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もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/15 05:33:29 ID:NA3D0HzS
どーするよ?

382 :冒険の書庫の書記 ◆nUtX8ZK/82 :2005/05/01(日) 21:39:14 ID:n1AV1RrJ
あー、管理という名前はひっかかるんでしたね。
こちらにします。

383 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/01(日) 22:57:58 ID:nacrvCvi
>>382
乙!
かなり丁寧にまとめてあるから見やすかった


しかし書き手スゴイよナ…DQ4マンセーだからあれは感動した。
続きが気になるな(*´д`*)

384 :DQ3:2005/05/02(月) 03:45:48 ID:dk14y5U8
「んん…」


目を開くと黒い天井がみえた。体を起こす。


現状把握が出来ず戸惑う俺。机の上には買って貰ったナイフがおいてあった。
ドアの外から階段を上がって来る音。次いでドアがあけられる。
そこにあるのは俺の期待した顔−−女神−−ではなかった。

「おお、起きなすったか。あんたの仲間さんから手紙をあずかっとる。ほれ、これじゃ」

手紙は勇者のものだった。

−−バブルスライムというモンスターの毒におかされ、瀕死の重傷を負った俺を筋肉がかついでレーベまで来たこと。
神聖呪文で傷を癒やしたものの、目を覚まさない俺に悪いと思いながら先を急ぐ旅ゆえに先に行くことにしたこと。
賢者に会う為、鍵を取りにナジミの塔に登った事が書かれていた−−


自分に腹がたった。この世界で呪文という力を身につけ、自分が特別な存在に思えていた。
その慢心が敵が足下まで来ても気づかなくさせたのだ。

親父さんに礼を言うとナイフを掴み、外へ出る。

385 :DQ3:2005/05/02(月) 03:46:49 ID:dk14y5U8
手紙によると勇者達はあの洞窟の祠に行ったみたいだ。大陸から旅立つ−−この一文が俺の足を急がせる。

このままだともう会えない気がしたから。あの魔物の巣を突っ切ることになったとしても、いかなくてはいけない。






それは唐突に。目の前に現れた。−キラービー。
巨大バチだ。レーベでも噂を聞いた、音もなく現れ、鋭い針を深々と脊髄に埋め込む暗殺者。
それと対峙する。筋肉が置いていってくれた皮の盾をかざす。ナイフを握る手が震える。


怖い。
今までは誰かがいてくれた。俺は防御し、逃げていればよかった。ダメージを受けても癒してもらえた。
だが今は。あの巨大な針を埋め込まれたら−死−

ゾッと体中が泡立つのを感じる。
逃げそうな俺を必死で叱責する。
確かに怖いが、これを乗り越えねば俺は先に進めないのだ。


386 :DQ3:2005/05/02(月) 03:49:19 ID:dk14y5U8
覚悟をきめて震える足を踏み出す。刹那。

ハチの羽がブレたかと思うと盾が大きく弾かれる。
攻撃を受けたのだ。盾で防いだわけではない。たまたま頭と針をつなぐ直線に盾があったに過ぎない。

唐突に嗅いだ死の匂い。足が震える。
盾のあった位置には…奴がいた。
「うわ…ああぁぁっ!」
ガムシャラに前に出てナイフを振り回す。が、天性の暗殺者に当たるはずもなく、空をきるだけだった。
間合いを取る暗殺者に対して、俺は精神を集中した。

387 :DQ3:2005/05/02(月) 03:56:40 ID:dk14y5U8
冷気だ。メラは空間に対してエントロピーを高めた。それと逆のことをすればいい。奴の機動性を奪うにはこれが良いだろう。

ナイフを握る右手をゆっくり掲げる。狙うは…羽!

「ヒャドぉ!」

俺の気合いと同時に空間がざわめき、奴の羽が凍り付く。奴は地面に落ちた。


俺は、ゆっくり歩いて。奴のもがく体に、深々と、光を差し込んだ。


初めての殺しに。

初めての感触に。



俺は心で鳴いた。



HP.23
MP.18
E聖なるナイフ E旅人の服 E皮の盾
メラ ヒャド

388 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 08:05:33 ID:zZmFw9/d
DQ4のは確かに面白いよな

389 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 09:06:10 ID:IslRcz+E
もしかしたらゲームやりながら書いてるんじゃないか
と思ってる
おれは4やったことないけどね

390 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 09:44:58 ID:SeS/H9us
あんまり「どれが面白い」とか言わんほうがいい。
それ以外の作者が途中放棄して過疎ったり、荒れだしたりしかねん。
心の中に留めとけ。

391 :DQ2:2005/05/02(月) 19:02:49 ID:ta90aZiM
「王子!王子!」

 どこか遠く、そう、まるで違う世界から響いてくるような声。
うるさい。俺はこの朝のまどろみの時間が何よりも好きなんだ。

「王子!王子ー!」

 だから誰だよ、朝っぱらから大声を出してる奴は。
俺のアパートは閑静な事だけが売りのアパートだったはずだ。
気違いのように叫び声を上げる住人などいない。

「王子!王子!」

 ふと違和感を感じる。
少しずつ覚醒していく意識と共にそれは大きくなっていく。

「いい加減になさいませ!王子!今日は大切な日なのですぞ!」

 バタン、とドアの開く大きな音と共に初老の男が部屋に入ってきた。
その音があまりにも大きかったために、驚いた俺は思わず起き上がった。
……誰だ?
いや、それ以前にここはどこなのだ。

「探しましたぞ、王子」

 王子王子って俺は及川光博じゃない。

「お部屋におられぬ故どうしたのかと城内を見回りましたがどこにもおられず、
もしや王子の御身に何かあったのかと死にもの狂いで探し回ってみればかような所で高鼾とは……。
あれほど市井の者に迷惑を掛けぬよう教え込んだこの爺の努力は何だったのか……」

392 :DQ2:2005/05/02(月) 19:03:51 ID:ta90aZiM
 質素なベッド。
石造りの部屋はあきらかに日本の文化には無い建築方法だ。
調度品はこのベッドと古びた机、小さいクローゼットだけだった。
小さな窓から朝霧にかすむ城が見える。

「王子!」
「耳元で大きな声を出さないでくださいよ。さっきからなんなんですか」
「まさか今日が何の日なのかお忘れしたわけではありますまいな?」
「は?いやそれよりも貴方は誰なんですか。そしてここは何処ですか」
「……まだ寝ぼけておられるようですな」
「いや、もう起きてますから」
「今日は我がローレシアの第一王子が魔王を討つべく出立なされる日でござりますぞ」

 ローレシア……。
どっかで聞いた事のある名前だ。
なんだっけな。ワルキューレの塔じゃないし……。

「すみません、多分人違いです」

 そう言いながら俺は一つ確信した。
これは夢だ。
現実感の無さといい、この自分の意志でままならない感じも夢としか考えられない。
しかし、せっかくの休日に見る夢としてはかなり最悪なレベルの夢だ。
せめてこのジジイが佐藤寛子だったら一気に殿堂入りするのだが……。

「うははは、なかなか面白い冗談ですな王子。しかし今は談笑している場合ではござりませぬ」
「いやあの、冗談を言ったつもりはないのですが」
「ささ、参りましょう。お父君であるローレシア王も心配されております」

 夢であると確信した今、これ以上の押し問答は必要ないだろう。
どうせならこのリアル極まりないRPGを楽しんだ方が良さそうだ。

393 :DQ2:2005/05/02(月) 19:04:23 ID:ta90aZiM
「おお、心配したぞ。ささ、こちらへ参れ」

 絵に描いたような王様が飛び出してくる。
王冠。杖。金襴緞子を思わせる派手なガウン。
我ながら貧困な発想力だな、と思う。

「皆の者、今日は我がローレシアの勇敢なる王子が魔王を討つために旅立つ。
世界が待ちわびた勇者がこのローレシアから生まれたのだ。
この偉大なる王子に祝福があらんことを!」

 俺の父親という設定らしい王様が杖を高々と掲げると、
緋毛氈の敷かれた通路の脇に控えていた兵士が雄叫びを上げる。
……これだけの兵士が居ても太刀打ちが出来ない相手と一人で戦うのか。
まさにRPGの世界だな。

「王子よ、皆に出立の挨拶を」

 王様に促されてくるりと身を翻す。
城内中から集まったと思しき人たちの視線が俺に集まる。
何か気の利いた事を言わなければならないのだろう。
どうせ夢だ。ちょっと臭い事を言っておくか。

「えー、おほん。魔王に怯えていた時は終わった。命に代えても魔王を討つ。
今日が我々の独立記念日である!」

 うおおお、と地鳴りのような声が城内に響いた。
見れば先ほどのお目付け役がおいおいと涙を流している。
王様も身を震わせて涙をこらえている。
……あんなインデペンデンス・デイのパクり台詞でいいんだろうか。
いいのか。この世界で見た事のある奴はいないだろう。
なるほど、たまには勇者になるのも悪くない。

394 :DQ2:2005/05/02(月) 19:05:27 ID:ta90aZiM
「さあ、これを持って行くがいい。旅立ちに必要な物は用意しておいた」

 従者が宝箱のような物を運んでくる。
ははあ、ここで魔王を討つための伝説の剣が出てくるんだな。
箱が開かれて豪華な装備が……出るはずだった。
はずだったのだ。
が、その豪華な箱から出てきた物は単なる木の棒だった。
青銅色をした剣。まさかこれが伝説の剣ではあるまい。
普通の布で出来た、何の変哲もない服。
防具らしき物としては、何かの動物の革で出来ていると思われる鎧が一つ。
それだけだった。あとは薬品が少々と通貨らしき物が袋に入っていた。
王国の威信を掛けた戦いである。
かなり高価そうな金の通貨が出てきたが、刻印には「1」と記されていた。
おいおい、夢なのに条件が厳しすぎだぜ。

「なにこれ」
「装備と薬品とゴールドじゃ」
「伝説の剣とか鎧は?」
「ない」
「いやいやいやいや、違う違う。普通ここで王国に伝わる伝説の剣とか出てくるべきで」
「そんなもんがあったらワシが魔王を倒しに行くわい」
「え?あれ?マジでこれだけ?」
「さあ王子の出立じゃ!送迎の拍手を!」

395 :DQ2:2005/05/02(月) 19:07:12 ID:ta90aZiM
 兵士達の拍手に包まれて歩き出す。
正確には王様に背中を押されて無理矢理歩かされた。
兵士の中には鼻水を垂らしながら泣いている人もいる。
ちくしょう、ハメられた。
「ごめん、やっぱやめ」
なんて誤魔化せる雰囲気ではなくなってしまった。
腰に括り付けた銅の剣で王様を殴り倒して、
「いっそ全員でかかってこい!」
という展開にしてしまおうかとも思ったが、それもあんまりな展開だろう。
泣く泣く俺は城を出る。

 まさか世界を救う勇者がこんな格好をしているとは誰も思うまい。
城下町の入り口を守る兵士に敬礼をされながら一先ず町を出る事にする。
何で淫夢はすぐに目が覚めるのに、こういうろくでもない夢は長く続くのだろう。
限りなく続く森と平原を見つめながら、俺は途方に暮れていた。

396 :DQ2:2005/05/02(月) 19:07:46 ID:ta90aZiM
ごめん、書いてみたらすげえ長くなった。
今は反省している。

397 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 19:29:59 ID:X4OGQOgt
っていうか誰かマジで5書いて

398 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 19:35:58 ID:RWQzGDdI
>>391-396
長いけど、テンポいいから読みやすかった。
楽しませてもらったYO!

