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ぜろちゃんねるプラス
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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目
1 :
冒険の書庫の書記
:2005/10/08(土) 23:00:44 ID:oCXhwG/I
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。
前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
前々スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
初代スレ
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/
まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
47 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 22:45:48 ID:WdvsUm2O
その時俺は妙な錯覚に陥った。
誰かが、誰なのかは分からないが、遠く、そうまるで空高い白雲の上から、
俺を見ているような気がしたのだ。
そして、更に奇妙な感覚が俺を襲ってきた。
その誰かがまるで俺であるかのように、上空から俺が俺を見ていると言うべきなのか。
俺は、俺の目に映る俺を思い浮かべた。
どこかも知らない街、単調な色で彩られた街中を一人の営業マンが立っている。
そして、その右下に、妙な枠を知覚する。
たいぞう
HP 32
MP 0
Lv 4
HP?MP?Lv?俺が俺を見ていて、その俺にHP、MP、Lv。
完全に動揺し、混乱した俺に、
何か得体の知れない声、だがどこか暖かい懐かしい声が聞こえてきた。
「たいぞう・・・たいぞう・・・私の声が聞こえますね。」
48 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 22:55:50 ID:op9IAPnm
宿屋から始まる話だけじゃないの?
49 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 22:56:31 ID:WdvsUm2O
再び俺を見ている俺に知覚された2つの選択肢。
→はい
いいえ
訳も分からずはいを選ぶ俺に、その声はまた語りかけてきた。
「突然のことでさぞ驚いているでしょう。
たいぞう、あなたは不思議な力を持った青年。
あなたならこの世界を救えるかもしれません。
今や世界は魔王の手に落ちようとしています。
世界の未来はあなたにかかっているのです。
たいぞう、あなたは選ばれし人間。
行きなさい、そして思いを同じくする者と集いなさい。
そして、魔王を倒すのです、頼みましたよ、たいぞう・・・」
考える隙も与えぬほどにただ話しかけ、そして止んだ声。
ただ、何か大変なことが起きている、それだけは分かった。
しかし、何をすればいいのかも分からず、俺はひとまず街を出た。
50 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 23:16:14 ID:WdvsUm2O
目の前に広がる大草原、海が見える、そして遠くに森、山が見える。
普段東京で世知辛い世の中を歩いてきた俺にとって、
その開放感は心地よく感じられ、俺はいつもの落ち着きを取り戻していた。
しかし、また不可解な事態が俺を襲った。
街を出てまもなくであったはずだったのだが、街が急に小さく見えたのだ。
立て続けに起きる不合理さに俺は完全に呆れてしまっていた。
俺はひとまず、先の声を思いつつも草原を歩くことにした。
7歩か8歩歩いたときだっただろうか、急に何かが、得体の知れない怪物が俺の前に現れた。
人間の格好をした石で出来た茶色の大男、ライオンの顔をした4本の手に2本の足の獣が2匹。
俺は、そのイビツな生き物に完全に腰を抜かしてしまった、
これがその例の同志なのか、俺は彼らに話しかけようとした。
すると奴らは急に襲いかかってきたのだ。
ゴーレムの攻撃 痛恨の一撃 たいぞうに235のダメージ
・
・
・
・
・
51 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 23:20:57 ID:WdvsUm2O
>>50
グッジョブb
52 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/13(木) 23:24:03 ID:srn9qcKf
二度寝(現実逃避)
53 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/14(金) 05:33:05 ID:/SMTiW72
>>46
自分が書いてみたいのはDQモンスターズ(1)。
ダイ大やロト紋はどう考えても板違いだけど、DQMはプレイした事ある人が限られるから微妙かな、と思い聞いてみた。
最初は、テリーとしてOPの場面で目覚めるつもりだったが
>>48
の指摘に沿うとすると、タイジュの宿屋(ゲーム中には無いが…)で目覚めてマスターになり、いずれテリーと戦う流れかな。
その場合単なるプレイ日記にならないようにはしたいが。どうでしょう?
やっぱり板違いな様であれば、別のものを考えようと思います。
54 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/14(金) 14:53:40 ID:CsvGqkqV
ごちゃごちゃ言わんと好きに書けばいいと思うよ。このスレってスレ違いは自然に消えてくから…
なぜか神職人も自然消滅するんだけどorz
頼むから4の人と総長は完結させてくれ…
55 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/14(金) 17:31:01 ID:iYN62qLH
◆36yZlE15gsさん、
>>50
GJ!
>>53
別に大丈夫だろ。頑張ってくれ。期待してる。
さて…消えた職人さん達が戻ってくることを期待しつつ、age
56 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/14(金) 21:07:43 ID:iYN62qLH
間違えてた…orz
57 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/14(金) 21:20:44 ID:hTr9jdR4
>>50
グッジョブb
58 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/14(金) 21:43:21 ID:XcgdcBDL
>50
ありがとう。好き勝手書いていますが、レス頂くと大変嬉しい。
これからも少しずつ書いていくからよろしく(´∀`)
59 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/14(金) 21:46:35 ID:XcgdcBDL
アンカーミスったorz
スマソ(´・ω・`)>55
60 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/15(土) 17:29:05 ID:pW6eQq3U
エイコさんの話も期待してたのに……
とりあえずageてみる
61 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/15(土) 23:16:50 ID:pW6eQq3U
あげる時間帯を考慮すべきか?
62 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/16(日) 01:04:06 ID:TXoswtEx
十年ほど前、自分がドラクエ@の宿屋の親父になってる夢を見た…女なのにorz
63 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/16(日) 01:51:31 ID:t7jhqSq0
>>62
あっ久しぶり。
10年ぶりだね、いままでなにしてたの?
64 :
失業者クエスト4
:2005/10/16(日) 13:31:13 ID:reBwpVuG
嗚呼、おしまいだ。このまま電源をお切りください、だぁぁぁぁ!!!
やばい、ボコられる・・・!!!!!
「お客さん、起きてらしたんですか!?よかったわぁ、てっきり・・・
あ、いえ、なんでも無いですよ。ウフフフ・・・・・。」
なんだぁ、このおばさん?中年太りな感じの・・・。っつーか誰?
「あらいやだ、もうお昼ですよ。いい加減おきてくださいよ。」
付き合ってらんねぇ。取り合えず行こうか。
・・・・・・行こうか、てどこに?むしろここは・・・?俺はなぜここに?
「まあ、急かさないでくださいよ。覚えてない?あらまあ!
昨日の夜、ボロボロになって村の外から逃げてこられてねぇ。誰かって?
あなたですよ!それで宿泊代だけ渡されて、そのあと死んだように
お眠りになってましたよ。この村はどこかって?この大陸の西、
アルカパと言う村ですが・・・・・・。いったい何があったんですか?」
あるかぱ?しらねぇな、そんな村。この時点で分かったことは、
この宿屋で1日、2日寝ていた事、拉致られた訳ではないって事、そして
こ こ は 東 京 で は な い っ て 事。
65 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/16(日) 20:28:39 ID:R7C56LNw
保守
66 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 01:36:13 ID:6OuoQK38
期待あげ
67 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 03:38:11 ID:AK2JlYhZ
良スレ発見。頑張ってください。
68 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 12:45:50 ID:d/RX6KIq
俺は魔物の群れにつっこんで潔く散るな
69 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 20:32:35 ID:6OuoQK38
あまり盛り上がらないね(´・ω・`)
70 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 21:01:03 ID:dzLFaVjV
人が少ない今のうちに、4の続き投下されないかな。。
そんな義理はないだろうけど、ほんとに楽しみに待ってるんだ。
71 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 21:17:14 ID:KHNDR/1R
何屋さんになろうかなぁ…
武器屋さんは…
トンテンカンするのんむずかしそうやなぁ;
道具屋さんは…
ぅ〜ん…薬草とか安いから 儲けが少なそぅゃし…
牧師さんは…
呪いを解いたり、毒の治療の修行が 大変そうやなぁ…レベルがあがると 活用してくれなくなるし… 記録だけやなんて暇そやし…
宿屋さんは…
忙しそうやなぁ…
あんまし 忙しすぎるのも…忙しいし…
飲み屋さん…は…
あっ!そぉや☆
カジノのバニタンに なろう v^-^v
景品換え屋さんが いいかな♪ステキなもん いつも見えるし☆ 暇な時は、手にとって ながめていよう*:。(*´艸` 〜*。
72 :
失業者クエスト5
:2005/10/17(月) 21:22:39 ID:uu8/xgHF
東京でも、日本でもない・・・。しかもこのおばさんによれば、俺は
自分の足でここまで来てる、って・・・。まさか酔っ払って国外まで来ちまったのか?
