇の衣の魔力"とはなんだ
古代魔法イオナズンも魔力を十分に送ったオリハルコンでもほとんど傷つけることが出来なかった

「闇の衣… 私も聞いたことが無い
 もし、そんな力を全ての魔物が持つようになったら世界はおしまいね…」
「強力な魔法も、剣での攻撃も効かないとなると…
 考えただけでも恐ろしい」

不安はつのるが、今はトルネコの呪いを解く事だけを考えよう
考えすぎると自分の世界へ帰る事すら、見失ってしまいそうな気がするから…

550 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:39:46 ID:1RKN4gD70
チゾットへ戻った俺達はクリーニに一晩の宿を借りて休み、再び西の道を歩いていた
呪いを解く事ができるかもしれない、カルベローナの生き残りを探すため

チゾットで聞いた話によると、西の道沿いを歩いていけば逃げ延びた人達が暮らす小さな集落があるらしい
その集落にカルベローナの人間がいるかどうかはわからないという事だったが、このまま途方に暮れるよりはマシだ
プリンセスローブはというと、チゾットの村人に洗ってもらい元のベージュに戻った
そして俺は、クリーニに譲ってもらった革の鎧を身に着けている
魔法の鎧より軽いが耐性はゼロだし鋭い爪の一撃をもらえばすぐにちぎれてしまいそうだ
だけどほとんど守っていないに等しい旅人の服よりは気持ち的に安心だ

「カルベローナの人達、すぐに見付かると良いけどなぁ」
「この道沿いを進んでいけばいいらしいから、すぐに見付かるわよ」
「見付けたら呪いを、すぐに解いてもらわないとな
 メイももうすぐ、勇者にあえるかもしれないぞ」
「…タカハシは、勇者様の呪いが解けたらどうするの?」
「俺か …俺は旅を続ける
 ただし、トルネコさんと一緒じゃない、一人で旅するよ」
「私達と一緒に旅を続けようよ!」
「それは─」

仕方がないんだ
俺は、帰らなきゃいけない所があるから─

551 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:40:44 ID:1RKN4gD70
「…その事は、その時考えればいいよね
 もしかしたら、気が変わるかもしれないし」
「…そうだな それにだ
 カルベローナの人達が呪いを解けるという確証はどこにもないんだ
 もしかしたらまだまだ旅しなきゃならないかもしれないよ
 そうなら─」

俺は、何を言おうとしてるんだ
駄目じゃないか
呪いを解くんだ、この旅はそのためにしているんだ
バカか、俺は…

「そうなら?」
「ん?ああ… そうなら… どうすれば呪いが解けるんだろう?って、言おうとしたんだ」
「わからないわね 呪いに関しては、教会でも研究が始まったばかりだし…
 大きな町へ行って、人の話をたくさん聞いたほうがいいかもしれないね」
「大きな町か、じゃあもし、呪いを解けなかったらグランバニアへ向かおうか」
「そうね、グランバニアなら人が集まるからいろんな話が聞けそう」

どのみちライフコッドへ行くには、この西の道を通りグランバニアを経由する事になる
呪いが解けなかったとしても、一度ライフコッドへ行こうと思ってたから丁度良かった

552 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:41:23 ID:1RKN4gD70
西の道を歩き始めて幾日、うっそうとした森からようやく開放され、目の前に平地が現われる
更に数日進むと丸太を組み上げて作った小さな家がたくさん並ぶ、町らしき場所へたどりついた

「なぁ、あれ
 あれがもしかすると生き残った人達が住む集落じゃないか?」
「きっとそうね だけどこれは…」

その場所は全く"町"という風体をしていなかった
整備された路があるわけでもなく、店があるわけでもなく、家もバラバラな方向へ向かい
まるで散らかされてしまったように感じる
それも広野に、広範囲に

「まぁ、見た目はどうでもいいさ
 カルベローナの人達を見付けなきゃな」

集落へ入り人を探す
だが全く人気は感じられないし、家の扉は閉ざされたまま
少し気味が悪い

「うーん、誰もいないな
 仕方がない、一軒ずつ尋ねていくか…」

なんだか訪問販売みたいで嫌だったが、外に人がいないんだ
こうするしかない
コンコンと扉をノックし声を掛ける
ガチャリと開き、女性が応対してくれた

553 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:41:59 ID:1RKN4gD70
「はい、なんでしょう?」
「あっ 俺はタカハシといいます
 あの、カルベローナの人はこの集落にいますか?」
「カルベローナの人は、居るにはいるけど…
 ここはカルベローナの人達が作った場所でね、だからそこ出身の人がほとんど
 でも付き合いしたがらないから、誰も外へ出なくなってしまったんだよ
 私はアリアハン出身だけどね」
「家へ尋ねても話してくれないんですか?」
「あんた、商人かい?
 商人だったらカルベローナの人も話してくれるかもね
 あの人達は買い物が好きみたいだから」
「そうですか… ありがとうございました」

商人か…
幸い今はチゾットで食糧や薬草を補充したばかりで荷物は大きい
これなら、心苦しいけど欺けるかもしれないな
早速、隣の家の扉をノックする

「はい?」

中からは中年の男がドアを少しだけ開け、返事をする

「あ、すみません
 商人なんですが、何か買っていただけませんか?」

俺は商人になりすまし、大きい袋を見せアピールしてみた

「…あんた、商人じゃないな
 すまんが見知らぬ人とは話をする気分じゃない、他をあたってくれないか」

男はそういうと扉を閉じてしまった

554 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:43:28 ID:1RKN4gD70
うーん、たぶん今の人はカルベローナの人に違いない
一言で見破られてしまうとは、トルネコに商人の話しかたを学んでおけばよかった

「タカハシ、どうしよう?」

メイも心配そうだ

「もしかしたら、一人くらい話をしてくれる人がいるかもしれないから…」

俺はそう言い、再び並ぶ家を尋ねる
だが、今度は一言も話さず、断られてしまった
なんでこんなにかたくななんだ…

555 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:44:10 ID:1RKN4gD70
それから20軒は回っただろうか
その間にカルベローナの住民と思える人は10人いたが、全ての家で門前払い
次、駄目なら一度チゾットにでも戻って商人を連れてこようかと、考え直しながら21軒目の扉をノックする

「はい、どなたでしょうか?」

今までとは違い、扉を大きく開いて一人の若い女性が出迎えてくれる

「あ… えーと…」

商人作戦は通用しない
なんと言えばいいのか─

「…あなた、何か、普通とは違う雰囲気を持っていますね
 それに後ろの女性は大きな魔力を感じます
 ……私はバーバラ、どうぞお入り下さい」

どういう事なのかわからないが、なぜか家の中へ通される俺達二人
まだ名乗ってすらいないのに

丸太を組み合わせ作られた家
中へ入ると狭い部屋が二つ
片方は台所とテーブルが設置され、今通されているもう一つの部屋には二つのベッド
一つは空で、もう一つは歳老いた男が横になっていた

「長老、この方達は………」

バーバラが、長老と呼ばれた男へヒソヒソと短く耳打ちする

556 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:45:28 ID:1RKN4gD70
「うむ… そうか
 バーバラ、お前は下がっていなさい…」

長老がそう言うと、バーバラは俺達に軽く一礼し部屋を出ていく

「あんた方、ワシの横へ…」

長老が横になるベッドへ近付く二人

「む……… あんたはタカハシ、後ろの女性はメイ、か
 して、何か用かな?」

なんと
長老は心を読めるのか?
なぜ俺達の名前がわかるんだ…

「ワシは、カルベローナの長老 だった者じゃ
 ほんの少しだけ、人の心を見通せる」


557 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:46:16 ID:1RKN4gD70
●盗まれた魔法

「俺達は、勇者の呪いを解くため旅をしてきました」
「うむ、知っている
 先ほど、失礼ながら心を読ませてもらったからの」

心を読む、か
読まれる方は嫌な感じだ

「だからあんたたちの目的は知っておる
 ……残念な事なんじゃが、勇者様の呪いを解くことはできんのじゃ」
「そんな」

俺は、ガックリと肩を落とし絶句する

古代魔法もなかった
そして、カルベローナの長でも呪いは解けない
いったい、どうすれば……

「この世界のどこかに…」

長老が静かに語り始める

「マジャスティスという、魔法がある
 その魔法は、強い正義の心を持つ者であれば誰でも扱える魔法じゃ
 呪いや、マヤカシを打ち消す正義の魔法
 ただし」
「ただし、なんです?」

思いがけない情報に、身を乗り出して長老へ聞き返す

558 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:48:19 ID:1RKN4gD70
「ただし、どこにあるのかは全く分かっていない…
 ワシらカルベローナの民はその魔法を探しつづけ、そして今でも探しておる
 商人が持ってくる珍しい古文書や情報を集めながらじゃ…」
「そのマジャスティスという魔法は、ほんとに存在しているの?」

メイの問いかけに長老がはっきりした口調で答える

「存在はする
 これは確実じゃ、なにせカルベローナの一族が守っていた魔法なんじゃからな
 だがある日、盗賊によってマジャスティスの魔法書が盗まれてしまった」
「盗賊にですか…」
「うむ…
 あんた達が何者なのか、そこまではワシでもわからん
 じゃが何か、大きな力があんたたちを守ってくれているようじゃ」
「大きな力?」
「そうじゃ
 だからあんた達をバーバラもワシの元へ案内したんじゃろう
 もしかしたら… 魔法書を見付け勇者様の呪いを解いて下さると…
 本来マジャスティスは、盗まれたから取り戻そうとしていたのじゃが、勇者様がああなってしまった
 だから今はその呪いを解くために探しているんじゃ」

大きな力か
ルビスだな、滅多に姿を見せない癖にどこかで見ているのか

「あまり人付き合いしないのも、そのためですか?」
「いいや、それは一族の昔からの風習というか、そういうものなんじゃよ」

559 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:49:25 ID:1RKN4gD70
新しい情報"マジャスティス"
どこにあるかわからないが、確かに存在しているという
次の目標は否応なしに決定した
早く呪いを解くためにも、早く元の世界へ戻るためにも、ガッカリしている暇は無い
この世界にきて俺の心は、滅多な事ではめげなくなってしまったようだ

「じゃあ俺達に、そのマジャスティスを探してほしいと」
「いいや、そうは言っていない
 ワシらはワシらで今後も探していく
 あんた達が魔法を見つけ出し勇者様の呪いを解いても文句もいわん」
「…お話、ありがとうございました
 俺達もその魔法を探そうと思います」
「うむ 頑張りなさい
 二人はまだ若いのだから、きっと見付けることができよう」

"失礼しました"と家を出る

560 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:50:06 ID:1RKN4gD70
「結果は残念だったけど、こうして新しい情報も手に入れた
 …まだまだ旅は続きそう─」

メイに話しかけたところで、長老の家の扉がガチャリと開き、バーバラが出てきた

「そこの… メイさん、長老がお呼びなので来ていただけませんか?」
「私? 私は構わないけど…」

チラと俺を見るメイ

「うん? 構わないよ、俺はここで待ってるから」
「ありがとうございます、ではメイさん中へ…」

バーバラとメイ、二人が家へ入っていく

長老が呼んでるなんて、なんだろう
カルベローナの人は魔力が強いらしいから、その事で話でもあるのかな
メイは賢者だし…


561 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:50:39 ID:1RKN4gD70
ガチャと長老の家の扉が開きメイが出てきた

時間にすると一時間ほどだろうか
俺は座って何を考えるわけでもなく、ボーッとしていた

「お待たせ」
「お、長かったな」
「ええ 魔法についての話をたくさん聞いてきたわ
 さすがに魔力の強い一族の長だけあって、いろんな事を知っていて、とってもためになった
 タカハシも魔法を覚えたらいいのに、ホイミ教えてあげるわよ?」
「え?俺は… いいよ、メイが使えるのだから」

なんだか、変に、メイが明るく振る舞っているような気がする

「何か、よくない事でも言われたのか?」
「え! いいえ、本当に魔法の事をお話しただけよ
 きっと、いろんな知識を知ることが出来て、嬉しくってそう見えるのね」

俺の思い過ごしか…

562 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:51:31 ID:1RKN4gD70
「では、道中どうかお気を付けて…」

何時の間にか扉から出てきていたバーバラが丁寧に挨拶をし、家へ戻る

「あ、どうも… って遅かった」
「これから、どうしようか?」
「うーん… 考えていたんだけど、一度ライフコッドへ行きたいんだ
 その後、グランバニアで情報を集めてもいいかな?」
「もちろんよ 私も勇者様の姿を一目みておきたい」
「うん、じゃあトルネコさんに会いに行こう」

相変わらず静かな集落を後に、俺達はグランバニア方面へと歩きだした
もう一度、自分の目標を明確に自覚するために─


563 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:52:16 ID:1RKN4gD70
●予感

グランバニアへ向け出発し何日も過ぎた
この地方の地図はないが、真新しい休憩小屋がわかりやすく道沿いにあったため順調だった
魔物はやはり、出てこない
"もしかすると平和になったんじゃないか?"
そう思ってしまう程に、道は人々が行き交い、途中、新しい町の建設もされていた

「なんだか、平和に見えるね」
「ああ、ほんとにな
 魔物が出なくなったんだ、そう思ってしまうのも無理は無い」
「無理は無いって、何か思い当たることでもあるの?」

思い当たること
いや、特にはない
だけど本当に真の平和が訪れたとは、俺にはどうしても思えない

「アトラス、やつが現われたじゃないか」
「あ、そうね まだ魔物はいなくなっていないのね…」
「うん だから」
「…油断はしないで、進んでいきましょう」


564 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:52:59 ID:1RKN4gD70
昼と夜の繰り返し
魔物は姿を見せず、代わりにたくさんの商人を見掛ける
俺達は少し疲れ、平地へ腰を降ろし休んでいた
時間は夕刻
遠い地平線に真っ赤な陽が、その身を隠そうとゆっくり動いている

「なぁ、この世界は丸いのk─ ?!」

俺が素朴な質問を言い終わる前に、メイが俺の背に自分の背中をくっつけ座り直した
突然の事に、俺はとんでもなく動揺してしまう

「少し、こうして座っててもいい?
 背中をつける場所がないから、こうすればお互いもう少しゆっくりできるから」

俺は慣れないシチュエーションに内心かなり焦っていたが"いいよ"と、普段と変わらない調子で返事をした

「ありがとう
 …この頃、嫌な予感がしてたまらないの
 どう伝えればいいのか、まるで今の瞬間が、最後の瞬間なような気がして…」

あまり、自分が考え悩むことを俺に話すことがなかったメイ
そのメイがそう言っている

565 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:53:38 ID:1RKN4gD70
「そうか… 予感は外れることだってあるじゃないか
 あまり、考えすぎる事はない」
「うん…」
「もうすぐグランバニアだって、さっき話した商人も言ってた
 ライフコッド直行じゃなくて、一度グランバニアで休んでいこうか?」
「ううん、大丈夫 きっと… 私の思い過ごしよ
 だけどもう少し、このまま…」

最後の瞬間とはどういった意味だろう
どうしても負の方向へしか考えられないから、陽で染まる地を眺め、気持ちをからっぽにしようと俺は努めた


566 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:54:37 ID:1RKN4gD70
次の日は、朝から雨が降っていた
雨はとても冷たく、気持ちもどんよりと曇る
俺たち二人は雨のせいか全く人通りの無くなった道を進む
もう数時間も歩けばグランバニアだ

「タカハシ、私これ以上進みたくない」

メイはそう言うと、立ち止まってしまった
表情がよくない

「どうしたんだ? もうすぐグランバニアに着くじゃないか」
「ごめん だけど、進むと何か、よくない事が起こりそうで…」
「そうは言っても… 昨日言ってた"予感"か?」
「昨日よりも、とても大きな─」

二人の周りを薄暗い霧が、どこからか囲み始める

「なんだ?!! 突然、いったいどこから!」

俺は焦りオリハルコンの剣を手にし、メイの前へ

「なにが─!」

567 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:55:20 ID:1RKN4gD70
後ろから、バシと大きな音とすぐ後ろで人が地に倒される音も聞こえた
同時に、今までに感じたことがないほど大きく邪悪で寒気のする気配

身体の向きを急いで変えると、空間に突如現われたガラスのような扉から
マントに身を包んだ若く、スラリとした男
メイが俺のすぐ後ろに倒れ、ゴホゴホとむせていた

「誰だ! メイに何をした?!」

メイを俺の後ろに立たせ、グッとオリハルコンの剣を両手で構えながら男に怒鳴りつけた
ガラスの扉がスゥと消える

「ルビスの遣いを殺しにきた」

マントを翻し、静かに語りだす男
その身体は漆黒の鎧に身を包まれ、武器などは一切所持していない

「何を言って…!!」

恐ろしい
この男は、その存在を目で確かめただけで、とても強い力を持っているとわかる
オリハルコンへ俺が持つ全ての魔力を注ぎこむ

「貴様等人間は、多すぎる 大勢は必要なくなったのだ
 遣いを殺した後─ 私自らこの世を洗浄しよう…」

なんだこの男…!
まるで自分が支配者のような事を……
う、まさかこいつが─!!