399 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 22:08:57 ID:sD72va75
>>397
下手の横好きで書きたいんだけどな・・・

400 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 22:30:37 ID:0V7CNFZs
アンケートとって不評なのはチラシの裏送りにするジャンプ型式



が旨くいくわけないか

401 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 23:58:28 ID:H26FXO7e
DQ5の少し書いてみたけど、小説って難しいね
いまは書き手さんがいっぱいいるから、うpするか迷うんだけど、どうですかね?

402 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 00:25:30 ID:/DJEYnHA
いっぱいいても関係ないよ
さぁ書け
書いてください

403 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 02:51:00 ID:Fh2U5Pyd
zzz・・・うーん・・・ん・・・・・・?
俺は見知らぬ部屋で目を覚ました。
とりあえず俺の部屋ではない。
何故ここにいるのか分からない。

そもそもさっきまで何してたっけ・・・?
えと、確か・・・体育の授業でプールがあって、背泳のタイム測定してて結構良いタイムだったんだけど、
後ゴールまで5メートルってところで、頭の方からクラス一の美人、Kさんの話し声が聞こえて、
(・∀・)ニヤニヤして見上げたら、プールの壁が目の前にあって、ゴンってなって、意識飛んで・・・

思い出さない方が良かった・・・orz

・・・ということはここは保健室か。
保健室というだけでニヤニヤしてしまうお年頃の俺は、様々な脳内妄想を繰り広げていた。

コツコツコツ・・・
誰かが近づいて来る。多分保健の先生だろう。
美人で巨乳でボンキュボンで清楚な感じで白衣を着た21歳の女先生キボン。と良からぬ希望を胸に抱き、足音の主が近づいて来るのを寝たふりをして待つ。

*「気が付いたかい?」
優しそうな声。今の今まで寝ていたかのようにゆっくりと目を開ける。
俺「保健室のおねいさんが・・・・・老けた・・・orz」
余りのショックに声に出してしまった。
その"元"おねいさんは、それを聞いてムッとしていたが、少しの間の後、口を開いた。
*「気が付いたみたいだね。3日間も目を覚まさないから心配してたんだよ。
ダンナが浜辺に流れついてるあんたを見つけてね。ダンナは外にいるから行っておいで。」

その言葉に混乱する。
ここは保健室じゃないのか?なんでプールで溺れたのな浜辺に流れ着くんだ?
だが俺の脳内コンピュータにかかればすぐに答えに辿り着いた。
「プールの排水溝から流れてきたのか・・・」
自分の出した答えに納得した後、旦那さんに礼を言うため部屋を出る。

404 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 02:53:51 ID:Fh2U5Pyd
「うはwwwwwwww部屋から出たらいきなり外かよwwwww家狭杉wwwwwww」

ふいんき(←なぜか変換できない)からして、ここは小さな港らしい。
とりあえず、近くにいる男の人に声を掛ける。
俺「助けてもらったみたいで・・・dクス。」
*「良かった。気が付いたんだね。
   後、ふいんきじゃなくてふんいきだよ。」
やっぱり港町は色々と釣れるんだな。と解釈し、この商人風のおじさんの話を聞く。

思った通り、ここはビスタとかいう港らしい。
もうすぐプロパンか何かそんな名前の人の船が到着するらしい。
そのプロパンさんには清楚で可愛い娘がいて、フローラというそうだ。

俺はフローラたんを一目見るために、ここに暫く滞在することにした。

405 :DQ6:?:2005/05/03(火) 13:03:01 ID:gmfss33h
目が覚めた。
ガバッと起き上がり、周りを見渡す。
先程まで見ていた「それ」が夢であることを確信すると、
乱れた呼吸を落ち着けるために大きく息を吸い込み、吐き出す。
「すー…はぁー…」

――夢。
夢を見みていた。とても恐ろしい悪夢。
具体的にどんな?と聞かれても、思い出せないが、とにかく恐ろしい夢。

着ていた服も汗びっしょりで気持ち悪い。
最悪の目覚めだった。

「もう一眠り…ん?」

良く部屋を見回す。ベットが2,3個ある。
俺の部屋じゃなかった。
「どこで間違えたかな…?」
ガチャリ、ドアを開ける。
周りを見ると出入り口と思われる所の近くカウンターがあり、その奥には知らない人が立っていた。
俺の家じゃなかった。
もう一度部屋に戻り、少し考える。ふと、窓の外に目をやると、見えたのは…城。
俺の知ってる国でもなかった。
「どこの国だよ…おいおい…」
俺はいつの間にか知らない国に来てしまっていたらしい。
「ま、こうしててもしょうがないか…」
まず、持っている物の確認。
少し乾いてきたがまだ汗で湿っている服のポケットを探る。出てきたのは100円玉一枚。
ジュースすら買えねぇ。
はぁ、とため息をつきながら、人差し指でメガネを上げ――ようとしたがそれは外れ、眉間を押す。
あぁ、さっきから何か違和感があると思ったら、メガネがない。遠くの字が見えないくらいで生活に支障が出るわけでもないが、落ち着かない。
とりあえず、元の家に帰るため色々と聞いて回ることにした。

406 :DQ6:レイドック:2005/05/03(火) 13:12:10 ID:gmfss33h

外に出ると改めて思う。そこは本当に俺の住んでいたところとは違う町だった。
周りの景色を珍しがりながら始めて来ました感丸出しで少し歩き回る、すると
「あら、旅の方?ここはレイドックの城下町よ」
と、来る人来る人にそればかりを繰り返す少女を見かけ――いや、見ないフリをした。
おかげでここの場所の名前と日本語で話しているというのはわかったけど、正直関わりたくない。
まぁ、頑張ってほしいと思う。


――太陽が空を赤く染め上げていた。綺麗な夕日。
それとは逆に俺の心はどんよりと曇っていた。
「もう、こんな時間か」
途中、井戸を見つけ半日ほどそこに座り込んでいた。
考えてみれば、人見知りの激しい俺が知らない国の知らない町の知らない人と話すなんてのは無理に近い話だった。

今日の収穫といえば偽王子がいたという話が聞こえてきた、くらいである。
自分から聞いた話じゃないから詳しいことはまったくわからないけれど。
明日があるさ。明日からがんばろう、などと呟きながら、とりあえず朝いた宿屋に帰る。
今日もお世話になろうと思う。

宿屋の人が あらわれた!
「ようこそ、旅の宿に。一晩10ゴールドですがお泊まりになりますか?」
コマンド?

ゴールドとかよくわかんない俺は、100円をつかった!

宿屋の人は、?をうかべている!
コマンド?

俺の心に100ポイントのダメージをうけた!
俺の野宿が決定した――!


407 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 13:31:31 ID:DoMgei/c
俺がリアル厨房だったらこのスレに痛い小説書いてただろうな…

マジで最近酷いのが増えすぎ

408 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 13:31:40 ID:gmfss33h
そうですね、日本語通じるからって通貨までは通じませんね。
はぁ、とため息をつく。今日はため息ばっかりだ。唯でさえ薄い幸がどんどん逃げていくような気がした。
今朝俺が寝ていた部屋に忘れ物がないか確認をし――まぁ忘れるものなんて一つも何もなかったわけだが――宿を出ようとする。
…が、すぐそこのテーブルに座っていた商人らしき男が目に入った。正確に言えば彼の持っていた品にだが。
商人は整理でもしているのか品を並べていた。その中の一つにメガネを見つけたのだ。
今、金なんてものはないが値段くらいは聞いておこうと思う。
深呼吸。すー・・はぁー・・
よしっ、と気合を入れて商人に話しかける。
「あ、あのぅ。コ、コレ、いくらになりますかね?」メガネを指さして言う。
少し声が裏返ってた気がしたけど気にしない。
商人は、俺に気づきこっちを向く。そしてメガネを手に取った。
「コレですか。コレは、さっき拾ったばかりでして…汚れているし、よろしければ差し上げますが。」
といってメガネを差し出してきた。

か、神キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
心の中でそう思いながらもごもごと「どうも」と一言いう。
「私は旅の商人ですが商売がらいろんなウワサを耳にします。あなたも旅人のようですけど何か聞きたいこと、ありますか?」
俺は旅人じゃないけど、うわ、なんだこのいい人。
迷信を信じているわけじゃないがもうこの人に足を向けて眠れないよ。
などと、心の中はハイテンションだった。


その後、この周りの事を聞いた。話し終えた後、薬草を売られそうになったが金がないので、と断った。
やっぱりそういうところは商人か、とか思いながら、俺は宿を後にした。


409 :DQ6:レイドック:2005/05/03(火) 13:34:56 ID:gmfss33h

外に出る。すでに空は黒へと色を変え、星が点々としていた。
早速、貰ったメガネの汚れを軽く落とし、掛けた。
結構落ち着く。人差し指でメガネを上げる――今度は眉間を押すことはなかった。
先程、出てきた宿の壁に寄りかかり、はっきりいって、眠れるかわからないけど、目を閉じた。

しばらくそうしていると、漸く眠気が襲ってきた。眠りにつこうと言う瞬間に俺は願う。
もし、これが夢ならば、覚めていてほしい――と。


次の日の朝、目が覚めた。
ほぼ毎日見ていた悪夢はみなかったが、現実の悪夢は続いているみたいだ。
俺は少し遠くを見る。その目に映ったのは城。レイドックという名の城。
俺はまだ、この世界いる。――夢は続いていた。


410 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 13:45:45 ID:ID72/HMK
>>407
そういやリア厨の頃、自作小説書いて悦に浸ってる奴いたな…

411 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 13:49:35 ID:igEEn8ty
スライムをいじめに逝く

412 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 15:14:26 ID:KHfXSwBD
有名になると文句を言う奴も増えるよね………。
面白くなるのを待てよ。悪貨は良貨を、とは言うけど間口が広くなきゃ良貨だって入ってこんよ?
まったり行こうぜ。作者の人たちも頑張れ。楽しみにしてる。

413 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:03:41 ID:bKBn5BQQ
    _|\∧/|
     \\| / /
  + _∨//_ *
 * /       \ .
  |  jニニコ iニニ!  +
 i~^'  fエ:エi  fエエ)Fil .
 ヽr      >   V *
  l   !ー―‐r  l   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  人   `ー―'  ノ  < 大丈夫だったかい?
/;;| ゙ー‐-- ̄--‐'",,    \_________
;;;;;;;;|    ̄ >/ ̄|;;;;;\




白い歯を見せて笑うこの男・・・名前はハッサンというらしい。
その筋肉質な体と不釣合いなピンクのモヒカンというアンバラスさが彼の魅力を一層引き立てている。
今にも「やらないか?」って言ってきそうだ。それだけは勘弁。

・・・・・・
ハッサンは3人で旅をしているらしい。

「イザとミレーユってんだ。俺たちはラーの鏡ってのを探して旅してるんだ。アンタはその鏡について何か知ってないかい?」

鏡?知らんなぁ・・・
そうこうしている内に仲間がやってきたようだ。
1人は俺と同い年くらいの少年だった。整髪料でガチガチの髪とはうらはらになんとも清純そうな目をしている。
もう1人は・・・うはwwwきたwwww超・美人wwwww

414 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:04:23 ID:bKBn5BQQ
「もうっ探したわよ。一人で先に行っちゃって。あら?その人はどなたかしら?」

「あ、俺は・・・」

旅の者・・・とでも言っておこうか・・・。でも・・・

「実は・・・」

やはり本当のことを言うことにした。
目が覚めたらここにいたこと。目の前で滝が赤く染まったこと。成り行きで北の洞窟に向かうことになったこと。
まぁ到底信じて貰えないような話だがどうしても言いたかった。

「なんだ、オレ達と一緒じゃん。」

最初に口を開いたのは整髪料少年――イザだった。
なんだとはなんだ。人が腹くくって打ち明けたのに。・・・ってえぇ!!