一世一代の恥になるなぁ。ははははは・・・・・・。
・・・・・・・そうだ!これは夢なんだ!妙に体がだるいのも、アルカパなんて言う知らない
所に居るのも、このおばさんが言ってる事とかもぜ―んぶ嘘なんだな!?
なんだ・・・、あせって損したぜ・・・・・・。それじゃあ、おばさん!俺もう一度寝るから!
「あらそう!その方が良いわ!なにしろ、そんなにボロボロなんですものね。しんどくて
無理は無いわ。宿代はサービスしておきますよ!それでは、良い夢を。」
おう!ありがとな!良く分からんが。そんなにボロボロ・・・?ああほんとだ。至る所
痣だらけ傷だらけじゃないか。ああ、それでこんなにしんどいのか・・・。そろそろ
寝るか。夢も希望も無いゴミだらけの東京に、戻りたくなんて無いけどな・・・。いやー、
しかし、このベット本当に気持ちいいなぁ。再就職が決まったら、真っ先にベット買うか!
よーし、それじゃあ、
おやすみ――――――。
73 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 22:57:22 ID:jI0UYgCF
序盤の勇者に戦いを挑んで負けて仲間になる
74 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/17(月) 23:57:30 ID:DelXYaZz
名を呼ばれ肩を揺すられて目を開けると、目の前に見知らぬ女性の顔があった。
なんだ夢か、そう思い再び惰眠を貪ろうとする俺の肩を彼女はしつこく揺すり続ける。
一体何だと言うんだ。夢の中でくらいゆっくり眠らせてくれ。邪険な視線を送る事で彼女にそれを伝えようとした。
年齢は20代後半くらいだろうか。こと女性の年齢に関して推測が当たった事など無いので自信は無い。
武家の妻の様な時代錯誤な凛とした雰囲気を漂わせている。かなりの美人だ。
「私の可愛い**」などという甘い台詞に瞬間ムラッときた俺は、そういう夢か、と認識するやいなや
彼女をベッドに引き摺り倒した。やらないか。
一瞬呆気にとられた表情になった彼女は、事態を悟って激しく抵抗を始めた。
正直こういうのは気が引けるが、どうせこれは夢なのだから、モラルも法律も罪悪感も俺を止める事は出来ないのだ。
次の瞬間絹を裂く様な悲鳴とともに思いっきり頬を張られた。
夢にしては妙だ。一向に覚める様子も無い。叩かれた頬も嫌に現実的な熱を帯びている。
呆然となった俺の手をすばやくすり抜けて部屋の隅で蹲り
乱れた衣服を抑えて泣きながら語り出した彼女の話を聞いて俺は愕然となった。
母親なら母親だと、そういう設定は先に言ってくれ。
リアルおかんの顔が脳裏を過ぎり、膨らみかけた性的幻想は急速に萎んで素っ飛んで行った。
「父親の名に恥じない立派な勇者に育てたつもりです」そう言った彼女の「つもり」という言葉に
自責の念を感じ取った俺は慌てて、夢だと思ったのだ、と釈明したが
毎晩その様に恥知らずな夢を見ているのか、と彼女はいよいよ大粒の涙を零し始めた。
すっかり狼狽して落ち着かせようと近づきかけた俺に獣でも見る様な嫌悪と怯えを露わにした視線を向けると、
嗚咽を漏らしながら彼女は部屋から逃げ去ってしまった。
自己嫌悪に苛まれリセットボタンを探してみたが見つからなかった。
75 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/18(火) 03:51:50 ID:sb6wWRSO
スレ立ったんだ、よかったあ〜。
またお話がたまったら投下します。
トリップの仕組みが良く分からないです。
間違いなくあのエイコですので、よろしくです。
76 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/18(火) 05:36:30 ID:zQ0/LxD/
よっしゃッッッ!!!
士気も高まってきたなッッッ!!!!
77 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/18(火) 20:10:41 ID:1VCg3xM3
つ【みんながんばれ】
78 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/18(火) 20:43:27 ID:APCxktQu
エイコタソ キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
お待ちしておりますのでよろしくです。
79 :
失業者クエスト6
:2005/10/18(火) 21:38:32 ID:9MqAMm9U
・・・・・・・ふぁぁぁぁ、良く寝たなぁ。・・・ん?何か重大なことを忘れているような気が・・・・・・。
なんだっけ?・・・・あっ!そっか!この宿屋は夢の世界なんだよな。俺もついに
ボケが来たかなあ・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・じゃねぇよ!!!!!!!!
このとおり普通に寝起き出来ているということは、この世界が夢じゃないって事になる!
つまりこのアルカパっていう村は・・・・・・現実?俺は東京にいないのか・・・?
・・・・・・夢じゃないって事は判ったんだ、もうここで寝ている意味は・・・無いだろうな。
名残惜しいけどこのベットからはサヨナラだ。・・・・・・じゃあな。
・・・・・・・あっ!おばさん!あんたにも・・・世話になったな。ありがとよ。
「何、かしこまっちゃってぇー!もう!出発ですか?気をつけてねぇ。最近は魔物がうんと増えた
らしいから気をつけていくんだよ!」
おう!まもの?ってのが気になるが・・・。まあ、いいか。
行 こ う 、 俺 の 知 ら な い 世 界 へ 。
80 :
失業者クエスト-Z
:2005/10/18(火) 22:17:58 ID:Z6MToIn8
俺の知らない世界へ、ってカッコ良い事言ったって・・・。俺は一文無しなんだぞ。文字どうり
一文も無いんだぞ?どうするんだよ・・・・・・。あ―――――、カッコ悪ッ!元職場であんなにクールに
決めてた俺なのにこんな事になってしまうとは!!
さぁどうしようか、これから。金も無い、行く宛ても無い。俺の知り合い・・・いや、顔を知ってる奴さえ居ないんだぞ?
取り合えず、村から出てみよう。何か判るかも知れないし・・・。第一に、今俺が置かれている状況を
理解しないと行けないな。
・・・・・・おっ?この村の警備員か。これまた動きづらそうな格好だなぁ。まあいいや。そこ、通せよ。
「お前・・・・・丸腰じゃないか!そんな格好で外に出る気か!?馬鹿言うな!せめて装備を整えろ!」
なんでTシャツで外に出ちゃ行けないんだよ。よくいるよなあ、若者嫌いってやつ。でも、どうやったらこのおっさん
退かせられるかな?かなり頑固そうだけどな・・・・・・。
・・・・・・まあ、いいや。取り合えず村人から話を聞こうか。情報収集は大切だしな、
ゲームも現実もww・・・・・あっ!あのオネェサンに聞いてみよう!
あの――、すいませ――ん!!!
