【かくれる】♪♪♪ギルバート♪♪♪【あらわれる】

554 ：ルビカンテ ◆E1XeqfF11s ：04/06/20 03:13 ID:mJ0ojLCY

少し長くなるが…。
つい先程、私が車を駐車場に停めに行った時の話だ。
車を入れ、さて、帰ろうとした刹那、私の目の前でネコが轢かれた。
薄汚れ、年老いた野良ネコだった。
轢いた車はスピードを緩める事もなく走り去ってしまった。
私はすぐさま駆け寄り、そのネコに触れた。
心臓は既に停止していて、舌が垂れていた。
大通りの真ん中で轢かれたので、放っておけば更に轢かれてしまう。
私はネコの亡骸を抱き上げ、道路の端に横たわらせた。
埋葬をするにも、あたりはコンクリートで舗装された場所ばかり。
やっと見つけた空き地もコンクリートの上に土が被せてあるだけだった。
【続く】

555 ：ルビカンテ ◆E1XeqfF11s ：04/06/20 03:15 ID:mJ0ojLCY

【続き】
しかしこのまま放置するワケにもいかぬ。
どうしたものかと思案していたら、
一匹、別のネコが近付いてきた。
轢かれたネコの亡骸の周りをウロウロしている。
その光景を見て、無性に悲しくなったものだ。
そして、私は途方に暮れた。
私にはこの亡骸をどうする事も出来ない。
結局、私はネコの亡骸を空き地まで運び、木の根元に横たわらせ、
線香の代わりに煙草を一本、置いてくるだけしか出来なかった。