「私たちも目が覚めたらここにいたのよ。そしたら滝の水が赤くなって・・・。今北の洞窟に向かってる途中なの。
あなたも北の洞窟に向かってる途中なのよね?だったらどう?一緒に来ない?」

願ってもいない誘いでだった。自分と同じ境遇の人間が3人も。どうやらかなり強そうだし、
それに・・・もしかしたら元の世界へ戻る方法もわかるかもしれない。
2人の顔を見てみた。
イザは相変わらずニコニコしている。ハッサンは大丈夫か?といったような表情だ。

「よろしくおねがいします!」

かくして俺はこの3人組と一緒にアモール北の洞窟へとむかった。

415 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:05:56 ID:bKBn5BQQ
洞窟へ行くまで何度か魔物(あの変な奴らは魔物というらしい。妖怪みたいなものか?)たちに襲われた。
どうやらこの3人にとってこの程度の魔物は敵ではないらしい。適当にあしらって追い払ってる。
あんなにビビってた俺って一体・・・orz

そうこうしているうちに洞窟の入り口についた。

「やっぱりこっちは落盤してないのね。」

ミレーユさん何怖いこと言ってるんですか。これからここに入るっていうのに・・・。ていうか”こっち”って何?
そんなことを考えながら中に入っていった。町の人の言うとおりあの水はここから流れてきているみたいだ。
洞窟の中に大きな川があった。やはりそれは赤かった。
――何か聞こえる。水の流れる音に混じって何か・・・人の声?
耳を凝らしながら先へ進むと声の主が見えてきた。

*「おちない・・・・・・ おちない・・・・・・。
この剣についた血が いくら洗っても落ちないよ・・・・・・。」


そこには女の人が立っていた。川で何か洗っているみたいだ。

*「この先に宝なんかない。あるのは私の愛しい人 イリアの死体だけ・・・・・・。」
*「そうよ。私が彼を殺したの。この剣でね。だから・・・・・・。」
*「おちない・・・・・・ おちない・・・・・・。
この剣についた血が いくら洗っても落ちないよ・・・・・・。」

愛する人を殺してしまったショックで気が違えてしまったのだろうか。
イリアの死体・・・ということはこの人がジーナか。町の人が言ってたとおりこの人たちが原因だったのか。

416 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 16:11:31 ID:gxktRrAZ
規制回避

417 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:11:55 ID:bKBn5BQQ
「でも、なんかおかしくないか?」

と、イザ。

「いくら返り血を浴びたとしたって、川ひとつ染め上げるなんて・・・」

確かにそうだ。いくらなんでもおかしい。

「きっと、ここはジーナさんの記憶の世界なんだわ。」
「記憶というものは多少誇張になるものよ。今回のはそれが大きかっただけ。」

記憶の世界?そんなものが存在するのか?
・・・いや、するのだろう。現にこんな光景を見てしまったんだから。

「奥に行ってみましょう。何でこうなったのか、原因がわかるかもしれないわ。」

とりあえず、ミレーユの言うとおり奥へ行ってみることにした。
一体何が原因でこんなことになってしまったんだろう。
愛し合う2人が殺し合うなんて・・・宝の奪い合いでこうなったのだろうか。
物思いに耽っていると奥から鋭い音が聞こえてきた。

キーン!キーン!

「なんだろう・・・行ってみよう!!」

一同駆けだし音のするほうへ向かった。
そして俺の目に飛び込んできたのは・・・

418 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:12:41 ID:bKBn5BQQ
「な・・・なんだアレ・・・」

とてもこの世のものとは思えない、異形なものだった。
蝙蝠のような翼。鋭い爪に嘴。そして全身は血のような赤い体色。
焦点の定まっていない虚ろなその目は黄色を帯びている。
しかもその魔物の前には血まみれの男が相対しているではないか!

「ホラービースト・・・こいつが原因だったのね・・・!」

ミレーユが手で口元を覆う。

「おいっあれイリアさんじゃないか!?」

突っ込むイザとハッサン。どうやらホラービーストの気はこちらにむいたようだ。
その場に倒れこむイリア。イザとハッサンがホラービーストと戦ってる隙に俺はイリアの下へ駆け込む。

「大丈夫ですか!?」

「へっ・・・こんなのたいした傷じゃないさ・・・」

顔は無理やり笑みを作っているがその傷は尋常ではなかった。
俺は場所を岩陰に移し、急ぎ荷物袋から薬草をとりだしイリアの傷口に塗った。
そうとう沁みるのか、流石のイリアもこれには顔を歪めた。
・・・その体にはホラービーストがつけた裂き傷のほかに、胸のあたりになにか鋭いもので刺されたような傷があった。
イリアの治療が一通り終わったので(といっても薬草塗っただけだが)戦いの様子を見るべく岩陰から顔を突き出す。
どうやら善戦しているようだ。

419 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:13:28 ID:bKBn5BQQ
「俺ももっと強かったら一緒に戦えるのに・・・」

今の俺じゃとても無理だろう。足手まといになるだけだ。
と、そんなときホラービーストの黄色い虚ろな目と視線が合った・・・
途端に意識が朦朧とし、手が腰に提げてある剣へと移った。
俺はその剣を抜き放ち、そのままイリアの首筋へと・・・
白く軟らかそうなその首筋はいとも簡単に斬れるだろう。斬ろうか?斬ってしまおうか?
そして剣を振りかぶり・・・首筋目掛けて勢いよく下ろす!
・・・が、剣は空中で静止した。誰かが俺の腕を掴んでいる。ミレーユだ。
ドけ。邪魔ダ。コロスゾ。

「やめなさい!!」

そのとき俺の意識が戻った。

「な・・・俺は一体なにを・・・」

剣を床に落とし、完全に動揺しまくってる俺にミレーユが話かけてきた。

「幻惑呪文―メダパニ―にかかっていたのね・・・」

幻惑呪文?何だそれ??

「気づくのがもう少し遅かったらどうなってたことだか・・・まったく・・・」

やれやれといった感じで首を振るミレーユ。
そこへイザとハッサンが戻ってきた。どうやら戦いは終わったのだろう。

420 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 16:16:00 ID:gxktRrAZ
3回で規制かかっちゃうのか…

421 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:20:08 ID:bKBn5BQQ
「世話になったな。おかげで目的の鍵も手に入ったし。」

うるせーバーカ。お前なんかあっち行っちまえー。

「何かお礼をしなくちゃな。そうだ、これをあんたにあげるよ。」

貰えるものは貰っておく主義の俺は快くそのブツを貰った。

「・・・指輪?」

中央に羽飾りに付いたキレイな指輪だった。

俺は はやてのリングを うけとった!
        ▼

「じゃあな。縁があったらまた会おうぜっ!」

・・・行ってしまった。俺は貰ったその指輪を握り締めそしてはめてみた。
なんだか体が軽くなった気がする。

HP:25
MP:2

E銅の剣 E鉄の胸当て E学生服 E疾風のリング

422 :愛と血と魔物と  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:34:03 ID:bKBn5BQQ
*「ジ ジーナ!」
*「イリア!あ、あんた生きてたんだね!あたしてっきりあんたを殺してしまったと思って・・・・・。」

抱き合う男女。くぅ〜羨ましいぜ。
話によるとイリアもまたさっきの俺みたいに奴のメダパニとやらにかかってジーナに襲い掛かったそうだ。
そしてジーナは揉み合ってる最中にイリアを刺してしまい、あんな風になっていたらしい。
でも今はもう正気を取り戻しイリアとベタベタと・・・げ、キスし始めた。

「こら、あんまり見るんじゃないの」

怒られた。

「それよりジーナ。例の物はちゃんととってきたんだろうな?」

「カガミの鍵よね。ほらっここに。」

「さすがジーナだ!オレが死んだと思ってもとるものはとってらあ。」

「もしものときはあんたの形見にしようと思ってさ。」

「よせやい縁起でもねえ。」

ったくイチャイチャしやがって・・・。べつの場所でやれってんだ。バーカ バーカ。
・・・と軽くジェラシーに浸っているとイリアが近づいてきた。

423 :  ◆pekaCgploQ :2005/05/03(火) 16:34:55 ID:bKBn5BQQ
ミスった・・・orz
>>421>>422は逆です。

424 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 21:31:59 ID:0YZuVBv6
>>313同じく、呪文詠唱のとこで鳥肌たった。
亀レススマソ。

425 :冒険の書庫の書記 ◆nUtX8ZK/82 :2005/05/03(火) 21:38:59 ID:pH5F4g2A
どもです。
ここまでセーブしました。多分…。
http://www.geocities.jp/if_dq/

洩れがありましたらご一報下さい。


書き手の皆様へ。
もしよろしければ、トリップをお願いします。

426 :ほーふぇん ◆XksB4AwhxU :2005/05/04(水) 00:23:58 ID:7t5824ol
ID:ndYrEjU6氏はもう居ないのでしょうか


427 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:32:04 ID:t0iXG20u
「なんだ…お前は」

「下衆に名乗る名などない」

力と力の真正面からの拮抗。
純粋なそれだけならば、バルザックの方が勝るのだろうか。
僅かずつ押されていく中で、それでも騎士は左手でバルザックの動きを封じながら、右手でアリーナに上位治癒(ベホイミ)をかけた。

「あ…」

「治りきらないか。こっぴどくやられたようだな…君らしくもない」

騎士の言葉が少女の五感に浸透していく。
ハッと気付いたかのように、アリーナはその場を飛び退った。
それを見て、騎士もまたバルザックの力を受け流し横に逸らす。

「醜いな…貴様は俺が見てきたどんな魔物より、どんな人間よりも醜悪だ…」

「ほざくな小僧!この私を愚弄するか!!」

バルザックの怒りが大気を振るわせる。
そして騎士に、竜巻のような棍棒の乱舞が襲い掛かった。
上から、右から、左から、正面から、ありとあらゆる方角から打ち込まれる打撃の雄々しき独唱。
響く音は次第に大きくなり、やがてそれは爆砕音とすら言える程に高まっていく。

