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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目
1 :
冒険の書庫の書記代理
:2005/12/17(土) 22:49:59 ID:wtVzywQO0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。
前スレが容量制限で書けなくなったため立てました。
前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目」(容量制限落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128780044/
過去スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/
まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
※最近更新してない…書庫の中の人捜索中
346 :
書記
◆nUtX8ZK/82
:2006/01/30(月) 23:56:01 ID:nnihZGBg0
こんばんは。
保守ついでに。
二泊目以外の過去スレを閲覧できるようにしました。
http://www.geocities.jp/if_dq/
347 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/01/31(火) 00:01:04 ID:KRrspZjmO
まだこのパートスレいきてたのかwww
4の人と総長は帰ってきたのか?
348 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/01/31(火) 00:02:10 ID:K9Nuyv9l0
>>347
4の人は去年の10月頃にエスターク戦をうpってたはず
349 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/01/31(火) 00:05:59 ID:bB43sNzVO
>>348
マジか!
ちょっ、過去ログ漁ってくる
350 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/01/31(火) 00:45:17 ID:Gfc3CS7G0
>>346
書記氏乙
体調どうですか。
>>348
4の人は12月にもキタがそれ以降見てない…
351 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/01/31(火) 08:32:16 ID:K9Nuyv9l0
>>349
10月にデスパレス、12月にエスターク戦だったwwwっうぇww勘違いktkr
352 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/01(水) 01:13:22 ID:cevsAi6l0
すごいいいところで止まってるから続きが気になってしかたないよ4の人…
10月に来て12月に来たから2月にも来てくれたらいいなあ。
353 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:26:04 ID:FIBKzuq30
「あ…あぁ…姫様…姫様ァァァァ!!!」
クリフトの叫びに反応し、視線が集中する。
最初は、それが何か解らなかった。
何が居るのか、何が起きたのか、何が進んでいるのか。
何一つとして解らない中で、それでも今迄の経験が俺にドラゴンキラーの柄を強く握らせる。
ズルリ。何かを引き摺るような音。
アリーナの腹から生えていた腕が見えなくなると同時に、かくん、と、彼女の足が崩れる。
皮肉にも、腹を突き破っていた腕がそれまで彼女を支えていたのか。
支えを失った彼女の身体は、力無く神官へともたれかかり――そのまま、二人とも倒れこむ。
「姫、様――ウワァァァァァ!!…お前はあああ!!」
クリフトが術の詠唱を始める。
今まで聞いた事の無い、言葉。渦巻く怨嗟、滅びの念!
「待て!クリフト、先に――」
ソロの制止の言葉も届かず、呪文は完成する。
それこそ――。
「集団即死(ザラキ)ィィィィィィィ!!!」
組まれた手が方向を定め、神官の背から吹き上げる黒い炎!
とぐろを巻くように頭上で一回転した後、一直線に突き進み、アリーナを傷つけた腕の主を包み込む!
ぐらり、と。はっきりと目に見える。ヤツの身体が傾ぐのが。
「――やった!」
快哉の声を上げるクリフト。そんな彼に――駆け寄る、ソロ。
354 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:26:56 ID:FIBKzuq30
「……なるほど、ザラキ、か……」
響く声に、クリフトの身体が固まる。
「一瞬で対象の血液を凝固させる…決まれば必殺の術か…かなりの錬度が必要であろうに、その若さで中々優秀では無いか。
だが、惜しいかな…魔族の王たる私には、効かぬ。――極大、焦熱(ベギラゴン)」
無造作に払われる魔王の腕。
たった、それだけで。漆黒の炎は吹き散らされ、新たに生み出された、留まる所を知らない灼熱の業火が大きく顎を開きクリフトを呑み込まんとする。
動けない。今、自分が動けば――その炎は、足元のアリーナを灼き尽くす。だから、クリフトは動けない。
倒れたアリーナを抱え、棒立ちのクリフトに飛び掛り、何とかその範囲外に弾き出したのは、ソロだった。
だが…無傷とはいかず、足が真っ黒く炭化してしまっている。
「…ソロさん…!」
「ぐっ…俺は、大丈夫だ、自分で治せる…クリフト、アリーナを治してくれ…」
その言葉にはっと我に返ったか、すぐにアリーナへと治癒呪文をほどこす。
「う、っく…はぁ…はぁ…ベ、上位治癒(ベホイミ)…」
まるで命そのものがこぼれていくかのように流れ出ていく真っ赤な血液を、クリフトは少しでもアリーナの身体に戻そうとする。
赤黒く染まったその両手を、腹に当て、しきりに治癒呪文を唱えている。
それに、興味を失ったかのように全く頓着せず…悠然とフロア内を進む、その、男。
誰一人として動けない。彼の者が発するプレッシャーに押し潰されないようにするのが精一杯で――俺は勿論、ソフィアすらも――。
やがて、男が眠りに就いたエスタークの前に立つ。
「……エスターク帝が敗れたか。流石にやってくれるものだな……」
ちらり、と見上げていた視線を横に逸らす。
そこには、マーニャがいた。
355 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:30:20 ID:FIBKzuq30
「――まさか、ベギラゴンだなんて……いやね……上には上がいるの……?……だけど!
私の妹分、弟分をこれ以上やらせはしないよ!」
鉄の擦れる音が響き、マーニャの扇が開かれる。
呪文一つの威力では、劣れども。その練り上げる速度での勝負に持ち込む。
その意図を、付き合いの長い俺は理解した。
刹那の間。
「メラ――」
「――遅い」
サッと中空に舞う血飛沫。圧倒的な踏み込みで、マーニャが十分と見た距離を踏破し、その剣を振るう――。
マーニャの呪文が遅い、だって?
そんな事があるものか!違う、あの男が…疾過ぎるんだ…!!
「…術に関する天賦の才があるようだな、女…だが、それは武術を疎かにして良い理由にはならん。…惜しいな、その才能すらあるというのに」
スローモーションのように、ゆっくりと倒れるマーニャ。
一撃、だ。アリーナも、マーニャも、女性の身であるとはいえ、彼女たちを一撃で昏倒させる事が出来るヤツなんて…。
「…予言は成就しエスターク帝は敗れたが、好都合と言えば好都合か。幸い、勇者はこの場に居るのだからな」
びっと剣から血を払い、再びゆっくりと歩き出す。
356 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:30:50 ID:FIBKzuq30
「――デス、ピサロ……」
ソフィアが、ぽつりと名を呟く。
ダメだ、と押し止めるには、余りに距離があり過ぎた。それに、この重圧の中、何か行動を起こせたとも思わない。
「デスピサロ!!!!!」
引き伸ばす事無く、すぱっと響き渡る言霊で魔王の重圧を打ち破る。
それはあたかも、言葉をぶつける、のではなく、言葉で相手を斬りつけるかのように。
タンッ、重力に反発し空を舞う音。
デスピサロが、上空からの強襲を受けるべく剣を構える。
ッキーーーーーーーーーーン!!!!
金属と金属がぶつかり、弾かれ合う音が響く。
着地、二の太刀三の太刀と、ソフィアは止まる事無く剣を繰り出す!
「お前が…!お前が……!!」
「……!?バカな。何故貴様――」
「お前が、殺した!父さんも、母さんも…師匠も長老も…!!シンシアモォォォォ!!!!」
初めて見せる魔王の動揺。呟かれる疑念は即座に慟哭でかき消され、デスピサロもまたすぐに正気に返る。
唐竹、袈裟、逆袈裟、上から叩きつけるような斬撃。
打ち下ろし、打ち下ろし、打ち下ろす、単純な動きにデスピサロは全く揺るがない。
いつものソフィアなら、それはフェイントだ。上へ注意を引きつけておいて、足元を崩す。
デスピサロもそれを見越してか、反撃らしい反撃を行わない。
だが、俺は――いつも彼女の姿を眼で追っていた俺は、いち早く気付いていた。
彼女の剣にあるのは、怒りと迷いのみ。そこに駆け引きなどありはしない。
すぐにデスピサロもそれに気付くだろう。だから、自分の足を拳で叩き、震えを止めて、俺は駆け出した。
357 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:31:58 ID:FIBKzuq30
「シンシア?…誰の事だ。いや、大方それもあの村の者の名か。
そういえば、擬態(モシャス)で貴様に化けた娘がいたが…」
ソフィアの剣が軽いのは、確かにあるだろう。
だが、それにしたとしても――例えそれがライアンやソロであったとしても、デスピサロが傾ぐ事は無いのでは無いか。
彼奴の強さなどというものをこの俺が計り知れるとも思わないが、今迄の戦いでソフィアをああも簡単にあしらう者はいなかった。
「なるほど、それ故に私を殺すか…道理だな。
だが、妙だ。筋が通っているというのに、何故、そんなにも貴様は迷っているのだ?」
打ち下ろした剣が迎え撃つ剣と噛み合い、鍔迫り合いが発生する。
それも、デスピサロは受けるだけ。ソフィアが押し込むが、デスピサロはそれに対抗する為の力のみを発揮している。
ソフィアを覗きこむかのように顔を近づけ、瞳を見据える魔族の王。勇者と、魔王の、邂逅。
口を開くソフィアだが、言葉が続かない。
彼女は未だ失語の影響で、咄嗟に雄弁なる言葉を紡ぐ事が出来ない。
「……ソロが居るという事は、貴様たち、ロザリーに出逢ったな。
何か吹き込まれたか……」
ちらりと視線をソロへと向けるデスピサロ。
ソロは、雷撃招来(ライデイン)の術を練り上げ解放するタイミングを計っている。
ソフィアが長く時間を稼げると考えれば、マーニャの治癒へと向かうのだろう。
それをしていないという事は、つまり――そういう事、だ。
「…どうして、人間を滅ぼそうとするの!?ロザリーと一緒に、二人で…ロザリーヒルの皆と一緒に、幸せに…暮らせば良いじゃない!?」
「それは…今更だ。もう、遅い。
それに人間を滅ぼさねばならぬ事に、変わりは無い。…人が生きていれば、いずれロザリーは…」
358 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:36:25 ID:FIBKzuq30
「そんなの…そんなの解らない…」
「解らない?本当に、そう思うのか?違う。これは確定した事象だ。
人が存在する限り、ロザリーは常に怯え、危険を感じながら暮らさねばならぬ」
「だけど、私達は違う!」
「そう、お前達は。だが、そうじゃない者達もいるだろう?」
「大多数の関係の無い人達まで、滅ぼそうと言うの…!?」
「そうだ。…そう、お前達は関係ない、というのだな。自分たちと違う人間の仕出かす事は、与り知らぬ事だ…と」
「――それは……」
「案ずるな。間違っている訳では無いさ。…だがな、勇者よ。獣も、鳥も、ホビットも…魔物すらも。喰らう為以外には、必要以上には、殺さないのだ…。
愚にもつかぬ、蒐集欲を、見栄を、満たす為に…他者を傷つけるのは、人間というカテゴリーに属するモノだけなのだ。
欲深い人間と、そうではない人間と、どう区別をつける?貴様たちで隔離してくれるのか?