「我が名はゾーマ この世界、そして宇宙を支配するのは神ではなくこの私…」


568 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:56:04 ID:1RKN4gD70
●愚かな若者

雨はざあざあと止むこと無く、薄暗い霧だけが晴れていく

俺の想像とは全く違う、人間と変わらないその姿
どこかもの悲しそうな、それでいて眼光鋭い目
筋の通った鼻にキリと結ばれた細い口
今、目の前に立つこの男がこの世界を苦しめる─ 魔王ゾーマ

両手で構えるオリハルコンの剣が、汗と雨水でズイと滑り落ちそうになる

「メイ、大丈夫か? 逃げるんだ…」

俺は小声でメイに告げる

「大丈夫、私だって戦う…」
「まて、無茶だ 約束したじゃないか!」

思わず大きな声で叫んでしまった
だけど、このゾーマにはどうしても勝てる気がしない
正直、俺もこの場を逃げ出したい

「俺が時間を稼ぐからそのうちに逃げろ!!」

メイの言うことを無視してゾーマヘ斬りかかる

『シュン』

切先は確かにゾーマの身体を切り裂いた─ はずだった
しかしアトラスの時よりももっと強力な力が働き、まったく傷を負っていないゾーマ

569 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:57:06 ID:1RKN4gD70
「…私に傷を付けられるとでも思ったのか? ルビス! この程度なのか?!」
「な、なんだ…と─ う?!」

俺の身体がフワリと宙に浮き、まるで金縛りにあってしまったように固まり、動けなくなる
ゾーマが手の平を俺に向け、強く俺を睨み付けたその瞬間
俺の身体は細かい、何か波動のようなもので無数の切り傷を受けてしまった
しかし身体は地に着くことがなく、幾度も同じ攻撃を受けてしまう

「イオナズン!!」

メイによって放たれた古代魔法イオナズン
しかしその爆発が起こる前に、空気中に完成したその爆発の源が、ゾーマによって握りつぶされてしまった

「娘よ、焦ることは、無い
 わが身に纏う"闇の衣"の前では全ての魔法は無力…
 だがお前は、力を持つ者として我が世界へ招いてやろう
 まずはこの男の絶望を吸いつくし殺してからだ
 その後、ゆっくり弱らせ我が力にしてやろうではないか!」

その言葉にメイがガックリと ひざから落ちる

「効果は薄いと思ってはいたけどまさか… 消されてしまうなんて……」

570 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:58:54 ID:1RKN4gD70
くっ……
闇の衣ってあの赤いマントの事か?
まさに絶望だ 希望を微塵も感じることが出来ない……
このままじゃメイまでも…
─あの、力
あの力が今…!

俺は必死に、心の奥底から自分が守りたいものを強く思い描く
身体の奥で何かが動き始め、意識が飛んでしまいそうになる

くそっ!
頼む、守るんだ……!

ざあざあ降っていた雨がピタリと止み、真っ黒な雨雲がほんの少しずつ散っていく

「む… ルビスの力だな」

金縛りを魔力で破り、ストッと俺は地に降りる
この、大きな力ならいける…!

「ほう…」

ゾーマがニヤリと笑い両手を前にし俺と対峙し、強い圧力を俺に向けて放つ
一瞬、目の前の景色がグニャリと曲がったように感じ、一歩下がってしまう

571 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 12:59:39 ID:1RKN4gD70
ゾーマ…
武器をもたず己の魔力を自在に操り相手を傷つけてくる恐ろしい敵
そしてなにより、あの不思議なバリアのような"闇の衣"
アトラスと同じならばこの白く輝くオリハルコンの剣で貫けるはずだ…!

俺は両手の真正面を避けるように動き、一回二回と斬り付けザッと離れる
この"真の力"の早さに、ゾーマはついてこられないのかオリハルコンの攻撃をまともに食らう

闇の衣は貫いている、手応えはあった…!
この調子で斬っていけばいける……!!

手応えの結果を確かめず俺はとにかく動きまわり何回も何回も斬り付けた
その度にゾーマは無言で刃を身に受け、微動だにしない
さすがに俺も警戒しはじめ、そのうちに斬りつけるのを止める

「はぁはぁ… かなりダメージをあたえられたはず…」

この"真の力"はかなり体力と魔力を消耗するようで、俺は息切れしてしまう
斬り付け続けたその姿を見ようと、俺は顔を持ち上げる

572 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:00:32 ID:1RKN4gD70
「フッ…」
「な…」

ゾーマは一切、傷を受けていなかった─

「なぜだ! 確かに手応えが…」
「若く愚かな男よ
 お前が斬ったと思い込んでいたのは… クックック………」
「なにがおかしい! どこを見て………?」

おかしい
おかしいのだ
俺はゾーマを斬っていた
なのになぜ─

ゾーマの視線を追いかけその先に俺が見たのは
血だらけになって倒れる、メイ

「ハッハッハッハッ!!」

ゾーマの太く、不愉快な笑い声が、グランバニアを目前にしたなだらかな平地を、支配していた


573 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:01:12 ID:1RKN4gD70
●滅び滅ぶ

「メイ!!」

俺はオリハルコンの剣を放り、両手でメイの身体を起こす

「タ、カハシ……」
「すまない…! 俺は、俺は……!」
「ベホマ… 間に合わないの……」
「どうして……?!」

メイの小さな両肩を、ギュッと引きよせる

「ふむ… 愚かな男女よ
 貴様等の絶望と悲しみ、怒りと憎しみは実に良い
 どうなったのか、特別に教えてやろう
 闇の衣の魔力を使い男に幻を見せただけだ
 どうだ、クックッ…
 あっさりと罠に嵌まり、私だと思い込んで女を斬り続けたではないか!」

幻…!

「その女、闇の衣のおかげで即死は免れたようだが、もう時間の無駄
 だが私は!
 邪魔をしないで見守ってやろう!
 男よ、もう残された時間は少ないぞ?
 早く私に、お前の絶望を味わわせてくれないか! クックックックッ!」

なんて… 冷酷な……!

574 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:01:59 ID:1RKN4gD70
「タカハシ…」

メイの生きる力が、グングンと小さくなっていくのが感じられる

「メイ、もう喋るな ベホマだ、ベホマをかけろ!」
「もう、だめなの…
 もう、魔法で回復できる損傷度合を越えてしまったの…
 だけど、タカハシのせいでは、ないのよ……」
「ベホマを! ベホ、マを……!」

だめだこのままじゃ…
メイは死んでしまう……!
俺が、俺が、俺が…………!!

「タカ、ハシ… 手を、見せて…」

俺は、心がどうにかなってしまいそうなのをグッと堪えメイの眼前へ、震える手の平を差し出す
その俺の手の平を、メイはそっと弱々しく自分の手にあわせ、言う

「この手が、好き… いつも私を引っ張り守ってくれた手…
 もうこの手を見ることは、なくなってしまうのね……」
「まってくれ まだ、頼むから回復魔法を使ってくれ!
 きっと治る…!」
「これを…」

メイが差し出したのは静寂の玉

575 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:02:43 ID:1RKN4gD70
「これ、身に着けていて
 私だと思って、連れていってね…」
「バカな事を… 言うな! まだ一緒に、旅をするんだよ!」

メイがフフと笑い、言葉を続けていく

「タカハシがどこから来てなにをしようとしているのか…
 私は夢の中でルビス様から聞いたの
 チゾットで眠っているときにね…
 ずっと、一人で、誰にも言えずにいたんだね……
 そして、ルビス様は私に、タカハシの助けになってほしいって、言っていた…
 私はそう言われたとき、こうなる事も覚悟していたから、だいじょうぶ……」
「そ、そうだルビス! いるなら返事をしろ! メイを、助けるんだ!!」

声は届かず
何も返らない

「聞いて、タカハシ…
 カルベローナの長老は、あなたのその秘められた力を見抜いていたわ…
 私が、ルビス様と約束をしている事も知っていた…
 そして、私の覚悟を感じとった長老はある魔法を、私に授けてくださった…」

576 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:03:29 ID:1RKN4gD70
よく、わからない
なんでこうなってしまった
ルビスはなんでメイに告げた なんでだ
俺はなぜ、メイを斬ったんだ
そうしてなぜ、メイが死ななきゃならないんだ─

「う……! タカハシ、私はそろそろ、この身体を抜けなければならないの…」
「抜けるって、どういう」
「わからない… だけど安心して、私があなたを守るから…
 一緒に旅が出来て楽しかった、本当に会えてよかった…
 もっと一緒に旅したかったけど、ここまでなの ごめんね…」
「そ、んな そん、な事…」
「一つだけ約束… あなたが元の世界へ戻ることが出来て…
 私が生まれ変わって、もし目が覚めたらあなたの世界の人間だったら…
 また一緒に……」

メイが目を瞑り、少しだけ集中する

「さようなら、タカハシ あなたは何一つ悪い事なんてないの
 私、とっても楽しかった…
 そしてこれが、長老から授かった究極の魔法…」
「ま、待ってくれ、俺は─」

メイが、俺の手をギュッと握る
腕組みをしたまま俺達を傍観するゾーマを見つめ、小さくつぶやいた

577 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:04:16 ID:1RKN4gD70
「マダンテ」

刹那、俺はメイの身体と共に吹っ飛ばされ
ゾーマを真っ白な空間に閉じ込め
その空間の中はまるで
小さな宇宙が誕生するかのごとく
混沌と
暴々と
恐々と
眩しく輝きあたり一面、影が焼き付いてしまうほどにグウグウゴウゴウ瞬き
やがて小さく収縮し、消えてしまった

「クッ…… ! メイ─」

俺のそばでぐったりとするメイは
赤色が無くなり魔力も感じられずただ 横たわるだけの動かない存在

「メイ? 死んだ、のか?」

棒のように真っ直な言葉が、口をついて出た
そうして、メイの頬へ手を触れようとしたら、ボッと青白い炎に包まれ粉のように消えるその脱殻
何が起きたのか 頭は"わかる"と言うけれど、心が"わからない"と叫んだ

578 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:05:46 ID:1RKN4gD70
「フフッフッフッフ………」

ぼんやりと、そのおかしな笑い声の方向へ体ごと向けると、マダンテに包まれ収縮し消えたはずのゾーマ
ゾーマは、ボロになったマントを引き摺り、近付いてくる

俺にはもう抵抗する気力なんて ない
メイが 死んでしまったんだ

「おもしろい事をしてくれたではないか…!
 マダンテを使えるとはな…
 おかげで闇の衣は消滅し、私自身も傷を負った 時間をかけ癒さねばならない
 知っていたか? その魔法は術者自身の命を燃やし、相手を滅ぼす魔法なのだ
 その女が消え去ったのはマダンテの効果、そして殺したのは」

不敵なゾーマは、力強い声で─

「お前だ!!」

俺が? そうか…

「惜しい魂を失ってしまったが…
 結局は我が力となるであろう、我が世界でゆっくりとな」

ゾーマの言葉を、ただただ、聞くことしか、しない

「男 おまえの力、十分に使える
 ルビスの力を持つお前は殺そうと思っていたが…」

ゾーマは右腕を俺へと伸ばし

「お前は弱いルビスの遣い 今からルビスではなくこの私の為に、その魂を、捧げ続けよ……」

579 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:07:02 ID:1RKN4gD70
離れた所には、輝きを失ったオリハルコンの剣
手を伸ばせば届くのだが、頭に置かれようとするゾーマの鋭い爪を伴った手を俺は、少し見上げ自ら受け入れた





メイは死んでしまった
ルビスのせいか?
いや… ゾーマの言う通り俺だ
俺の手で、その命を殺した

彼女が好きだと言った、この手で………





意識は次第に薄れていき、グイと、"我が世界"へ引き込まれて─
そのまま、永遠に眠ってしまいたいと、願った──





タカハシとメイ、そしてゾーマの姿は グランバニアの南から完全に消え
残されていたのは泥だらけの 立派な剣だけであった


それから57日後
世界は 魔王ゾーマにより全ての町を滅ぼされ
少数の人間が隠れ住む 荒れた廃地となる

580 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 13:10:44 ID:1RKN4gD70
第三部完です

第三部のまとめテキストは以下のURL
直リンでは見られないかもしれないのでコピペでお願いします
DLキーは「takahasi」です
ttp://mata-ri.tk/up1/src/1M1813.txt.html

続きはまた、長い後日に
第三部は本当に、しんどかった…

581 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 13:58:33 ID:pIFzgkVF0
凄いモノを読んでしまった・・・
お疲れ様でした

582 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 15:11:47 ID:BDCRJnOkO
乙!!
ビビった〜、てっきり終わりかと・・・。

583 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/02(火) 17:01:12 ID:2i4kA/bkO
細かい修正する前のテキストを張ってしまいました…
違いは言い回しくらいなので、前回に引き続き脳内補完お願いします

あと、書き忘れたけど話は第四部へ続きます

584 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 17:44:32 ID:SYMPzL0SO
ダークヒーロ―誕生予感。

てかすげぇ…

585 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 18:04:18 ID:/mupVn6b0
レッドマンの明るい内容から
タカハシの辛い内容を読んだらかなりへこむな。

メイタソ

         .。::+。゚:゜゚。・::。.        .。::・。゚:゜゚。*::。.
      .。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。   。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウェ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
  。+゜:*゜:・゜。:+゜                   ゜+:。゜・:゜+:゜*。     
.:*::+。゜・:+::*                        *::+:・゜。+::*:.
・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*
゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・
゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜
*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・






586 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/02(火) 22:49:01 ID:jUiphBIdO
正直に言うと


自分が一番好きな映画を見終わった気分。
さらに続編の制作が決定された時の喜びを感じた。

もっといい言葉があるだろうけどうまく言い表せない、とにかく最高だ!!

587 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/03(水) 21:16:45 ID:uDTlMb4U0
機体

588 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/04(木) 01:17:19 ID:g1mll+0+0
タカハシSUGeeeeeeeeeee!!!!!!!GJ!!!!!!!!!!!!!
脳汁垂らしながら読んだ。
すごくショックだ。
泣けた。


589 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/04(木) 17:18:45 ID:XLJXE3SR0
保守

590 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:47:44 ID:d01ssZ4/0
>>579
からの続き

●失われた時間

「タカハシ! 起きて!」

ん… 誰だ俺を起こそうとするのは…
頭が、とても痛い……

「今日から一緒に旅するって言ったでしょう! 私よ、メイよ!」

メ…イ?
メイ?!

ズアッと、声のする方へ勢いを付け立ちあがり
その顔をじっと見つめる

「どうしたの? 目は覚めた?」

目の前にいるのは紛れもなく─ メイ

「メイ……!」
「寝坊よ! 待っていたのに寝てるなんて!」

この場所は、見覚えがある
そう確か…… フィッシュベルの宿屋だ

「ここはフィッシュベルの宿屋… か」
「そうよ 扉を叩いてもあなたは出てこないし、部屋の中まで迎えにきたんだから」
「メイ… 生きて………」

591 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:48:17 ID:d01ssZ4/0
時間が戻ったのか
俺がずっと悪い夢をみていたのか
目の前で生き少し怒った顔のメイに俺は、涙が出そうになる
存在を、確かめようと頬へ手─

「迎えにきたのよ、あなたを相応しい場所へ連れていくために…」
「え、連れていくって…」

な、なんだ これはメイじゃ、ない……?