81 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/20(木) 00:09:39 ID:/GbfUsjL
保守age
82 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/20(木) 11:53:46 ID:uc78Mqd7
ほしゆ
83 :
失業者クエスト8
:2005/10/20(木) 21:19:59 ID:Sa8RF5n/
・・・・・・・びっくりした。その他に言葉が思いつかないくらいだ。声をかけて振り返った女性は・・・・・・。
・・・おれの姉さんにそっくりだった。一瞬、この世じゃないのかと思ったくらいに。
「あら、なんですか?あなた・・・・・旅人の方?大変ですね。」
そうだ・・・・・・これが姉さんの筈が無い。だって・・・姉さんはあの時・・・・・・。
「どうかなさったんですか?具合でも悪いんですか?あっ、私の名前はアマリアです・・・・・・。・・・・・・あの、
本当に大丈夫・・・・・・?なんでそんなに涙を・・・・・・?」
涙、だって?・・・ああほんとだ、ボロボロだ・・・・・・。こんなに泣いたのは、あの時以来・・・・。
・・・・・・・・・そう・・・・・・あの・・・・・・・・・・・
・・・・・・・姉 さ ん が 死 ん だ と き ・ ・ ・ ・ ・ 。
84 :
失業者クエスト9
:2005/10/20(木) 21:42:02 ID:Sa8RF5n/
・・・・・・俺の姉さんの名前は・・・。・・・・・・澪。茶の混じった黒の髪の毛で・・・俺とは3歳離れた、
少しドジな姉だった・・・。今、目の前にいる女性は・・・瓜二つと言うより・・・本人そのものだ。
そんな姉は・・・2年前、交通事故で俺をかばって・・・死んだ。アマリア・・・って言ったっけ。あんた。
すまないな、ちょっと取り乱した・・・。
「いえ、良いんです。でも、あなたこそ大丈夫ですか?苦しくないですか?」
俺のことは心配無い・・・。大丈夫だ・・・・・・。まあ、いろいろあって、な・・・。
「そうですか・・・。あの・・・迷惑でなかったら、話を聞かせてもらえませんか?人に打ち明けて楽になる
こともありますよ・・・・?」
・・・俺は多分、この言葉に救われたんだと思う。職場でクールに決めようとしてたのは、寂しさを隠すためだった
のかもな。・・・本当に多くの事を話した。まるで誰かに操られているのかのように・・・・・・。
「そうか・・・。大変だったんですね。少しは楽になりました?大丈夫ですか?」
ああ。すまないな、関係も無いのにあんたに迷惑をかけてしまった・・・・・。
「いえいえ。あっ、私の事はアマリア、で構いませんよ?私、こう見えてもまだ23歳なんです。」
姉さんが生きてたらちょうど同じ年だな。・・・・・・そろそろ行こうか。
「行くんですか?良い旅を。・・・・・・あっ!待ってください!まだ・・・あなたのお名前を聞いてないんです
が・・・・・・。」
・・・・・・・俺の、名前?ああ、俺の名前は・・・・・・。
・・・・・・・・・なんだ?思い出せない・・・・・・?自分の名前なのに・・・?なんで・・・なんで、なんだ?
俺 は い っ た い・・・・・・・誰 だ?
85 :
失業者クエスト・補足
:2005/10/20(木) 21:52:39 ID:Sa8RF5n/
どうも、自己紹介もまだだったんでこの場を借りてさせていただきます。
名前・・・・・・うーん、『黒色夜叉』って名乗っておきます。
性別・・・・・・女。
年齢・・・・・・昭和の生まれではないです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
物語の補足
姉さんのなまえは みお (澪)と読んでください。
主人公は二十歳になる手前の年頃だと思ってください。
ホームレスライフの場所は渋谷区の公園。西暦は2005年、と考えてもらって
結構です。
こんなもんでしょうか。
なんとか完結させたいと思うんでよろしくお願い致します。
86 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 01:43:22 ID:/hOqcks+
>>85
がんがれ!
ついでに保守age
87 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 02:32:43 ID:i33fbcDj
俺も書こうっと!
チャララララッラッラ〜
*「ふぁ〜よく寝たなぁ」
*「よく来たな。勇者よ」
*「へっ?」
*「我の名は竜王。竜族の王だ。」
竜王「どうだ?勇者よ。我の部下にならぬか?」
*「あの…誰なんすか?ここ僕の部屋なんで、帰ってください」
竜王「我の部下になれば世界の半分を与えてやろう」
*「何ワケのわかんない事いってんすか。警察よびますよ?」
88 :
87
:2005/10/21(金) 02:38:19 ID:i33fbcDj
竜王「そうか…嫌と申すか」
*「いや…何にも言ってねぇし。帰れよ」
竜王「ならば死ぬがよい」
竜王があらわれた!
*「何?この展開?何?この展開?」
竜王の攻撃!
*は身をかわした!
*「うお!?危ねぇ!?」
竜王「フ…さすがだ。勇者よ」
*「やめろよ!ここ俺の家だぞ!」
竜王「よくみてみろ」
*「ハッ!こ、ここは?!」
89 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 02:38:50 ID:gfvSaq40
行くなら8の世界だな、他の世界はチンコとか付いてなさそう。
FCの1の世界に行っちゃった日にゃ、乳も揉めないし自殺もんですよ。
90 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 02:43:40 ID:gfvSaq40
でも子孫を残せるって事は、チンコ付いてんのかなぁ・・・。
ブロックみたいなチンコをパカパカはめてファックすんのかなぁ・・・。
91 :
74
:2005/10/21(金) 02:44:16 ID:TXZqw0GQ
しばらくして禿頭に白髭の爺さんが部屋に入ってきた。
どうやら俺の祖父らしい。
女手一つでここまで育て上げた母親をよりによって旅立つ朝に泣かせるとは何事か、
勇者と称えられる男の息子として情けないとは思わないのかなどと散々説教された。
どうやら俺は今日、消息を絶った親父の後を継いで魔王打倒の旅に出る事になっているらしい。
国王に謁見の際はくれぐれも失礼の無い様に、と爺さんは俺に頼り無げな視線を寄越した。
知るか。王だの勇者だの魔王だのと聞いて、巻き込まれた事態の無駄に大きなスケールにうんざりしてきた。
家を出ようとすると母親が見送りに来た。
自責と怯えの混じった瞳を涙に濡らしている。
なんてこった。そんな目をするのはやめてくれ。
いたたまれなくなった俺は逃げる様に家を後に城に向かって歩き出した。
俺だって出来る事なら代わりにもっとまともな息子を探して来てやりたいよ。
92 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 15:28:14 ID:/hOqcks+
整理しやすいようにトリップをつけてくれー。
ところでまとめの人はどうしたんだ?何か病気持ちなのか?
93 :
失業者クエスト10
:2005/10/21(金) 19:06:13 ID:74bd2y8n
俺はいったい誰なんだ、なんて馬鹿でもいわねぇよ。これは・・・冗談じゃない。なぜか自分の名前だけが
・・・わからない。姉の名前も俺が住んでた公園だって覚えてるのに・・・?
「あの・・・この村に来るのは初めてなんですか?そうでなければあなたを知っている人だっているかも
知れませんよ?」
俺は・・・この村に来るのは初めてだ。知っている奴なんていない・・・。
「・・・それは・・・・・・・残念ですね・・・。あっ、そういうのってきっかけがあれば思い出せるかも
知れないですよ?ためしに村を歩き回ってみてはどうでしょうか。」
それ、いい考えだけど・・・ここに来た事自体無いし意味あるのか?・・・・・・まぁ、ものはためし、っていうしな
やってみる価値は無くは無いだろう・・・。
はぁ・・・・・・・・・もうかれこれ4時間はほっつき歩いたな・・・・・。その割に収穫はないし・・・・・・。
この人・・・アマリアにコレ以上迷惑をかけるわけには行かないな・・・・・・。やっぱり、一つしかないよな、方法は。
金を用意して、装備?を整えて・・・。
この村を、出るんだ。
94 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 21:18:51 ID:MayHYffa
まとめの人はふぁいぶ氏以外のあまりのクオリティーの低さに逃げた
95 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 22:16:08 ID:VLtsQsLi
>>94
マジレスするとまとめの人はこのスレのことをおそらく知らない。
って書こうとしたら、ここ宿屋なのね。
俺がドラクエの主人公スレと間違えたぜ。
>>92
詳細整理とかはする気は無いけど
過去ログ、見れるようにしとこうか?
96 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 22:18:51 ID:ENpNp1xi
最近のなんか微妙、個人的にはたいぞうとかいうのが一番好きだなwww
97 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 22:25:55 ID:eopZH08k
みんなガンガレ
ジャンジャン書くべし
総長カムバックキボン
98 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 23:36:58 ID:IeqxlV5U
>>95
拙者92ではないが切にお頼み申す
99 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/21(金) 23:55:04 ID:JdFycH0F
>96
たいぞうコノヤロー
100 :
92
:2005/10/21(金) 23:56:39 ID:/hOqcks+
>>95
iMonaで一応見れるから大丈夫。
前スレでまとめの人が「救急車で運ばれ〜」とか言ってたから気になっただけ。
勘違いさせてスマソ
101 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 00:08:17 ID:LMSMGs8i
「おはようございます。お目覚めはいかがですか?」
布団から顔を出すと美少女が目の前にいた。
立ち上がる事が出来なかった。違う所をおっ立ててたからだ。
というよりパンツを履いていなかった。これはやばい。
「昨晩はおたのしみでしたね」
俺は何を楽しんでたんだ?