「――くっ!!」

アリーナの鉄の爪がぶよぶよとした腹に突き立てられる。
だが、その脂肪の壁を貫くには到底及ばない。
それでも、かろうじてバルザックの手を止める事は出来たようだった。

428 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:33:09 ID:t0iXG20u
「ぐふぅ…蚊に刺された程度の痛痒よな…。
それに比べて、ほれ。あの男は爆心地に居たかのようではないか」

少女が、騎士の方向へと振り返る。
そこには砕けた床や埃が舞い上がっており、何も見通す事ができない。

「絶望したか?小娘よ。お前やあの小僧程度の実力で私に歯向かうとは、役不足というものだ」

バルザックの耳障りな笑い声が玉座に響く。
だが――アリーナは、その何も見えない空間に、何かを見通していた。
誇り高き――魂の輝きを。


「――――その通りだ。俺にとっては貴様の相手など、役不足で物足りない」


噴煙が晴れる。
何事もなかったかのように、その場に立ち続けるその姿。
その姿はまるで――  ――の、ようであった。

429 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:34:27 ID:t0iXG20u



「うおらぁぁーー!!!」

ライアンが戦斧を振り回す度に、辺りに鮮血が舞う。
戦士は圧倒的な体力で前進を続けていた。

「範囲物理障壁(スクルト)!」

殿にいるクリフトからの支援が飛ぶ。
仲間全員に物理的な耐久力をつける、強度自体は多少劣るものの物理障壁(スカラ)の上位互換と言える。
それに加えて、流れるような槍捌きで犬のような魔物を屠る。
クリフトも中々どうして、見事な技量を披露していた。
確かに神官戦士を名乗るだけの事はある。
アリーナがいると、どうしても物理的な攻撃面では影が薄くなりがちだが侮ったものではない。

「ふむ。この場合の最適解は――そうじゃな。これでどうじゃ――速度上昇(ピオリム)!」

身体に羽が生えるとこうなるのだろうか?
突然の身の軽さに戸惑う。だが、これなら――駆ける事ができる。疾駆する事ができる。
ソフィアが、ミネアが、マーニャが階段に取り付いた。
ライアンが切り開いた隙間に細い身体を滑らせる。
僅かに遅れていた俺の前に紫色の土偶が立ち塞がった。

430 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:36:59 ID:t0iXG20u
「させませんよぉ!」

トルネコが、その体型からはちょっと想像できない俊敏さで横から土偶を打ち砕いた。
首がすこーん!と遥か遠くにかっとんで行く。見事なホームランだ。

「すいません!」

俺は短く礼を言い、階段を駆け上がる。
その間際に見た男たちの表情は、皆一様に頼もしく、なんだか異常にカッコ良く見えた。


「さて――」

階段を背に、ブライが立ち、老人を守るかのようにライアンが正面に、クリフトとトルネコが左右にそれぞれ立った。
半円の陣で魔物達を迎え撃つ。
そして魔物達もまた、それほど積極的に動かなかった。
これはブライ達が知る事はできなかったが、実の所魔物達にとっても女たちが階上へ進むのは決して悪い事では無かったのだ。
魔物達はバルザックの強さを知っている。女子供に倒される訳は無く、彼女たちはすぐに慰み者となるだろう。そう、予測した。
ブライ達は、ソフィア達の強さを知っている。此処で魔物の本隊を足止めできれば、彼女達がバルザックを斃すのは想像に難くない。
ライアンとブライは更に、階上に魔物がいる可能性も考慮していたが、それを考えたとしても今はまず、この魔物達を掃除しなくては援護にも行けはしまい。

431 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:37:29 ID:t0iXG20u
「一人、10体と言った所ですかな」

「ハハ…いや、私はちょっとおまけで免除して欲しいですよ」

「そうじゃな。トルネコ殿の分の幾許かは、魔法使いのワシが負担しよう」

「ブライ様もご無理はなさらないでくださいね」

「馬鹿者!クリフト!ワシを年寄り扱いするでないわ!!」

戦士が、商人が、魔法使いが、神官戦士が、一様に笑う。
歴戦をくぐり抜けてきた男たちが一同に介し、一つの目的に邁進しようとしていた。



鋭く大気を裂く音が玉座の間に響く。
騎士の剣は柄に翼の飾りのついた、美麗な剣だった。
どちらかというと儀礼的な雰囲気すら醸し出している剣であったが、それは確実にバルザックの皮膚を傷つけ、血を噴き出させている。

――ヒュン。

風斬り音は一度だけ。
だというのに、二箇所からほぼ同時に血液が舞う。
それはアリーナにさえ見切れない、隼のような速度の連撃だった。

432 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:40:21 ID:t0iXG20u
「おのれ、ちまちまと小賢しい…!」

バルザックの苛立つ声が響く。
一撃自体は、決して重くない。だが、痛みは集中力を削ぎ落とす。
確実に蓄積していくダメージに、バルザックは焦り始めた。
棍棒で騎士を打ち据える。それでも、騎士は憎らしいほどに微動だにしないのだ。
ダメージは0ではあるまい。しかし、微々たるものであるのもまた、間違い無いだろう。
騎士の鎧兜は、頑丈過ぎる。異常とも言える頑強さは、何かを犠牲にしているのかもしれない。
バルザックの攻撃を、騎士はまるで避けようとしない。
避ける必要が無いのか、避ける事ができないのか。
例え後者だとしても、前者もまた同時に満たしていると考えた方が自然である。
ノーガードの打ち合いで遅れを取るなど屈辱の極みだが――だが、進化とは様々な状況に対応できるようになる事でもある。
そう考えれば、さほど悪い事では無い。

バルザックが凍りつく息を吐き出す。
騎士は、仮面の下で僅かに眉を寄せた。
自身の鎧は、物理攻撃だけでなく炎や吹雪、更には炎熱、爆裂系の呪文にすら耐性を持つ。
だが、その鎧でも氷結系の呪文にだけは、そこらの鎧となんら変わりない。
ヤツが冷気を得意とするなら少しマズイか。そう、思考したときには既にバルザックは呪文の詠唱に入っていた。
高速詠唱――それは進化の秘法故にか、それとも偉大なる錬金術師の元弟子故にか。

「広域氷結(ヒャダルコ)ォォ!!」

辺りの気温が下がると共に、大気の成分が変動し空気そのものが氷結する。
鎧と皮膚の隙間にある原子の振動が止まっていく。液状化。固体化。肉に突き刺さる、氷塊。
騎士は身体に走る痛みよりも、姫君の安否を優先した。
少女のダメージは大きかった。度重なった打撃に対する十分な治療が行われず、ブレス、呪文と続けばそれも致し方あるまい。

433 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:43:51 ID:t0iXG20u

「――大爆裂(イオラ)」

炸裂音と共に、バルザックの頭上から瓦礫が降り注ぐ。
もうもうと立ち込める煙に一寸気を取られた隙に、騎士も姫もその姿を消してしまっていた。

「ふん…隠れたか。まあ、良いわ。ゆっくりと追い詰め、引き裂き、破壊してやろう…」

歪んだ愉悦を顔に張り付かせ低く嗤う。
破れた皮膚が、削がれた肉が再生していく。

ああ――それにしても。

腹が減った。女を抱きたい。惰眠を貪りたい。もっと偉くなりたい。全てを支配したい。
先ほどまでの戦いなど忘れてしまったかのように、気だるい欲求不満がバルザックを苛む。
もっと欲しい。もっと満たされたい。

――わたしは、何を望んでいたのだろう?

権力を手に入れ、それに付随する金も、女も、手に入れたというのに。
進化を極めたと言うのに――何故、満たされない。
とろとろとした白昼夢を見ているかのような感覚に、バルザックは苛立ちながらも身を委ねている。

「――見つけたわよ。バルザック」

そんな彼を現実に引き戻したのは――美しき、ジプシーの姉妹であった。

434 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:45:30 ID:t0iXG20u



城の廊下を駆ける俺は、余りの嫌悪感に気が狂いそうになっていた。
至る所に元は人であったらしき物体が散乱し、鼻が曲がりそうな腐臭を放っている。
――進化の秘法の実験体。
キングレオにいた、魔法の実験を繰り返していた人間の話と符合する事実。
コーミズ村より更に南に位置するモンバーバラから、或いはハバリアから集められた人々の成れの果てがキングレオ城で、そしてこのサントハイム城に集結している。
これが…こんな、これが…人の所業だと言うのか。
事実そうである筈だ。これまで魔物の仕業にしてしまう事はできない。
バルザックもキングレオも、元は人間だったのだから。
人間と、魔物。それらがどれだけ違うというのか。どちらも――どちらも同じように、醜悪じゃないか。
突如響いた呻き声に、俺は飛び上がらんほどに驚いた。
まだ――生きてる、のか。
言いようの無い恐怖を覚え、全力以上の力で駆け抜ける。
死ぬよりは、生きている方が良い。そう、思っていたのは既に遠い過去のものになりそうだった。

「――見つけたわよ。バルザック」

奥に見える巨大な扉。
開け放たれた扉の近くに、マーニャの、ミネアの、そしてソフィアの後姿が見える。
俺はそれに少しでも早く近づきたくて、大量の荷物を背負っているため満足にとはいかないまでも、懸命に足を動かした。

「姿が変わっていても解るわ。今こそ…お父さんの仇…」

「おお…誰かと思えば懐かしい顔では無いか。マーニャ、そしてミネア。我が敬愛する愚かな師、エドガンの娘達!」

グフフ、と不気味な笑みを浮かべるバルザックに、
マーニャもミネアも、嫌悪感を少しも隠そうとしない。
そのぶよぶよとした姿を目の当たりにしたミネアがぽつりと呟いた。

435 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:47:32 ID:t0iXG20u
「なんて禍々しい姿…」

「どうだ、見違えたであろう!
既に私は究極の進化を極めた。この肉体は――神に近い。
最早、デスピサロ様…いや!デスピサロのヤツすらも私には及ぶまい!フハ、グハハハハ!!」

ソフィアの身体がぴくりと揺らぐ。その、名前を聞くだけで。少女の心身は燃え上がる。

「ハッ!笑わせるんじゃないわよ!あんたみたいな小物が、神に近いだなんておこがましいわ!!」

マーニャが呪文の詠唱に入る。ソフィアとミネアが、剣と槍でそれぞれバルザックに迫る。
それが、戦いの合図となった。
俺もまた、物理障壁(スカラ)の準備を始める。先行したはずのアリーナの姿が無い事が少し気になった。



暖かい光を感じ、アリーナは眼を覚ました。
どうやら自分はベッドに寝かされているらしい。――このベッドは、懐かしい気がする。そうだ、自分のベッドだ。
翳される掌。上位治癒(ベホイミ)の光。クリフト…?否、彼では無い。