「私は生きていない、なぜ?
 だって、フフフフフ… あなたが殺したじゃない フフッ
 あなたが剣で、私を斬り殺した…!!」
「な………?!」

メイの姿が突如、霧状の魔物へと変化する
景色も一変し、宿屋の一室から赤く黒くウネウネと動く空と、草一本生えていない土の大地になる
一瞬、言葉が頭の中から消滅し、目の前の出来事が色を無くしてしまったかのよう─

592 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:49:05 ID:d01ssZ4/0
「クカカカカカカ!
 お前! マヌケな人間!
 心の中から大事に思ってるものを、お前の心に合わせて見せてやったんだ! ありがたいと思え!」

フィッシュベルでの、始まりの朝…
俺のこの どろどろとした、心……

「お前、殺したんだってな!
 嬉々と! 自分が大切に思う女を! ケケッ 邪悪なヤツ!」
「あ、あ、ああ・…」

嬉々、と…?
俺、おれ… が、ころした……

「ここは! ゾーマ様が創り出した我々魔族の為の世界!
 お前はここで生きる屍のように生き長らえ、魂の力をゾーマ様へ捧げ続けるんだ!!」
「うう…… やめろ、俺は殺してなんか、ない… 罠に嵌まっただけ─」
「事実を認めないなど、情けないヤツ! 本当にルビスの遣いか?!
 お前は失ったんだ! その人間の女との時間を! お前には何ものこっちゃいないんだ!
 さあ! 今から腑抜けた人間共の暮らす町へ送ってやる!!」

霧の魔物が"バシルーラ"と叫び、身体にガツッとした衝撃が走る
身体は不気味な空を飛び、風はギュウと身体を押し潰そうとし、そのうち気を、失った─


593 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:49:47 ID:d01ssZ4/0
●絶望

『さようなら』
『私は死ぬの?』
『痛い…! やめて…!』
『ヤメテ!!』

「メイ──!!!  くっ かっ はぁはぁはぁ………」

「おい、起きるならもっと穏やかに起きてくれないか」

だれ?

「お前、ずいぶん眠ってたぜ」
「メイ……?」
「メイ? なに言ってんだ、俺はフーラルって言うんだ」
「」
「なんだ? おいおい、こういう時は名乗るのが礼儀だぞ?」

594 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:50:27 ID:d01ssZ4/0
う、わからない…

「わから、ないんだ」
「何が? 記憶喪失とか言うんじゃないだろうな?」
「なんであの時、殺したのか… わからないんだ」
「なに? あー… そうか
 お前もあの霧の魔物に嫌なモノ見せられたんだな
 気にするんじゃない、あいつの見せるモノはほとんど嘘だ」

うそ?

「嘘、なんかじゃないんだ…
 今も覚えてる あの感触を あの姿を 青い炎を…
 うそなんかじゃないんだ……うそじゃ………」
「こいつは─ 重症だな…
 よっぽどの思いをさせられたんだろう、かわいそうに」


595 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:51:04 ID:d01ssZ4/0
「フーラルさん、おじゃましますよ」
「お、トルネコ! 丁度いいや!」
「彼が、この間ここへ飛ばされてきた?」
「そうなんだが、どうも様子がおかしいんだよ
 俺じゃどうしようもないから見てもらえないか?」
「ええ、ええ 見て差し上げましょう、どれ…」
「しかし、あんたも元勇者なのになぁ…」
「ホッホッ またその話ですか
 何度も言いますが、覚えてないのです
 私なんかが勇者なわけないでしょう、この町の管理者ですよ」
「確かにこの"絶望の町"の管理者だけどさ…
 あんた、操られてるんだろ? とても魔物の仲間には思えないね」
「そう言われましても… 気付いたら管理者だったんですから…
 それに魔物の仲間だなんて、思ってやしませんよ
 私はただ、この町を管理するだけです」
「またまたぁ! 勇者なんだからさ、なんかすごい力でババーンと─」
「ホッホッ そんな力ありません
 さぁ、この若者を看ますからしばらく静かにしていて下さい」


596 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:51:39 ID:d01ssZ4/0
「ふむ… 身体はどこも悪くないようですが、どうも気持ちが定まっていない
 まだ様子をみながら安静にしたほうがいいでしょう」
「そうか、あんたが言うんならそうしよう
 で? この男は俺と一緒の部屋でいいのか?」
「そうしてもらえませんか?
 他の人達ではこの若者の面倒をみる事は、できないでしょうから」
「ああ、そうだな…
 ふぅ…… まったく魔王ときたら、手当たり次第に人間様をこんな辺鄙な所へ送りやがって…」
「手当たり次第ではありませんよ
 魔王は秀でた才能を持つ者だけを、選んで送り込んでいるのです」
「なんで? また?」
「さぁ… そこまでは私ではわかりかねます
 フーラルさんのほうが、そういう話を知っているんじゃないですか?」
「ん? んん… しかしなぁ、俺なんか別にスゴイ才能持ってるわけじゃないんだけどなぁ…
 ここで世界の破滅を見ているのも、辛いもんだよ死なないとはいえ……
 だってよぉ? 街全て滅んでしまったっていうじゃないか!
 残ったのは少数の人間だって話だ… 他は死んじまったんだぜ?
 あーあ 俺の故郷も親兄弟も… 死んじまったんだなぁ いっそ俺を、殺してくれないかなぁ」
「あなた方はこの世界でこうして嘆き悲しんで、魔王にその感情を吸い取られているだけですからね」
「おいおい… なんでそんな普通に言うんだよ!
 全く、本当に勇者だったのか? まぁ、呪われてそうなっちまったんだろうが、聞いたときは心底驚いたぜ」
「私は管理するだけの人間ですから… では、他に用事が有るので私はいきます」
「ああ、わかった ありがとな!
 なんかあったらまた連絡するから!」
「ええ、ええ そうしてください、では…」


597 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:52:27 ID:d01ssZ4/0
「はぁ… こっから出て、また前みたいに金持ちから金せびって暮らしたいなぁ……」
「とるねこ……?」
「お! なんだ、聞いてたのか
 そう、さっきのは元勇者トルネコだ 知ってるだろう? ライフコッドで呪われたっての」
「とるねこ、さん……」
「そうそう、トルネコさんだ
 あの人もかわいそうだよなぁ 呪われて記憶無くなったと思ってたらこんな世界へ連れてこられてたんだ」
「て…」
「て? 手か?」
「てりー……」
「テリー? 知らないなぁ 知り合いか?
 才能あるんならこの世界にいると思うけど、聞いたこと無いから才能なかったんだろうな!」
「」
「まただんまりか 早く治ってくれよ?
 他のヤツラみたいに、世界が破滅しただの生きる意味が無いだのって無気力になっちゃだめだぜ?
 この町でまともに動けるのは俺とカンダタと、トルネコだけなんだからな
 若いお前にはまともになっててもらわなくっちゃ
 じゃなきゃぁ… ますます救われねぇぜ……」


598 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:53:24 ID:d01ssZ4/0
●希望

「よぉ! どうだ、今日は喋れそうか?」
「」
「だめか まぁよし、今日はお前に客が来ている」
「タカハシ!」
「」
「おめぇ… 生きてたんだな! おい! なんとか言え!」
「」
「カンダタ こいつ、タカハシっていうのか?」
「おう、そうだ 俺はタカハシの剣を鍛えてやった」
「へぇ… もしかしてお前って、鍛冶屋? 賢者の石を扱えるっていう」
「お?! なんだおめぇ、知っているのか?」
「いやなに 実は俺は情報屋でな、情報で飯を喰ってたんだ
 だからいろいろ知ってるぜ もちろん、この世界の情報も持ってる」
「この世界の情報って、どうやってだ?」
「それは職業柄教えられないんだが、人間も魔物もおだてに弱いって事だ!」
「む、俺にはできねぇ商売だな! なぁタカハシ! ハッハッハッ」


599 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:54:10 ID:d01ssZ4/0
「で、その情報にこの世界を逃げ出せそうなシロモノはあるのか?」
「いや、ない まだそこまでは聞き出せていないんだが、きっと聞き出すぜ」
「また拷問受けないようにしろよ!」
「大丈夫だ こっちの世界で俺達が死ぬことはないからな!」
「それにしてもだ 他のやつらはどうしてあんなに腑抜けなのか」
「仕方ないさ こんな世界で、しかも元いた世界はもう滅んだも当然なんだぜ?
 逆に元気な俺達がおかしいんだよ」
「そうかもしれねぇ… だけど俺は! 負けたくねぇんだ 俺の弟子とカミさんを、あいつら殺したんだ!」
「…ああ、まったくだ 魔王だかなんだかに、負かされたままじゃいられないぜ…」


600 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:54:51 ID:d01ssZ4/0
「それはそうと… フーラル、タカハシと一緒に女はいなかったか?」
「いや、いなかった」
「そう、か…… メイは……」
「その名前、こいつが来たときにもつぶやいてたぜ? なにもんだ?」
「うん メイはな、タカハシと同じくらいの歳の娘でな
 俺は、その娘に命を助けられた事が有って、それからよく遊びにくるようになったんだ
 ある日、タカハシと一緒に旅に出て、それから見なかったが─」
「う、メ、メイ……」
「タカハシ! なんだ? 話せるようになったか?!」
「メイ、は…… 俺が、殺した……… この、手、で…………」
「……な んだって…?」
「そういえば…… タカハシは"なぜ殺したかわからない"とも、呟いていたっけ…」
「ころした、だと? おい、タカハシてめぇ…どういう事だ!」
「まて! カンダタまて! 待てって! 手を離せ離すんだ!!」
「くっ……!」
「落ち着け、落ち着けよカンダタ…!」


601 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 17:55:25 ID:d01ssZ4/0
「聞け、カンダタ
 俺達もこの世界に飛ばされたとき、霧の魔物にへんな幻をみせられただろう?
 もしかしたらそれを、タカハシは言ってるかもしれないんだ」
「だが! メイは実際この場所にいない!」
「お前、確か信用できる人間相手にしか商売しないんだろ?
 それともなんだ? 金ほしさにタカハシの剣を鍛えたってのか?」
「それは─ ちがう、断じてちがう
 信用したんだ、こいつを… 信用したのに、メイを殺したっていうじゃねぇか」
「まぁまてよ まだ はっきりとした真相を本人から聞いてないんだ
 それを聞くまでは、俺に免じて待ってくれないか」
「……わかった 俺だって信じたい、魔物どもの思惑通りにもなりたくねぇ
 感情的になってすまなかったな
 それにしても、やけにタカハシの肩を持つじゃねぇか?」
「そういうわけじゃないんだが、なんとなく─
 こいつが"希望"に思えるんだ、俺には…」
「希望… よくわからねぇ」
「まったく、お前にタカハシを任せなくて正解だったぜ
 とにかくそういう事だから、まだ手出ししないでくれよな」


602 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/04(木) 18:02:46 ID:d01ssZ4/0
第四部、導入はここまで
しばらくペースが落ちるので、推敲が終わった話だけを投下

過去の話のまとめテキストを再アップしておきます
まとめテキストのほうは誤字脱字の修正や意味が変わらない程度にセリフや行動が書き換えられています
第三部後半は特に顕著です
DLキーは全て「takahasi」
URL直リンでは見られないかもしれないのでコピペでお願いします

第一部
ttp://mata-ri.tk/up1/src/1M1827.txt.html

第二部
ttp://mata-ri.tk/up1/src/1M1828.txt.html

第三部
ttp://mata-ri.tk/up1/src/1M1829.txt.html

603 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/04(木) 23:46:35 ID:lxkaZAdW0
ただいま376KB
長文投下時は一度メモ帳にコピペ→プロパティを見て
KB数を確認してから投下するといい予感

604 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/04(木) 23:51:52 ID:A1p1jOiK0
□□□□□□□□□□□      __ ,.-―‐-、..
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605 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/05(金) 01:16:05 ID:UdyND82bO
勝手にこのスレの主人公達の職業を考えてみる。
      総長…賢者
      タケ…戦士
    タカハシ…魔法剣士
      真理奈…武鬪家
      クロベ…盗賊?
ジャガン(魔神氏)…(闇)勇者
 4の人の主人公…僧侶?


606 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/05(金) 09:01:54 ID:jyalXVQG0
>>605
総長の職業は総長だろ

607 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/05(金) 22:23:53 ID:loud/pA70
保守

608 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/07(日) 06:00:06 ID:Ui74wGftO
保守

609 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/07(日) 06:48:05 ID:LFnwZwZe0
>>606
おまえ天才だ

610 :竜宮状 ◆SX5Jg8LAVM :2006/05/07(日) 16:47:32 ID:zdYEhqwC0
保守

611 : ◆nvrQgBBjrw :2006/05/08(月) 03:14:31 ID:HuTgfSw6O
てす

612 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/08(月) 09:20:52 ID:4IkbbiRg0
トリップテストすんな

613 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/08(月) 15:42:10 ID:KOEXxmfZ0
HDD昇天
第四部から書いてあった話は全て消え─
タカハシの旅は、より鈍足になるだろう


カキッって、鳴った時点でバックアップとるべきでした orz

614 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/08(月) 18:24:56 ID:PlrClmz10
>>613
どどんまい!しかしペースが速すぎるんじゃないのか?
無理するなYO!

615 :たかはし ◆2yD2HI9qc. :2006/05/08(月) 19:29:37 ID:Y1Qw1UkYO
>>614
ありがとう
PCは中身入れ直してなんだか快適になったけど…
この際なのでじっくりやっていこうと思います

616 :一読者:2006/05/09(火) 01:19:23 ID:NZfvLKCOO
>>615
そうそうドーンと構えてじっくり練り上げて下さい。

他の作者さんも焦らずにじっくりゆっくり練り上げて行って下さい。

617 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/09(火) 17:42:50 ID:lPmPr6uh0
|> ほしゅはまかせろ

618 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/09(火) 23:09:44 ID:oZUtJMpt0
心配なので早めに保守

619 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/10(水) 06:40:57 ID:DfctEsNsO
保守

620 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/10(水) 17:35:02 ID:6App2/1Y0
ローディ ◆qdB5QYIaRc
オリジ ◆8Ntuwr18d2
DQな現代 ◆gqal0QWwZw
魚間◆TRIPなし→4PnqyfvO3
オルテガ ◆8JKqodVw2k→zYgagV2g.w
ヘタレ ◆ozOtJW9BFA
キョウ ◆Hju2GLbs6k
591 ◆MAMKVhJKyg
シャルル ◆zu/zVku.Kc

彼らの作品がまだこのスレで一回も投下されていないな。気長に待ちますか。


621 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/10(水) 21:47:12 ID:+qHt9vbx0
投下してる人がものすごく少なく感じる。
ここは気長に(ry

622 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/10(水) 22:28:51 ID:XwfynC2jO
その中の一人だけど、次スレに移って新規の人のためにまとめにUPされたら投下しようと思ってたんだけど
あれよあれよという間にここまで来てしまった。

623 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 14:12:26 ID:4FGH9lLL0
2スレ目はこれで読めるぞ。
ttp://makimo.to/cgi-bin/dat2html/dat2html.cgi?game10/2/ff/1116324637/

624 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 14:32:49 ID:VMM+rwO9O
>>623
>77のリンクから飛べば全スレ読めるがな(´・ω・`)

625 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:10:14 ID:vo/Rzc500
あぁ〜GW最悪だったぜ〜・・・

さてさて
>>473さん、ありがとうございます〜

これからも試行錯誤していくつもりなので、気になるところがあったら言って下さい

では>>456からの続きです


626 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:12:28 ID:vo/Rzc500
砂漠で水がどんなに大事なものか想像してみよう。
とても、とても暑い日だ。
日陰でじっとしていても汗が滴り落ちてくる。
気持ちの悪い熱気が容赦なく体を包む。
「あつい・・・・・」
その言葉しか言えないような状態だ。
そんな時、目の前に水を差し出されたらあなたはどうするだろうか。
ほとんど、いや間違いなく飲む事を選ぶだろう。
水を口につけ、渇いた喉が潤いで満たされる。
ごくごくと一気に飲み干し、ぷはっ!と息をつくあの瞬間の何と気持ちのいいことか。
水が無ければ我々は生きていけない。
砂漠という枯れ果てた土地では水は命に等しい。
もしくはそれ以上のものなのかもしれない。

ではそんな水によって育った花はどうだろうか。
「バカヤロウ!俺は今喉が渇いてるんだよ!花で喉が潤うか!!」
確かにそうだ。
しかし、本当にそうだろうか。
水が喉を潤すのは、その瞬間だけだ。
対して自然の恩恵によって咲いた花は人の心を潤す。
色鮮やかな花びらが風に揺られるその姿に安堵と覚える。
また、一生その場所で健気に咲き続ける花の強さに感動を覚えることもある。

一瞬の欲望に身を任せるよりも
美しいものを愛でる方がよっぽど人間らしいのではないか

でも結局人は喉が渇けば水を飲むのだ。
だとすれば、心が荒れた時に花を見ればいいじゃないか。
全てはその時の状況次第である。
だから、何が言いたかったかと言うと、
イシスの水で育ち、花で飾られたプエラ姫は今、1番美しい、という事だ。


627 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:15:08 ID:vo/Rzc500
 「天にましますルビスの御霊よ。
  そして我らが父ファラオの名によって、今日の日が人々の記憶に残らんとするように。
  偉大なる歴史の1ページを飾るこの式に参加できた事を我々は感謝するでしょう」