昨日は飲みに行って、それから・・・?思い出せない。
それよりここはどこだ?見慣れない部屋。アンティークな小物の数々が
どこか異郷を感じさせる・・・。
とりあえずパンツを入手する事にした。
「パン・・」
俺はそう言いかけて硬直した。目の前に居るのは少女。
おいそれと「パンツをよこせ」とは言えない。
欲しいのは俺のパンツだが、曲解した彼女が下着を脱ぎだす可能性もある。
そして「私のパンツを使ってください」と言い始めたら、紳士である俺はどうして断れようか?
彼女にそこまでさせるわけにはいかない(ここまで1.02秒)
「パンですか?朝食をお持ちしますね」
俺が懸念していると、全く予想外の反応が返ってきた。
そうして少女は部屋を出て行った。ちょうどいい。
俺は手近にあるクローゼットを確認してみる事にした。
「これは・・皮で出来た鎧?」
後、剣と兜が見つかった。パンツは無かった。
鎧を着て隠せば良かった事に気が付いたのは、それから三日経った冷たい牢獄の中だった。
102 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 00:53:23 ID:7UYa0bb1
パンツにこだわったその男は後にこう呼ばれる
――オルテガ
103 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 01:24:57 ID:8YEW9cIs
続きマダー?
104 :
95
:2005/10/22(土) 01:55:58 ID:FB1e5EGS
>>98
ほい、手抜きだがとりあえず見れるようにしといた。(見えるだけ)
http://drain.qp.land.to/bbs/kako/ifdq/
掲示板形式での保管なので、
2chブラウザ、携帯での閲覧が可能。
# まとめサイト再開までのつなぎといった感じでよろ。
>>100
いやいや。
とりあえず見たいって人が一人居たので結局作ってしまった。
>>102
俺がドラクエ3の主人公だったら3
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1127735814/
105 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 02:02:09 ID:bRnmXGFK
>>104
ありd
106 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 04:54:04 ID:lEDrOYn9
どうやら俺は知らない家で包丁と鍋のフタを握りしめて寝ていたようだ。俺の人生はここで終わるのか。
とりあえず階段をこっそり降りて行くとおっさんがいた…警察ではないらしいな
「よっ目が覚めたかい?昨日アンタ街の外で倒れてたんだよ。」
この変質者丸だしの俺に対してあまりに気さくなおっさんに思わず絶句した。
しかし、ありがとうと言って何食わぬ顔で玄関を出た。
ふぅ…まぁ知らん街だが寝ぼけて来ちゃったんだろ
しばらく歩くと茂みの影で一匹のとてもかわいらしい青いうんこがぷるぷるしてる
これDQのスライムやん。ほんまかわいいなぁと言いながら難なく捕獲。さわり心地もグッドです
是非ペットにしたいので「おいで」というと逃げようとしたので捕まえてスラリンという名前をつけた
107 :
なまえ
:2005/10/22(土) 11:42:42 ID:Civj521T
てすと
108 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 12:36:34 ID:bRnmXGFK
とりあえずスラリンにニットキャップを被せてみた
なかなか前衛的なデザインの生き物になった
ぷるるん
一人悦に浸っていると謎のじじいが来た
「スライムの体表の粘膜には寄生虫が住み着いておる」
ゲゲェ!
反射的に近くの川の中に投げ捨てた
スラリンはどんぶらこっこと流れていく
勿論その後すぐに手を洗った
ちょっとかわいそうな事をしたなと後悔する
じじいが後ろでニヤニヤしていた
109 :
94
:2005/10/22(土) 13:06:41 ID:/imKX+OV
>>95
そうそう間違えた。両方ちょくちょく見てるから…
あっちは今泣きたい位の厨房が書いてて辛い
110 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/22(土) 18:21:03 ID:8YEW9cIs
ほす
111 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:19:12 ID:goExRzbg
久々だから緊張するなあ。
少し出来たので投下します。
お目汚し失礼。
112 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:20:36 ID:goExRzbg
前回までのあらすじ
寝相悪い、寝起き最悪、態度は常にフテて口も悪いエイコ、25歳女、独身。
役所の臨時職員の期限が切れ、その送別会でしこたま酒を飲んで記憶をなくし、
目覚めると(というより気が付くと)ドラクエ8の世界の宿屋にいた。
生来のテキトーな性格の賜物で、本編主人公エイトの双子の妹を名乗り(騙り?)、
失職記念のリフレッシュ旅行を兼ねた冒険が始まった。
*いきなり7日目* エイコLv.5
-1-
初めての戦闘から5日経った。
あの日から、とりあえずみんなの足手まといだけにはならないように、
日々鍛錬を積んでいたら、いつの間にかレベルアップしたらしい。
魔法は相変わらず使えないが、槍捌きは板について来た。
こうなると長刀部でも弓道部でも何か実践的なものをやっていればなあと今更後悔。
でもまさか、こういう日が来ようとは、夢にも思わなんだ。当たり前だけど。
「エイトったらまったく、どーしちゃったのかしら」
ゼシカがボヤく。
あの後、そのまま『サザンビーク』から街道沿いに北上し、
そろそろ『ベルガラック』に到着する頃だそうだ。
何処だそりゃ。
113 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:22:34 ID:goExRzbg
「あー合コン過ぎちゃったなー」
ふと思い出して、一人ごちる。ゼシカの独り言など丸無視だ。
「ゴウコンって何?」
ゼシカの質問が飛んでくる。てくてく歩いてるだけなのでヒマなのだ。
「子供にはカンケーないことだよ」
定番の文句でテキトーにごまかす。
まったく知らない単語を1から説明してやる程、私は人間が出来ていない。
「えッ、私、子供扱い?! エイコって何歳なの?!」
「エイトと双子なんだから、確か20歳前じゃろ」
緑星人が余計な事を言う。あーもーめんどくさいなあ、年の話すんじゃねーよ。
「何よ、あんまり変わらないじゃない」
ゼシカお前は確実に10代だろ。……うーん、私の実年齢は黙っておこう。
「へぇー、もっと若いかと思ったでがす」
えっそうなの? いやーヤンガス君、キミいいこと言うねえ。
「ふーん、もっといってるかと思った」
ククールてめえは後で毒針でプスプスとHPを1ずつ奪ってやるから覚悟しとけ。
「しかし、こちらの大陸は広いのう。徒歩での移動は大変じゃわい」
緑星人がぼやく。てめーは歩いてねーじゃねーかコンチキショー。
「そうだな、サザンビーク国領はトロデーンに比べて広いからな」
「ブルルッ、ブルルッ」
私のひそかなイヤ味は姫にだけ聞こえたようだ。
しかし、車社会で暮らす者として、こう毎日ポテポテと歩くってのはキツい。
114 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:23:40 ID:goExRzbg
「王様、馬車乗せてよ馬車。何で馬車こんなにちいせえの?」
ていうかフツー馬車あったら8人ぐらいのパーティ組めるだろ。
モンスターだの日雇いだの魔法親父ネリベルだのガッツラ連れて歩けよ。
「馬鹿者、かよわい姫が引く馬車なぞありはせんわ。これは特別じゃ」
確かこの馬車、人一人と錬金釜が入ったらいっぱいになってしまう。
せいぜいストックの道具類しか積めない。
「まあ、仕方ないさ、姫には絶対普通サイズの馬車は引かせないだろう」
「だけどさー、何日も何日も街道を辿って歩いてたら日が暮れちまう」
「何言ってるでがす、何日も辿ってるなら何回も日が暮れているでがす」
おお、よく気付いたなヤンガス。座布団1枚。
と、敵が現れた。キラーパンサーだ。
「あー、ゲレゲレの背中に乗って走ったら気持ちいーだろなー」
「何言ってるの!? 左に回ってよエイコ!!」
あーすんません。どうも不真面目すぎたらしい。
じゃ、習得したての槍捌き、ご披露いたしましょ。
115 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:26:45 ID:goExRzbg
-2-
一瞬どこの田舎の山ン中の国道沿いのラブホの看板かと思ったよ。
ていうか、こういうの、うちの近くにあるよ。
ベルガラックはでかいカジノがあるらしいが、閉まっていた。
着いたのが夜だったので、早速行こうと思ったのに。
「何だ、閉まってるのか〜」
ものすごい残念だ。カジノのBGM、好きなのに。
「ま、仕方ない、せっかくの大きい街なんだから、酒でも飲まないか?」
「話が分かるな、エイコ。お前らも行くか?」
早速飲みにいく算段の私とククールを尻目に、残りの二人は宿屋の方面へ行ってしまった。
「何だよ付き合い悪いなー」
「仕方ない、あいつらまだレベル低いから、サザンビークからの道程で疲れちまったんだろ」
「ふーん、そんな事言ったら私だって足イタイのになあ」
酒場への階段を下りると、大きな劇場が目に飛び込む。
片隅にカウンターがあるが、この空間の大部分を占めるのは劇場だ。
色っぽいバニーガールが3人、踊っている。
ひげもじゃの荒くれ者がかぶりつきで一人で盛り上がり、
高そうな服を着たおばさんが目を三角にしている。
常連ぽい爺さん、落ち着きのない若者。
私は椅子を回転させ、出されたカクテルを物色する。
116 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:27:57 ID:goExRzbg
「なあエイコ、オレにだけ教えてくれ、お前はいったい誰なんだ?」
手捻りのガラスコップの中で妖しく光るカクテルは、意外とフルーティだ。
「オレ達は、古代船を復活させて西を目指した。
途中嵐に遭って、船は若干南に流された。
やっと辿り着いた岸に船を括りつけ、このサザンビーク国領へと入った。
が、圧倒的な敵の強さに翻弄され、命からがらサザンビーク城下町へ転がり込んだ。
その時はエイトは確かにいたんだ」
「あーおめさまがどぁあほでねあの?