「――バルザックは!?」

一気に覚醒した少女はベッドから跳ね起きる。
騎士はソレを見て、一つ息を吐く。どうやら安心した様子だった。

「一度、玉座の間から上階に避難した。都合よくベッドがあったんで君を寝かせた。あれから時間はさほど経っていない」

「そう…」

悔しそうに歯噛みする少女。これでは――足手まといもいい所では無いか。
騎士が上位治癒の対象を自らに変える。
だが――光は、鎧兜の上からでは中々届かなさそうに見えた。

436 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:49:27 ID:t0iXG20u
「私、征くわ」

「――君一人では……」

「大丈夫。もう、あんな風に我を忘れたりしないし、それに――今頃、きっと私の仲間たちが来ていると思うから。
このお城は、私のお父様のお城だもの。お父様が居ない間に勝手に侵入した不埒者は、私が成敗しないと」

少女の言葉と決意に、騎士は小さく頷く。

「……解った」

「貴方は、傷が治るまでここで休んでいてね。――此処、私の部屋なんだ」

小さく微笑む姫君に、騎士はなんと言葉を返したものか迷う。
…やはり、一箇所だけ穴が開きっぱなしになっている壁について尋ねるべきなのだろうか。
なんとなくそれは問うのを憚られたので、咄嗟に何の関係も無い疑問を口にする。

「……ところで、どうしてレオタードに網タイツなんだ?」

「――!?い、良いでしょ、どうしてでも!丈夫なんだから!!」

顔を真っ赤にしたアリーナは騎士に手加減なしのツッコミをいれて部屋を飛び出していく。
あれじゃ、手の方が痛いだろうなと思いながらも騎士はその後姿を見送った。



俺から見ても、ソフィア達は圧倒的に押していた。
彼女たちのモチベーション、新たな武具、そしてどうやらバルザックは手負いらしいのも要因の一つであろうか。
バルザックのタフさも特筆に値するものの、マーニャの火焔球(メラミ)が連続で着弾するのには耐えられないようだ。

437 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:52:55 ID:t0iXG20u
「ぐぅぅ…広域氷結!!」

辺りに氷塊が浮き上がり、縦横無尽に暴れ狂う。
俺たち全員の肉体を、その鋭利な刃で傷つけた。

「ハハハ――どうだ。今なら、まだ命乞いを受け入れてやるぞ?私のものになるが良い。最高の富と快楽を与えてやるぞ」

なんだか卑猥な事を言うヤツだ。
多分、俺は入ってないだろう。入ってたら逃げる。一目散に。

「ふん。バカ言ってんじゃないわよ。あんたなんかに傅く位ならねえ。こいつの方がマシよ!!」

マーニャが、俺の右腕に身体を絡ませる。
師匠(マスター)挑発っすか。

「同感ですね。バルザック、貴方なんかに触れられる事になろうものなら私は舌を噛みます」

ミネアが、俺の左腕を取る。
みみみみみミネアさんまで!?か、勘弁してくださいっ。

「みんなー!」

後ろからアリーナの声がしたかと思うと、背中に体重を感じる。
コイツは何も解っていないんだろうが、多分雰囲気だけでなんとなくやってるんだろう。

「アリーナさん、無事だったんですね!」

「もちのロンよ!!」

女たちが無事を喜びあっている。
いやまあ、俺も嬉しいけど。

438 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:55:38 ID:t0iXG20u
「――――!」

最後にソフィアが俺の傍で困ったような、尚、つーんとしているのを継続しているのだと言うような顔をしていた。
自分は怒っているのだ。それを忘れるな、これはあくまで挑発の為なのだと言わんばかりである。
暫し考えた後、ソフィアは俺の正面に立ち、首に腕を絡めてきた。

――ああ、そうか。これが、俺の人生のクライマックスか。

「貴様ら…この私をコケにしおって…許さんぞ!!その貧弱貧相貧賤な男が、私の何に勝るという!!

バルザックが棍棒を頭上でぐるぐると回している。
怖い…というか嫌な予感がする。

「あ〜ら?自称神様なのにそんな事も解らないの?じゃあ、このマーニャ様が教えてあげるわ。
――全部よ。全てにおいて、あんたよりは マ シ なの!!!」

あは。マシっすか。いやまあ、そんな程度だとは思ったけどNE!!
消去法の結果に、ショックを受けるなんて事は無い。そんなのは自惚れだからだ!!

「――シネェェェェ!!」

何やら物騒な雄叫びと共に、棍棒が振り下ろされる。
マーニャがさっと身を離し、ミネアもまた距離を取る。
アリーナとソフィアがほぼ同時に飛び退いた。俺はといえば当然それらの後に行動する訳だからして出遅れ必至な訳でちょっとまてリアルクライMAX!?

スゴン!!

物凄い衝撃が頭に走った。次の瞬間目の前が真っ暗になる。
既に何も見えない。ソフィアの悲鳴が聞こえた気がしたが、それも気のせいかもしれない。
思考の経路がぷちぷちと寸断していく感覚。しまった。物理障壁を自分にかけるのを忘れていた。
砕かれた頭から何かが噴き出していくのが解る――ああ、だけど――ほぼ、即死なら、あんまり苦しまないで済むと言えばそうなのかもしれない――。

439 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:56:45 ID:t0iXG20u




「バルザックにサントハイムをくれてやった」

此処は、何処だ。
――王宮?そうか、いつか見た夢と同じ光景。
そこに居るのはあの時と同じ、銀髪のDQNと黒い騎士だけだ。
俺はそれを、ふわふわと浮かび上空から観察している。

「…あの城もお前がやったのか?」

「さて、どうだろうな?」

銀髪の男が愉快そうに笑い、言葉を続けた。

「――貴様はどうしたい?」

「……。サントハイムに魔物が住み着くなんて認めない。皆殺しにしてやる」

「そうか。まあ、好きにするが良い」

――その方が、都合が良い。実験の結果を見定めるためには。
どうせあの城にはバルザックの飼い犬しかいない。

「ああ、これを持って行け」

騎士に向かって何かを放り投げる。
それは――剣、だった。

440 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 01:59:08 ID:t0iXG20u
「ロザリーが風邪を引いた時、わざわざパデキアを探しに行ってくれたそうじゃないか。
その報酬だと思え」

「……」

パシッと乾いた音を立てて剣を掴む。
抜き放ち、二度、三度振ってみた後、無造作に腰に差した。

「そうだ。それで良い。目的を達成する為には手段を選んでいられないのだからな」

ばさっとマントを翻し、銀髪の男が騎士の傍らを通り過ぎて部屋を出て行く。
騎士は、怒りとやるせなさに震えていた。

次の瞬間、外から見下ろしていた騎士に俺の姿が重なる。
これは俺の意思では無い。重なって、しまった――なんだ!?抜けられない――。
俺は、誰だ?俺は、俺だ。俺は、あの騎士と違うのか?
引き摺られる――俺が俺じゃなくなってしまう。
そうだ、俺はこれを最も恐れていた。
今、この時にしか解らない恐怖。この場以外では忘れてしまう感情。覚えていられない焦燥。
死そのものの先にある、俺が融けてしまう感覚。
嫌だ。これが、死、か?嫌だ――。

――誰かが、俺を呼んでいる。
その声に引き上げられるかのように騎士から抜け出、上を見上げた。
王宮の天井――それより更に上空から、誰かの声が聴こえる。
俺の姿は上へ、上へと昇って行く――。
暖かい腕に包まれるような感触。
温もりがあまりに心地よく。
何時の間にか、俺は誰かに抱かれているようだった。明るいシルエットで、誰かまでははっきり解らないが、身体のラインを見る限りどうやら女性のようである。
そのまま、ゆっくりと、次第に加速して場所を、時間を越えていく。

――これは――ミネア?

441 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:01:13 ID:t0iXG20u




ゆっくりと意識が覚醒していく。
ぼんやりとした視界に最初に飛び込んできたのは、一心不乱に術の維持を行うミネアの姿だった。
彼女の組んだ両手からは、まるで生命力そのもののような光が溢れている。

――擬似蘇生(ザオラル)の光。

……死んでたのか、俺は。マジかよ……ヤバイ……あれだけ死なないよう頑張ってたのにこうもあっさり……なんか癖になりそうだ……。
一撃死だと苦しむ暇が無いとか、そういう問題じゃないわ……。
嫌な感じだ。死ぬってのは。なんだか解らんけどヤバイ気がする……って、ああ、くそ!内に篭もってる場合でもねえのか。

「ミネア…」

ゆっくりと腕に力を篭め身体を起こす。
ミネアは、脂汗を浮かべながらうっすらと笑んだ。
――その瞳には、安堵と、何故か戸惑いのような光があった。

「良かった…何とか成功しましたね…。――行きましょう」

精神を消耗したのか、ふらふらとした足取りで歩むミネアに手を貸して俺たちは進む。
どうやら大きな柱の影に隠れていたようだ。
前方では未だ、戦いが続いている。俺がどれだけの間倒れていたのかは解らなかったが。

「――!?あんた、ほんっと使えないわね!!」

俺の姿を見るなりマーニャの罵声が飛んできた。
お前、それはあんまりじゃないか!?

442 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:02:49 ID:t0iXG20u
「何言ってんのよ!あんたがあそこでちゃんと避けてたら、一斉攻撃で終ってたのに、とんだ計算違いだわ!」

そんな事言ったって――見てみれば、マーニャの身体からも酷く出血しているようであった。
みかわしの服に長いスリットを入れた為相変わらず太ももなんか丸出しなのだが、そこにも深い裂傷が刻まれていた。
アリーナも、ソフィアもボロボロである。
事、ここに至り、既に口論をしている場合では無いと悟る。

「ミネア!治療はいいわ、あんたも手伝って!」

「え、でも――」

治療に駆け寄ろうとするミネアをマーニャが押し留める。
ミネアには多少迷いがあるようだった。それと言うのも、ミネアはソフィアやアリーナに比べると単純な力で劣る。
それ故に、バルザックのような脂肪の塊のような相手では、有効な打撃を与えにくいのだ。

「大丈夫よ!――あんた、此処で失敗したら一生あたしの奴隷だからね!?」

マーニャのひどい発破が俺に向けられる。
俺は、ミネアにしっかりと頷いて見せた。
バルザックが改めて姉妹が揃ったのを確認し、喜びの声を上げる。

「――そうだ、それで良い。マーニャ、そしてミネアよ。私は、お前たちと戦いたい。お前たちをこそ――この手に――」

ソフィアがバルザックの正面に立ち、ヤツの意識を自身に向けさせる。
煩わしい虫を潰そうと、振り下ろされる棍棒を破邪の剣で受け止めた。

「今までのお返し…!三倍返し、返品不可!!」

後ろに回りこんだアリーナが、今度こそとばかりに跳躍し、バルザックの後頭部に渾身の回し蹴りを放った。
鈍い音を立てて、陥没する頭蓋。だが、だと言うのに――何故か、俺にはバルザックの瞳に理性が宿った気がした。