イシスの王宮、女王の間は飾り付けられ、結婚式場に仕立てられている。
玉座の前に神父が立ち、机を挟んで新郎新婦が横並びになっている。
プエラは花冠にシルクのドレス。胸の一輪の花が良いアクセントとなっている。
恥ずかしげな表情の中にも嬉しさを隠せない、といった笑顔が可憐である。
フィリーもタキシードで決めればちゃんと王子らしく見える。
黙っていれば嫌われるような事のない顔立ちなのだ。
トップの地位にある者として、それが損に働く事はまぁないだろう

 「今から交換する指輪は、おふたりの愛のシンボルです。
  その輪には、初めもなければ終わりもない、永遠のものです。
  あなた達が永遠でありますように願いを込め、互いの心に祈りなさい」

2人の前の机には黄金の爪と、指輪が2つ乗せられている。
フィリーとプエラは相手にはめる指輪を手に取り、向かい合う。
互いの目が合い、どちらからともなく微笑みあう。
その表情から確かな愛をその場にいる全ての人が感じただろう。
そしてフィリーがプエラの指に、プエラがフィリーの指に指輪をはめた。
その動作をイシス女王・ロマリア王を始め、両国のお偉い様方が見つめる。
もちろん真理奈達も同席している。
 「それでは新郎新婦、誓いの口付けをもってイシスとロマリアの民に、
  そしてあなた達2人の心に夫婦となることを示しなさい」
                  「「はい」」
2人は寸分の違いもなく返事をし、再び向き合い近づく。そして、キス。
その瞬間、王子はプエラの夫に、姫はフィリーの妻になった。

 「汝らの行く道に幸福あれ」
神父の声と皆の拍手喝采が2人を祝福した。


628 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:23:52 ID:vo/Rzc500
 「いやはや、こんなに嬉しい事は久しぶりですよ。
   姫は息子に合って美しいし。いや、本当にめでたい」
 「こちらこそ、無事に今日という日を迎えられて光栄に思いますわ」

誓いの儀式が終わった後、テーブルが出され皆に料理が振舞われた。
真理奈達はおいしく頂いたが、イシスの料理が合わなかったロマリアンもいたみたいだ。

 「イシスの女王よ。改めて礼を言わせて頂きたい」
 「もう止しましょう。この気持ちは1日喋り続けても尽きることはないのですから」
 「おぉ、そうですな!ワハハ」

喋り続ける陽気なロマリア王を咎める者は誰もいない。
お酒の入る祝いの席なのだ。
それも息子の結婚式ともなれば多少羽目を外しても仕方の無いこと・・・

 「フィリーよ、これからは2人でロマリアのために力を尽くしてくれ。
  それとご安心なされ女王よ。
   姫のロマリアでの豊かな暮らしを約束しますからな。ワハハ」
 「・・・それはどういう意味でしょうか」
 「どうもこうもないでしょう。こんな素晴らしいお嬢さんを頂けて私は幸せですよ」
 「・・・何か勘違いされていませんか?これはそちらから持って来られた話です。
   王子はイシスでプエラと一緒に住んでいただきます」
 「何をおっしゃっているのですか。女が男の方に嫁ぐというのが当然でしょう」
 「イシスにはそんな慣習はありません。だいたいプエラは次の女王となるべき―――」
 「こちらだってそうだ!!可愛い息子を取られてたまるものか!!」

一気に場の雰囲気が変わる。ストゥルーストの叫びを機に双方の言い合いと発展した。

629 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:28:06 ID:vo/Rzc500
 「こんな砂漠の地に王子を置いていくなんて考えられない!」
  「こちらだって可愛い姫様をお一人で他所へ嫁がせるなんてできませんわ!」
 「何だと!こんな不毛の大地に住んでるからそんな事が言えるんだ!
  砂漠の砂と同じようにお前らの心も渇いてるんだろうよ」
 「まぁ!そんな事を平気で口にできる方がどうかしてるんじゃありません?!」
  「だいたいこのスープはなんだ!もっと味を薄くしろよ!!」
わいわいがやがや・・・せっかくの披露宴が台無しである。
真理奈達は唖然とし、プエラは助けを求める目でフィリーを見た。
が、フィリーは黙ったまま、静かに様子を伺っていた。

 「そもそも姫にそちらの王子は不釣合いですわ!頼りなさそうだし・・・」
  「何を言うか!王子にはもっと利発そうな女子がだなー」
 「それは王子の頭が足りないって事を認めるのね?」
  「ちょっと待てコラー!フィリーだってやる時はやるんだぞー!!
    プエラだっていい娘なんだからっ!!」
最後のは我慢しきれなくなった真理奈の怒声。
加わってどうするよ・・・まぁ気持ちは分かるけどね。

 「フィリー、我が息子よ!お前も私の意見に賛成だろ?」
 「プエラ、あなたは私の後を継いでくれますよね?」
まったく同時に今回の主役に話が振られた。
怒号は止み、2人の発する言葉に期待がかかる。
心配そうにフィリーを見つめるプエラ。
フィリーはそれに笑顔で返し、すっと立ち上がった。
そして静かな声で話し出す。
 「父上」  「う、うむ?」
 「申し訳ないのですが、プエラと一緒にロマリアに帰るつもりはありません」
  「な・・・」
 「そして新しい母上様」  「はい」
 「申し訳ないのですが、プエラと一緒にイシスに住むつもりはありません」
  「・・・・」

630 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:31:41 ID:vo/Rzc500
 「ピラミッドから帰って来た後、これからの事を私達は話し合ったのです。
  この結婚が成立し、ロマリアはアリアハンとの連合に参加する事になりました。
   連合に参加するという事は、この世界の平和の為に尽くす、という事です。
    では私達は何をするべきなのか」

誰もが王子の声に聞き入っていた。

 「私達はまず、アッサラームをモンスターの手から取り戻したいと思います」

驚き。しかしそれを表情に出しはしても、声にする者はいなかった。

 「ピラミッドから無事に黄金の爪を持ち帰った事を経て、
  行動しなければ道は開けないという事を私は学びました。
  行動したからこそ私は今ここに立っていられるのです。
  もちろん真理奈達の助けが無ければミイラの餌になっていたでしょう。
  アッサラーム奪還も1人では到底不可能です。
  ですから、皆さんの力を貸して頂きたいのです。
   言い争っている場合ではありません。
   ロマリア・イシス、皆の力を合わせて世界の平和を守りましょう!
    これ以上哀しみを増やさないために!
    未来を切り開くために!」
パチパチパチ・・・ワアァ〜!!
笑顔が溢れる中、それまで表情を崩すことのなかった女王も、優しく微笑んでいた。

そこで真理奈が立ち上がり、フィリーに何かを手渡す。青く輝くオーブだ。
 「はい。これが連合参加の証」
  「ありがとう真理奈」
 「青はオアシスの色よ。頑張ろうね!」
真理奈はフィリーと、少し涙目のプエラと握手を交わした。

こうして真里奈の連合使者としての初めての仕事が終わりを告げた。

631 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:35:20 ID:vo/Rzc500
  「はぁ・・・」
ため息。それは1回つく毎に他人を3回不幸に落としいれるものだと言われる。
しかし今の真里奈には他人の事など関係なかった。
  「はぁ・・・」
携帯の画面の明かりで真理奈の沈んだ表情が微かにうかがえる。
  「はぁ・・・」
これで誰かがもう9回も不幸になってしまった。
このままでは世界を救うどころか、逆に滅ぼしかねない。
披露宴が終わり、浮かれていてもいいはずの夜なのに・・・

携帯の画面では仲間と写した写メが待ち受けにされている。
画面の右上では、電池の残量表示が1つ。赤く光り、警告している。
それもそうだ。
こちらの世界には充電しようにも電気が無いのだから。
携帯充電器も使い切ってしまった。
このままでは使い物にならなくなるのは時間の問題である。

では電源を落としておけばいいだろ、と思われるかもしれない。
しかし、真理奈にはそれが出来なかった。
真理奈にとって今や携帯は元の世界と今の世界を繋ぐ唯一のものなのだ。
それが使えなくなるという事は、元の世界との関係が切れてしまう事に思える。
常に圏外なので、電池の残っている今でも使い物にはならないのだが、
ルビスがいつ電話をかけてくるか分からないし、
メールを送る機会が無いとは言い切れない。
ルビスが自分の願いを聞き入れて向こうの世界と繋げてくれるかもしれない。
現に1回は送れたのだ。
届いたかどうかはこちらでは分からないが・・・


632 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:40:46 ID:vo/Rzc500
真理奈はヒマな時、母親や友達にメールを作っていた。
未送信ボックスに残された、たくさんの届かない想い。

   突然変な世界に連れてこられた事。
                        こっちで出会った仲間の事。
      勉強より冒険が楽しい事。
               早く戻ってしたいことが山ほどできた事。

それは元の世界では有り得ない今のこの状況を整理するのに一役買っていたが、
寂しさを増やす要因にもなっていた。
みんなで冒険をしてるときはいいのだ。
余計な事を考えなくていいから。
話をして、戦って前に進む。
それだけしてればいい。
思い出さなくていい。
この世界で自分だけが違うことを。

♪♪♪あの〜虹を〜渡って〜
ピッ 「・・・・もしもし」
    「ルビスです。お疲れ様でした」
   「・・・・・」
    「この調子で―――」
   「・・・・てよ・・・」
    「あなたなら―――」
   「帰して!!戻してよっ!!」
    「真理奈・・?」
   「このままじゃ帰れなくなっちゃう!!電池がっ・・・!!」
    「真理――」 プツッ!ピーピーピーピーピー・・・
携帯が電池切れを告げる。
   「どうして私なの・・・?ウッ・・・うぅ・・」
真理奈は携帯を耳に当てたまま泣き続けた。

633 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/11(木) 17:50:38 ID:vo/Rzc500
っと、今日はここまでです。
読みにくかったら言ってください。
すみません・・・

次の話はうまく書ける自信がないなぁ・・・
でも頑張ろ
 ではではー

634 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 19:48:03 ID:eTr4Fm8d0
暇潰しさんおつかれー

635 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 20:16:35 ID:eoQPNuYrO
暇潰しさん、乙彼さまです
送信出来ないメールを溜めてるって、なんだかとてもさみしい感じが伝わってきた
続きを早く読みたい!

636 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 20:18:06 ID:eoQPNuYrO
あー
あげてしまった、ごめんなさい

637 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/12(金) 04:05:48 ID:UxkOheUkO
>>634>>635
ありがとうございますー
真理奈の落ち込む場面がいささか急過ぎた感があるんですが、どうなんでしょう…

今小説の書き方を載せてあるサイトを見てきたんですが…
自分のは全然ダメですねorz
文章作法や物語の展開の仕方など、まだまだ足りない事だらけのようです
これから改善していきたいと思います

638 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/12(金) 08:49:48 ID:hs4CKCqw0
皆様お久しぶりです。
過去スレを見ていたのですが誤字が多すぎたために訂正したいかと思います。

申し訳ないのですがやり方を教えていただけないでしょうか?

639 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/12(金) 09:57:29 ID:XSV2sgKd0
>>638
txtにまとめてうpしたほうが早い

640 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 00:53:02 ID:SJ39E4rBO
暇さん
展開が早すぎる事は無いと感じます
これまでの「会話中心の進行」からちょっと変わりました?
良かったです、読みやすかった
書き方は、俺はメチャメチャですけど、あらすじだけは常に変動しますが時間を割いて、完成させてます
無理に小説の定石に合わせる必要はないかと。
きっと、それが持ち味になるんだと、考えるようにしてます
支離滅裂でなければ。

レッドさん
639さんの言う通り、テキストファイルとしてアップすると良いかもしれません
現に、俺は最新版を読んでもらえるよう、そうしていますし。

職人さんが会話出来る空間が欲しいなって思った、泥酔の夜
たぶん進行度はとっても小さいとは思うけど。

保守

641 :たかはし ◆2yD2HI9qc. :2006/05/13(土) 00:58:14 ID:SJ39E4rBO
あれ、下がってなかた?
酔いってびっくりする現象を、時に起こすね

642 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 01:01:53 ID:SJ39E4rBO
下がってたよ
これが一番びっくりした
スレ汚してごめん

643 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 01:08:44 ID:SJ39E4rBO
しまった書き忘れ

レッドさん
一度、投稿した文字列を修正することは、2ch上では不可能です
なので書き直したテキストファイルを適当なアップローダーにアップしurlを書き込みするしか、再度読んでもらうための修正方法はありません

644 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/13(土) 12:05:37 ID:SJ39E4rBO
ごめん
何かいてんだ俺

酔って2チャンするもんじゃないね…

645 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 17:32:43 ID:XQyn3NVz0
タカハシしっかりしろw

ほっしゅ

646 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/05/13(土) 22:07:37 ID:UZBG9UwSO
タカハシさん意見ありがとうございますw
良かったと言われれば素直に嬉しいのが投下してる者の性ですな

と同時に、自分の作品って「会話中心の進行」だったかな?と首をひねっているところですw
そういう点を意識して書いてなかったもんで…
今までは書き上げて投下する事に精一杯だったし
投下した後に自分の作品を読み返すという行為をしてないんで、これを機に読み返してみようかな

書き方も読み易さと自分のスタイルを追求していきたいと思います

同じ立場の人の意見も貴重だなぁ

647 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 23:45:31 ID:wa8zV2v2O
ここはスレタイどうりであれば個人が作ったオリジナルなドラクエ話はおkか?


648 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/14(日) 00:11:23 ID:neUo5iwcO
ばっちこい

649 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/14(日) 10:52:42 ID:6WOHRMrNO
>>647
いろんな作品を読んでいただければわかると思いますが
DQな世界観を保っていれば完全オリジナルもOKなようです。


期待しております。

650 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/14(日) 12:22:42 ID:qC4i/g3WO
暇潰しさん
「会話中心の進行」は、なにせ酔って書いたものなので、お気になさらないで下さい
俺自身、取り留めなく読みにくい文を書いているのですから。
暇潰しさんの文は、うらやましいって思ってます。
あんまりほんとに気にしないでください


…だけど、書いてる人から感想もらうとうれしいですね

651 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/14(日) 15:19:53 ID:id66Euxq0
4のやつ遅ぇな

652 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/14(日) 18:16:56 ID:trecR29o0
定期的にでてくるアボーン透明ってまだ居るのか。

653 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/15(月) 09:48:50 ID:QYlC7Hiy0
>>639氏・タカハシ氏
ありがとう。
今後の教訓のために訂正無しで行こうかと思います。
職人同士で雑談もしたい所ですが避難所みたいなのがあれば良いかも知れませんね。

654 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/15(月) 12:45:17 ID:nwN95uxF0
>653
主人公雑談スレに、DQネタスレ避難所へのリンクがある。
そこの自治スレで、避難スレ立てていいか聞いてみればいいんじゃないかな?