つづみだらばこっつのたいりぐさちゃんときょうかいがあるってかいでっぺ?
かいでんだがらそさいげばいいべっちゃ、なしてなんもねあどごさきたえ。
うんだらばおめさまがどがごるどだのさもいってねあべ?
じゃじゃじゃなんさつづもってあるってんだがいっこはあ」
「・・・すまんエイコ、何処の国の言葉か理解出来んのだが」
ぬ、私のネイティブな方言を理解できぬとは。
「なぬすたずあこのクー坊があおめおれのさげがのめねづのがああ?!」
「お前酒癖も悪いのかよ、最悪だな」
「あーこのもっとさげもってこー」
「分かる言葉で言ってくれ!!」
117 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:29:59 ID:goExRzbg
こんな青二才では異国の酒もつまらない。
本当に分からない事をいつまでもグダグダと話しても時間の無駄なのだ。
こんなだったらヤンガスの方を誘えばよかった。
あいつなら腹芸の一つぐらいやってくれそうだったのに。
「おいエイコ、もう帰るぞ」
「あにいってんだまだよいのくづだー」
適当に切り上げて退散するのが良いと思ったが、思い通りに動いてくれて嬉しいよククール君。
顔を上げると、勘定を済ませ上の階へ私を促している。
私の見た目は何故かゲームのエイト君によく似ているらしいので、
担がれて客室に向かっても、酔い潰れた男友達同士にしか見えないだろう。
得でもあり、損でもある。
「エイトが見つかったら私は元来た世界へ戻れるだろう。一緒に探してくれ、ククール」
片腕を担がれて階段を上っていた私の口元に、ククールの耳があったもんだから、
ついつい面白がって例の低い声でしっかりとした口調で言ってやった。
「あ、ああ。分かった……」
この日より、エイト探しは本格化する。
118 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 00:30:48 ID:goExRzbg
以上、続きはまた来週です。
乱文ご容赦。
119 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/23(日) 01:56:45 ID:bPKeutSB
>>エイコタソ
超乙
疲れない範囲でガンガレ
細く長くキボン
120 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/23(日) 02:31:47 ID:Ip0YpYnp
エイコタソ乙!
週一回でもいいから、無理せずに書いてくれ。途中で消えないでね。
あと、◆36yZlE15gsさんマダー?
121 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/23(日) 13:11:27 ID:VH59E/mr
いや、エイコ何処出身なんだ?w
122 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/23(日) 14:30:37 ID:cbeAswZK
ああ、エイトの妹騙ってるからエイコなのか
FF9のキャラかと思ったw
とこのスレからの閲覧者
123 :
◆qdB5QYIaRc
:2005/10/23(日) 20:15:39 ID:RtBztULP
朝起きるとベッドの上にいた。
普段は敷布団すら敷かずに毛布と枕だけで寝ていた筈だが、まだ眠いので気にせずに二度寝することにした。
しかし下の階から人の声がして寝つけない。仕方なく俺はベッドから起きる事にした。
さっきは眠さで気付かなかったが、よく見ると俺の部屋ではなかった。随分片付いた部屋だ。ベッドとタンスとツボだけがある。
拉致とか、酔っ払って他人の家に入ったとか、考えるのも面倒だったのですぐに部屋を出て階段を降りた。
階段を降りるとカウンターが見えた。カウンターに緑の服のデブ男が立っていたので話し掛けてみる。
「おはようございます!ではいってらっしゃいませ!」
朝からでかい声で喋るな。うるさい。
ハイテンションな奴を相手にするのは疲れるのでとりあえずスルーして宿屋らしき所を出た。
外に出るとそこには見た事の無い光景があった。
一軒の教会、小さな橋の下を流れる川。木でできた民家。のどかな村だ。
とりあえず村をうろうろしてみる。家の傍にあるツボを調べたり、民家に入ってタンスを漁ってみたりした。
「こらっ!あんた何してんだい!」
怒られてどつかれた。こういう事をしても何も言われないゲームをやった事ある気がするが、やはり現実ではうまくいかないみたいだ。
村の北にある墓の前に小さいメダルが落ちていたので貰っておく。手に入れたのはこれだけだった。
村の探索も大体終わったので、そろそろ村を出る事にした。
124 :
◆qdB5QYIaRc
:2005/10/23(日) 20:18:34 ID:RtBztULP
村を出ると、平原が広がっていた。南には海が見える。俺は北に向かって歩き出した。
暫く歩いていると、前方から何かが近づいてくるのが見えた。
その何かは物凄いスピードで俺に接近し、腹に体当たりした。2mほど吹っ飛ぶ俺。
痛い。骨が折れたんじゃないか?しかも咳をすると口から血が出てきた。大丈夫だろうか俺。
腹の痛みを我慢しながら立ち上がり、俺に体当たりしてきた何かを見ると、その正体は青い流動体だった。
謎の生物ははニヤニヤ笑いながら俺を見ている。何なんだこいつは。
謎の生物は再び俺に突進してくる。俺は間一髪で避けた。
何か知らんが俺を敵対視してるらしい。ならばこちらも抵抗する事にする。
俺は拳を握り締め、謎の生物に突撃した。謎の生物は攻撃に失敗して地面にぶつかりもがいている為、俺の攻撃は簡単に命中した。
プニュ。
思い切り殴ったら柔らかい感触がした。殴った気がしない。効いていないのだろうか。
いや、なんか悶えている。効いたらしい。
謎の生物は暫く悶え続け、やがて動かなくなり光となって消えた。
次の瞬間、謎の生物が死んだ場所に小さいメダルが2枚落ちていた。
銅貨だ。1と書いた銅貨が2枚。お金だろうか。さっき墓で拾ったのより少し大きい。
俺はそのお金をポケットに入れ、再び歩き出した。
125 :
◆qdB5QYIaRc
:2005/10/23(日) 20:20:06 ID:RtBztULP
ぼーっとしながら歩いていると、いつのまにか前方に村が見えてきた。さっきの村より小さい。
空もすっかり暗くなり、歩き続けて足が痛いので、今日はここで休む事にした。
村に入ると、やつれた顔をした村人達がいた。全員ガリガリだ。
ダイエットでもしているのだろうか。と思いつつ俺は宿屋を探した。
宿屋を見つけて中に入ると、カウンターにはガリガリの緑の服の男がいた。さっきの村の宿屋の主人とは大違いだ。
「いらっしゃいませ!一泊3Gですがお泊りになりますか?」
しまった。俺は2Gしか持っていなかった。仕方ないので交渉する事にする。
「ええ!?2Gしかないんですか…。分かりました。かなりお疲れのようですし今回だけ特別です。」
話の分かる主人だ。俺はありがとう、と礼を言った。
「ではお休みなさいませ。」
俺はすぐに風呂に入り晩飯を食った後、ベッドに入った。
そう言えば俺、こんな訳の分からない世界にいる事に何の疑問も持ってないな…。
そんな事を考えながら、いつの間にか眠りについていた。
Lv1
HP17
MP0
126 :
エイコ
◆h97CRfGlsw
:2005/10/23(日) 22:16:39 ID:tB2uy9fk
>>119-120
どうもです。感想があると(いいのも悪いのも)書く気力になります。
あんまり長くなると張った伏線忘れる(もう忘れ気味)ので、
適度に頑張ります。
>>121
東北です。激田舎です。最寄のスターバック○まで車で2時間超ですw
エイコはもうちょっと都会に住んでいて欲しい設定です。仙台あたり?