443 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:04:05 ID:t0iXG20u
一つ、二つと大きく息を吸い、吐き出して、自身と界を接ぐ。
ミネアの槍が、化け物の肉体ごときに敗れない映像。
彼女が俺を包み、引き上げてくれたように。今度は俺が、彼女に手を添え力になろう。
筋力の増強、武器の補強、骨子をそれらとして更にインパクトの瞬間に干渉する呪。

「――攻勢力向上(バイキルト)!」

背を押されるようにミネアが疾駆した。
彼女の聖なる槍が、バルザックの胴に突き刺さる。
異物の侵入を阻もうとする脂肪と筋肉に対し、更にそこからもう一押しを可能とする力が今の彼女には満ちていた。
見事、仇敵の胴を貫きせしめる槍。
バルザックの口の端に血塊が浮く。
ひゅーっ、ひゅーっ、と異音を漏らしながらヤツの上体が揺らいだ。
聖槍が引き抜かれる。穿たれた穴に、更にマーニャの火焔球が叩き込まれた。
――身体の内からその大量の脂肪を焼き尽くしていく。

「バカな…。完璧な筈の私の身体が…崩れる…?
進化の秘法がある限り…私に滅びは訪れない筈…今に…今に…いま、に…」

バルザックの身体が歪み、ざらざらと崩れ落ちていく。
その様子を一時も眼を逸らさずに見据える、ジプシーの姉妹の姿があった。

「……私は……何を望んだのか……。
金……権力……進化の秘法を封印すると言った師を許せず……欲しかったものを手に入れたのに満たされず……。
そうか……わた、しは……お前たち姉妹を……待――」

そうして、バルザックは跡形も無く滅び去った。
彼の男が果たして何を望み、最後に何を見たのかは俺には解らなかったが――少なくとも。これで一つの区切りがついたという事は解った。

444 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:04:57 ID:t0iXG20u
「やった…遂にやったわ…!バルザックを…お父さんの仇を…!!」

マーニャがミネアに抱きついた。
ミネアの方は、最早声にならないらしい。
ぽろぽろと零れる涙。それを見て、マーニャの瞳にも同じものが浮かんでくる。

「やだ、ちょっと、こっち見ないでよ!!泣き顔はブスなんだから!!」

マーニャが珍しい事を言う。泣き顔がブスには見えなかったが、後でからかってやろうと思いつつ、ソフィアに近づいた。
バルザックの一撃を受け止め、へたりこんでいた少女に手を貸し立ち上がらせる。
アリーナが、バルザックの消えた跡を暫し黙って見詰めた後、隅の方の昇り階段へと駆けていった。
まあ、兎に角。とりあえずは――終ったのだろうか。
俺はソフィアに、お疲れさん、と労いの言葉をかけた。



「ふむ…どうやら、向こうも決着がついたようじゃな」

ブライが髭をしごく。
辺りには、夥しい数の魔物の死体が散乱していた。

「流石勇者殿達ですな」

「いやあ、流石なのはどっちもでしょう。信じられませんよ。まさか本当に、王宮の魔物全てを殲滅してしまうなんて」

トルネコがライアンに賛辞を述べる。
ライアンは、戦斧に付着した血液を拭いながら軽く笑った。

445 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:13:11 ID:t0iXG20u
「なに、ブライ殿の氷結呪文とクリフト殿のお陰ですよ。やはり、治療の呪文を使える方がいるのは心強い。
…ホイミンを思い出しますな」

だが、褒められた当のクリフトは浮かない顔をしている。
いや、それ以上にはっきりと顔色が悪かった。
彼の前には、命を絶たれた『人』が転がっている。嘗ては人であったものが。
ライアンが心配そうに声をかけた。

「…あまり思い詰めない事です。私たちが彼らをあのような姿にした訳では無い」

「大丈夫…大丈夫、です…。ただ…ライアンさん、ブライ様、トルネコさん…。
ほんの、ちょっとだけなんですが――消えたサントハイムの人々じゃなくて良かった、なんて、思ってる自分が居て…自己嫌悪してしまって…」

老人が、若者の肩をぽんと叩く。

「このような事があってはならぬと思うのなら、探さねばな――元凶を。そして、戦わねばならぬ」

この面子の中では格段に若い神官戦士は、沈痛な面持ちで頷いた。
墓を作ってやらねばなるまい。それが、己の責務である、と。

446 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:14:08 ID:t0iXG20u



城の廊下を歩くアリーナ。
先ほどは観察している余裕も無かったが、どうやらこのフロアは魔物達に荒らされていないようであった。バルザックが上がらせなかったのだろうか。
父王の寝室。やめておけ、と心が命じるのに逆らって、少しだけ覗いてみる。
そこには、誰もいない。
解りきっている事だ。それなのに、わざわざ確認して、後悔までしているのだから詮の無い話で。
がらんと静まり返った城の中。
戦いが終れば、こんなにも静寂に包まれてしまう、無人城。
少女の足が次第に速まる。そうして、少女自身の部屋の前にまでやってきた。
恐る恐る、扉を開ける――。
そこには、誰もいない。
ああ――誰も、いないのだ。
言いようの無い哀しみが少女を襲った。
ゆっくりと部屋の中を見回す。
ベッド――鏡台――箪笥――そして、破壊された壁。
あの頃が酷く懐かしい。お父様がいて、大臣がいて、兵士がいて、城の至る所に人が溢れていて。
皆に愛されていて、アリーナ自身も皆を愛していた。もう――あれから長い時間が過ぎ去っている。
静かに穴の縁に立ち、そこから空を見上げた。
いつのまにか日は落ちて、既に月が夜空に浮かんでいる。
少女はただじっと耐えた。
この、津波のように打ち寄せる感情をやり過ごす為に。
だが、それは、独りで凌ぐには余りに――過酷で。

ミー。

小さな小さな鳴き声。
アリーナは思い出した。この城に残された存在がいた事を。
壁に開いた穴から飛び出して、城の屋上に降り立つ。
少女が探すのは小さな猫だ。だが――そこにいたのは、猫を腕に抱く黒い騎士だった。

447 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:15:31 ID:t0iXG20u
「あ――」

一寸、言葉に詰まってしまう。
騎士は、そっと猫を地面に降ろし、ゆっくりとアリーナに近づいた。

「――首尾はどうだ?」

「え?あ、うん。…バルザックは、斃したわ」

その返答に、騎士は頷いた。
そしてアリーナは、自分でも不思議な事に言葉を続けていた。

「だけど、ダメだった。バルザックを倒しただけじゃお父様は帰ってこなかった。
……ううん、平気。大丈夫。デスピサロを倒せば今度こそきっと……」

溢れる想いが言葉になる。
それは騎士に言う、というよりかは己に言い聞かせるかのようでもあった。
黙って聞いていた騎士は小さく頷きながら、少女の頭を撫でた。

「……本当の事を言うとね。お城に来るのは怖かったの。
誰もいないって解っているのに、どうしても期待してしまう。そうして、勝手に期待して、勝手に裏切られて――悲しくて、怖く、て。
だけど――。

ありがとう……。此処に、一緒に、居てくれて……」

月の光芒が嘗て栄華を誇った城を照らす。
屋上でその光を浴びるのは、城の主たる姫君と、黒い騎士。
その情景は、どこか物悲しく、どこか――儚さを感じさせるものだった。

448 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:23:00 ID:t0iXG20u
「ピサロナイト様ー!!」

情動的な空気を破る甲高い声が響いた。
アリーナは驚いて身構える。
城の壁を登りぴょこんと顔を出したのは、ミニデーモンだった。

「実験は失敗だったみたいっすね。
うーん、やっぱり進化の秘法を完成させるには、黄金の腕輪が必要っぽいすよ。
ま、ピサロ様に報告しましょ――ってうわ!?こ、こいつは!!」

初めてアリーナに気付いたのか、ミニデーモンはぱっと飛び退った。
だが、当のアリーナは眼中に無いと言った按配で、呆けたように騎士を見ている。

「――ピサロ、ナイト?……ピサロの……デスピサロの、騎士……?」

騎士――ピサロナイトはアリーナに背を向け、歩き出した。
アリーナはそれを引き止めるかのように手を伸ばす。だが、肝心の足が動かない。
ピサロナイトとの距離がどんどん開いて行く――だが、それは突然ピタリと止まった。

闇夜に、白刃が閃く。

騎士が素早く隼の剣を引き抜き、受け止めた。
鍔迫り合いが起こる。隼の剣と――破邪の剣の。

「――ソフィア!?」

アリーナが驚きの声を上げる。
それでも、ソフィアは意に介さずに剣雨を振らせ続けた。

「…醜いな…お前も…お前の心も身体も…憎しみに塗れて見るに耐えん…」

仮面の下の瞳が剣呑な光を帯びた。

449 :サントハイムの決戦(後)  ◆gYINaOL2aE :2005/05/04(水) 02:24:03 ID:t0iXG20u
「――やめて!」

少女の絶叫が響く。
騎士は、振り下ろしかけた剣を逸らし、ソフィアに体当たりを仕掛けた。
バルザック戦の疲労もあったか、単純な実力差故か、少女は軽々と吹き飛ばされる。

「置いて行くぞ、ミニモン」

「あ、待ってくださいよ!!」

――瞬間転移(ルーラ)。
騎士とミニデーモンの姿は、跡形も無く消え去った。

「――……」

残されたのは、少女が二人。
一人は呆然と、一人はピサロの名を冠する者を逃がした事に唇を噛み。
それぞれ、まるで違う心境で騎士のいた場所を見詰めていた。



HP:78/78
MP:36/36

Eはじゃの剣 Eみかわしの服 Eパンツ

戦闘:物理障壁,攻勢力向上
通常:

450 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 06:44:59 ID:YiSwbIr9
とりあえず、ぱふぱふされに行きたい。

451 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 07:24:11 ID:uoKv2l1h
最初の人のシリーズは面白かったのにそれ以降は猿マネとオナニーだな

452 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 07:47:12 ID:Pqd8oh5E
禿同。
いつからキモヲタ小説を披露するスレになったんだ。
チラシの裏にでも書いてろよ同人野郎どもwwwwwwww



453 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 08:24:57 ID:fmdw9ODo
4のは好き

454 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 10:35:33 ID:O6glHdjU
なんだかんだ言って読んでる>>451-452に萌え

455 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 11:51:49 ID:6gQAQP1U
このスレは小説を書くスレじゃない。
目が覚めたらどうするか、を1文でもいいから書くスレだ。
それなのに小説を書いてもらってるってことが分からない、
お前らの理不尽な要求こそチラシの裏だろ。

456 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 11:54:59 ID:zStrhcQn

>>1そんなこと言ってたっけ?