655 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/15(月) 16:22:51 ID:eOcsVbdiO
あーそういうのあると良いかもしんないな。
このスレで言いたいことバンバン言っちゃうと荒れる原因になるし。

656 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/16(火) 06:56:17 ID:TMHDDqdeO
保守

657 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/16(火) 19:38:52 ID:MB1mMkPb0
避難所にお願いしようかと見てきたけど、”DQFF雑談系スレ”の避難所だった
ここは雑談じゃないからどうかなと思って、何も書かいてこなかった…

658 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:49:46 ID:MB1mMkPb0
>>601
続き

●フーラルとタカハシ、その日々

「俺はな、珍しい雨の日にこの絶望の世界へ連れてこられたんだ
 でっかい魔物が、腰を抜かした俺に手をかざした瞬間
 気がついたら霧の魔物が目の前にいて、変な幻を見せられて─」



「知ってたか?
 雨は神であるルビスが降らしてたんだ
 なんでもな、魔物に聞いた話だから本当かどうかは知らないが
 人間の感情やなんてのは空のどこか、隅っこに集まるらしい
 その感情がある程度溜まると、特に怒りや憎しみ悲しみなんかは魔物を作り出すそうなんだ
 魔物を殺しても残らないのは、形作る感情が空へ散り散りになるからだ
 人間のように、俺も難しくてわからないが"存在としての肉体"を持たないらしい
 でな、そんな感情を洗い流すために神は雨を降らせていた
 だけど、ある日からピタリと雨は降らなくなってしまって、溜まりに溜まった感情から
 そう、魔王が生まれてしまった─」



「どこまで話したっけな…
 そうそう魔王だ、魔王が生まれた
 なぜ雨が降らなくなったか、それはどうやら魔王が自分を誕生させるためらしい
 魔王はすでに存在していて何かおっぱじめようと考えていた
 その為に、神であるルビスが雨を降らすのをなんらかの方法で妨害した
 さすがの俺でも、魔物から聞けたのはここまでだ─」

659 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:50:32 ID:MB1mMkPb0
「お、トルネコ」
「その後、彼はどうですか?」
「ああ、少しだけど俺の話に反応するようになってきたぜ」
「そうですか、それは良かった」
「カンダタはなんだか事情があるみたいで近づかないけど」
「あの方は乱暴なので、その方がいいえすよ ホッホッ」
「まったくだな…
 しかし俺たちはいつまでこんな所にいなきゃなんないんだ?」
「さぁ… 魔物が満足するまででしょうか」
「満足? いたぶりもせず眺めてるだけで満足するのかよ
 せめて町の外へ出してほしいぜ」
「この世界は狭いと聞きます
 外に出たって面白いことなんてありませんよ?」
「狭いか、何か建物はあるのか?」
「…フーラルさん 変な考えは止めてくださいよ?」
「そんなんじゃないさ」
「そうですか?
 …とは言っても、残念ながらこの町の外の事は一切わかりません」
「じゃあ魔物にしかわからないって事だ」
「ええ、そうでしょうね
 では、また様子を伺いにきますよ」
「ああ、そうしてやってくれ─」

660 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:51:34 ID:MB1mMkPb0
「よう!」
「お、カンダタ! って、なんだ傷だらけで大丈夫か?」
「実はな 外に出ようとして魔物とやりあったんだ」
「おいおい… この世界で力を魔王に吸い取られてるんだぜ?
 たとえスライムだろうが敵うわけないだろう」
「なに?! そうだったのか!」
「そうなんだよ 俺も魔物をおだてて聞いたんだが、びっくりしたぜ」
「じゃあ… あれか? 武力でどうにか脱出するのは無理ってぇのか?」
「そう、無理だ
 例え強力な魔法を使えたとしても、焚き火程度の威力しかないだろうな」
「なんだよ! ちきしょう…」
「まぁそう焦るなよ
 きっとなんとかなる このタカハシが回復すれば」
「なんだ、なんなんだその自信
 …どうでもいいけどよ、まだ目は覚めないのか」
「ああ 相変わらずだ」
「メイの事を早く聞きてぇんだが…」
「お前、相当メイって娘がお気に入りらしいな?」
「そりゃあおめぇ、娘みたいに思ってたんだ
 俺は子供に恵まれなかったからな」
「そうか…」
「だけど、本当にこいつが殺したのか、俺には信じられねぇ
 そりゃあ、聞いた時はこのやろうって思ったが…」
「仕方ないさ、誰でも自分と仲良くしてた人を殺したってヤツが目の前にいれば気が動転する
 だけど心がこんなに壊れちまってるんだ、絶対に罠かなにかだろう …事実だとしても」
「心? お前神父もやってたのか?」
「いやいや この状態、これは心だ
 たくさんの情報を扱って大勢の人間と出会ってきたから、なんとなくわかるんだ」
「そういうもんかぃ まぁとにかく、本人の口から真実を聞きたい─」

661 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:52:36 ID:MB1mMkPb0
「この世界に来て俺はちょうど100日になったぜ
 お前は62日、早いもんだな
 俺たち以外の人間は生きているだけの状態だ
 だけど俺は、お前はかならず起き上がると、そう思えて仕方がない
 お前もそう感じるだろ?─」



「毎日、雨が降っていたら人間だって陰険になるよな
 だから神は時々しか降らせていなかったんだろう
 しかし、あっさりと魔王なんかに邪魔されて頼りにならねぇ神様だよな─」



「なぁタカハシ
 お前は今、どこにいるんだ?
 そんなになるほど、お前、霧の魔物に何を見せられたんだ?
 真実はなんだ?
 俺たちはいつ、解放されるんだろうな
 …この世界から解放されるってのは、死ぬ時か脱出に成功したときだけか
 まぁ、この世界じゃ死ねないから、脱出しかない─」


662 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:53:44 ID:MB1mMkPb0
●意識

う… 頭が痛い…
確か霧の魔物に飛ばされて……

だめだ
何かとても大事な事を忘れてしまったみたいだ
思い出そうとすると、頭が痛い…

ここは、どこだ?
なんだろう どこかで見覚えのある、よく知ってる場所のような気がする

あれは…?
なぜかぼんやりとしか見えないな
近付くのに遠ざかってしまう…

なんだか靄だらけで先が見えないじゃないか
それにいつまでこうして歩いていればいいんだ
歩かなければ良いんだろうけど、歩かないとなんだか落ち着かない

俺は、なんでこんな所にいるんだ?
俺は俺は、なんでだ?

663 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:54:33 ID:MB1mMkPb0

もう、ずいぶん歩いた
疲れはまったく感じない
でも、そろそろ止まりたい
止まって座りたい



あれは… トルネコ、さん?
俺が、いる
一緒に歩いてる 笑ってる
え? ああ、そうだな

あっちには… テリー
また俺がいる
何してるんだ?
そうか、稽古してるんだな
え? ああ、そうかな

お、カンダタさんだ
俺は… いた
オリハルコンを受け取ってる
オリハルコン、どこいっちゃったかな
え? ああ、そうだった

あれは…?
あの女性は誰だろう
俺が、なんだかだらしない顔で話してる
なんだ、なぜだか、苦しい
え? ああ、それは─


664 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:55:43 ID:MB1mMkPb0
●声の主

『あなたは、この世界から元の世界へ戻ろうと旅を始めた』

『あなたは、彼との修行でとても強くなれた』

『あなたは、オリハルコンの剣を置いてきた』

『あなたは、あの女性の事を悔やんでいますか?』

え? ああ、それはもちろん
だけど、俺はあの女性に何をしたのか、名前すらわからないんだ
でも心は何かを知っていて、悔やんでいるみたいだ
その事をなんだろうと考えるけど、意思が邪魔して思い出せない
俺が俺に対して、どうやら心を閉ざしてるみたいだ

ここはすっかり暗闇に包まれてしまった
足元すら黒いし、先に見えるのは小さく瞬く光だけ
なのに俺の体は止まろうとしないんだ
止まると、もう二度と動けないような気がするから

思い出した 何をしたのか
もう取り戻せない時間 それが現実であり事実
その事を歩いて思い出し考えるからまた歩き続ける
もしかしたら答えが、歩いた先にあるんじゃないかって、愚かに思ってる
もう動かないのに、メイの時間は…
俺には歩いて、歩くことしか今は出来ない

665 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 19:56:58 ID:MB1mMkPb0
ところで、話しかけるのは誰だ?


『私は、ルビスです』

ルビス?
なんでこんな所にいるんだ
どうして俺たちを助けてくれなかった?
……いや、いいんだ
あんたを責めても、俺が殺した事実はまっすぐ曲がることは無い

『…私は、魔王によって力を抑えられています
 あの瞬間も、魔王があなた達の行く手を阻む事が感じられた日
 魔王の力を弱めるために雨を降らせるのが、精一杯でした
 ですが雨は、全く効果が無く逆に、魔王に圧倒され止んでしまった…』

いいよ、もう
あんたはきっと、精一杯やったんだ
そして俺も精一杯やった
もう、いいだろ?
俺を元の世界へ返してくれないか?
もう疲れたんだよ
もう疲れたよ

『あの賢者、メイの事はとても残念です…
 あの娘にはあなたの事を伝え、この先も一緒に旅をしあなたの補助をしてほしいとお願いしました』

この際だから、全部、話さないか?
なぜ、俺がこの世界にいるのか
なぜ、俺は旅を続けなければならないのか

『……わかりました、お話します』

666 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/16(火) 20:00:47 ID:MB1mMkPb0
ここまでです。

酔った勢いとはいえあのようなことを書いた後で、ちょっときまずいのですが投下
もう酔って書き込みしません orz

667 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/16(火) 21:54:33 ID:9WPH85kKO
ぐはっ
寸止めかよ…
人と魔物とルビスと魔王の関係か。面白い設定だと思った

ドラクエ世界を創ったのはルビスなのに、その中から自分を超える者が現れちゃうなんて皮肉な話だよね

668 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/16(火) 23:11:20 ID:DpOJETOU0
>>654- 657
( ^ω^)っtp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi


669 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/16(火) 23:21:23 ID:4LwjyeawO
タカハシ&>>668
WGJ!!!!!!

670 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/17(水) 18:26:51 ID:Sufdtld80
>>668
避難所を作ってくれてありがとう
これで職人さんの雑談も出来るようになるね

>>667
設定を考えるのがとても楽しいです
時には、レスしてくれた方の内容がヒントになったり。

>>669
ありがとう!

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/19(金) 00:51:02 ID:8XIoVdv2O
あげ

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/19(金) 01:17:07 ID:TxzjmKWSO
仕事でひどく疲れた俺はベットに倒れた。起きたら家ではなくオラクルベリーの宿屋にいた。冒険はせずに、遊び惚けた。

673 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/19(金) 17:08:42 ID:k1igHCmq0
ククール達と別れて朝が来た。
頼もしい仲間が失って戦力的には乏しくなったが仕方がない。
特にリアが寂しそうな表情を時折見せる。

リア「…………………………」
もょ「どうしたんだ?リアちゃん。」
リア「えっ!?な、何でもないよ!」
もょ「それならいいのだが…」
リア「もょもとさん、心配かけさせてごめんね。私は大丈夫だから。」
もょ「わかった…」

リアは必死に否定をしているが素人でも分かる反応だ。やはりククールがいなくなった事は精神的にも辛いのだろう。

サマル「ドラゴンの角が見えてきたよ!」

サマルが俺達にそう言った。その塔は大よそ40メートル位な高さがあり、通天閣や京都タワーと違った雰囲気が漂う塔だった。

ムーン「それにしても対岸にもう一つの塔があるなんて変わった塔ね。」
 もょ「そうとうふるそうだなぁ。」
サマル「とにかく中に入って進もう。」

俺達はドラゴンの角に入る事にした。



674 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/19(金) 17:25:22 ID:k1igHCmq0
中に入ると天井が高く広さが感じられた。
中には竜の銅像や壁絵が見れた。

 もょ「おお!けっこうしんぴてきだな。」
 リア「こんなの見たの初めて!」
ムーン「結構何かの由来があるかもね。歴史を感じるわ。」
サマル「あそこに人がいるよ。ちょっと話しかけてくる。」

サマル「こんにちは。おじさん。」
  *「こんにちは。旅の青年。今とんでもない事になっているぞ。」
ムーン「どう言う事なんです?」
  *「ルプガナに行くために上に昇って行ったんだが
    モンスターの死体ばっかりでおぞましい状態なんだ。」
 もょ「なんだって!?」
  *「あんな虐殺されたモンスター達を見たのは初めてだ。
    わしも恐ろしくなって降りてきたよ。あの状態じゃ橋すら渡れないだろうな。」
 リア「そんな…」



675 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/19(金) 17:39:00 ID:k1igHCmq0
投稿できねーorz

続きはまた後日

676 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/20(土) 08:19:43 ID:m4lkHT7E0
 タケ「(おい、もょ。)」
 もょ「(なんだ?)」
 タケ「(勿論行くよな?)」
 もょ「(……………………………)」
 タケ「(はっきり言って俺も怖えーよ。でもこのおっさんが嘘ついているとは思えへんのや。)」
 もょ「(と、とりあえずいってみよう。このめでかくにんしないとな。)」

 もょ「うえへのぼってみることにする。はしをわたらないとルプガナにいけないからな。」
  *「無理をするのではないぞ。危ないと思ったらすぐに降りてくるんだ。」

もょもと達が階段を上がっていくと悲惨な状況になっていた。

それはモンスター達のバラバラ惨殺死体だった。

モンスター達の死体からとってつも無く嫌な臭いが漂ってくるのだ。
まず言える事は人外の者がモンスター達をやったとしか言いようが無い。


677 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/20(土) 08:20:57 ID:m4lkHT7E0
ムーン「あああっ…いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
 もょ「どうしたんだ!!ムーン!!」

いきなりムーンが発狂しだした。

ムーン「あ、頭が……痛いの………寒いよ…………」
サマル「もょ!ムーンはこれ以上進むのは無理だ!」
 リア「ムーンさんしっかりして!」

多分ムーンブルグ城の惨殺状況を思い出したのだろう……
仲間のピンチの時に声すらかけれない俺自身に嫌になった。

何やってるねんホンマに……

ムーン「ううっ……」
 もょ「サマル、リアちゃん、ムーンをたのむ。おれひとりでいってくる。」
サマル「ここは引き返すべきだ!状況が悪すぎる。」
 リア「私もお兄ちゃんの意見と一緒だよ。嫌な予感がするわ…」
 もょ「やばくなったらすぐに戻ってくるよ。」

もょもとはサマル達と別れ、一人で上を目指す事にした。

上に登って行く内にプレッシャーがひしひし感じてくる。気を緩んでは何かに押しつぶされる感じだった。

 タケ「とてつもなく嫌なモンが感じるな。」
 もょ「タ、タケ、ちょっとかわってくれないか!?」
 タケ「どないしたんや?」
 もょ「おれも…きぶんがわるいんだ…………」
 タケ「……………………わかった。呼吸だけ整えておき。」

俺も下に降りたい気分だがここまで来た以上は引き下がるわけにも行かない。


678 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/20(土) 08:25:41 ID:m4lkHT7E0
首筋がぬるってしている。冷や汗だ…
心臓の鼓動が大きく響き、周りの雰囲気にビビってしまって中々足が出ない…。
俺はどうなるんだろうか?

幸いにもモンスター達が出現しないのだが良いのか悪いのか判断しにくい。
今の所俺自身がしっかりしないともょもとが危ない。

とにかく俺は最上階を目指して歩いていった。

――――――――――最上階に着いた。
周りで何かが燃えている状態だった。物凄い異臭がする。
何があったんだ?


悲しいなぁ――――――――――――   悲しいなぁ――――――――――――


タケ「おい、もょ。何か言った?」
もょ「なんにもいってないぞ?」
タケ「確か悲しいなぁって聞こえたんやけど。低調な響く声で。」
もょ「おれにもきこえたぞ。」

もしかしたら…この声の主がとてつもない恐ろしい気配を感じさせているのか?

ちょっとした後悲鳴が聞こえた。
 *「ぎょへーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

679 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/20(土) 08:26:40 ID:m4lkHT7E0
タケ「な、何があったんや?思わずビビッてもうたがな…」
もょ「ど、どうしよう…タケ…」
タケ「とんずらしたいんやけど行くしかないやろ。敵に背中を向けたらやられる可能性があるからな。」
もょ「いまはにげるべきだ。じゃないとおれもタケもあぶない。」
タケ「何抜かしているねん!ここまで無鉄砲かもしれんがいくしかないやんけ!」

もょもとと揉めている内に誰かに足をつかまれた。

 *「た、たすけてくれ……」

タケ「おい!あんた!どないしたんや!?」
 *「…………………………………………」
もょ「しんでいる……………………」

足を掴んだ人間はハーゴンの部下だった。しかも全身火傷を負って生き絶えた様だった。

タケ「マジでやばいな…」
もょ「はやくにげよう!タケ!」
タケ「そうしたい所やけど問屋がそう落ろしてくれへんみたいやな…」
もょ「えっ!?」




680 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/20(土) 08:28:18 ID:m4lkHT7E0
音も立てずにス――――――――――――――――――ッとした感じで近づいてきた。

俺の心臓の鼓動がバクバク言ってやがる。

とてつもない恐ろしい気配を与えた持ち主はコイツの様だ。


    人間を超越したこの威圧感は…


もょ「こ、こいつが…」

タケ「間違いない様やな…」

俺は大きく息を吸い込んだ。


タケ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!」



もょもと&タケ
Lv.15
HP:105/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄の盾 E鉄兜 
 特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
   タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御



681 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/20(土) 10:44:27 ID:Bzl4k5NEO
レッドマンktkr!!
ムーンたんカワイソス。

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/20(土) 15:42:32 ID:04oTujovO
レッドマン!!!乙!!!
しかし最早パラレルワールドまっしぐらやねww

683 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/20(土) 15:43:59 ID:04oTujovO
あ、あと携帯からじゃわかんないんだけど、
そろそろ要領制限か?

684 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/20(土) 16:27:22 ID:bZoGzSs80
いま、425kbです

685 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/20(土) 16:36:32 ID:04oTujovO
>>684
dくす。まだ平気そうやね。

686 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/21(日) 16:37:42 ID:4Z//t9L30
書くの遅すぎ
催促age!

