【ﾋﾞｯｸﾘするほど】俺の名はカインvol.9【思うわん】

185 ：名前が無い＠ただの名無しのようだ：03/11/29 01:17 ID:rhJWtrt8

　カインは激怒した。必ず、かの邪智暴虐（じゃちぼうぎゃく）のゴルベーザを除かなければならぬと決意した。
カインには政治がわからぬ。カインは、村の男色家である。笛を吹き、兄貴達と遊んで暮して来た。
けれども漢に対しては、人一倍に敏感であった。..
カインには父も、母も無い。女房も無い（男色家だから）。十六の、内気な色小姓と二人暮しだ。
.
.
「ばかな。」と暴君ゴルベーザは、嗄（しわが）れた声で低く笑った。
「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」カインは必死で言い張った。
「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。小姓が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、
よろしい、この市にセシルというパラディンがいます。私の無二の恋人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。
私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰ってこなかったら、あの恋人でﾊｱﾊｱして下さい。たのむ。そうして下さい。」
　それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑（ほくそえ）んだ。
それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑（ほくそえ）んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。
この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目三晩犯してやるのも気味がいい。