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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目

33 :暇潰し ◆ODmtHj3GLQ :2006/03/14(火) 20:20:56 ID:cee3+gQZ0
夜空を見上げると、本当に真っ暗で星が良く見えた。
あの星のどれか1つに自分の故郷があるのではないか。
そんな思いがするくらい、自分の世界が遠く感じる。
「世界を救って下さい・・・か」
昨日までそんなことを言われたこともなければ、考えたこともなかった。
真理奈の世界も色んな危機に瀕していると言えるだろう。
しかし、その危機を救おうとしているのは全人類のごく一部の人である。
ほとんどの人はその日を精一杯生きるのみである。
真理奈とてその中の1人である。
こっちの世界の危機がどんなものか知らないが、本当にそんな事ができるのだろうか。
ヒト1人の力なんてたいしたものではない事を真理奈はよく知っている。
漫画のように何か秘めた力でもあれば可能なのかもしれないが、そんな力を持っている訳ではない。
それに「世界を救う」と言われても漠然としすぎているし、事が大きすぎてさっぱり実感が沸かない。
「これからどうなっちゃうんだろ・・・」
自分がルビスに選ばれた訳や、この世界の事、それに元の世界の事・・・
色々と知りたいことはあるが、今日のところは寝るしかなさそうだ。
使わない頭で考えすぎて疲れてしまった。
(何か知らないけどやるしかない、か。自分の世界に帰りたいしね)
ベッドに戻り、スライムを起こさないように手に乗せる。
スライムが息をする度にその体が膨らみ、しぼむ。それの繰り返し。
その緩やかなリズムによって、真理奈の心はまどろみの中に誘われる。
「おやす・・み・・・」
そんな初夜だった。

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