因みにエイコと私では性別は一緒ですが年齢・職業は全然違います。
>>122
そうです。FF9にはエイコっていうキャラがいるんですか?
スイマセン、FFはマトーヤの洞窟までしか・・・
書き手のみなさん、お互いがんばりましょう!
127 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/24(月) 00:12:47 ID:mlnNiisx
あたしは今宿にてホイミを練習していた。
いや、確かに覚えたいとは言ったが、こんなに早く覚えなければいけない事態になるとは思わなかった。
その理由とは。
サランを北上し、東へ進路をとると山の中腹にある村に夕方頃たどり着いた。夕日に照らされた墓がようこそいらっしゃいませとお出迎えしてくださる。
「ここはテンぺ。呪われた村。この村で娘が生まれなければ…」
喪服に身を纏うおばさんが墓の前でさめざめと泣いた。
「どーゆうこと!?それだけじゃわからないでしょ!村長を出せ!」
アリーナはおばさんの肩を掴み、カックンカックン上下に揺らす。
「ちょっと待てぇぇ!死ヌからやめい!おばさん泡吹いているし!」
おばさんは震えながら村の一番大きな家、村長の家をかろうじて指指した。
「あそこね!」
アリーナはパッと肩を離し、その家へと駆け出した。残ったクリフトがホイミをかける。 おばさん…死なないといいが。急ぎ、追う。
アリーナはノックもせずバタンと戸を開け…村長とおぼしきおじさんの肩を…
「待て!落ち着け!穏便にすませ!」
あたしはアリーナを羽交い締めにする。おじさんは危機一髪のところであった。
おじさん…村長は中年程の年齢。だが、頭に混じる白い物の多さと疲れきった色白い顔が年齢よりも老けさせて見える。
128 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/24(月) 00:35:21 ID:8mWQSPc3
村長は語る。
「この村の北の祭壇にはいつからか魔物が住みだしてな。若い娘を差し出さないと村ごと襲うと言ってな…。村のためにと何人もの娘が進んで名乗り、そして誰一人帰ってこなかった。魔物が住まう村、がこの村の通説だよ…」
「何人もの娘が?その…生贄となったと?」
クリフトが問う。村長は首を小さく縦に振った。
「ねぇ、ちょっと。それ、サントハイムには言わなかったの?」
静かな口調だが、怒気が混じる。
「言ったところで…何になろう」
村長の声には諦めがこもっていた。
アリーナは小さく唸り、そして無言になった。
「今度の最後の番はわしの娘、ニーナの番じゃ。結婚の約束までしているんだが…その魔物をやっつけてくれる人はおらんか…」
村長は深いため息をついた。
アリーナは深呼吸をしたあと、
「…私が、やるわ」
凛とした声で誓う。「はぁ…だが魔物が現れるのは宵、生贄が捧げられたときだけ。それでもおぬしらが生贄の身代わりになるというのか?」
アリーナは頷いた。
「それは誠か?それなら是非この先にある教会の神父に会ってくだされ!」
村長はこれはほんのお礼だと皮の帽子をくれた。
「いや、なに。冒険者がこの村を通りかかるたびに助けを求めていたが皆自分の命は惜しいもんでな。北を通り抜けるときは昼間を狙ったり、時には聞かないフリをしていた…。もう諦めていたよ」
129 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/24(月) 00:56:38 ID:H+I9hWpP
村長の家を出て魔物退治にはいい武器防具をと武器屋の暖簾をくぐると、もぬけの空。井戸の周辺でオロオロしていたのが主人で、
「私の息子は村長の娘ニーナさんと結婚するはずでした。ですが娘さんがじき生贄として行ってしまうことを考えるととても商売どころじゃありませんよ」
と。
ニーナを訪ねると、武器屋の息子とおぼしき若い男と女、ニーナが話し込んでいる。
「私はこの村を犠牲にして幸せになんてなれない…」
「そんなのイヤだ!ニーナが魔物の餌になるなんて…いっそ二人で村を出ていけば…!」
「そんなの駄目…そうしたら村人たちは…」
話し込んでいるというか、ずっと同じような会話を交わしているのだが。
一通り村人に話しを聞いていたがあれからずっとアリーナは無口であった。
闇のベールが村を包み込んだころ、宿にて一泊した。
次の日。魔物退治に備え、個々に行動をとった。
アリーナの武道の腕は確かだ。それはいままで見てきた中で認める。が、もし相手が刃物でも持ち合わせていたときに素手で対処出来るか。刃物には刃物で対処したほうがよいとブライは判断し、キメラの翼でサランに戻りサランで買える最高の武器防具を仕入れてきた。
アリーナは貰った聖なるナイフでの攻撃に慣れるためにテンぺの村入り口にて練習中である。
クリフトは私にホイミの呪文を教えてから怪我に備えて薬草の整理。また、彼にも同様聖なるナイフを持たせている。
130 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 01:14:03 ID:hvo1LDSX
はじめて見たんだけどまとめの冒険の書8の続きが激しく気になるんだが
前スレで完結したんだろうか
エロイ人詳細キボン
131 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 01:18:31 ID:NJr8OCiB
>>130
過去ログは
>>95
のリンクから読める。
結論から言うとそこで止まってる。
132 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 01:19:22 ID:NJr8OCiB
95じゃないわ、
>>104
だったわ。
133 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 01:20:18 ID:hvo1LDSX
>>131
dクス
未完なのか…
結構面白かっただけに残念だなぁ
134 :
◆36yZlE15gs
:2005/10/24(月) 01:24:23 ID:wHj5Lwiv
あたしはというと、こうしてホイミを練習している、という訳である。
ブライにメラも習得したしこれはどうじゃとヒャドの呪文も教わったが、これは一応覚えておくだけにする。一気に、しかも時間がなく焦っている状態で同時習得は困難である。
…昨日、生贄の申し出を受けたアリーナに対し、
「ちょwwおまww死に急ぎ杉www」
とツッコミたかったが、そういえない理由…あたしはバカなのでそう勝手に考えたのだが…。
村長が言った、サントハイムに言ってもどうにもならんとの言葉。
アリーナは、サントハイムは助けを求められても腰をあげないように見られているのか…と思ったのか?
それなら王女直々に倒すと考えたのだろうか?
否、王女というよりサントハイムのプライドにかけて。
きっとブライもクリフトも同じ考えであろう。珍しくアリーナの行動に止めはしなかった。
今は昼だが直に夜がやってくる。夜がくれば北へ向かう。北へ行けば村に恐怖と不安を撒く魔物がいる。
生贄となった若い娘達はそのまま喰われたりはしないだろう。武器を持って抵抗を試みた者も中にはいるだろう。人間は、死ぬ間際まで逃げたり抵抗をするものだから。
だが、誰一人として帰ってこなかった。倒せるだろうか?戦い慣れた冒険者たちでも恐れたそんなものを?