457 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 12:08:18 ID:7nFHCs0T
>>456
言ってない
小説はかいて「もらってる」わけじゃないし、書き手が辞めたくなったらいつでも終了してよいものだyp
仕事じゃないんだし

458 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 12:17:04 ID:ImRKsosJ
文句言うならそれ以上のもの書いてみたら?(・∀・)ニヤニヤ
プロのが読みたいなら金だして本買え。
書きだめしてる作家さん方、遠慮せずにうpキボン

459 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 12:38:00 ID:6gQAQP1U
もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったらどーするよ?
>>1のこの一言で小説を書くスレになるのか?
もしそうであっても、そういうスレには暗黙の掟があると思うが。

460 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 12:50:33 ID:Pw5+3dnK
黄金厨は華麗にスルー
文句を言うのは、読むしかできない奴なんだから

461 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 12:59:07 ID:k9t3MP3q
毛色を変えて「村上春樹風ドラゴンクエスト」

目が覚めた時、僕の前に一人の男が立っていた。
「ゆうべはおたのしみでしたね」と、その男が言った。
NHKのアナウンサーみたいに平坦で、特徴のない声だった。
「すみません、ここはどこでしょうか」と、僕は言った。
目が覚めたら見知らぬ土地の見知らぬ場所に立っていた。
ふと僕はカフカの小説ならそれもありかもしれないと思った。

「おとまりなら8ゴールドです」と男は言った。
それが僕の問いに対する返答だと気付くまで少し時間がかかった。
「ここは、どこですか」と、今度はゆっくりと聞いてみたが結果は同じだった。
オーケイ、この男はこれ以外の言葉は話せないのだ。
AMラジオでテレビが見えないのと同じ事だった。
やれやれ。

462 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 13:41:54 ID:Pqd8oh5E
>>458
厨房はすぐ文句言うならそれ以上だな( ´,_ゝ`)
キモイ小説書くのお前ら豚だけだw
そもそも誰もプロのが読みたいなんて言ってないだろwwww
だいたい上にあるサントハイムのなんたらってなんだよ、
パッと見だけでも完全にゲーム内キャラだけのオナニー小説だろw


463 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 13:56:52 ID:k9t3MP3q
筒井康隆風

「オトマリハヨンゴールドデス」
俺は頭を掻き毟った。
「目が覚めたら知らない世界の宿屋にいたんです」などと言ったら、
きっとあのデブでハゲな課長は「ははあ、ついに君も気が触れてしまったようだ。
夢と現実の区別くらいはちゃんと付けたらどうかね」と嫌味を言うに違いない。
「オトマリハヨンゴールドデス」
「4ゴールドで泊まれる事はもう知っている。266回も聞いた。俺も馬鹿ではない。
大抵の物事は一度聞けば理解できる。問題はここがどこか、なのだ。
何度も言うように今日俺は大事な会議がある。9時までに出社して準備をしなければならない。
こんな場所で宿屋の店番をしているおまえにはわからんだろうが、
何か失敗をするたびに嫌味なハゲに胃壁をすり減らされるんだ。
聞こえてるのか?それともおまえは聾なのか?」
「オトマリハヨンゴールドデス」
「ははは、これで267回目だ」どうやら俺は白痴の聾に267回も話し掛けていたらしい。
壁に向かって話しているようなものだ。
「いいかこの片端。俺は7時に起きて身だしなみを整えて、朝飯を食い、
8時には駅に向かう。すし詰めの通勤電車に30分も揺られて出社するんだ。
息の臭いデブに嫌味を言われ、OLに話し掛ければセクハラと言われる。
何がセクハラだ。腐ったバナナみたいな顔しやがって。おまえの顔がハラスメントだ。
そして今日みたいな会議があればデブ、ハゲ、嫌味の三拍子揃った愚鈍どもに向けてプレゼンをするんだ。
わかるか、この精薄。ここはどこだ。どうやったら東京に戻れるんだ」
「オトマリハヨンゴールドデス」
ついに俺はおーいおーいと泣き出してしまった。
それが元の世界に戻れないという悲しみではなく、会社に行けないという悲しみである事に気付いて更に泣いた。
「オトマリハヨンゴールドデス」
複雑な感情が入り混じった俺の脳に270回目の声が響いた。
「オトマリハヨンゴールドデス」

464 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 15:25:11 ID:d0WSKGx0
え〜結構面白いとおもうんだけどなぁ…

465 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 15:34:25 ID:822+1J50
結構っていうかかなりおもしろい
へたなプロよりイイ線いってると思う

466 :ほーふぇん ◆XksB4AwhxU :2005/05/04(水) 18:44:28 ID:7t5824ol
無理な話だけど
ID:ndYrEjU6氏にもう一度書いて貰いたい
そう願うばかり


467 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/04(水) 20:38:15 ID:EhXsn/h5
>k9t3MP3q
GJ!好きだなーこういうの

468 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 01:49:42 ID:soOkgGMz
サランの町では簡単な祝賀会が開かれた。
これでもしサントハイムの人々が戻ってきて大団円となったのなら、町を、いや国を挙げてのお祭りになったのかもしれないがそこは仕方が無い所か。
マーニャが元気に酒をかっ喰らっている。
それをフォローするのは普段はミネアの役目なのだが、今はトルネコが行っている。
俺は今度の戦いで、色々と決着がつくと思っていたのだが…どうやら、そうでもないらしい。
アリーナは、結局誰一人戻ってきていない城を前にしたからかぼーっとしているし、
クリフトはクリフトで何やら消耗しているようだった。
そしてミネアもまた、仇を討った喜び以上に何がしかの懸念を覚えているようである。
ソフィアは…少し悔しそうにしていたが、今は比較的元気だ。
ブライは騒ぐマーニャに今にも毒を吐きそうだが一応、仇討ち完遂の日と言う事で我慢しているのだろうか。
それを宥めるライアン、といった構図だ。

俺はと言えば、これからどうしたものかと考えていた。
考えても詮無い話であるかもしれない。
相変わらず元の世界に戻る方法どころか手がかりすら掴めていないのだから。
今はそれこそ、眼が覚めたら元の世界に戻っているのに期待するしかない。
別に達観している訳でもない。焦燥はあるし、苛々っとくる事もあるのだが…まあ、それを一々回りに当り散らして発散する訳にもいかないし…。
…死んだ先にある、あの融解する感覚が元の世界に戻る方法だとは思えない。
アレは…どうもあの先に行くと、完全に戻ってこれなくなる気がする。

軽く嘆息する。
まあだけどこれからは、姉妹の仇討ちも終った訳だし何かを斃さなければならないって相手はデスピサロだけだろう。そういう意味では多少楽になるだろうか。
…あの銀髪の男がひょっとするとデスピサロなんかな?
けど、なんか美形だったしなあ…ん?むしろ美形であるべきなのか?そういう層を狙う為には…。
なんのこっちゃ。
あのDQNがそうだったとしても、何処にいるかはさっぱり解らない。
基本は船で世界を巡る事になるんだろうか。
…何年かかるんだろう…。

469 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 01:50:19 ID:soOkgGMz
「ミネア殿達は、これからどうなさるのですか?」

ライアンがミネアにそう訊ねた。
マーニャの方はべろんべろんで話しにならないとの判断だろう。賢明な男である。

「…父の進化の秘法の研究から全てが始まったのなら私たちが止めねばなりません。
此処で私たちだけ降りてしまうなんてありえませんよ」

はっきりと言い切るミネア。
なるほど。バルザックという仇を討ちはしたが、進化の秘法は既にバルザックの手を離れてしまっている。

「アリーナ姫らも?」

「うむ。城の事は気がかりじゃが、デスピサロを追う事が皆を取り戻す唯一の可能性である事は、相違ないじゃろうからな」

アリーナに代わりブライが答える。
…可能ならばそれなりの兵力を城に置いておきたい所なのだろうが、それも叶わないようである。
相変わらずの無人城となるのだろう。そう考えると、人のいない城と言うのは何だか無性に寂しい。

「――今迄どおりと言った所ですかな。さて……」

恐らくは誰もがこれからの指針を求めているのだろう。
なんの当ても無く探すというのは、精神的にかなり厳しいものがある。
今までは一方向にしか進めないとか、次に何処に行くべきかなどおぼろげながらも解っていたのだが。
ミネアも何も言わないし、となるとソフィアの決断に委ねられるんだろうが…。

結局、その場では建設的な案は出なかった。
とりあえず、船出の準備だけはしておこうと言う曖昧な結論で散会となる。
何か手がかり――皆の指針もそうだし、俺の個人的な其れについても、探してみようか。

470 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 01:51:34 ID:soOkgGMz



明けて、翌日。
船出の準備が一段落した所で、クリフトの姿が無い事に気がついた。
気になった俺は少し辺りを探してみる。
彼は教会の裏手の墓地にいた。

「おはようございます。…何をしているのか、ですか?
ええ、お墓を作っていました。進化の秘法の実験体にされてしまった人達の…」

――そうか。彼らに止めを刺したのは。
あの時俺は嫌悪感に耐え切れず、その場から逃げ出した。
前を行く彼女たちに追いつかなければならないと正当化して、問題を棚上げしたと言っても良い。
しかしそれも仕方ないんじゃないかと思う。
こっちが何もしていなくても魔物達は襲ってくるから、それに対抗する覚悟は出来た。
だけど、だからと言って――人であったものを、特に無抵抗なものを殺せるか、と言われたなら俺には是と言い切れない。
――俺には無理だから、他の人間にやらせる、やってもらう。それが正しい訳も無いのだが。

クリフトは神官戦士だ。
彼は、魔物を、そして人であったものを殺す事に躊躇いは無いのだろうか?
アホな問いだと後に思ったが、この時はそのまま訊ねてしまった。

「躊躇い、ですか。…ええ、ありますよ。嘗て人であった方、それで苦しんでいる方に対しても同様に…。
私は今、ある呪文の研究をしています。――対象を、即死させる術です。
こう言ってしまうとなんだか物騒ですね。まあ、事実物騒なのですが」

471 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 01:58:15 ID:soOkgGMz
俺はクリフトのブラックジョークに軽く驚いた。
良いんだろうか?神官がこんな事を言ってしまって。

「私は、必要であれば殺します。それは、誰に何を言われても否定しません。結果が同じなら、手段など何でも同じだと言う方も世の中にはいるかもしれませんが――」

「いや、訊くよ。どうやって殺すんだい?」

「即死呪文――対象の血液を凝固させます。
これにより、相手は重度の心筋、及び脳梗塞を併発し――苦しみも痛みも殆ど無く――すぐに命を失う事になるでしょう。
…それが私に出来る手段です。目的は達成されなければなりません。手段にこだわり、目的を見失うのは本末転倒です。
ですが、目的を見失いさえしなければ、達成する為の手段は人それぞれです」

――貴方の目的は、何ですか?