687 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/21(日) 16:41:11 ID:HmN+bs5h0
ageたら投下されるなら誰だってageるさ。

688 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/21(日) 17:18:26 ID:9lm/7ynN0
>>686は死ぬべきだと思う

689 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/21(日) 17:42:45 ID:1Xm49Hk/0
NG入れてる俺は勝ち組

690 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/22(月) 04:44:47 ID:Pj2x8NuYO
なくても笑顔だお( ^ω^)

691 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/22(月) 16:56:54 ID:FRciukna0
保守っとな。

692 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/23(火) 17:09:00 ID:AVH6ykeiO
保守

693 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:10:19 ID:RRQ/IbPl0
その夢を見たのは、出発の前日だった。
怪我の度合いから見て便宜を図ってくれる宿が良いだろうと、数点挙がった候補の中からこのイムルの宿を選んだのは…偶然では無かったのかもしれない。
翌日、泣き腫らした眼をした者が数人現れたことで、一同がまた同じ夢を共有した事を知る。

「ちょっと今朝の夢はハードだったわね…」

小さく嘆息しながらマーニャが呟いた。

「人の犯した罪が…魔族の若者を悪鬼へと変えたのですね…。
なんて…悲しい…」

女性たちが感応する中、男たちは皆沈黙を保っている。
ライアン、ブライ、トルネコ辺りは他に思うところもありそうだった。
大の男が複数で、一人の女性を苛め抜く様に、怒りと、そして自らもその男である事の複雑さ。

「人間は自分の手で滅びの運命を選んだの…?
…いいえ、私がそんな事させない!必ずピサロを止めてみせる!
それはきっと…」

親友の眼が覚めたらきっと、あの子もそうする筈。
マーニャがアリーナに大きく頷き賛同する。

「まあね。あたしはロザリーをいじめてないし、他の多くの人間だって同じだわ。
だからそんな理由で滅ぼされるだなんて納得できない。
あたしは断固戦うわよ!」

「我々が戦う相手は、人の罪そのものなのかもしれませんね…」

694 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:11:16 ID:RRQ/IbPl0
罪。人の罪。
俺たちの…罪。そのもの。
ピサロがいつから人間に憎しみを抱き始めたのかは解らないが…彼の変貌が、人間の罪が姿を変じたものだとするなら。
俺たちは人ではあるが、ロザリーをいじめてはいない。
人間の行動は本能だけではないから、他の動物と同じように種が同じだから人間全てが悪いとは考えられない。
それぞれが別個の存在…人間だけがそうであると考えるのは、傲慢だろうか?
同じ人では無い。だが、人である以上、もし僅かながらにでも罪として共有せざるを得ないものが存在するのだとしたら…。
この戦いで、俺たちは断罪されるのかもしれない。
罪は、裁かれなければならないから。この、戦いの先にあるものは――。





風に靡く髪を、ミネアが抑える。
はしゃぐアリーナ。感心したように髭を扱くライアン。
仲間達はそれぞれ異なる反応を示しながらも、目の前のソレに乗り込んだ。
だが、その中でも俺のリアクションは余り大きなものではなかったろう、と思う。
如何せん、俺には見たことのあるものだったから。

「だからっつったって、こんなでかい気球を見た事がある訳ねーーーーーよ!!!」

傍らの馬がヒヒンと鳴く。
だって、馬が乗る気球て!あまつさえ車の部分まで乗っとりますがな!
そして無尽蔵に噴き出されるガスの入った壷…。
そもそもそんなものが存在して良いのか…普通に考えたら途中でガスが切れて…重りを捨てろ!物を投げるんじゃ!的展開に…。
ちらりとトルネコさんを見る。何やら身震いをしているが、寒いからだろう。高度があるからね。
どんどん荷物(及びピザ)を投げていき、それでもダメだとやがて…服も…?
それは皆が望む展開じゃないだろうか…?後はさりげなくそういうシチュエーションにもっていくだけか。
無理です。ごめんな、へたれで。

695 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:11:56 ID:RRQ/IbPl0
それにしても…。
この気球、一体どうやって動いてるんだろうな…?
風任せ?いやいや、目的地はある以上そんな悠長な話しもないだろう。
普通、気球を意図通り動かそうとするとエンジンを積んだりするものの筈だが…ま、そうなると飛行船になるのだけども。
エンジンとか、そういうテクノロジーはあったっけなあ…?
大きさ的にはもう、飛行船の方が正しいかもしれないな。形はどう見ても気球なんだが。
色々調べてなんか恐ろしいものを発見したら怖いからやめておこう。
好奇心は猫を殺す。
つまり、そういう事だ。
俺としては落ちなければ良い訳で、落ちそうになったらピザを海に投げ捨てれば良い訳で、ついでにストリップタイムな訳で。
ぐふふふ。


この世界には、天空を支える大樹があると言う。
世界樹と呼ばれる神秘の樹――その葉には、倒れた者すら蘇らせる力があるとか。無いとか。
葉ではなく、1000年に一度咲くと言われる世界樹の花には葉を更に超える力が宿るらしいが1000年に一度じゃ期待はできまい。


世界樹と呼ばれる、巨大なる樹木。
その内部を、俺たちは進んでいる。
樹の幹の中を歩く、というのも非常にシュールな体験ではある気がする…。
だが、今の俺の状態とどちらがそうであろう。
ソフィアの収まった小さな棺桶を引き摺りながら、俺は樹登りをしている。

696 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:12:30 ID:RRQ/IbPl0
「代わろうか?」

眼の前で小首を傾げるアリーナに、俺は小さく頭を振る。
彼女の手が塞がると、いざという時に支障が出る――と、いうのは建前で。
これは、俺のエゴだった。
あのブランカからエンドールへの道で、ソフィアは重い俺の身体の入った棺桶を引き摺り、たった一人であの道を歩ききったのだ。
今の俺は戦闘はソロやアリーナ、クリフトに任せられるのだから気楽なものだ。あの頃は彼女も今より格段に弱く、たった一人だったのだからそれは辛い道程だった筈だ。
こんな事で、故郷を失ったソフィアを一人ぼっちにした事への償いになるとは思わない。
だが、それでも…そうしたい。
アリーナが再び先頭に戻り、クリフトがその後ろに控える。
少し遅れて俺が続き、そのすぐ後ろ、殿をソロが守っている。彼もまた、何も言わずに妹を…その身体を、守っていた。

「…今までも、そうして…ソフィアを、導いてくれたのか?」

そのソロが、小さな声で話しかけてきた。

「…いいや。俺が導くだなんて…おこがましいよ。
俺が導かれていたんだと思う。そうでもなければ、こんなところまで…これなかった」

「そうか…。…だが、きっとそれだけではないだろうな」

「え?」

「いや、今はそれで…いいのだろう。俺が言うべき台詞じゃない」

謎めいた事を言い、一人納得するソロ。
俺としてはちょいと問い詰めたい所だが…それより先に、話を逸らされてしまった。

「ありがとう。ソフィアの傍に居てくれて」

「そんな事…礼を言われても、困るし、それに俺は一度…」

697 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:13:03 ID:RRQ/IbPl0
「あれからもう何年も経つからな。色々あったろうとは思うさ。
…じゃあ、そうだな。今、ソフィアの傍にいてくれる事に」

「……」

「俺は…あいつに何もしてやれなかった。昔から、泣いてるあいつを慰めてやる事も、頭を撫でてやる事も…。
あの日から…ソフィアと離れ離れになってしまった事が気がかりでしょうがなかった。
再会して解ったよ。あいつは、いい仲間と出会えたと」

ぽん、と肩に手を置かれる。
すると今にも、その手に引き摺り込まれそうな感覚――俺は軽く頭を振った。
それも、ソロは謙遜と受け取ったようだった。

「あいつが健やかに成長できたのは、あいつ一人の力じゃない。だから、礼を言いたいんだ。
…兄として、な。ずっとほったらかしにしてた癖に図々しいって言うなら、これ以上は言わないが」

「そんな事言う訳ない…解ったよ。ソロ。だけど、これからはソロも一緒、だろ?
できる事とできない事はあるかもしれないけど、それでも…もう、一人にしないでやってくれよな」

「…その心配は…」

必要ないだろう?悪戯っぽく笑って俺を見る目が、思いの外、真剣な雰囲気に少し驚いたように見開かれる。
必要なのか?お前が居る限り、ソフィアはもう一人になる事は無い――。

「ああ…そう、だな…」

ソロは、そう言うに止めた。

698 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:13:34 ID:RRQ/IbPl0


「申し訳ございません、姫様」

先頭を歩くアリーナの背に、小さくクリフトが呟いた。
悟られぬようにしてきたつもりであったが、今のこの距離を見るにソロは恐らく察していたのだろう。
アリーナは…どうだろうか。彼女の事は何でも知っていると自負してきたクリフトだが、この旅の中、戸惑うことがあったのもまた事実だった。

「何を気にしてるの?」

「…一時の憤怒で我を忘れ、姫様の治療を怠った事です。従者としてあるまじき失態…真に…真に、申し訳もありません…如何なる罰も覚悟の上です…」

もっとも、置いていくと言われる事だけは承服しかねたかもしれないが。
命を賭けろと言われたら、迷うことなく死地へと赴く覚悟は完全にできていた。

「そうね。あの時治療してくれていたら…ワンパンチはいれられたかな。その後、やられちゃっただろうけどね」

しゅっしゅっとパンチを撃つまねをして、あははと笑う。
内心はともかく、彼女は既に立ち直っていた。

「そうね、罰って訳じゃないけど…一つ、いいかな」

「はい!なんなりと!」

「それじゃあ――これからは、私を優先して治療するのを止めなさい」

クリフトは内心、ドキリとする。
そこまで露骨にしていたつもりはない…のは本人だけで、誰の眼にも明らかな事ではあったのだが。
男たちはもちろん、マーニャもミネアもそれなりに聡いので、それほど問題にはならずに来ただけ。
いや、そこまでの危機に直面することが無かったのも一因かもしれないが。

「ですが…ですが、姫様…!」

699 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:14:09 ID:RRQ/IbPl0
「クリフト。貴方が私を大切にしてくれるのは感謝しています。ですが――これ以上、私は大切な人を失いたくありません。
それが例え、いずれ別離が訪れるのだとしても、出来る限りは」

「それは…ご命令ですか…」

「いいえ。お願いしているのです」

「…………」

長い沈黙の帳を神官が引き上げる。

「……御心のままに」

「ありがとう、クリフト」

愛しい人の、花が咲くような笑顔。
クリフトは一瞬、それに見惚れ、そしてすぐに意識を取り戻す。
この笑顔を、見たい。見ていたい。その為には。
彼女の命を。仲間の命を。
全てを癒す。そうする事で己は仲間の命と、そして彼女の命と笑顔を守るのだ。


「〜〜……けて……さい〜〜……」

「ん?何か言ったかアリーナ?」

「えいっ!ん?何も言ってないわよ?」

700 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:15:34 ID:RRQ/IbPl0
竜巻みたいなものを纏った魔物にコブラツイストをかけながらソロに応じるアリーナ。
似合うなあ。無駄に。コブラツイスト。
まあコブラに限らず関節技なら何でもだが。関節技にこだわらず素手による攻撃ならば。
空耳は大して気に留めず、俺たちは順調に樹の内部を進んでいく。
体力的には俺もだいぶ苦しいのだが、それ以上に何故かクリフトが上に登るにつれて死にそうになっている。
…気球の中でも泣きそうになってたっけな。悲しい事でもあったのだろうか。
だが、泣いたり笑ったりしながら成長することもあるだろう。って誰かが言ってた気がする。

やがて――空一面を、碧が埋め尽くした。
全てが、葉。世界樹の葉だ。太陽の光を浴びて輝く、神秘の葉。
その色は――彼女の髪と同じ色で。俺は涙ぐんでしまっていた。
目の前に彼女の笑顔があるような気がして…こぼれ落ちないように、天を見上げ続ける。

「よっしゲット!それじゃあ早速ソフィアに…」

「いや、ここは太いとはいえ樹の枝の上だし、幹の中に戻ってもまた魔物も出るかもしれない。一度地上に戻ろう」

元々は手に入れたらその場で調合して飲ませるつもりだったのだが。
思いの外安全とも言えない状況だったので、俺たちはその場から一時離脱する事にする。
俺の努力はある意味無駄だった訳だが、何故かそういう気持ちにならない。きっと、背負ってきたのがソフィアだったからなのだろう。

701 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:16:23 ID:RRQ/IbPl0
「〜〜〜〜…………!?〜〜〜………っ!」

どこからか焦るような雰囲気を感じるが俺は気にしない。
そんな事は些事だ。ソフィアに勝る有事などないのだから。

アリーナを先頭に駆け下りる一同。
俺は聴こえたような気がした声について、クリフトに訪ねてみたが、聴こえていないのか物凄い勢いで降りていってしまった。
心なしか顔色も悪かったな…泣きそうだったのは…アリーナと何かあったのかなあそういう雰囲気でも無かったんだが…。

世界を支える樹の葉には、倒れたものを再び立ち上がらせる力があるという。
だが、世界樹の葉をもってしても、死者を蘇らせる事はできないらしい。
生者と死者をどこで区別するかなどは俺は興味が無い。
ソフィアが蘇りさえすれば、それで良い。理屈など…どうでもいいさ。
それが例え間違っているのだとしても…ああ、そうだ。この考え方は間違っている。
ミネアに言われずとも自覚していた。
それでも。それでも、構わない。

702 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:18:12 ID:RRQ/IbPl0

「で、どうやって飲ませるの?」

「そりゃーもう!こういう時は王子様の口移しに決まってるじゃなーい!」

「妙にテンションの高い女がいるな。阿呆め」

「メラミ」

「ウボァー」

「王子様ってセンスに耐えられるビジュアルの人が少ないですよう」

「ソロは駄目よ!」

「なんでアリーナが駄目って言うの?」

「俺じゃ消し飛んでしまうからだろう」

「後は…半分以上親爺だしー」

「わ、私には…姫様が…ごにょごにょ…」

703 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:18:57 ID:RRQ/IbPl0
「なんでクリフトが私に遠慮するの?」

「ちょwwwおまwww」

「鬼がいるな…」

「姫様は昔からそういう子じゃからのう」

「やだ、ブライ。そんなに褒めないでよ。明日槍が降っちゃうじゃない」

「そんなに褒められるのは珍しい事なんですか…」

「もう何でもいいから早く試してみるべきでは?」

「何でもいいって。そんなだからその歳でまだ独身なのよ」

「むう」

「シチュエーションは大事ですよ…今回は特に、大事な事ですから」

「ところで私の時は…」

「クリフト…思い出さない方が良い、ことも、ある…」

「そうですか…」

704 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:19:34 ID:RRQ/IbPl0
わいわいぎゃーぎゃー。
賑やかな事だ。どう思う?ソフィア。
こういう時、君がこの中に参加する事は無かったな。
喋る事ができなかった君はいつも、どこか遠巻きに見ていたのを覚えている。
それも無理ない話なのだが。もっとも、仲間たちが騒ぐのを見る彼女は決して寂しそうなだけではなく、楽しそうでもあった。
皆が楽しそうなのを見て、自分も楽しくなる。
俺が、ソフィアが寂しそうにしていないか気になってちらりと確認すると、
彼女は決まって俺に柔らかい笑顔を向けてくれた。
だから今もまた、俺はそれを期待している。

世界樹の葉が淡く光り、俺の手の中から消失した。その時から。

振り返るのが恐ろしい。
そこにあるのは、喜びか、それとも絶望か。

それでも他の誰かに先に確認してもらおうという気にもならなかった。
ソロならばあるいは…とも思ったが、彼にはその気は無いようだった。
恐らくは、俺に任せる、という事なのだろう。他の仲間たちも然り。まるで気づかぬように喧騒を続けている。

意を決する。
意思を固め、意図を明確に、意識を彼女に…向ける。

広がる。
――――碧の光輝、が。

世界を支える樹の葉と同じ色の髪。
ふわふわの、ふかふかな優しい髪が、窓から吹き込む風に微かに揺れる。
少し青い顔をした、けれど、柔らかい笑顔が。
俺の眼の中に――飛び込んでくる。

705 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:20:43 ID:RRQ/IbPl0
「……ソフィア」

「……おはよう。おはよう、皆」

俺に。そして、皆に、そう、声をかける。

「おはようございます、ソフィア殿」

「おっはよー!ソフィア!」

「おはようございます、ソフィアさん。今日も良い天気ですよ」

「全く、もう太陽は中天にあるというに。最近の若いもんは」

「まあまあ…偶には寝坊する事もありますよ。ね、ソフィアさん」

「おはようございます。ご飯にしますか?それともパンにしておきます?ああ、まずは飲み物ですね」

「やだ、ミネアったら奥さん気取りね。おっはーソフィア、寝てる間にまた少しすっちゃったんだけど…えへへ」

「…おはよう、ソフィア。食事は面倒くさがらずにちゃんと顔を洗ってからだからな」

皆から朝の挨拶をされ、一つ一つに頷いて。
そうして、最後に彼女は俺を見た。

「……馬鹿野郎。何がおはようだ、このネボスケめ」

「……ごめんなさい」

「ふん。さっさと顔洗いにいけよ、ミネアが作った飯がこれ以上冷めないうちにな」

706 :世界樹 ◆gYINaOL2aE :2006/05/24(水) 01:22:14 ID:RRQ/IbPl0
くるっと背を向け、歩き出す。
顔を、見られたくなくて。

「あっ……」

ベッドから降りようとしたソフィアが小さく悲鳴を上げた。
無理も無い。ずっと眠り続けていたのだから、急に立とうとしても足がびっくりしてしまう。
倒れる――その、間一髪で、少女の腕を捕まえる手。

「何やってるんだよ……馬鹿」

「……ありがとう」

少女は俺の顔の惨状を見て、にっこりと笑ってそう言った。





「あう〜…誰も助けに来てくれない…。ひもじい…」

むしゃむしゃと世界樹の葉を食む孤独な音が、空の中で響いていたが俺たちは知る由も無かった。


HP:112/112
MP:53/53
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒

707 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 02:42:32 ID:MYtj67h40
乙。
…、語るべき言葉が見つからない。
直後のレスが書けたことを誇りに思う。

708 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 03:34:29 ID:ZCgmRyLT0
乙乙
いよいよ佳境ですなぁ。そして、放置プレイワロス。

709 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 03:52:10 ID:Wgay5ZZzO
なんか4の人の後はいつもしんみりしちまうんだよなぁ


710 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 04:24:50 ID:GSzYlLjI0
4の人乙です
ソフィア復活キタコレ!
そしてルーシア放置プレイw

711 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 08:54:50 ID:tWHMiBnl0
4の人キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!!