…否、倒さなければならないだろう。
村の為にも。そして、自分が生き残るためにも。
生か死か。
あたしは最後にホイミの呪文を唱え完成したのを確認すると、魔力回復の為に夜まで休むことにした。
135 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 01:39:57 ID:c0WJy0H8
>>130
スレが荒れてそのどさくさであそこで止まってしまった。
俺は今でもずっと続きを待ってる。
多分続きが投下されるまでずっと待ってる。
2chが消えるまで待ってる。
136 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 03:23:43 ID:lAKFOo1u
まあ荒れたとかあんま関係ないけど
137 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 14:10:26 ID:XJjHVMCj
>>130
を見て、冒険の書8をちと読んでみた
文体が、某同人ゲーのあの人にソックリだ・・・
138 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2005/10/24(月) 14:14:59 ID:XJjHVMCj
追記、シリアスシーン限定で。
話はなかなかおもろい
139 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:33:10 ID:EaQc6O74
気が重い。
ノッている時と、そうでない時の差が激しいのは俺の悪い所だろうか。
きっと、気が重いのではなく、唯、単純に背負っている荷物が重いのだ。
そう、思いたい。
リバーサイドと言う名の川沿いの村を越えて、俺たちは険しい道のりを越え大陸の奥地を目指す。
ソロの話では、この先には大きな湖が待ち構え、来る者を拒んでいるようなのだが、
誰が作ったのかは解らない、知られざる道が存在するという。
現場に辿り着いてみれば成る程、確かに湖は威容を放って一行を先に進ませまいとしていた。
そして、少し歩いた所に雄々しく聳え立つ、魔神の像。
えっちらおっちらと像の内部を登る。
…テンションが高ければ、マジーンゴー!くらいやるべきなのだろうが…。
とは言っても、スクランダーも飛んでこないし…。
旅も大詰めともなれば自ずと皆の緊張感も増してくるし、余り空気の読めない事はしたくない。
…まあ、こういう時だからこそ、というのもあるかもしれないが…。
ピサロに出会って…どうするのだろうか…。
アリーナ達はサントハイムの人々について訊ねるだろう。
その辺りの展開にも左右されるのだろうが…。
最後には、戦いになるだろうか…。
勝てる、のか?
まずそこが解らないのだが、仮に勝ったとしても、その後はどうする?
殺すのか?だけど、ロザリーは…彼女は、ああは言っていたけれど…。
140 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:34:07 ID:EaQc6O74
…戦いが終った時、ソフィアはどうするのか。
ソフィアは優しい子だから、俺がどうしても天空の神に会いたいと言えば付き合ってくれるかもしれない。
そして…復讐を終えたソフィアと、今迄のものより多少緩い旅の後に…。
俺は、元の世界に戻れるのだろうか。
…そうだ、やはりまだ戻れるかどうかも解らないんだ。
それに比べて――ソフィアには、ソロがいる。
今の少女は、天涯孤独の身では、無い。
俺が元の世界に戻れたとしても、仲間達も居れば兄も居る。
ソフィアは、大丈夫だろう。
となると、はやり俺は自分の心配をするべきだ。
戻れた時は、良い。だが戻れなかった時はどうする?
…また、此処でもソフィアに甘えるのだろうか。
ソフィアには、ソロがいる。俺は必ずしも必要な存在じゃない。
では、俺を必要としてくれる人間はいるのか?
…ライアンには、バトランドという故郷がある。
アリーナにはクリフトが、ブライがいる。逆もまた然りだ。
トルネコには妻と子供。
ミネアとマーニャは、お互いに必要とし合っている…。
……何処に、行けば良いんだろう。
ソフィアを筆頭に、仲間達は俺が頼めば受け入れてくれるかもしれない。
甘えてしまって、良いのだろうか?
一人で…この世界で生き、老いて、死ぬという選択肢を否応無く選ばざるを得なくなる可能性…。
考えてみれば俺自身こそ、なんとも救いようの無い状態にある訳で…。
それを認識したくないから、現実から逃げて、バカなマネばかりしてきたけれど…。
此処に来て…これから先、昔のように笑える事はあると思えない…。
…審判の時は、確実に近づいている。
141 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:34:56 ID:EaQc6O74
ソロが仕掛けを操作すると、巨大な建造物とすら言える魔神の像がゆっくりと動き出した。
こんなでかいのが二足歩行できるのだから、姿勢制御に苦労するロボット博士たちの立場が無い。
魔法の存在する世界でそんな事を言ってもしょうがないのだが。
俺は、普段通りにその出来事に驚いて見せた。
まるっきりの演技という訳でも無いから、それほどわざとらしくなったとは思わない。
ただ、はしゃぐようなメンタルじゃなかった所で、はしゃいで見せただけ…。
ともすれば無理をしているとも取られるのだろうが、
これから魔物達の城に赴こうというのだから、むしろこの位の方が不自然ではないのだ。
ああ…そうだよ、魔物の城に行くんだよ。
大丈夫なのかよ本当に…クソ…なんだか、ダメだ。苛々する…。
表に出すな。完璧に隠蔽しろ。漏らすな。決して。
不安…焦燥…他人のそれは、煩わしいだろう。
だから、自分のそれも他人に見せてはいけない。
ソフィアにも…聞いてくれると言ってくれた、ミネアにも、だ。
そうして、俺達は辿り着いた。
魔の居城。デスパレスへと。
日の光の下で見た城は、まるで幽鬼のような雰囲気を醸し出していた。
ひっそりと、霧の中に佇むあの城は、はたして魔物が造ったのか、それとも人のいなくなった廃城の成れの果てなのだろうか。
俺達は相談の末、夜を待って変化の杖を使い中に侵入、情報収集に努めるという方向性で一致した。
そもそも10人で城を攻め落とすとかは流石に頭の悪い話で、それなら最初から変化の杖を取りに行ったりもしない。
敵を知り、己を知れば百戦危うからずというヤツか。
魔物達の時間ともされる夜に実行するのはリスクも高くなるのだが、
なんとか敵の本丸であるデスピサロとの距離を、詰められるだけ詰めたいというのが皆の共通する気持ちだった。
142 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:35:45 ID:EaQc6O74
森の中でそれぞれ自由に時間を過ごす中、
俺は皆から少し離れて彼らを観察していた。
しかし…こうして見ると…。仲間達の間にも、やはりそれぞれの関係というものがあるように見える。
ライアン、トルネコ、ブライの中年&老人は、普段通りというか、出会った頃からあまり変わった様子は見られない。
クリフトが、アリーナに少なからず好意を寄せているのは比較的早くに気付いていた。
アリーナの方は…あれがアリーナじゃなければ、気づいて無いフリをしてるのかもしれないと思う位、露骨に気付いていなかった。
あの娘には色恋とか在り得ないだろうな。
だがそのアリーナは、いや、だがというよりかは、だから、だろうか?