ロザリーと四六時中離れずにいる、というのは現実的では無い。永い時を共に生きれば、数日、数時間、数分、数秒…離れる事にもなる。
愛しい者一人守るという事は…存外に難しいのだ。それは人間を滅ぼす事以上に、な」
「嘘!狂った魔物は享楽に耽る為に人を殺すわ!それに――お前は、私の大切な人達を喰らう為以外に、殺した!」
「その理屈で言うならば私は狂っているのかもな?…魔に、とて。護るべきものはある。それが可笑しければ嗤うがいい」
「私にだってあったのよ――貴方は……貴方は、誰の気も知らず、自分の事ばかり…。
だから誰かを殺せる、ロザリーを悲しませる!ロザリーは、そんな事…望んでいないのに…」
「他人の気を知っているかどうかは興味が無いが……何も知らぬのは貴様達だよ、天空の勇者。
雑兵ですら察している事にも気付かず、こうも向こう見ずでは、な」
359 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:42:22 ID:FIBKzuq30
デスピサロがすっと体を横にずらす。
押し込んでいたソフィアは力をいなされ、数歩たたらを踏んだ。
一閃。
ぱぁっと、場違いな音がする。
そう、思った。だって、こんな鮮やかな。
鋭利な刃と、使い手の技量次第では、こんなにも――死、とは。綺麗な音がするのだろうか?
「――イヤァァァァァァ!!!」
ソフィアの絶叫が聞こえる。
ああ…何度目だろうか…俺は、また…彼女を守れなかったんだ…だって、彼女に、こんな…悲痛な声を出させてしまったんだから…。
むかむかと、胸をせり上がってくるものを、びちゃりと吐き出す。
どうやら、腹、のようだった。
止め処なく溢れる俺の血液が、だくだくと地面とソフィアを汚していく。
「………ご、めん………汚しちゃっ………て………」
「勇者よ。これも、私の責だと思うか?」
頭上から、声がする。
俺はソフィアに抱えられているのか。
これは、ダメだ。なんとか彼女に距離を取ってもらって……頭を、冷やしてもらわないと……。
360 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:43:25 ID:FIBKzuq30
「違う。それは違うな。その雑兵が死に瀕しているのは貴様の責だ。
何も出来ず、駒に甘んじている貴様の、な。…だが、それを責めるのすら酷なのか、最早…我等には、何も…」
苦悩に満ち満ちた声。
既に痛みすらも消え果た世界で、俺にはそう聞こえた。
「……栓無き事か。良い。ここで楽にしてやろう。せめて、貴様だけでもな」
ズンッ。
魔王の剣が。
無造作に、余りに簡単に、俺の頭上にある彼女の心臓を――貫きせしめた。
ああ。
あああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
――あ、ぁ。
ソフィア、ソフィア、ソフィア!!!
俺を抱えていた腕からふっと力が抜ける。
後ろ向きに倒れていく少女を、支えようと身体をよじるが、それは丸っきり動きとして反映されない。
とさっと、小さく軽い音がする。
何度も何度も彼女の名を呼べど、それは声にならない。
ごぽごぽと、腹から逆流してくる血泡を散らす結果となる。
「……」
地に這い蹲る俺たちを見遣る魔王の慧眼。
それは、冷たく、哀れみが宿っており。
361 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:45:03 ID:FIBKzuq30
「…そうか、ソロと…貴様か…勇者に声を与えたのは」
「――……は……?」
「雑兵と言えども侮れぬものだ…これで、変わるのか、それとも何も変わらないのか。…今はまだ、その答えが出る時では、無いのか――」
ッガァァァァン!!
耳を劈く怒号と共に、俺の視界が白濁する。
白んだ世界は容易に光を取り戻す事はなく、出来る事といえば熱を失っていく彼女を、抱き締めるのみで。
少し吹き飛ばされたのかもしれない。だが、今は意識を手放してしまわないようにするのが精一杯で周りを確認する事もできない。
「…ピサロ」
「フ…ライデインか。まだ、そこ止まりなのか?」
「ああ。本当は、今少し――時間が欲しかった所だが。なに、人生はいつも転機の連続だし――肝心な時にいつも間に合うかと言えばそうでもない。
お前が、俺とソフィアの村に来た時と、同じに」
「そうだ。…私達は、いつも間に合わぬ」
「だからこそ、今あるもので、出来る限りをやるしかない。嘆いたって、仕方が無いのだから」
「…同感だ。私と貴様は…似ているのだろうか?」
「止めてくれ。そんなの、お前も不本意だろう?」
362 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:46:04 ID:FIBKzuq30
デスピサロの剣が持ち上がる。それを受け、下段に構えるソロ。
それは、まるで一枚の壁画のよう。
碧髪の、鋭い目つきをした美しい青年と、長い銀髪に紅い瞳の、魔族の王。
二人が対峙する周りには、眠りについた地獄の帝王と、累々と横たわる青年の仲間たち。
決着が――つく。
永かった旅の目的の一つが、今――。
「デスピサロさまぁ!」
が、張り詰めた空気を、ミニデーモンの幼い声があっさりと破ってしまう。
デスピサロもソロも、視線を外さぬままではあったが。
「たいへんです!ロザリー様が…ロザリー様が、人間たちの手に!」
「…なんだって、ミニモン!それは本当か!?」
「え?ソ、ソロ様…?」
その報を聞き、真っ先に驚愕の声を上げたのは、ソロだった。
対して、デスピサロは――既に剣を鞘に収め、部屋の出口へと歩みを進めている。
「待て、ピサロ!俺も――」
「…それには及ばん。お前は、その者達を救ってやるんだな。
まだ…独りで戦っている時の癖が抜けていない。それでは、これから先…立ち行かんぞ」
363 :
ピサロ
◆gYINaOL2aE
:2006/02/02(木) 04:47:13 ID:FIBKzuq30
マントを翻し、それきり足を止める事無く、姿を消す。
ミニモンが、ちらちらとソロを気にしながらも、続いて行った。
後に残されたのは。
浅い呼吸を繰り返すアリーナ。かろうじて出血だけは止められたマーニャ。二人の治癒でついに力尽きたクリフト。
俺と何よりソフィアの状況に、顔面を蒼白にしながらもすぐに脱出(リレミト)の準備をするソロ。ソフィアに、ありったけの治癒呪文をかけ続ける俺。
そして、呼吸が止まり、その肌の温もりを失ったソフィア。
あまりに静かで、惨憺たる光景。
初めてだった。
これほどまでに、打ちのめされたのは。
最早何も考える事もできず、ただ、ひたすらに術を練る。
やがて、それすらも出来なくなった。もう、俺に出来るのは…自分の失われていく体温で、少しでもソフィアを暖めようとする事だけだった。
HP:2/105
MP:3/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒
364 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 04:56:31 ID:m/2uprz/O
リアルタイムで読ませて頂いたよ…
まさにフォルチュナート(幸運)だ。
365 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 06:15:32 ID:1861fqpuO
ああ…これは良い……
366 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 06:40:22 ID:cJMH0BG50
待ってて良かった…
367 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 07:50:52 ID:emZLg6AIO
これはやばい
368 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 08:46:06 ID:9ZVfyApi0
4の人キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!
正直4の人のトリップ見るだけで興奮する
でもこの展開は…。・゚・(ノД`)・゚・。イイケドナケル
369 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 08:48:36 ID:VPi5tInkO
これがあるから、このスレを見ているようなものだ。
370 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 09:19:26 ID:xe86bAF/0
ありがとう。ありがとう。
震えがとまらないよ・・・
371 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 14:26:16 ID:Tv4VOiaf0
4の人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ソフィアが…ロザリーが…
372 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/02(木) 17:00:14 ID:P7KcaBUf0
目が覚めてみるとベットの上だった。
長い時間寝ていたらしく、少し頭痛がする。体に力を入れ、起きあがろうとした時、
異変に気付く。この布団は・・・
いや、それどころかこの部屋自体、見覚えが無い。ここは何処なんだ?