正直、4の人のトリップ見るだけで興奮するwww

712 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 10:04:03 ID:nzkhhUMV0
4の人ktkr!GJ!
クリフトとアリーナの会話いいな

713 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/24(水) 16:35:18 ID:JnMkMljy0
マジ乙!
もう世界樹まで来ちゃったんだなあ。思えば遠くに来たもんだ、なんて。
また読めて嬉しいです。

そしてチキンクリフトバロスwww

714 ::2006/05/24(水) 16:51:16 ID:e20EdH100
クリフトは高所恐怖症かwwwww

715 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 08:35:18 ID:WFTQ27+l0
避難所に次スレのテンプレがあったので立ててみる

ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
http://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi


716 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 13:54:27 ID:cEqrrwxU0
ほんとにすごいね4の人。
なぜにこんな所で書いててくれるのか不思議だ・・・
そのまま小説出版して売り出せるよこれ。

717 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 15:42:25 ID:WgOMyJUUO
あんまり乙コールし過ぎるのも、どうかと思う。

718 : ◆Wj/kq68872 :2006/05/25(木) 17:13:37 ID:d7FyMN8/0
「なあ」
「ん?」
「これやっぱり夢か?」
「どうだろ」
「5章だよな、やっぱ」
「うん」
「……」
「……」
「どうする?」
「うーん……」
「勇者来たら倒されるんだろうな……」
「うん」
「……」
「……」
「逃げる?」
「どこへ?」
「デスパレスとか」
「どうやって?」
「船?」
「だなあ……」
「……」
「……」
「どうしたもんかな……」
「どうしようか……」
「……」
「……」
「とりあえずさ」
「うん」
「ここにいるのはまずいと思うんだ」
「うん」
「アッテムトから外に出よう」
「だな」

719 : ◆Wj/kq68872 :2006/05/25(木) 17:14:12 ID:d7FyMN8/0
「魔法使えそう?」
「……無理っぽい」
「歩くか」
「うん……」
「……」
「……」
「でもさ」
「うん」
「なんで俺はスライムベホマズンなのにオマエはエスタークなん?」
「さあ……」
「……」
「……」
「ちょっと格が違いすぎね?」
「だなあ」
「いや、そんなに軽く返すなよ」
「なんで?」
「なんで?じゃねえよ。エスタークっつったら地獄の帝王だぞ、帝王」
「そうだね」
「スライムベホマズンってなんだよ。ザコだよ?ザコ」
「でもさ」
「うん?」
「ベホマズン使えるし」
「まあな」
「出てくると意外に面倒だし、ルックスで人気あるし」
「つかルックスは関係なくね?」
「うん」
「……」
「……」

720 : ◆Wj/kq68872 :2006/05/25(木) 17:14:45 ID:d7FyMN8/0
「いや、やっぱりキツいだろ」
「ん?」
「エスタークって会心の一撃連発でもなかなか死なないよな?」
「うん」
「スライムベホマズンなんて会心決まれば即死じゃね?」
「だなあ」
「例えばさ、俺がデスピサロ……は贅沢だとしてもキングレオとかだったらさ、納得も出来るんだよ」
「そうだね」
「だけどさ、スライムベホマズンだもん。いや、確かにスライムの中では強い方だよ、実際」
「うん」
「はぐれメタルとかキングメタルはちょっと反則気味だしさ」
「メタルキング」
「え?」
「キングメタルじゃなくて、メタルキング」
「そうか……」
「……」
「……」
「なあ」
「うん?」
「俺達戻れるのかな……」
「なんとかなるでしょ」
「そりゃいいよな、オマエはエスタークだもんな」
「いや、それは関係ないよ」
「いや、関係あるね。つかさっきから何か余裕あんだよ、オマエ」
「そうかな?」
「そうだよ……。いいよな、俺もせめてキングメタルくらいになりたかったよ」
「メタルキング」
「ああ……」
「……」
「……」

721 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 18:18:33 ID:AdQejpZA0
吹いたw いい仕事だw
>「なんで俺はスライムベホマズンなのにオマエはエスタークなん?」
のところの空気にやられたw

722 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 18:31:58 ID:1HVFfhMQ0
本にだせるかも試練が出した所でそこら辺にゴロゴロしてる作品と大差のない評価
になるだろうな。このスレだからこそ高評価な訳であって。

723 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:11:19 ID:sHywA2lL0
みんなが4の人の引き立て役という事か

724 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:20:01 ID:DSGd27vIO
こっちで議論汁
ttp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi

725 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:27:24 ID:sHywA2lL0
>>724
いや、ボク達2chが好きですから
単なるボヤキに避難したくない避難所貼られても・・。

726 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:29:00 ID:sHywA2lL0
あ、言い方が悪かったスマソ

727 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:37:47 ID:DSGd27vIO
>>725
それならすまん。
4の人が過剰に称賛される理由は初代スレからカキコしつづけたためじゃないか?
会社で例えると創設者って言う立場で。
上手い表現が出来なくて申し訳ないが傘下にレッドマンやタカハシ・総長などの他の職人さんがいるって言う状態かもな。
これから先今職人さんや新人にも書いてほしいね。

728 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 20:52:48 ID:sHywA2lL0
>>727
723は>>722がつまりはそういうことが言いたいのだろと言いたかっただけ。
4の人は色んな意味でこのスレの牽引役だろうね。

>避難したくない避難所
元々は職人同士の雑談所があれば良いのにという話が
いつの間にかスレッド全体の避難所になってるのが。。。

最もそういう使い方は正しいのだけど、
単にここと違う空気が流れてるのが明らか故に近寄りがたいのか。

729 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/25(木) 23:00:07 ID:DSGd27vIO
>>718-720
これから先カキコするのかな?
仮にそうなら頑張ってほしい。

730 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/26(金) 21:20:41 ID:/s/nXBM80
残り60KBだから長文は控えるか
次スレ立ててからにしたほうがよさそう

731 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/26(金) 22:12:52 ID:7QSMKIJIO
一人分ならなんとかなるかも…

732 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/26(金) 23:22:24 ID:yf+PHxZM0
残された職人はあとわずか。どうなることか・・・・

733 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/26(金) 23:50:29 ID:7QSMKIJIO
現在確認できているのは
4の人
総長
レッドマン
タカハシ
暇潰し
この職人さん達ぐらいか?
新人なら>>718だな。

734 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/27(土) 09:53:50 ID:CFOIw9E9O
>>733
クロベタンを忘れている

735 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/27(土) 09:54:06 ID:0ckvOhBs0
 *「変わった人間だなぁ…私と対峙しているなんて…なんと勇ましいんだ…」
タケ「じゃ、じゃかましいわ!!」
 *「せめて私の名前だけでも教えてあげよう――――私の名はドルマゲス――――」

コイツの名がドルマゲスって言うのか。もしかして・・・・・・・

タケ   「確かトロデ王やミーティア姫に呪いをかけた張本人やな………」
ドルマゲス「悲しいなぁ。私の名前がこの世界でも知っている人間がいるとは。」

ドルマゲスが発言した後なんと体が空にに浮いていったのだ。――――――――背筋に冷汗が走る。

ドルマゲス「だが、君の人生の中で私が最後に出会った人間になる。」
タケ   「な、なんやとっ!?」








ドルマゲス「――――――――――――今すぐ殺してあげよう――――――――――――――――」











736 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/27(土) 09:55:48 ID:0ckvOhBs0
タケ   「か、簡単にやられへんわい!!ロトの血を甘くみるんや無いで!!!」
俺は一直線にドルマゲスに向っていった。

ドルマゲス「汚い突進だなぁ。ヒャダルコ。」

ドルマゲスが呪文を唱えると周りに吹雪が発生し俺に襲い掛かった。

タケ   「ぐっ………がああッッ!!」
ドルマゲス「成程。普通の人間ではないみたいだなぁ。これで死ぬはずなのに。キヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」
タケ   「こ、こいつ、頭がイッてやがる…」
このジャンキー、相当余裕がある。さっさと攻撃を仕掛けなければ。

体中が寒くて動けない。どうやら凍結しまったらしい。幸い盾を持っている左腕だけは動かせる。

タケ   「くそがぁ!!動けへん!!」
ドルマゲス「ちなみに君は寒いのかい?悲しいなぁ。それなら暖めてあげよう。メラミ。」

今度は大きな火炎球の呪文を唱えてきた。大防御の体制すらとれない。ここは鉄の盾で耐える事にした。

タケ   「ぎゃああああああああああああああああああああっちぃぃぃぃいいいぃいぃいぃぃいぃいぃ!!!」
ドルマゲス「そんな盾で防げるなんて考えが甘いなぁ。まさに焼け石に水って言う事だなぁ。ハハハハハハハ!!!!」

タケ   「て、鉄の盾がドロドロになって溶けてる………」
ドルマゲス「君もここまでみたいだなぁ。絶望を味わせてあげよう。」

流石に今回ばかりは切り札が無い。敗北確定か…………


737 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/27(土) 09:57:13 ID:0ckvOhBs0
タケ「(もょ、すまねぇ。俺はここまでや…)」
もょ「(か、かわりにおれがやる!よわねをはくな!)」
タケ「(俺がやられたら死んだふりをしてその場をしのいで逃げるんや…あいつにはまだ勝てへん…)」
もょ「(バカなことをいうな!!)」

タケ「(そ、それにな、お前が死んだらムーンちゃん達が悲しむやろうが…)」

もょ「(……………………………………………………)」
タケ「(俺はもょの影の存在や……死んでもええねん……それにの世界で自分自身良くやったっておもっとる…)」
もょ「(そんなことをいうな!…………おれが……かなしいじゃないか。)」
タケ「(もょ…………)」
もょ「(ぜったいにおれもタケもいきのびるんだ。いいな!!)」
タケ「(…………ありがとう。まかせた………)」

もょもとに代わってもらった。俺は涙が出た。ただこの感情が混みあがってきた。






                  生きたい                   










738 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/05/27(土) 10:00:19 ID:0ckvOhBs0
もょ   「ゆるさないぞ!ドルマゲス!」
ドルマゲス「ほほう。まだたち上がって来るのか。なんと喜ばしいことだろう。私こそ忘れはしない。
      君の勇ましさはわが魂に永遠に焼きつくことになる。さあこれ以上私を悲しませないでおくれ・・・。」
ドルマゲスが更に威圧感を高めてきた。
もょ   「ううっ……すごいきはくだ………」
タケ   「(もょ……)」
もょ   「(しんぱいするな。タケ。)」
タケ   「(頑張れ……)」
もょ   「(ああ。)」

もょ   「いくぞ!」

もょもとがドルマゲスに斬りかかりに行った。その時だった。
ドルマゲス「ハァ………ハァ………な、なぜだ?ち、力が……抜けていく………」
もょ   「うわ!!」
ドルマゲスが急に上空に逃げ出した。
ドルマゲス「ここは…………退散……するか………」

そう言い終わった後、遙か遠くへ飛んで行った。

もょ「た、たすかったのか?」
タケ「そ、そうみたいやな…よかった。」

もょもと&タケ
Lv.15
HP:8/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
タケ専用  :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御


739 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/27(土) 12:29:37 ID:p1sNOPfWO
>>レッドマン乙!
ドルマゲスの表現がSUGEEEEEEEEE!!
もょもとはいい奴だなぁ〜

740 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/27(土) 19:55:33 ID:0IPbV0760
このスレってGANTZのパク(ry

741 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 01:51:27 ID:FRB1h3jN0
さて埋めるかね!

742 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 01:51:59 ID:FRB1h3jN0
次の日。足取りは重い。場合によっちゃあの城にいる奴ら全員ぶっとばさなきゃ気がすまねえ。
相変わらず衛兵に止められる。ブン投げた。どけ。俺達は最短距離でヒミコの元へ向かった。


ブチのめしたぜ。やまたのおろち。まことか!?とヒミコが驚く。しかし俺たちの浮かない顔を見て
黙り込む。これに見覚えはあるかしら?とねーちゃんが例の勲章のようなものを見せる。
あの洞窟に落ちていた。…………説明してくれ。

一呼吸置いてヒミコは話し出した。

それは…我が国が公的に作っているものじゃ。各役職ごとに異なる紋章を授ける。
古くからの伝統じゃ。そしてそれは…もうよい。本人を直接呼ぼう。

ヒミコは衛兵に何か耳打ちすると衛兵は一礼した後出て行った。数分後。
部屋に入って来たのは最初にこの国に来たときに食ってかかってきた極右の老人だった。

これが封印の洞窟に落ちていた。説明してくれ。

ヒミコはそれだけ言うと紋章を老人に渡した。老人はため息をつくと右手を大きく振り上げた。
突然ドカドカと十数人はいるであろう武装した兵士が部屋になだれ込んで来た。
状況が把握できない。どういう事だ!?ねーちゃんと目が合う。
ねーちゃんが女王様を守って!と指示を出す。何が何だかわからないが俺達は王座を取り囲む様に
円陣を組み備えた。おいおい。ヒミコは顔を強張らせたままどういう事じゃ!と叫ぶ。

743 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 01:54:12 ID:FRB1h3jN0
姫様…いや今は女王様か。わしは先代国王の時よりずっとこの国の為に心身を奉げてきた。

………?

王妃様はあなたを産んだ後直亡くなられた。偉大な王であった先代の血をひくのはヒミコ様
あなだだけじゃ。王位を継いだ事も女王となった事も何の間違いは無い。

………??

しかし…あなたの思想は危険すぎた。隣国と仲良くとな?笑止万全!何故選ばれた民である我が民と
下民である者たちが手を取り合う必要がある?崇高なるジパング国の指針は一つ!他の国を従える事
のみ!残念だが姫…いや女王様。あなたにはここで退官願う。死をもって!

老人が手をかざすないなや、兵士達が異形の物へと姿を変えた。
コイツ…魔王と手組んでやがったのか!?非常に混乱しているが今しなけりゃいけない事は一つだ。
こいつらを叩きのめす!