クリフトは一通り墓の体裁を整えた後、神父にくれぐれもお願いしますと頭を下げて船へと戻っていった。
俺は彼の言葉に少し感動していた――のだが。
……即死呪文を連発する悪魔神官・クリフトの姿を想像してしまい、背筋が寒くなってもいた。
ま、彼に限ってそんな事は無いだろう。ないよね?
効かない強敵に対して治療を怠ってまでこだわったりしないよね?よねよね?
…大丈夫だと言ってよバーニィ…。

472 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 01:59:28 ID:soOkgGMz



クリフトとの分れ際に、アリーナを見つけたら様子を見ておいてくれと頼まれた。
少女は確かに落胆しているようであった。それを悟られないように明るく振舞おうとするのが、少し痛々しい。
ま、どうせアイツがいるとすらなら高い所か武器屋だろうなと当たりをつけて捜してみる。
案の定直ぐに見つかった。
だが、武器屋に佇んでいた彼女に、やはり覇気は感じられなかった。
俺は少女に声をかけ、情報収集に付き合ってくれないかと頼んでみる事にする。
それが良い結果を生むかどうかは自信が無かったが、何もしないよりはマシかなとも思ったのだ。

町の人々に、人見知りをしながらも何とか話を聞いていくが、まあ、大した話は聴けない。
アリーナはどんどん俯いていく。ダメだ。俺はダメ人間だ。ダメ人間だもの。そんなラジオのコーナーがあった。ダメ人間で何が悪い!
郊外にまでやってきてしまった俺は藁にも縋る思いで民家を訪ねる。
回覧板を隣に回す時でさえ郵便受けに突っ込んでピンポンすら押さない俺にとっては格段の進歩なんだが今はそれを自慢している場合でも無いだろう。
というか、それは間違いでもない?なんつーか、世界が違うよなー。

俺は椅子に座っていた老人に話しかけた。ゆっくりとした動作でこちらに視線を向ける。
――と、その視線は俺を通り越して後ろのアリーナへと止まる。老人は少女の顔を見て、遠くを見るように眼を細めた。
そして、こんな事を言い出した。

「おや……?そちらの娘さんは懐かしい顔に似ておるのう
わしは昔、サントハイムの王様の教育係をしておったんじゃ。
あれは何年前であったか…王様が子供の頃の話じゃ。夜中うなされて、飛び起きたと思ったらこうせがむんじゃよ。
『ボクの娘が困っているから助けなきゃ!立て札を立ててよ!』ってな。
その当時は、娘がいるという話に驚いたものじゃったが…」

473 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 02:00:44 ID:soOkgGMz
老人がふぉふぉ、と笑う。
その時何歳だったか知らんが、早熟な子供もいるだろうし確かに…。
話によると、その立て札は教会の裏にあるらしい。
アリーナが居ても立ってもいられないと言った感じで飛び出していく。
俺は折角なんで皆にも報せてから、それを見に行く事にした。
マーニャが二日酔いで死んでたが一人置いてくのもアレだろうってんで無理やり連れて行く。
はたして、そこには確かに立て札が立っていた。
そこにはこう記されている。

『みらいのボクの娘へ。
今、キミはきっと困ってる筈だからいいこと教えてあげるね。
お空のずっと上には天空のお城があって、竜の神様が住んでるんだって。
竜の神様はとても強くて、大昔地獄の帝王を闇に封じ込めたくらいなんだ。
天空のお城のことは、北の海のスタンシアラの人々がくわしいと思うよ。

サントハイムの王さまより』

「お父様……。
……………………。
ありがとう、お父様……ありがとう……」

アリーナが膝を崩し、立て札に見入っている。
それをそっとクリフトが支えた。

「……聴こえます。これも、導きの声?サントハイム王も、また?
スタンシアラへ、スタンシアラへ行きましょう」

474 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/05(木) 02:04:57 ID:Mz5hWeU3
規制回避の手助け

475 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/05(木) 02:06:31 ID:soOkgGMz
ミネアの言葉に頷く一同。
俺は考えていた。
…これはいよいよ、竜の神さまとやらに会える見込みが出てきたのだろうか?
こういう事があると、確かに導かれている、というのもあながち電波と言い切れない。
この世界の神さまとやらに出会って、元に戻れないって言われたらいよいよ骨を埋める覚悟をしなければならないかもしれないが…。

竜を探す旅――In quest of DRAGON...Dragon Questか。

これから明確に始まる――いや、俺が例え導かれていないのだとしても、ソフィアの旅に始まりから同行していた俺もまた、
最初から、竜を探す事になる旅をしていたのかもしれない。



HP:78/78
MP:36/36

Eはじゃの剣 Eみかわしの服 Eパンツ

戦闘:物理障壁,攻勢力向上
通常:

476 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/05(木) 05:10:08 ID:+sky62aW
>ID:k9t3MP3q氏
ワロスwwwwww いーね新しい風が吹いたよ。

職人さんたちみんなガンガレ!

フレーヾ(゚ー゚ゞ)( 尸ー゚)尸_フレー

477 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/05(木) 10:42:58 ID:yweiYN9G
gYINaOL2aE氏の話はそろそろ、そして漸く序曲を鳴らす頃かいね?w
本当にクライマックスをまたも迎えてしまった彼に祝福あれ。応援してます。

478 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/05(木) 13:07:34 ID:GhYrWhD+
>>まとめの人
冒険の書10と13はDQ6
12はDQ5
っぽいんで修正よろ

479 :サラン  ◆gYINaOL2aE :2005/05/06(金) 01:04:52 ID:6dFXZGC0
水の都スタンシアラ。
その形容に相応しく、城下町にも城の中にも縦横に水路が張り巡らされており小船でなければ移動ができない。
面倒な…。情緒の欠片も無い感想だが本音でもある。
誰が漕ぐんだ。はい、俺しかいませんね。
だけど初期の頃と違って今はソフィアに加えトルネコ、クリフト、ライアンが何かと手伝ってくれる。
この一行、男の方が優しく人間味に溢れている気がするんだがどうかー?
ま、ミネアは他の面で結構雑用をしていたりもするが。

城に行く前に、宿屋に荷物を置いた所で、客の一人が何処かに良い町は無いかなとぼやいていた。
トルネコが噂に聞いた移民の町の話を客に伝えると、喜んで出立していった。
あー…俺たちも一度は行ってみるべきなんだろうか?
けどタイミングが難しいよなー。うーん、一番無視してしまいそうな気がするぞ。
それか、一行か二行で済ませる悪寒。

行った!

戻った!

で終了。とか、どうよ?
ダメ?あ、そっすか。そっすよね。

町の人間に話を聞きながら、城へと向かう。
なるほど、彼らの間では『天空の城』というのは比較的ポピュラーな話のようだった。
そこには神さまが住んでいるらしい、と口を揃える当たり物語か伝説か何かで語り継がれているのかもしれない。
俺の中では『天空の城』と言えばラピュタしか無い訳だが…。
ラピュタと言えばムスカしか無い訳だが…。
ムスカと言えば眼がーっ眼がーっしか無い訳だが…。
大佐は素敵だなあ。命乞いをしろ!とか、いつか言ってみたい。
どっちかっつと言われて泣きが入る側だろうけど。

480 :スタンシアラ  ◆gYINaOL2aE :2005/05/06(金) 01:06:00 ID:6dFXZGC0
決定的な内容は、城の中で研究をしていた学者に聞くことができた。
それは古い言い伝えであると言う。

天空の鎧 兜 盾 そして剣を得たものは天空に昇れる。

トルネコが興奮して話を聞いている。
そういえば、彼は天空の剣を探していたんだったな。
これを俺なりに解釈するとなんか死ぬ感じすらしてくるんだが。天空に昇れるっていうのが何とも。
しかし、何処から何処までが実在するものだろう。
俺の常識で考えるなら、言い伝えなんて基本全部嘘っぱちで、鎧も兜も盾も剣も存在しないもんなんだが。
学者にその旨をそれとなく訊ねてみる。

「残念ながら、王家に伝わってきたのは兜だけなのじゃよ」

兜はあるのか!いやあ、それだけでも凄い。
けど、王家に伝わってるってんなら手に入れるのは難しそうな…国宝とかになってなければ良いが…。
あ、そういえばこっちにゃサントハイムのお姫様がいるじゃねーの。そのコネで…。

「そういう問題じゃないでしょー?」

う。アリーナに窘められるなんて…。ショックだ…。
まあ確かにそういう形で手に入れるのはちょっと違うかもしれんけどなあ。
とりあえず頼むだけ頼んでみようか、という事で俺たちは謁見を求めた。
玉座へと続く廊下を歩く途中、何故か売れない若手芸人のような連中を多く見かける。
なんともじめっとした嫌な空気だ。
嫌な予感…もとい、アホな予感がする…。

481 :スタンシアラ  ◆gYINaOL2aE :2005/05/06(金) 01:06:53 ID:6dFXZGC0
「よくぞ来た!さあ、わしを笑わせてみよ!」

やっぱりアホだった…。
国の王の第一声がそれである。この国の人間がかわいそうだ。
なんでも、王様を笑わせた者には望みのものを、とのおふれが出ているとかいないとか。
まあ、ある意味好都合な気もするが…俺はちょっと笑いには五月蝿いよ?
とりあえず準備が出来てないのでトルネコに頼んでお茶を濁してもらうことにする。

「わ、私ですか!?そ、そうですなぁ…。
象がここにいるぞう…」

ああ――。
ごめんよ、トルネコさん。



さて。
まともにいじりもしないで早々に戦略的撤退、その後作戦会議である。
宿屋の一室で俺たちは知恵を出し合っていた。

俺の持論としてはまあ色々あるのだが、とりあえず近い良い文書があったのでそれを引用させてもらう。

482 :スタンシアラ  ◆gYINaOL2aE :2005/05/06(金) 01:08:15 ID:6dFXZGC0
志村へ

この手紙をもって俺の芸人としての最後の仕事とする。
まず、俺たちのコントを再考するために、君に過去のフィルムを確認して貰いたい。
以下に、コントについての愚見を述べる。
コントを考える際、第一選択はあくまで「笑いを取れば勝ち」という考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には若手芸人の多くがそうであるように、他人をバカにして笑いを取ったり、
素人にツッコミを入れるだけで内輪受けに走っている事例がしばしば見受けられる。
その場合には、企画段階から綿密な計算と準備が必要となるが、
残念ながら未だ満足のいくコントには至っていない。
これからのコントの飛躍は、綿密な企画立案、それとライブの復活にかかっている。
俺は、志村がその一翼を担える数少ない芸人であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
志村にはコントの発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、素人いじりや他人をこき下ろすような芸がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、俺たちのコントを再考の後、君の笑いの一石として役立てて欲しい。
先人の芸は活ける師なり。
なお、最後に芸人でありながら、多数の人を泣かせて旅立ったことを、心より恥じる。

                                         いかりや長介


長さん……。
いかん、しんみりとしてしまった。
とりあえず俺が言いたいのはコントについてではなく素人いじりについてである。
俺はこれが好きじゃない。
特に名指しするとすれば、一時期の(今もやってるのか?)イギリスの靴たちだ。
お笑い芸人は身体張ってなんぼ、それでお金をもらっているというのに、
素人をバカにしたり釣ったりして誘い笑いで無理やり笑わせるなど愚鈍の極み。
まああの素人たちが実は劇団員とか、やらせとかで金もらってる線も無くはないのだが…。
兎に角あれだけは認められん。ごめんな。ああいうのが好きってのも居ると思うんだけど。
そして、今この現在に即している話題でもありませんが何か?問題でも?

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