軽く混乱してきたが、取りあえず体を起こす。と、着ている服に目が行った。
まったく見覚えのない服だ。オレはどうしちまったんだ・・・
何とかこれまでの事を思い出そうとするが、何も思い出せない。
そんなバカな。そうだ、オレの名前は・・・
なんて事だ。名前すら覚えてないなんて・・・
さらに混乱し、頭痛も酷くなってきたが、ここで頭を抱えている訳にも行かない。
部屋を見渡すと、端の方に布袋とその横には・・・
オレの目がおかしいのか?どうみても剣にしか見えない物が・・・
そっと持ち上げてみるとズシリと重い。銅で出来ているようだ。
布袋の中には丈夫そうな服、皮で出来た帽子、あとは財布らしき物が入っていた。
開けてみると、中には見た事の無い硬貨が入っていた。Gと彫ってある。
何だこれは。中世の世界に迷い込んだみたいじゃないか・・・
おそるおそるドアを開けると、同時に隣のドアも開き、戦士のような格好をした
男が出てきた。
「よう、ルークさんよ。ちゃんと眠れたかい?」
ルーク?オレの事か?この男は?
頭の中を?マークが駆け回っていく。そんなオレを尻目にその男は
「もうこんな時間だ、そろそろ出ようぜ。10分後にロビーで落ち合おう。
と言い残し、自分の部屋へ入って行った。
373 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 17:11:52 ID:oI/bmBEr0
「DQの宿屋で目が覚めたはずの現実世界の人」を保つのは難しそうだな・・・
374 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/02(木) 17:22:02 ID:P7KcaBUf0
ルークも部屋に戻り、ベットに腰掛けて1から考える。
信じられない事だが、俺は異世界に迷い込んだしまったようだ。
と言っても、元の世界の事も思い出せないのだが・・・
さっきの男と行動を共にしているようだが、一体どんな関係なんだ?
まあ今の所、あの男と行動を共にするしかないようだ。
外に出る準備を始める。
服を着替え、帽子を被る。少し迷った末、剣をもってドアを開ける。
廊下を抜け、階段を降りるとロビーとその先にはカウンターが見えた。
あの男はまだ来てないようだ。
所在無さげに立っていたルークにロビーにいた老人が近寄ってきて、
小声で言う。
「あんた、昨日アモスと泊まっていたな。あいつには気を付けた方がいいぞ」
アモス?さっきの戦士の名前のようだな。どうゆう事か詳しく聞こうとしたが、
当のアモスが来たため、老人はそそくさと立ち去ってしまった。
「なんだ?あのジジイは」
と聞かれたが、言葉を濁す。
「まあいい。行くぞ」
支払いをすませ、足早に宿の外へ出て行くアモス。
慌ててついて行く。
375 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/02(木) 17:39:45 ID:P7KcaBUf0
外に出ると、やはり見覚えの無い町が広がっていた。
レンガの家、石畳の道、小高い丘の上には立派な城まで・・・
こりゃマジで中世の世界だな。思わず苦笑いを浮かべながらアモスの後を追う。
建物の看板に目が行く。見たことも無い文字・・・
のはずなのになぜか普通に読めてしまう。
武器と防具の店、ゴールド銀行、道具屋・・・
と、道具屋の前でアモスが立ち止まる。
「そういえば、オレは薬草を3コしか持ってないんだが、あんたはいくつだ?
えっ?薬草?なんだそれ・・・
戸惑った表情を浮かべたオレに、何を勘違いしたのか
「何だ、持ってないのか。3コじゃ心許ないな」
と言い、道具屋へ入っていく。
「親父、薬草3コくれ」
「はい、24Gになります」
「あんたが持つ分だから、自分で払いな」
慌てて財布を出し、何とか支払いを済ませて薬草とやらを受け取る。
376 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/02(木) 18:02:01 ID:P7KcaBUf0
アモスはどんどん進んで行き、町外れの方に向かう。
このままではサッパリ状況が分からないままだ。
覚悟を決め、立ち止まってアモスに話しかける。
「なあ、アモス・・・さん」
「なんだい?」
「えっと・・・今からどこへ・・・何をしに行くんだっけ」
「はあ?」
呆れた表情を浮かべるアモス。
「いや・・・確認だ、確認」
「・・・まあいいか。今からナジミの塔へ行って、そこに巣食う魔物の親玉を
倒すのさ。上手く退治できりゃ、王様から報奨金がたんまりという訳さ。
他の奴らに先を越されない内に行くぞ」
また歩き出したアモスを追って町を出る。入り口の横に「アリアハン」
と書いてある。この町の名前らしいな・・・
正直言ってまったく現状を掴み切れないが、今は流れに身を任すしかないようだ。
半分ヤケクソな気分になりながら、ルークは見知らぬ大地を歩き出した。
つづく
377 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/02(木) 19:12:17 ID:q6S6t+qX0
毎回他の職人達が更新する気失せないか心配になる。
378 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/03(金) 01:44:26 ID:19Xn7mjA0
>>376
続き
町を出て道なりに進んで行く。
「あれを見てみろよ」
アモスが指差す先に海が広がっていた。
ひときわ目立つのが小島にそびえ立つ塔だ。
「アレがナジミの塔さ」
ニヤッと笑いながらアモスが言う。
「でも、どうやって入るんだ?船でも使うのか?」
「バカ言え。船なんて何処にあるんだよ。この地方には港も無いんだぞ」
「じゃあどうやって・・・」
「その内、分かるさ」
アモスは上機嫌で鼻歌を歌いながら進む。
ふと、さっきの老人の言葉を思い出す。
「アモスには気を付けた方がいいぞ」
一体、何を指して言ったのか良く分からない。
今の状況では、コイツに頼るしかないじゃないか
「構えろっ」
いきなりアモスが発した大声で現実に引き戻された。
驚いてアモスの構える先を見ると、奇妙な3匹の生物がいた。
379 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/03(金) 02:02:43 ID:19Xn7mjA0
体は青く、ブヨブヨしたゼリーみたいな物体。
妙に愛嬌のある顔をしているが、コイツは何者なんだ・・・
横でアモスは
「何だ、スライムかよ・・・」
と、余裕の表情を浮かべている。
「こんなカス、オレ一人で十分だ。そこで見てな」
と言って謎の生物に飛びかかり、あっという間に3匹とも切り殺してしまった。
「こんな雑魚じゃあ何の経験にもならないな。行こうぜ」
悠然と歩き出すアモス。しかしオレは初めて見る戦闘にショックを受けていた。
オレにも同じ事が出来るのか?
答えが出ないまま進むと、いきなり空から何者かが襲ってきた。
「危ないっ」
アモスの声が飛ぶ前に、とっさに身をかわしていた。
自分にこんな動きが出来るなんて・・・
襲ってきたモンスターを見ると、ガイコツを持ったカラスだった。
考える前に体が動いていた。
剣を構え、カラスに襲いかかると縦に剣を叩きつける。
「グエーッ」
叫び声を上げながら絶命するカラス。
380 :
オルテガ
◆8JKqodVw2k
:2006/02/03(金) 02:25:03 ID:19Xn7mjA0
不思議と不快感は感じなかった。前にも味わったような感触。
(ひょっとして、元の世界で人殺しでもやっていたのかな・・・)
くだらない事を考えながら、先へ行くアモスに追い付く。
「中々やるじゃないか。まあ、それくらい出来なきゃ雇った意味も無いんだがな」
そう呟くアモス。
どうやらオレは、コイツに雇われている身らしいな・・・
続けてアモスは言う。
「万が一、薬草が尽きるような事になったらホイミを頼むからな。見りゃ分かる
だろうが、オレは魔法はサッパリだからな・・・」
また分からない言葉が出てきた。
ホイミ?呪文?全く意味が分からない・・・
まあどうでもいい。ようやくこの状況にも慣れてきた。
その内に意味も分かるだろう。
アモスは
「少し急ぐか。日が暮れる前にレーべの村に着きたいからな」
そう言うと急ぎ足になり、ルークも慌ててついて行く
次はレーべの村か・・・
今までのオドオドした気持ちは無くなっている。
ワクワク感さえ感じるようになって来た。
しばらく進むと道の先に集落が見えてきた。
あれがレーべの村のようだ。
つづく
381 :
松田侑之臣
:2006/02/03(金) 06:17:44 ID:ZE1BvLsv0
はじめまして。職人さんに感化されて私も話が浮かびました。拙い文ですが、頑張ります。
382 :
松田侑之臣
:2006/02/03(金) 06:40:42 ID:ZE1BvLsv0
柔らかな日差しと鳥の鳴く声がする。まるで絵に描いたようなびゅーてほーさんでーの朝。俺は違和感に苛まされ起き上がった。確か俺の部屋の窓は本棚につぶされて…ってうわーーーー!!なんだよここ!煉瓦に囲まれた部屋にベッド一つのみ。おいおい、どこの独房だよ…
383 :
松田侑之臣
:2006/02/03(金) 07:02:04 ID:ZE1BvLsv0
一体ここはどこだ?確か俺は昨日は一日中エロ同人誌の原稿を描いていたはず。そうか!記憶喪失だな。えーっと俺は松田侑之臣(まつだゆうのしん)職業同人作家28歳蠍座B型彼女いない歴28年…って今の状況には関係ねぇー!と、とりあえずここを出よう。
384 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/03(金) 07:51:49 ID:W8mvdhrWO
とりあえずトリップつけようぜ?