ソロと仲が良かった。
対デスピサロという面でお互い親近感もあっただろうし、ソロは実力者であった為、普段の鍛錬を共にする事も多かった。
そういえば、アリーナは強い男が好きだと聞いた事がある。
とはいえ、実際にいたら悔しくなってしまうだろうけど、とも言っていたとか。
今もソロとアリーナは何か話をしており、時折朗らかな笑い声が聞こえてくる。
そして、ソロの傍近くで、ソフィアが大地に横たわり、すやすやと寝息を立てていた。
…俺は、ソロに嫉妬しているのだろうか。
それは無いとは、言い切れない。
ソフィアとの距離が離れたのが寂しいと、全く思っていないと言えばそれは嘘になる。
だけど…結局、そういったのはこの世界に来る前から、いつもの事で…。
既に諦観の域に達していると思っていたのにな。
俺は何とはなしにクリフトの姿を探した。
浅ましい話だが、もし、この気持ちを多少なりとも共有する事ができるとしたら、それはあの神官だけだろうと思ったからだ。
彼はミネアと共に居た。
なにやら真剣な表情で話し合っている。内容を漏れ聞くに、どうやらこれからの打ち合わせをしているようだった。
二人は似た役割を任せられる事が多かったが、それでも扱える魔術や身体能力に個人差があった為、
状況によってはどちらかが有利になり、どちらかが不利になるケースも存在する。
故に、二人の連携は欠かせない。彼等は仲間たちの命を、その身に背負っているからだ。
143 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:36:41 ID:EaQc6O74
…一瞬でも、俺の抱いている汚い気持ちを共有できるかもしれないと考えた自分が嫌になる。
やり切れない気分でその場を離れる事にした。
海でも見れば落ち着くだろうか…流石に身投げをしたくなりはしまい。
やがて砂浜に辿り着いた俺は、座り込む一つの人影を見つけた。
こんな所に、俺達以外の人が居る筈も無い。
それは、あの場にいなかったマーニャだろう。
…少し迷った末に、引き返そうと思う。
今の俺の精神状態で、いつものように弄られてしまうと、喧嘩になってしまうかもしれない。
音を立てないように注意して、背を向ける。
「――おーい。そこで帰っちゃうわけ?これは本当に嫌われちゃったかな?」
…どうやら、気付かれていたらしい。
明らかにそんな風に思っていない声音での台詞だから何となく腹が立つ。
これで俺はこの場を去れなくなってしまった。
むすっとしたまま、ざくざくとマーニャの傍にまで歩む。
俺の表情を下から見上げ、彼女はくっくっくと低く笑った。
「律儀だね。別に良いのに。あたしゃ若い子達と違うから傷ついたりしないのよ」
はすっぱな言い回しでそんな事を言う。
確かにこの女は、ソフィアやアリーナより確実に大人だし、ミネアと比べてもまた、少し違った意味での成熟さを感じる。
だからと言って、ぞんざいにしても良いと言われても、そんな事出来る訳も無いのだが。
「…………」
それから暫くの間、俺たちの間に言葉は交わされなかった。
何か喋った方が良いのかとも思ったが、何も思いつかないし、呼び止めたのはマーニャなのだから何かあるとするなら向こうの筈だから。
だが、マーニャは一向に何も語ろうとはしない。
痺れを切らした俺は、冗談めかして問いを発した。
144 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:37:41 ID:EaQc6O74
「…マスターは、ソロ争奪戦には加わらんのかよ?いっつも言ってたじゃないか。佳い男がいないのが不満だって」
「ん〜?…ん〜…」
俺はこの時どんな言葉が返ってくるのを期待したのだろう。
恐らくは…佳い男とは言えないわ、私の判定は厳しいのよ…とか、そういった否定的なもの、だろうか…。
だが、マーニャはそれを見透かしているかのように言った。
「そうねえ。性格も良いし何より顔が良いし」
この女が相手じゃなければ、きっと気配を隠しきれた。
しかし今回ばかりは相手が悪かったと言える。
「…それにしてもその言い方…は〜ん、なるほどね。ここ数日は、それが原因、か」
――悟られた。
顔に血が一気に駆け上がる。
恥ずかしさ、悔しさ…情けなさ。
それらに押し潰されそうだ。最早一刻も早くこの場を去りたい。
マーニャが、俺の顔を見上げたら――それがきっかけとなって、逃げ出せる。
だというのに、マーニャはそれすらも解っているかのように、決して振り向かずじっと前を見詰めていた。
「バカだね。あの子達は実の兄妹なのに」
…解ってる…そんな事、言われなくたって解ってるんだ…!
どろどろと溜まった気持ちの悪いものを、一息に吐き出してしまいたい衝動に駆られる。
だけど…だけど、それは…。
それはきっと、マーニャに甘えるという事だ。
吐き出す事で、俺はきっと楽になれる。
マーニャを口汚く罵り、デリカシーの無さを非難しさえすれば、幾許かはすっきりするのだろう。
それだけは、やっちゃいけない事だ。
145 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:41:30 ID:EaQc6O74
ぐっと、中々噛み切れないものを無理矢理に嚥下するような所作。
その瞬間、計ったかのようにマーニャが俺を仰ぎ見た。
視線が、交差する。
「…ほんと、バカね」
「…バカバカ言い過ぎだろ。けど、実際のとこどうなんだよ」
佳い男が何処かに落ちていないかと、口癖のように言っていたマーニャだが、
ソロに対してそういった露骨なモーションとかは見られなかった。
「さあね〜?」
「そうか、解った。若い女が傍にいるヤツだと、色々と勝てないんだな。肌の張りとか」
「なんだとぉ?くっふっふ…中々、上等な口聞くじゃない…覚悟はできてるんでしょうねぇ!」
ひょいっと飛び起きたマーニャが一瞬で俺の背後に周り、細い腕を首に絡ませる。
マズイ、っと思った時には既に完全に極められてしまっていた。
ぎりぎりと締め上げられていくうちに、視界が真っ白になって行き、奇妙な浮遊感を覚える――。
「あっはっはっは!ちょっとは逞しくなったみたいだけど、まだまだね!」
「――かはっ!げほっ、ぐふっ……お、お前なぁ……!」
ヒヒヒと笑いながら駆け出すマーニャを追い掛ける。
だが、ひらひらと蝶のように舞い逃げるマーニャを捕まえる事は結局、できなかった。
早々に諦めた俺は、膝に手をつき前屈みになり息を整える。
心臓がばくばくとアホの子みたいなテンションの高さで脈打ち、非常に苦しい。
そんな苦労をしている俺の気など知らないとばかりに、戻ってきたマーニャが再度肩に腕をかけてきた。
今度は、締め上げたりはしてこなかったが。
146 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:42:24 ID:EaQc6O74
「なんだかんだ言ってもね。皆、いっぱいいっぱいなのよ。
追い詰められてるって訳じゃない。だけど、色恋に現を抜かす程、耄碌してもいないって事かな?」
「それは…そうなのか?」
「どうかしらね。だけど少なくとも、ソフィアやソロ、アリーナなんかには、はっきりとした目的がある。
あのお爺ちゃんは年齢が年齢だし、トルネコは既婚。ライアンが朴念仁っぽいのは解るでしょ?
クリフトもミネアも、真面目過ぎる位真面目だから…。
私達の旅が終るまでは、浮いた話なんてのはでないでしょうね」
「そう、か。…それも、そうだな」
「旅の終りのその後は、解らないけど。今から考えるのは気が早いかもしれないわね。
だけど、考えておいても良いかもしれない。…戦いが終って、何も無くなったんじゃ、寂しいもの」
…何となく、その言い方が気になったから。
こっそりと盗み見るように視線を横にずらす。
マーニャは俺を見ておらず、その雰囲気は先ほど、一人で砂浜に座り込んでいたのと同じような雰囲気を纏っていた。
俺は右手をマーニャの後ろから回して、頭を撫でた。
「…ん?な!?ちょっと、何して…!?」
薄い、紫色の神秘的な髪。
細い糸を、指の隙間で梳く。
特に何か考えての行動では無かった。
初めは猫のように嫌がり、頭を振っていたマーニャだったが、ふんと面白く無さそうに呟いた後、大人しくなる。
やがて、遠くから近づいてくる足音。
ミネアだった。恐らく、姉を探しに来たのだろう。
147 :
デスパレス
◆gYINaOL2aE
:2005/10/24(月) 19:42:55 ID:EaQc6O74
「――……あ、お二人とも、こちらでしたか」
仲良く肩を組んでいる俺達に、ミネアは安堵の笑みを浮かべる。
これが肩でなく腕だったなら、また違ったリアクションを見る事が出来たのかもしれないが。
「……マーニャは、何も無いなんて事、無いよ」
「ん――そうね。それは、あんたもだと良いわね。…いいえ、あんたもよ」
肩に回した手でばしばしと叩かかれる。
ソフィアに次いで長い付き合いになった姉妹に、俺は精一杯の笑みを返した。
太陽が休息に入り、入れ替わりに月がその姿を現す。
月下に映し出される魔城は、昼のそれとは全くの別物だった。
荘厳かつ、厳格さを滲み出す外観。
尖塔の上で、城壁の傍で、蠢く影。
――デスパレス。
人の悲鳴が聞こえてくる訳では無い。
魔物の雄叫びが響いてくる訳でも無い。
動物の気配もしないのは、捕食されるのを恐れたからだろうか。
聴こえるものと言えば、僅かな虫の音と、微かな草の音のみ。
目の前に恐怖の象徴が佇んでいるというのに、辺りは嫌になるほどに静かだった。
ソフィア、ソロ、アリーナ、ミネア、ブライ、そして俺の六人が変化の杖で姿を変える。
全員でぞろぞろと行く訳にもいかないので、残りのメンバーは待機し、有事の際には陽動を行う事となる。
しかしいくら姿が魔物になっても、仕草や細かい動きまでフォローしてくれるものでは無いだろう。
この辺り、多少意識していかないとマズイだろうか…。
軽く緊張しながらも、ソロを先頭に城門をくぐる。
彼は、呪怨装備を身につけていた頃、数度来た事があるらしく、ある程度勝手を知っていた。
城内に入ってすぐ、まるで兵士のように佇む虎の魔物がじろりと俺たちを睥睨する。
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