俺はねーちゃんと勇者にヒミコの護衛と呪文での後援を頼んだ。そしてパンツと敵陣に切り込む。

数は多いがやまたのおろちに比べりゃ雑魚だ。片っ端から片付けていく。暫く後目の前に敵対するのは
老人だけだった。

744 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 02:00:58 ID:FRB1h3jN0
ぐぬうううぅぅ…愚かな者達よどこまでも神の国に楯突こうというのか…

老人が凄い形相でこっちを睨む。知るか。とりあえずコイツはとっつかまえてなければ。

ククク…お困りのようですね…

どこからともなく嫌な声が聞こえる。生理的嫌悪感をもよおすこの声。どこかで聞き覚えがある…

不気味な黒い霧と共に一人の覆面の魔術師的な男が現れた。
俺とパンツと勇者は絶句する。コイツは…コイツは忘れもしねえ!あの時あの時じーさんが自分の命と
引き換えに潰した奴あの時の…言葉が出ない。心の奥底からただ怒りが湧き起こる。

てめえ生きてやがったのか!おまえだけは絶対に俺の手で潰す!

今にも飛び掛ろうとした。が、体が動かない。

落ち着きなさい。相変わらず熱い男だな。今日はおまえらの相手をしにきたんじゃない。
後始末にきただけです。

と、次の瞬間魔術師の手が老人の胸を貫いていた。

今までよく働いてくれました。あなたがジパングに与えた恐怖や絶望…大魔王様もお喜びでしたよ。
ただやまたのおろちを失った今もうあなたは不要です。安らかに地獄に行きなさい。カカカ…

745 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 02:12:20 ID:FRB1h3jN0
老人は口をパクパクさせながらうわ言のようにジパングと呟くとやがて動かなくなった。
魔術師はボロ雑巾のように老人を投げ捨てるとこっちに向かってきた。

やまたのおろちを倒した所をみると少しはマシになったようだが…この程度の邪気で
身動きが出来ないようじゃまだまだだな。大魔王様もおまえらが自分の存在を脅かすくらい強くなるのを
お待ちですよ。色々な国を回り様々な人を助けもっと勇者とその仲間として完成しなさい。
勇者は人々の希望であるから勇者なのですよ。ククク…

メェェラゾォォォォッッマァァァァァ!!!!!!!

極大の火球が魔術師を捉える!

轟音と共に大量の煤と埃が舞い上がり一瞬視界を遮った。

徐々に視界が回復する。

ほう…さすがこの状況で動けるとは…異世界より迷い込みし賢者よ。少しは楽しませてくれるようだな。

コイツ…俺の必殺技を食らって無傷なのか!?ヤバイ近づいてくるが今度こそまったく指一本動かせない。
く…殺られる……………!

746 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 02:16:02 ID:FRB1h3jN0
次スレタテレズ

ダレカ

タノム

747 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 02:26:58 ID:FRB1h3jN0


魔術師が耳元で囁いた。

そして去って行った。

俺達の金縛り?も解けたらしく全員が一斉に動けるようになった。目の前にあるのは魔物の死骸の山と
老人の屍。外にいた兵士が何事ですか!?となだれ込んできた。ヒミコは力なく死骸の片付けと
老人の埋葬を命じた。

ひと段落ついてもう一度ヒミコの座の前に集まる。重い沈黙。

重ね重ね礼を言うぞ。勇者とその仲間達よ。やまたのおろちの件だけでは無く命まで助けてもらった
ようだな。こんな事言える立場じゃないかもしれんがあの者は手厚く葬った。許してくれとは言わん。
ただ誰よりもこの国を愛するが故の行動だと思っておる。わかってやってくれ。

そして一冊の日記のような物を差し出した。あの老人の部屋にあった物らしい。
内容は要約するとこうだ。ジパング再興のため魔王軍と手を組んだ事。やまたのおろちを使って
ヒミコの世評を下げ退官させようとした事。そして最終的に魔王軍が世界征服した後
ジパングだけは独立を守ることを契約した事…何があの老人をここまで駆り立てたのだろうか。
さっぱり理解できねえ。

748 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 08:15:57 ID:2ktTs/pNO
総長・レッドマン乙!
先の展開がワクワクするだ。

749 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/05/28(日) 09:31:33 ID:RpCKELpZ0
新スレ、規制されてるぽくて立てられなかった
どうしたらいいのかな
一応、避難所で出たテンプレを張っておきます



もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら 七泊目

ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言、オリジナル何でも歓迎です。

・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
 スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
 (トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
 アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
 をつけるとより読みやすくなります

前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
http://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi

750 : ◆vNFYAR5c0g :2006/05/28(日) 11:48:13 ID:QhyPK3S10
立ててくる

751 :魔神 ◆vNFYAR5c0g :2006/05/28(日) 11:53:32 ID:QhyPK3S10
無理でした

752 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 12:26:55 ID:AaT+g6Z00
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1148786712/

スレタイに半角スペース入れるとサブジェクト長杉が出るよ

753 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 12:46:30 ID:FRB1h3jN0
>>752
ありがとう!ここは埋めきるので投下する人は次スレでよろしくお願いします

754 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 13:16:37 ID:FRB1h3jN0
さて話を本題に戻そう…。ぬしらが求めていたオーブの話じゃが…

オーブ…ああそうだ忘れてたたしかあの鳥居の洞窟の奥にってオイ!入り口はもう塞いじまったぞ!
やべえすっかり忘れてた。今から掘り返すのか…しかしあそこは俺とデカブツの名誉ある死闘の場所…

あの洞窟にはありませんでした。

ねーちゃんがこれまた驚き発言をする。えっあの状況で探してたのか!?当たり前でしょと多少冷たい目で
こっちを見る。正直先にオーブ見つけてやまたのおろち退治は後回しにしようと思ってたわ。
勝てそうにもなかったし…結果論から言うと勝ててよかったけど総長さんも私達を率いるリーダーなら
その辺もっと慎重に行動して欲しかったわね。……こんな所で説教しなくてもいいじゃないか…

あやつの手記と共にあったわ。もう我々には必要ないもの。好きにするがよい。

と紫色に輝くオーブを渡された。そうかあの老人が持ってたのか。いやいや結果オーライだな。

ヒミコはさすがに顔色が優れない。そうだろな。これからこの国の奴らにこの一件を
どう説明するのだろうか。差し出した生贄…支払った犠牲を考えると黒幕が魔王とうちの大臣でした
なんて簡単に言えるもんじゃない。事情をしってる周りの大臣や兵士も表情は重い。

俺は考えた。この空気。この雰囲気。問題は山積だがだからこそ立ち止まってはいけない。
一歩ずつでも前に進まなくては。そしてこの状況を打開するには…酒しかねえ。

おいヒミコ。今すぐ宴会の準備をしろ。国をあげて総出の宴会だ。異論反論は許さん。
逆らったらこの国ごと潰すぞ!

755 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 13:17:09 ID:FRB1h3jN0
一気に城内はザワついた。バカな…あの異国人は何を考えてるのか…この状況で…空気読めよ…
あちらこちらで陰口が聞こえる。ええい黙れ!世界の覇王に最も近い俺に逆らう奴はブン殴るぞ!


数時間後。夜もすっかり更けたころ、国で一番大きい広場に物凄い人数が集まった。
ブツブツ文句をいってた兵士や使用人もいざ宴の準備を始めるとちょっと楽しそうだった。
頃合を見計らって一番高い演説台に立つ。

…誰も見ちゃいねえ。それどころか何の為に集まったかも知らされていないので不審そうな顔をしている。
目の前には大量の料理と酒。家にあるありったけの酒と料理をもって広場に集まれという
女王からの謎の通達。不審がるのも無理はないか。ここは一発派手に民衆の心を引くしかないようだ。
花火でもあげるか。俺は天を仰ぐと夜空に向かい叫んだ。

イ オ ナ ズ ン !

けたたましい轟音と共に一瞬真昼かと思う程に夜空が光った。突然の出来事にへたり込む奴や
当然子供は泣き出した。うんうん。この反応を待っていた。一息つくと俺は声を張り上げた。


コホン…えー俺は鬼浜爆走愚連隊の総長である!
近い将来この世界の王となる男だ有難く目に焼き付けておけ!

あっけにとられる民衆共。

えーここで一つ報告がある!おまえらを悩ませるやまたのおろちはもういない!
俺達が死闘の末今アイツは洞窟の奥で永遠の眠りについた!感謝しやがれ!

756 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 13:17:40 ID:FRB1h3jN0
そんな話信じられるか!いやまてしかしヒミコ様の命でここに集められたんだから…あんな異国人の
たわ言など!やっぱ全然信じてねーなコイツら。おいヒミコ出て来いや!

この者のいう事は真実じゃ。

ヒミコが台の上に立った。一斉に静まり返る。

勇者率いるこの者たちの手でやまたのおろちは倒された。そして今みなに伝えなければならない事がある。

ヒミコはありのままを国民に伝えた。内容が内容だ。中には敵意むき出しでこっちを睨む奴もいる。

再び俺が前に出る。

えー色々思うとこがあるかもしれないがおまえらに一つ命令しておく!今回の事は全て水に流せ!
そしてやまたのおろちと言う天災が去った今、今日この日を記念日にしようと思う!
毎年今日を「鬼浜祭り」として未来永劫祝え!飲め!歌え!踊れ!騒げ!

一気にヒートアップする広場。賞賛と怒号が飛び交う。

えーそれでは鬼浜祭りに…乾杯!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そう叫ぶと俺は持っていたグラスに注いである酒を一気に飲み干した。
かんぱーい!と勇者も声をあげパンツやねーちゃん、ヒミコ、兵士、城の使用人、その他みんな一斉に
酒に口をつける。なんだかよくわからないがその雰囲気に呑まれあちらこちらで乾杯の音頭が上がった。


757 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 13:43:41 ID:FRB1h3jN0
そう叫ぶと俺は持っていたグラスに注いである酒を一気に飲み干した。
かんぱーい!と勇者も声をあげパンツやねーちゃん、ヒミコ、兵士、城の使用人、その他みんな一斉に
酒に口をつける。なんだかよくわからないがその雰囲気に呑まれあちらこちらで乾杯の音頭が上がった。

もうあとはとにかく酒を注いで回る。飲ます。飲まされる。一時間だか二時間だか過ぎた頃には
かなりの人数ができあがってきていた。もう誰も恐い顔をしている人はいない。

うんうんこれでいい。やはり祭りはこでなければな。と、むこうから女の子がいっぱい駆け寄ってきた。
これは…もしかして…そうだ。俺はこの国を困らすデカブツを倒した。つまりこの国の英雄ってやつだ。
キャー本当にやまたのおろち倒したんですね!すごーいつよーい!かわいいーーーー!!!!
へへへよせやい照れるべ!?え!?かわいい!?案の定俺を素通りして女の子軍団は勇者とねーちゃんの
元に向かった。パンツが総長総長と寄ってくるなんだよ気持ち悪いな。こっち来んな。
え?あっちで俺の武勇伝聞きたい奴がいっぱいいるって?しゃーねーなおい行ってやるかデへへ
…そこにいたのは明らかに土方系のイカツイにーちゃん達…あっちの世界でもこっちの世界でも
こんな奴らばっかにモテるのはなぜだろう。チクショウ…



それから更にしばらくたった。ねーちゃんがこっちに来る。ねえ一つ聞きたい事があるんだけど…
あの魔王軍の魔術師最後総長さんの耳元で何か言ってたでしょ?何を言ってたの?

758 :総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/05/28(日) 13:44:12 ID:FRB1h3jN0
そう…あの時からずっと心にひっかかってる事。アイツは…あの時信じられないが俺の事名前で
呼びやがった。この世界に俺の本名を知ってる奴はいない。俺が誰だろうと関係ないし
総長の方が昔から慣れ親しんでる呼ばれ方だ。それどころか俺が異世界から来た事を…

いや違う。無論それも不思議ではあるのだがあの声、あの声はどこか懐かしい。
口調はまったく違うのだが俺の良く知るアイツにどこか似ているーちょっと?大丈夫?聞いてる?

いけないいけない自分の世界に浸りこんでしまった。ねーちゃんには本当の事話すべきだろうか。

いいわ…誰にだって知られたくない事はあるし無理に聞こうとは思わないわ。

そう言って微笑むとねーちゃんは去ってしまった。別に隠す程の事でもないんだが…もし
仮に俺が異世界から来た事をぶっちゃけるとコイツらはどう思うのだろうか。

この国のやつらは生まれた国が違うというだけでかなりの偏見を持っていた…俺の場合はそもそも
世界が違う。……ていったい何考えてんだろうか。酒のせいだ酒のせい!
今目の前にうまい酒がある!それでいいじゃないか!



俺はその日も結局浴びる程飲んだ。

759 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 22:06:00 ID:vzz0dAd/O
総長乙!!!!!!

760 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/29(月) 02:07:25 ID:CptPapMEO
そういや総長て埋めマンだったなw
そろそろ話しも佳境ですか…

761 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 00:18:25 ID:8+joIaxG0
呪文習得方法を人々に聞く。

762 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 10:26:11 ID:fBSFLzST0
まだ40Kはあるぞ。

763 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 21:34:38 ID:RBXEgjTbO
そういうことなら梅
あと何レスくらいだ?

764 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 22:59:56 ID:RBXEgjTbO
はいはい埋め埋め

765 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 23:23:18 ID:vZqosDiNO


766 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 23:28:27 ID:RBXEgjTbO
はいはい埋め埋め

767 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/31(水) 01:15:31 ID:DPcWCuxqO


768 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/31(水) 01:41:22 ID:ogan4/KyO


769 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/31(水) 20:43:43 ID:HyzRJ3Eq0


770 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/31(水) 21:54:32 ID:GRsqsSl+0
梅干し

771 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/01(木) 00:51:30 ID:DgXn+71o0
殿下

772 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/01(木) 01:27:35 ID:6tPIXwAA0
まだ39KBもあるんで放置推奨

773 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/02(金) 01:11:45 ID:EP7JB/qt0
うめ〜梅

774 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/02(金) 19:55:39 ID:lqIeMaWCO
雑談スレみたいな小ネタやってみる

  総長「俺様以外にも冒険者がいるみたいだな。」
  タケ「へぇ、あんたらもよその世界に行っていたんや?」
タカハシ「俺はいきならトルネコと会った。」
 真梨奈「私はいきなり疑われていろいろ尋問を受けちゃった。」
 クロベ「ミモザが偉そうでちょっと戸惑ったな。助けてもらってあれだけど…」
ジャガン「俺なんかダークヒーローだぞ。うはwwww人々から恨まれまくりwwwwww」
ヒーロー(4の人)「でも俺たちも夢がひろがりんくで結果的には良くね?」


775 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/06/02(金) 20:10:10 ID:FwTisM2v0
>>774
おもしろいですw
妄想してみた事はあったです

776 :☆スター☆:2006/06/02(金) 20:32:56 ID:63Tds08kO
『ドアドア』って、画鋲みたいなの踏んで死ぬ。

777 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/04(日) 00:03:18 ID:BV7PRIBAO
>>774
つられてやってみる。
ヒーロー「おまいらが驚いた事って何よ?」
総長 「バニーのねーちゃんがすげぇ色ぼっかったな。あの食い込みはたまらねぇ。後酒が美味い。」
タカハシ「テリーがかなり頼りになった。6ではドランゴ引換券だったなのにな。」
タケ 「俺はムーンのヌードを見た事やな。マジ神秘的やった。」
ジャガン「おまwwwwww俺なんか魔族ばっかりだぞ。テラウラヤマシスwwwwwまぁ空が飛べた事だな」
真梨奈 「私の場合はスライムが懐いたことかな。後大きなカニを食べて凄く不味かった。」
クロベ 「まだいいわよ。バカでかい魔物に襲われたのがびっくりしたわ。ところでヒーローはどうなの?」
ヒーロー「そうだなぁ………………………………人生初めて密室空間で女性と話したり………………まぁ、色いろあった。」
 総長 「羨まし過ぎるぞてめー!」

ジャガン「おまいら俺だけ仲間外れかよwwwwwwwwww」


778 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/06(火) 12:40:18 ID:nxP+t3x+O
>>777
まぁ…頑張れ。


779 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/06(火) 22:49:24 ID:GKXn/bb/0
テラオモシロスwwwwww

780 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/10(土) 16:03:04 ID:0WWW1C2E0
保守っと

781 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/10(土) 22:04:34 ID:JSAvW4tWO
あげ

782 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/14(水) 15:34:30 ID:jnbhkObq0
このスレ閑古鳥が鳴いてるな…(´・ω・`)ショボーン

783 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/15(木) 00:09:04 ID:4sHnpAfxO
う〜

784 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/15(木) 01:23:11 ID:ADCVIwih0
誘導
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1148786712/l50
七泊目が立ってます

このスレは放置ヨロ

785 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/17(土) 23:51:04 ID:fPcogZBLO
つ囲

786 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/22(木) 12:55:06 ID:uAmAdrps0
 

464KB
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