385 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/03(金) 08:11:03 ID:9sArZfKJO
改行もお願いします…
386 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/03(金) 08:28:55 ID:SK2/lCCI0
致命的なまでに駄目駄目だ…
387 :
クロベ
◆JNf/CxpPRk
:2006/02/03(金) 14:09:06 ID:JcG7/gop0
そうしてしばらく私は二の句を告げられずにいた。
見知らぬ景色、不可思議な世界。ここは私の生まれ育った次元とは別物なんだ、と、先程までは思えていた。
どうしてこんなことになったのかは分からないけれど元いた場へと戻るのは容易いことではないだろう、とも薄々
感じてはいた。
だけど一度でも「帰れる」と言われた後で突然それをひっくり返されれば、やはりこんなにも辛い。
「そう気を落とさない。何とかなるだろうよ。多分」
黙り込んだ私を見て何かを察したのか、女盗賊はぽそっと言った。見ず知らずの人にこんな風に励まされるのは
悪くない。
「そうだ……よかったら、上の――あたしが来た方の世界に行ってみる?」
突然の申し出だった。私は垂れていた頭を上げて彼女の顔を見つめる。
「手がかりはあるかもしれないし、無いかもしれない。ま、何にしてもそろそろここから離れたほうがいい」
そして思い出したように、ミモザは私を見、手に持った干し肉を見た。
「……あんたも食べる?」
一日ぶりに口にした食べ物はとてもおいしかった。私がしょっちゅう酒の肴にしているようなジャーキーと違って
味気も素っ気もない代物だったけれど。
私が目覚めて宿を出たのは朝に当たる時間のようだった。そして半日かけて歩いてきて、サラマンダーに遭遇し
ミモザに助けられ今に至る。と彼女は言う。
夜しかないこの世界――アレフガルドでは、時間の感覚がまったく掴めない。
今日は何日ですかと聞こうとして、すぐに無駄だと気づいた。どうせ違う世界の日付が返ってくるだけだろう。
「食った?」
手渡された食料を全て平らげた私をまじまじと見て、ミモザは聞く。私はそれに満足そうに答える。
「いただきました」
「よろしい」
そして彼女はにこりと……いや、にやりと、笑った。
「町に着くまで荷物持ちヨロシク」
388 :
クロベ
◆JNf/CxpPRk
:2006/02/03(金) 14:09:58 ID:JcG7/gop0
……はい?
「当然でしょ、世の中全てギブアンドテイク。これ常識」
うん、そうですね。
「おまけにさっき助けてやらなかったらあんた死んでたわよね。ギブアンドテイクどころか、って話よね」
まったくその通りです。
「じゃ、そういうことだから」
了解いたしました。
私は頷いた。逆らう余地はこれっぽっちも残されていなかった。
だけどまあ、これでいいじゃないか、と私は思う。
歩き続けたところで家に帰れるわけでもなし、ミモザの申し出を断ってひとりでどこかに行こうとしたところで当てが
あるわけでもなし。何よりこのままだと死ぬ。原因が空腹だろうと疲労困憊だろうと竜だろうと関係ない。超死ねる。
死ぬのは御免だ。だから、これでよかったのだ。
そして、もちろん背中には私のものじゃない荷物が乗っかっているわけである。最初こそ、こんな重そうなもの持てる
かあ!などとあくまでも頭の中だけで叫んだわけだが、こうして持ってみると意外にそうでもない。盾が、予想して
いたよりもはるかに軽いのだ。
「そんな調子じゃ町に着くころにゃ夜が更けるよー……って言っても今も夜更けみたいなものか」
自分のボケに自分で突っ込みをいれつつ、私の前を美女が行く。持つものを持たない彼女の足取りは、何だか
憎たらしいくらい軽やかだ。
私は町までの遠い道のりを浮かべ、うんざりと溜息をこぼした。
389 :
クロベ
◆JNf/CxpPRk
:2006/02/03(金) 14:11:46 ID:JcG7/gop0
さっきまで座り込んでいた木陰を後にしてからも、何度か襲撃を受けた。
あれらは総じて「魔物」というんだとミモザが教えてくれた。ちなみに赤くて笑うぶにぶにはスライムベスという魔物
らしい。それを伸してやったことを話してみたところ、どうやらそいつらはこの辺りで一、二を争うほど弱っちいという
ことだった。
それともう一つ分かった事実。それは今現在私をこき使っているこの女盗賊がめっぽう強い、ということだ。
サイズの小さな魔物は腰に据えた鞭で散らし、敵わない相手と見るや素早く撒いて逃げ出す。その鞭だって鋼鉄の
鎖を編みこんだもので、SMの女王様がばしばし鳴らすような皮製の軽いやつとは大違いだ。あれで叩かれれば
ミミズばれどころではすまないだろう。
一方、私はといえば、スライムベスやら泥の手首(マドハンドというそうだ)やらが現れたときにはそこいらの枝を拾って
突きまわし、竜だの石像だの骸骨だのに出くわしたときは草むらに縮こまり、ミモザに引っ張られてその場を後にする。
なんか情けない。すごい情けない。
でも仕方ないだろう。こんな風に命のやりとりをすることなんて、これまでの人生の日常ではありえなかったんだから。
私は惨めったらしく息を吐き出して、ミモザの旅荷物一式を背負い直……さなかった。
「もうだめ」
思わずその場にへたり込んでしまう。もう限界。ここまで走ったり歩いたりしてきたのが奇跡だ。まったく、自分で
自分を褒めたい。ちょっと古いか。
とにかく、もう限界なのだ。高校を出てからこっち、まともに運動などしていないのだから。
「もうだめってね。歩かないと先に進まないよ」
振り返るなり、ミモザは呆れた声を出した。駄々っ子をあやすママみたいなこと言ってる。確かにそんな状況だ。
「せめて水、水を……」
「はは、ごめん。さっき終わった」
それは笑いながら口にできる言葉ではないと思う。
私はがっくりと肩を落とした。漫画とかなら顔に青い筋が入っているところだ。
「ま、水が終わったってことは町が近いってことだ。そのくらいの目安で水筒に入れてきてあるから。本当なら
三割くらい残るはずなんだけど、ふたりで飲んだから終わるのも早かったんだろ」
さすが旅人はこういう状況に慣れているのだろう。冷静だし計算づくだ。
390 :
クロベ
◆JNf/CxpPRk
:2006/02/03(金) 14:13:08 ID:JcG7/gop0
「でも結局のとこ、今飲む水はもちろん、」
「ないね」
「も う だ め」
そういえば道中スライムベスに体当たりされた足が痛む。忘れていたわけじゃないが、どうしてこう疲れると
そういうことに敏感になるのだろう。
「ほら立つ。荷物は持ってやるから」
ありがとうございます、と思わず言ってしまったが、そもそもこれはミモザの荷物だ。
それでもありがたいことに違いはなかったので、私は最後の力を振り絞って立ち上がる。
その瞬間。
「あだだだだだだd(ry」
足に激痛が走った。
あまりのことにもう一度地べたに尻をつく。多分今、涙目になってる。
「あー……こりゃ駄目だわ」
私のカーゴパンツの裾を持ち上げて、ミモザは呟いた。痣になっているだけだと思っていたが、ところがどっこい
そこは赤くなって腫れかけていた。「折れてるね」
「痛い痛い痛い! ちょ、触んないでってば!!」
ちょんと突っつかれて、私は思いっきり叫んだ。骨折するなんて生まれて初めての貴重な体験だったが、できる
ことならそんな初体験は一生遠慮したかった。
「だーいじょうぶ。せいぜいひびだから」
何でこの人はにこやかにそういうことを言えるんだ。打撲だったのが重いものを持って走り回って疲労骨折した
とも言う。その原因はあなたです。
……はあ。治るのにどれくらいかかるんだろう。
「ま、とりあえず治してやるから落ち着きな」
そう言ってミモザは目を閉じ、意識を集中させ――
391 :
クロベ
◆JNf/CxpPRk
:2006/02/03(金) 14:14:01 ID:JcG7/gop0
「ホイミ」
その途端、真っ赤になった私の足をぽわんと光が包み込んだ。みるみるうちに痛いのがとんでいって、あっと
いう間にいつもどおりの健康で貧弱な足に戻る。初めての骨折の全治はものの数秒だった。
「うん、すっかりいいね」
さっきまで患部だったところをぴしゃりと叩かれたが、鈍い痛みはちっとも感じない。本当にすっかりいいようだった。
そういえばのどの渇きもさっきよりましになった。疲れも取れているようだ。
「すごい……魔法みたい」
「魔法だよ」
ぽかんと口を開ける私にそう言って、ミモザは「それも知らないのか」と呆れ顔をした。この世界ではどうやら魔法は
周知の事実のようだ。……すごいじゃん。
「どうやるんですか? 私にもできる?」
「まあそれは町に着いたらね。はいこれ」
尊敬と興味に目を輝かせて質問攻めをする私に、ミモザは草むらに放られたままの荷物を預けた。
見え始めた町の灯が、遠くで私を笑っている。
クロベ Lv1
フリーター
HP 17/17
MP 0/1
E ひろったえだきれ
E ピーコート
392 :
松田侑之臣
◆jaF8vkSwkU
:2006/02/03(金) 17:20:26 ID:PzeX+v2b0
>>384-386
住人の皆さん本当に御免なさい。
もっと勉強します。
393 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/03(金) 18:30:54 ID:KzzaFc+i0
>>392
投稿形式を見直すと良いと思う。
一回に送信する量が三行程度なのも読みづらい原因、他の職人さんは
少なめでも一回に15行程度は送信してる
同人作家の駄目男がドラクエ世界にという発想自体は悪くないんだし
394 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/04(土) 01:11:36 ID:fLUh4mTr0
今北
4の人凄杉。別次元。
一字一句噛み締めるように読んだ。
何気に
>>352
GJ!
>>クロベ
面白くなってきた。
続き楽しみにしてる。
>>松田侑之臣
ガンガレ
新人は大歓迎
395 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 02:42:08 ID:x/DjKyan0
ここからトリップが変わりますが、同じ人物です。
紛らわしくなってしまって申し訳ありません。
396 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 03:01:43 ID:x/DjKyan0
>>380
続き
レーベの村に入り、辺りを見渡す。
当然だが、アリアハンとは違い、家や施設が数軒あるだけの小さな村だ。
宿に入り、食事をしながらアモスと話す。
「明日は朝一で洞窟に向かうぞ」
「洞窟?塔じゃないのか?」
「塔に入るには岬の洞窟って言う所を抜けないと行けないんだ。その先が
塔につながっているんだ」
「そうか・・・どんなモンスターがいるんだろうな・・・」
「そりゃ行ってみてのお楽しみさ。明日に備えて早く寝るぞ」
アモスと別れ、自分の部屋に入り、服を替えてようやく一息つく。
ゆっくりと今日の一日を振り返る。
オレは、この世界でルークと呼ばれる男に乗り移ってしまったようだ。
まだ元の記憶は戻りそうにない。
まあ、その内に記憶も戻って元の世界に帰る方法も思い付くだろう。
楽天的な考えをしている内に、いつの間にか眠りについていた。
397 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 03:20:18 ID:x/DjKyan0
次の日
「ガンガンッ」
と大きな音がする。うるさいな・・・
「いつまで寝てんだ。とっくに朝だぞ」
ようやく目が覚めた。
そうか、ここは異世界で・・・
昨日の事を思い出す。そうだ、朝一って言ってたな。
慌てて準備をして外に出る。
アモスは腕を組んでイライラした表情をこっちに向けてくる。
「いつまで待たせるんだ。急がないと日が暮れちまうぜ」
「悪かったよ。行こうか」
「代金はお前が払え」
いちいちセコイ奴・・・
とは思うが、それでこいつの気が済むならいいか、と思って代金を払う事にする。
町を出て、南に向かって進み、険しい森の中へ入る。
何度かモンスターと遭遇したが、昨日の敵と同じような奴だ。
楽勝でなぎ倒し、先へ進んでいく。
しばらく進むと大地に大きな穴が開いていた。
洞窟の入り口のようだ。アモスに続き、中に入る。
398 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 03:38:07 ID:x/DjKyan0
嫌な臭いはするが、思ったよりは明るい。
道は枝分かれしているものの、そんなに複雑ではない。
角の生えたウサギのようなモンスターなども襲って来たが、そんなに
苦戦する事はなく進んで行く。
狭い道を抜け、大きな部屋にでた瞬間、思わず息を飲んだ。
部屋の先に人間が倒れていた。冒険者らしき格好をしている。
アモスが近寄っていき、顔を覗き込むと
「死んでいるな・・・まあ、こんな所で力尽きるような雑魚は
最初から来るなって事だ」
そう言いながら死体の荷物を探る。
「何してんだよっ」
思わず声を荒げて非難するが、
「みりゃ分かるだろ。死んだらあの世には持って行けないんだ。生きてる
人間の役に立った方がコイツも浮かばれるさ」
と言いながら、再び探る。
399 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 03:54:14 ID:x/DjKyan0
「おっ、財布か・・・ちっ、200Gかよ。武器は・・・こん棒かよ、
こんな物はかさばるだけだな。行くぞ」
「このまま放っておくのかよ。せめて埋めて葬って・・・」
「アホか?無駄な時間と体力を使ってどうすんだ」
吐き捨てるように言い、先へ行ってしまう。
胸がムカムカしてくるのを感じる。
冒険者としては、あいつが正しいのだろう。
それにしても、今の死体に対する行動は・・・
本当に行動を共にしてて大丈夫なのか?
迷ったが、こんな所で取り残されるわけにはいかない。
先に行ったアモスを追う。
ようやく追いつき、先に進むとひときわ大きく、長い階段がある。
階段を上った先には、これまでと違った景色が広がっていた。
400 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/04(土) 03:55:07 ID:x/DjKyan0
つづく
401 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/04(土) 08:28:30 ID:wE6ZAplV0
>>400
わざわざ分けんでも
つかレス数無駄遣いするなよ
402 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/04(土) 22:14:06 ID:KFnX7j480
総長が帰って来る夢を見た
403 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/05(日) 09:23:38 ID:Rs7FSJ6l0
ローディ・レッドマン・エイコ・魔神、帰ってきてくれ。
404 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/05(日) 09:51:32 ID:Mn2o34/G0
とりあえずage
405 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/05(日) 13:20:14 ID:sl1E2KIq0
面白くなってきたね。
>クロベ氏
文章が程よく緻密で、上手いと感じる。
女性のフリーターなんだろうが、リアルさがうまく描けてると思う
次は武術か魔法を身につける段階か、頑張って欲しい
>オルテガ氏
文章が軽くて読みやすい。DQ的な「厳しさ」を出そうとしてる感じが好ましい
情景描写をもすこし加えるとさらにわかり易くなると思う。どこにいるか、何をしているか、を。
>松田侑之臣氏
三行で終わらせないで、もう少し続けてみる努力を。
繋ぎとしての文を加えてみるなり、わざと次の行に移してみるなり一行あけてみるなり
「文章として読みやすく」はSSでは基本だから。
設定は面白い。だからこそ、設定を活かすような文章を。
DQ宿屋スレだけど、後期に差し掛かった方の「主人公」は
完全にDQの世界の住人として機能してるね。DQ小説として面白いのはいいんだけど。
406 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/06(月) 02:24:05 ID:fpi2lJyD0
あげ
407 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 16:58:55 ID:jgT+AwwI0
?「きゃああああああああああああああああ!」
バチーン!!
タケ「ぶべらっ!!」
何でこうなったの?
ドックン・・・・・・ドックン・・・・・
もょもと心臓の鼓動が早い・・・・・俺はその音で目が覚めた。
その時に信じられない光景が!
リア「もょもとさぁん・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
もょもととリアが抱き合っているのだ。
経緯は知らないがもょもとが物凄く緊張している。
それにリアが物凄い泣いた後の様だった。
こいつめ、なかなかやりおるな。
408 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:22:03 ID:jgT+AwwI0
タケ「もょもと君。キミもなかなかやりますな〜。くくく。」
もょ「タ、タケかっ!ど、どうしよう・・・」
タケ「何焦っているねん。お前も女を口説けるようになって微笑ましいやないか。」
もょ「ち、ちがうんだ。リアちゃんとはなしていたらきゅうになきだして・・・・」
タケ「まーまー落ち着けって。俺に経緯を話してみろや。」
ここはおちょくらないと面白くないからとりあえず経緯を聞くことにした。
もょもとが言うには、
・祈祷師に殺されそうになった時に助けてもらった。
・サマルとの関係が上手くいかない事に耐えられない。
・一人で寝るのが怖くてもょもとに頼ってきた。 って言う事らしい。
タケ「成る程なぁ・・・・まぁ、ええやんか。」
もょ「お、おれはどうしたらいいのかわからいぞ・・・」
タケ「俺に任せておけって。自称『浪速の女殺し』の俺様が力になるからな。」
もょ「たよりにしているぞ。タケ。しかし『なにわのおんなごろしって』なんだ?」
タケ「気にすんな。そうもんやで。」
もょ「そ、そうなのか。」
タケ「それにな、リアちゃんをこれから先上手く活かせるのも俺達次第なんや。失敗は出来へんで!」
もょ「まかせろ。おれもあのこにはげんきでいてほしいからな。」
タケ「おっ!嬉しい事言ってくれるやん!じゃあ俺が言う言葉をそのまま真似るんやで。ええな?」
もょ「わかった!」
もょ「(リアちゃん………………………)」
リア「………………………なぁに……………………?」
409 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:23:16 ID:jgT+AwwI0
タケ「もょもと君。キミもなかなかやりますな〜。くくく。」
もょ「タ、タケかっ!ど、どうしよう・・・」
タケ「何焦っているねん。お前も女を口説けるようになって微笑ましいやないか。」
もょ「ち、ちがうんだ。リアちゃんとはなしていたらきゅうになきだして・・・・」
タケ「まーまー落ち着けって。俺に経緯を話してみろや。」
ここはおちょくらないと面白くないからとりあえず経緯を聞くことにした。
もょもとが言うには、
・祈祷師に殺されそうになった時に助けてもらった。
・サマルとの関係が上手くいかない事に耐えられない。
・一人で寝るのが怖くてもょもとに頼ってきた。 って言う事らしい。
タケ「成る程なぁ・・・・まぁ、ええやんか。」
もょ「お、おれはどうしたらいいのかわからいぞ・・・」
タケ「俺に任せておけって。自称『浪速の女殺し』の俺様が力になるからな。」
もょ「たよりにしているぞ。タケ。しかし『なにわのおんなごろしって』なんだ?」
タケ「気にすんな。そうもんやで。」
もょ「そ、そうなのか。」
タケ「それにな、リアちゃんをこれから先上手く活かせるのも俺達次第なんや。失敗は出来へんで!」
もょ「まかせろ。おれもあのこにはげんきでいてほしいからな。」
タケ「おっ!嬉しい事言ってくれるやん!じゃあ俺が言う言葉をそのまま真似るんやで。ええな?」
もょ「わかった!」
もょ「(リアちゃん………………………)」
リア「………………………なぁに……………………?」
410 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:27:52 ID:jgT+AwwI0
タケ「(元気をだせ。くよくよするな。)」
リア「で、でも………………………」
もょ「(辛い事だがもう逃げる事は出来ないのが現実なんだ。)」
リア「えっ………………………?」
タケ「(これから先辛い事が沢山あると思う。けど逃げたからって言って問題が解決する訳じゃないんだ。)」
リア「そんな……………………」
もょ「(問題が発生したらその事に向き合う事が大切なんだよ。だからっと言って辛い事を時間をかけてに解決していけばいいじゃないか。)」
リア「だって………………………辛いんだよ!そんなのおかしいじゃない!」
タケ「(実は俺も旅に出る前はすごく臆病者だったのさ。)」
リア「えっ!!も、もょもとさんが!?」
もょ「(ああ。スライムすらまともに向き合えず怖がっていたんだからな。)」
リア「信じられないよ!ありえなーい!あははははっ!!」
タケ「(だろ?しかし俺も最初から自信があったんじゃないよ。」
リア「じゃあ、もょもとさんはどうやって強くなれたの?」
もょ「(………………………心の支えになる人物がいたからだ。そいつのおかげで今の俺があるって言っても過言ではないな。)」
リア「いいなぁ………………私のはそんな人がいないよ……………………」
タケ「(酷い事言うなよ。少なくても俺にとってリアちゃんは大事な仲間だぞ。)」
リア「何でそう思うの?」
もょ「(ああ、リアちゃんしかない魅力って言う物に惹かれたんだ。それに一緒にいて楽しいしな。)」
リア「ほ、本当!?」
タケ「(ああ。旅する機会はどうであれ、リアちゃんは愛想が良いしパーティーのムードメーカーだぞ。)」
リア「そ、そんな事ないよ(//////////)」
もょ「(あはっ!可愛いなリアちゃんは。顔がすごく赤いぞ。)」
リア「お、おちょくらないでよ!」
クセぇ!滅茶苦茶クセぇ!格好つけ過ぎの臭いがプンプンするぜぇー!!
………………………っ自分が考案したにも関わらずかなり恥ずかしい。
結果的には上手くいった。
411 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:29:22 ID:jgT+AwwI0
タケ「(少しは元気が出たみたいだな。)」
リア「あっ………………………。」
もょ「(俺が言えるとしたらリアちゃんはもっと自分に自信を持ったほうが良い。俺と同じロトの子孫なんだから。いいかい?)」
リア「うん!がんばる!」
タケ「(明日もあるんだしそろそろ寝るとするか。)」
リア「そうだね!また明日。おやすみなさ〜い!」
リアは自分の部屋に戻って行った。
タケ「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜めっちゃ疲れたわ。」
もょ「おつかれさま。サンキュな。タケ。」
タケ「それよりももょ。お前もかなり成長したなぁ。」
もょ「なんでだ?」
タケ「いざって言う時に信じられない程上手く決めるんだからな!」
もょ「タケからしてどうだった?」
タケ「すげぇわ。マジで。初心者にしてはな。」
もょ「ほんとうはかなりきんちょうしたんだけどな。まぁけっかオーライだ。」
タケ「ああ。」
もょ「さて、おれたちもねるとするか。」
タケ「その前にもょに謝らないとあかんのよ。」
もょ「なぜだ?」
タケ「お前の失敗例をリアちゃんに話したんだからな。お前の権威に関わることやし。」
もょ「それはちがうな。タケ。ぎゃくにそれがせいこうへのじゅうようポイントだぞ。」
タケ「まじすか?」
もょ「じぶんのしっぱいれいをだすことによってあいてにうちあけやすくするんだろ?」
タケ「ご名答や。流石やで!」
もょ「それにおれがローレシアのおうじだろうがなんだろうがいまはたびびとにすぎないんだからな。」
タケ「良い事言うねぇ………………………そう言われると救われるわ。」
もょ「さっ、はやくねようぜ。つかれただろ。」
俺達は眠る事にした。
412 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:33:41 ID:jgT+AwwI0
翌朝………………………
俺は目を覚めた。昨日の傷口や疲れが無く全快に回復している。
やはりこの世界の宿屋=病院みたいなものか。酸素バーに行った後の様な感じで気分が清々しい。
ちょっと寝過ぎた様だ。もょもとに挨拶するか。
タケ「お〜い。もょ〜!」
もょ「………………………………………………………………………………………………」
全く反応が無い。敵のラリホーでも食らったか!?早く代わらないとヤバイ!
しかし信じられないことが現状で起きていた。
413 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/06(月) 17:38:53 ID:El7n5vih0
>>412
乙です!
続きが非常に気になる!
414 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:51:41 ID:jgT+AwwI0
19〜20歳位の紫色の髪をした綺麗な女性が立っているのだ。しかも全裸で。
おまwwwwwwwwwwwwwwwwwwマジでwwwwwwwwwwwww
どう見てもオールヌードです。ありがとうございました。
周辺をよく見てみるとサマルは鼻血だして倒れているしリアも腰が抜けている。カタリナはうろたえているのだ。
だからもょもとは気を失っているのか。やっぱりウブだなこいつ。
しかし流石にエロ本を見慣れている俺でもちんちんがおっきしたおって言う状態だ。
マジで美しきエロスって言っても過言ではないスタイルなのだ。
+ + * *
おっぱい!おっぱい!
+ * + *
(^\ * /^)
(ヽ、\ / /)
(ヽ、 \ + ( /)
⊂ニ ) _ ) ∩ ニ⊃
⊂ ( ( ゚∀゚)彡 ⊃
+ (/(/ ヽ( ⊂彡 )ヽ)
ノ / )ヽ) +
+ * (つ ノ +
(ノ *
* + *
この世界に来て良かったよママン………………………
415 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:53:46 ID:jgT+AwwI0
束の間………………………
?「きゃああああああああああああああああ!」
バチーン!!
タケ「ぶべらっ!!」
現実に戻されちゃいました。何で俺(達)だけ?
?「い、いそいで服を買ってきて!」
タケ「わ、わかった!」
女の子の服を買うのは恥ずかしいのだがこの際気にしては仕方がない。
防具屋の親父がニヤニヤしている。
まずは落ち着かせるために某Y・Kさんの真似をする事にした。
1……3……5……7……9……11……13……15……17……19……21……23……25……
奇数とは割り切れずマヌケな数字だ。このマヌケさが私を落ち着かせてくれる…………………………
って落ち着いている場合じゃねeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!
第一印象が肝心であり、このパターンは最悪なパターンである。
どないしよ。マジで困った・・・・・・・
悩んでもしゃーない!とりあえず旅人の服を購入し宿屋に戻った。
俺はカタリナ旅人の服を渡し、サマルを呼んでもらう事を頼んだ。
416 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 17:59:13 ID:jgT+AwwI0
タケ 「サマル。大丈夫か?」
サマル「ぼ、僕には刺激がきつすぎたよ。でもすごい綺麗かったね。」
タケ 「バカ!違うだろ。トーマスさんの事だよ。サマルもかなり疲れただろうし。」
サマル「僕は大丈夫だよ。しかし……」
タケ 「まさか、駄目だったのか?」
サマル「一命は取り留めたよ。でもね、両足が動かないという障害が残ったんだ……………………」
タケ 「そうか……」
サマル「ごめんね。もょ。折角期待してくれたにも関わらず悪い結果だよ……」
タケ 「いや、サマルは良くやったよ。」
サマル「えっ!?」
タケ 「瀕死の人間をそこまで回復させたのだから。生きているだけ良い結果じゃないか。胸を張れよ!」
サマル「ありがとう……ううっ……」
タケ 「な、泣くことも無いだろうが。しっかししろよ!もー」
こいつも泣き虫なのかよ。まぁ、母性本能が頷く女性にはたまらないだろうな。
417 :
レッドマン
◆U3ytEr12Kg
:2006/02/06(月) 18:04:50 ID:jgT+AwwI0
タケ 「サマル、ところで部屋にいた綺麗な女性は誰だ?」
サマル「えっとねぇ、確か・・・・・ムーンブルグの王女だよ。何でそんな事を聞くんのさ?」
タケ 「ちょっと刺激がきつくてな。ド忘れしてしまったんだ。いきなりビンタを食らった影響もあるけどな。」
サマル「そうなのかい!?すごい女の子だね。」
タケ 「まー男に裸を見られたんだから無理も無いけどな。」
話をしていくうちのこの様な事があったらしい。
・朝食をしている内に子犬が宿屋入ってきた。しかもリアが可愛がっていた子犬らしい。
・もょもとがその子犬にラーの鏡を照らした。
・ムーンブルグの王女が現れた。 って事らしい。
まさに摩訶不思議な現象である。
これなら『ムーンブルグの王女たんはエロカワイイ』というスレッドが立ってもおかしくは無い。
いやぁこんな美女と旅ができるなんて嬉しいもんですな。
でもこれから先どうなるのか不安でいっぱいな俺(達)であった。第一印象が悪かったし。
もょもと&タケ
Lv.12
HP:86/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
418 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/06(月) 18:58:45 ID:y1n8i1BnO
>>
レッドマン乙!!
ムーンタソキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
(;´Д`)ハァハァ
419 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/06(月) 22:26:35 ID:hVvY3Vm50
(´-`).。oO(ムーンタソは15歳をキボン…)
420 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:16:26 ID:jri4fcXz0
>>290
から続き
〜 第二部 〜
●旅立ち
気を失った俺は完全に回復するまで宿屋のベッドで過ごし、重傷だったテリーも
隣のベッドで寝ていたが驚異の回復力で俺より早くベッドを降りた
とても死に掛けていたとは思えない
トルネコは─
身体は完全に回復した
だけど、あのドラゴンが言った通り全ての記憶を失い戦う力も無くなっている
この事は魔王の手下によって全ての人間達に知らされたそうだ
突然、人間の敵である魔王から伝えられた勇者の敗北
人々は勇者がいた事すら知らなかったのに、勇者が現れた喜びより先に悲しみを聞かされ
魔王の思惑通り、人々はこの世界の未来に絶望した
ライフコッドにはグランバニアからたくさんの兵士を引き連れ王がやってきた
王は俺とテリーに詳細を求め、トルネコと会った後
「まるで人形では無いか……」
そう呟きしばらく塞ぎ込んだ
421 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:17:05 ID:jri4fcXz0
回復し目を覚ましたトルネコはまるで別人だった
感情を無くし表情は薄れ、話しかけてもあまり反応が無い
当然、ネネも大きなショックを受けしばらく泣き続けていたが
「私がきっと治してみせます
トルネコさんが何者であろうと、私の気持ちは揺るぎません
それにやっと… この村に留まってくださったのだから……」
そう言って今、トルネコと暮らしている
この言葉を聞いた俺は平常心を保っていられず村の外でなんとも言えない感情を押し殺した
"オリハルコンをフィッシュベルの鍛冶屋カンダタに頼み自分用に鍛え直すように"という伝言と一緒に
ネネからトルネコの荷物を受け取った
この村にいる時、何かあれば俺に全て譲るように頼まれていたそうだ
自分の身に何かが起こる事を考えていたトルネコを思い再度、身体を震わせた
422 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:18:15 ID:jri4fcXz0
あの戦いから十日がすぎ、村は平静を取り戻し元のゆっくりした時間が流れている
トルネコの件があったというのにそれさえやさしく見守ってくれる、不思議な雰囲気だ
「タカハシ、お前はこれからどうするつもりだ?」
「一度グランバニアヘ行こうと思ってる
この村には預り所が無いからトルネコさんの荷物を預けられないんだ
その後フィッシュベルの鍛冶屋へ行くよ」
テリーと二人、入口広場で話していた
「そうか… 雷鳴の剣、折ってしまって悪かった
あれから忙しくて言う暇無くてすまない」
「気にすることはないよ、俺にはオリハルコンの剣がある
それで、雷鳴の剣も修理してテリーが使ってくれないか?」
雷鳴の剣の持ち主としてふさわしいのはやはりテリーだろう
「いいのか!? …しかし折れた剣を修理出来るのか、それにこれは魔法剣だ」
「大丈夫だと思う、フィッシュベルの鍛冶屋は魔法剣を鍛え直せるって前にトルネコさんが言ってた」
「む… よし…
俺は城を辞め雷鳴の剣を直し修行の旅に出る
上級兵士だなんて調子に乗って安心しきっていた自分を鍛え直す」
テリーが悔しそうな顔で言った
423 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:18:52 ID:jri4fcXz0
あの戦い─
素人の俺でもわかるくらい完敗だったんだ
テリーが悔しがるのもうなずける
「この村の警備はどうするんだ?」
「王が警備兵を置いていってくれたから大丈夫だろう」
王はグランバニアへ戻る際、連れてきた兵の一部を警戒の為村へ残していた
「一緒にフィッシュベルまで旅しようじゃないか、タカハシ!」
「うん、俺も心強い よろしく」
「たぶん長めの旅になるだろうからグランバニアでしっかり準備していこう」
テリーは今すぐ出発しようと言いたげだったが、俺はいろいろ準備があるから出発を明日にしようと提案した
「ふーん? グランバニアでもいいような気もするが、まぁ構わないよ」
本当は準備する事なんてこの村では何もない
旅に出ればきっと厳しい毎日だろう
だから、この平和な情景を忘れないよう目に焼き付けておこうと思った
424 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:20:34 ID:jri4fcXz0
●理由
翌朝、トルネコには会わず村長やネネに挨拶をして村を発ちグランバニアからの道を逆に進む
遭遇する魔物は全て俺が相手をしテリーは言葉で支援した
「どんどん戦え! 最後に残るのは経験だけだぞ!」
オリハルコンの剣はトルネコ用に鍛えたというだけあって少し扱いにくい
どういうわけか剣筋が安定しないのだ
「早く鍛え直さないと変なクセがついてしまいそうだ」
「うむ 最初のうちにクセがついてしまうと中々矯正出来ないからな
そのクセが困るものでなければ問題はないがこの場合─ 困るクセだな」
精神力を強さに変える魔法の剣─ のはず
俺の精神力は貧弱なのか全く力を発揮しているように感じられない
もっと強くなれという事か
425 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:21:47 ID:jri4fcXz0
「預り所で待ち合わせよう」
「よし 俺は城へ行ってくる」
順調にグランバニアへ到着した俺達はそれぞれ別行動を取った
テリーは兵士を辞めるため城へ、俺はトルネコの荷物を預り所へ預けに行く
荷物の中には俺宛に地図や旅メモ、手紙が入っていた
手紙にはゴールド紙幣が挟まれ勇者であった事が書かれている
俺が一人で旅しても大丈夫なように準備してくれていたのか
そういえばお金の事なんて何も考えてなかったな…
「タカハシ、準備はどうだ?」
旅メモの通り荷物をまとめ終えると同時にテリーが声を掛けてきた
「お、あとは食糧だけだよ 城はもういいのか?」
「ああ済んだ 姉さんが強く反対したけど無理矢理出てきたよ」
「大丈夫なのか?」
「姉さんだって上級兵士なんだ、必ずわかってくれる」
「そうか… じゃあ、食糧を買いに行こう」
426 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:22:39 ID:jri4fcXz0
頑丈で大きなリュックに長期保存可能な乾物だけを選び袋へ詰めていく
念の為多めに詰めると大きなリュックは一杯になった
これで二人の荷物は三つ
「一人二つを交替で持っていこう、旅が進むにつれ軽くなるさ」
地図を確認すると休憩所部分に"水補給可否"が書いてあり何もなさそうな場所に"食料品店"という印が付いている
きっとトルネコのように強い商人が食糧を売っているのだろう
ただ何日掛かるかまでは書いていないから食糧や水は節約しなければいけないだろう
「いくか!」
準備万端、二人意気揚々と門をくぐる
初めて自分の意志で目的地を決めた
これから進むのは未知の世界の未知の土地
不安もあるが進まなければ何も始まらない
427 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:23:20 ID:jri4fcXz0
「テリー、フィッシュベルの後どうするんだ?」
「俺は修行出来る場所を旅しながら探す お前はどうするんだ?」
「うん、イシスに行って魔力を引き出してもらおうと思ってる
その後は─」
トルネコがいなかったら今頃どうなっていたかわからない
俺を助けたトルネコは 今呪いによって苦しめられている
「…トルネコさんの呪いを解く方法を探しながら、修行の旅をする」
「そうか 呪いを解く旅か…
辛い旅になるかもしれないがお前なら見付けられるさ」
はっきり言って全くアテがない
もし、方法が見付からなくても 神であるルビスならもしかして‥
「テリーは、強くなってあのドラゴンを倒すのか?」
「それも、そうなんだが…
頑張って強くなれば勇者になれるんじゃないかと思ってるんだ
俺は… もうじっとしているのは嫌だしこの世界を進んで平和にしようと決めた」
428 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/07(火) 13:24:15 ID:jri4fcXz0
勇者になる、か
俺にはその勇者というのがよくわからないがこの世界の希望であることは知っている
…神は何もしてくれないが
「勇者に、なれなくてもいいんだ
とにかく強くなって魔王を倒す、きっと出来ると思う その時は、加勢頼むぞ!」
「わかった 約束だ!」
魔王と… 戦える程強くなれたとして果たして─
勇者トルネコを思いながら お互い言葉を交わした
429 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/07(火) 14:07:05 ID:Rb241dYJO
>>タカハシ
>>レッドマン
二人とも最後までがんがれ!
430 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/08(水) 17:10:25 ID:Omz+2ASwO
エイコタソや魔神もいなくなったからなぁ。
今降臨している職人さんは頑張って欲しい。
431 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 14:51:04 ID:TvXhxIui0
>>405
分かりやすいアドバイスをありがとう。
参考になります。
これから少しずつ面白くなるように頑張ります。
432 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 15:06:05 ID:TvXhxIui0
>>399
続き
周りを見渡すと、これまでの洞窟と違い人工的な建物のようだ。
空気も良くなったし、地上に出てきたみたいだな。
「ここからナジミの塔みたいだな。オレもここまで来るのは初めてだ」
アモスはそう言ってこっちを見る。
「どうやら、ここからのモンスターはこれまでとは一味違うようだな・・・
気配で分かる。絶対に足を引っ張るなよ」
「分かってる」
そうだ、まずはこの塔を無事にクリアする事を考えよう。
他の事を考えるのはその後だ。
まださっきの死体が頭に残っている。
あんな風にはなりたくない。なってたまるか・・・
アモスの言う通り、塔のモンスターは一味違った。
カエルの怪物、サソリと蜂の合体した様なモンスター。
スライムなんかとは段違いの攻撃を受け、薬草も減っていく。
それでも何とか進みながら、自分の力も上がっていくのを感じていた。
433 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 15:25:44 ID:TvXhxIui0
奇妙な気配を感じる。
その方向を見ると、灰色のローブを着た人間のようなモンスターがいた。
そいつが手を掲げ、口でゴニョゴニョ言う。
その瞬間! 火の玉が一直線にオレに向かって来る。
(やばいっ!)
とっさに体を捻り、なんとか直撃を避ける。
「ゲフッ・・・」
体が焼けるのを感じる。打撃とは違った痛み・・・
何だこれは?飛び道具は反則だろ・・・
再び、モンスターが手を掲げる。
もう一回食らうのはマズイ!しかし、今の体勢は最悪だ。
思わず目を瞑りかけたその時―
アモスがモンスターの背後に回り、強烈な一撃を叩き込んだ。
「しゃああああっ」
声も無く、モンスターは消える。
アモスに助けられるとは・・・
礼を言う間もなく、アモスは先に足を進める。
ホントせっかちなヤツ・・・
434 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/09(木) 15:36:36 ID:ejqP4I5R0
第一部を含む内容をアップ
>> 428 の続きは2719行目から
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date9370.txt
435 :
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2006/02/09(木) 15:37:53 ID:ejqP4I5R0
>>433
割り込んでしまった、ごめん…
436 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 15:43:09 ID:TvXhxIui0
体力を回復させるために薬草を食べる。
マズイ、だいぶ減ってきたな。2人合わせてあと2つか・・・
ボスにたどりつく前にこの調子で大丈夫なのか?
不安になるが、今は前に進むしかない。
またモンスターの気配を感じ、慌てて振り向く。
緑色をしたスライムだった。
「何だ、スライムかよ・・・」
どっかで聞いたセリフを言い、思わず気が抜ける。しかし・・・
「まずいっバブルスライムか・・・しまった。毒消し草を忘れちまうとは・・・
いいか、絶対にコイツの攻撃は食らうなっ。こんな所で毒なんか食らっちまったら
確実にあの世行きだぞ!」
早口でまくし立てるアモス。
コイツがこんなに慌てるなんて、そんなに危険なモンスターなのか?
オレにはスライムにしか見えないが・・・
前触れも無く、オレに向かって跳ねて来た。速いっ!
間一髪でかわし、カウンターで一撃見舞う。が、アッサリかわされてしまう。
なんて素早いヤツなんだ・・・
437 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 15:56:26 ID:TvXhxIui0
ひとまず間合いを取り、アモスを見る。
アモスは他のモンスターとの戦いで手一杯のようだ。
一人でやるしかない。
覚悟を決め、剣を握りなおす。
と、その隙にまた襲ってきた。
今度は避けきれずにもらってしまう。しまった・・・
体中に痺れる様な感覚を覚える。
う・・・体は・・・体は動く!
再び襲ってきたバブルスライムを何とかかわし、渾身の打ち下ろしを入れる。
物凄い感触が手に伝わり、あっという間にモンスターが消え失せた。
何だ今の手応えは・・・
感じた事の無い手応えだったな・・・
余韻に浸るオレにアモスが近寄ってきた。
「ルーク!大丈夫か?」
「ああ、少し体が痺れるけど、すぐに治まる」
「そうか、毒は食らわなかったみたいだな」
2人とも傷を負っていたため、薬草を使う。
ついに使い切ってしまった。
438 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 15:57:56 ID:TvXhxIui0
>>435
気にしなくていいよ。
いつも読ませてもらってます。
439 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 16:14:24 ID:TvXhxIui0
「これで終わりか・・・後はアンタのホイミ頼みだな」
そう言って、アモスは階段に向かう。
ホイミ・・・
昨日アモスが言ってたやつか・・・
マズイ、何の事だかサッパリだ・・・
昨日アモスに詳しく聞かなかった事を今さら後悔する。どうすれば・・・
完全にアモスはホイミとやらに頼り切っている。
今さらだけど、伝えておいた方が・・・
慌ててアモスを追って階段を駆け上がる。
どうやらここが最上階のようだ。
アモスが目の前で立ち尽くしていた。
「さまよう鎧・・・」
アモスの視線の先には、輝く鎧にみを包み、大剣をかまえたモンスターが
仁王立ちしていた。
モンスターは微動だにしない。
諦めの表情を浮かべているアモス。
「どうしたんだ?コイツはそんなにやばいのか?」
「見て分かんないか?コイツはな・・・これまでのモンスターとはレベルが
違いすぎるんだよっ」
「じゃあ・・・どうするんだ?」
「こういう時は・・・逃げるが勝ちだ」
440 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 16:35:50 ID:TvXhxIui0
言うなり振り返り、階段を引き返そうとするアモス。しかし・・・
階段の下には大量のモンスターが道を塞いでいた。
逃げ場は無い・・・戦うしか道は無い!
幸い、下のモンスターが上がってくる事はないようだ。
さまよう鎧がノソッとこっちへ動き出す。
アモスがこっちを向いて叫ぶ。
「こうなりゃおとり作戦だ。近寄ってアイツの注意を引き付けろ。その隙に
オレが止めを刺すから。いいなっ」
オレがおとりかよ・・・
こういう時は、言い出した方がおとりになるもんじゃないか?
思わず心の中で突っ込みを入れるが、今は選択の余地は無い。
ゆっくり近寄ってくる相手に対し、左サイドから攻撃する構えを見せる。
よし、体をこっちに向けてきた。今だ!
その隙に素早く背後に回ったアモスが疾風のような突きを繰り出した。
「ジャガーーーーーーーン!!」
金属音が塔に鳴り響く。
やったか?
が、次の瞬間、アモスが大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられていた。
「ウグっ・・・」
血を吐き、苦しそうな声を漏らすアモス。
攻撃を直撃で食らったようで、立ち上がることさえ出来ないでいる。
441 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 16:52:17 ID:TvXhxIui0
そんな・・・
あのアモスが一撃で致命傷を・・・
アモスの一撃もまるでダメージにはならなかったようで、さまよう鎧は
平然と立っている。
「アモス、大丈夫か?」
急いで駆け寄り、声をかける。
「うっ・・・ホイミ・・・ホイミを・・・」
苦しそうに呟く。
どうすれば・・・
オレが呆然としている内に、さまよう鎧が迫ってくる。
アモスはあと一撃でも食らえば間違いなく死ぬだろう。
さっきはアモスに助けられた。今度はこっちが助ける番だ!
注意をこちらに引き付けるために、さまよう鎧の背後に回りこむ。
上手い具合にこっちに意識を移したようだ。
しかしどうする?
アモスの攻撃でもまったくダメージを受けない相手だ。
スピードでは負けていない、だがそれだけでは・・・
考えがまとまらないオレに対し、焦れたのか向こうから迫ってきた。
「ちょ・・・ちょいタンマ!」
・・・通じるはずもなく、なおも迫り来る。
442 :
オルテガ
◆zYgagV2g.w
:2006/02/09(木) 17:11:12 ID:TvXhxIui0
鋭い打撃を何とかかわし、隙だらけの脳天に剣を浴びせる。
「ジャガーーーーーーーン!!」
再び、金属音が響き渡る。
が、まるで効いた様子はない。だめか・・・
頭の中を絶望感が支配する。
相手はその隙を見逃さなかった。
不意に、心臓を狙った突きが迫る!
我に返り、必死に体を捻る。よし、かわしたっ!
が、返しの攻撃をまともに受け、アモスと同じように大きく吹き飛ばされ、
床に叩きつけられた。
なんてパワーだ・・・
意識は辛うじてあるが、体が動かない。
腹に深手を負ったようで、止めども無く血が溢れて来る。
さまよう鎧は勝利を確信したようで、急いで追撃はして来ないようだ。
「くそ・・・」
もうおしまいなのか?
オレはこんな・・・どんな世界か分からないような所で死んじまうのか?
嫌だ・・・そんなのは嫌だ・・・
続く
443 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/09(木) 20:41:47 ID:EY64il500
>◆gYINaOL2aE
作者の思うつぼなのかもしれんが、今まで以上にピサロが嫌いになった。
続きを楽しみにしている。
444 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/10(金) 14:44:16 ID:FRiYlX8g0
age
445 :
名前が無い@ただの名無しのようだ
:2006/02/10(金) 15:04:06 ID:hozidxAMO
続き楽しみにしてるっす
446 :
魔神戦争
◆vNFYAR5c0g
:2006/02/10(金) 16:15:47 ID:CbBs9uIK0
空中から・・・といってもたいした距離はなかったのだが俺の体は炎に焼かれ
地面へと落ちた。
大ダメージを受け、立ち上がることすらできなかったがスピアが回復呪文をかけてくれ
何とか立ち上がるまでには回復した、立ち上がった瞬間殴られたが・・・
剣を抜く音と共に例の三人がこちらに向かって歩き始めた、
俺たちとの距離が十分近づくと、ゲイトが話しかけてきた。
「さて、どうする?ここで死ぬか、それとも負け犬のごとく逃げ出すか?」
そのとなりでゲンドウとカインはにやにやと笑っていた。
「そうだな・・・気は進まないが・・・・」
スピアがウルフと顔を合わせる、ウルフはコクリとうなずいた
「あたし達の目的はこの新人を生き残させること」
スピアが俺の方を横目で見ながら続けた
「ここは・・・・逃げ出させてもらおうか!」
スピアがそう言ったのと同時に俺とウルフとスピアは180度回転し逃げ出そうとした
しかし例の三人は俺達が逃げ出す前に回り込み、剣の切っ先を俺に向けていた
ゲンドウが高らかに笑いながら言葉を発した
「やっぱり逃がすのは気が進まねぇ、何しろ俺はさっきから戦いたくてうずうず
してるんだからな」
ゲイトは好きにしろ、とだけ言うと呪文の詠唱を唱え始めた
「爆発呪文、イオ!」
ゲイトの掌が光るのと同時にスピアとウルフはそれぞれ左右に側転し、俺は
それに釣られ後ろにダッシュすることで爆発に巻き込まれずにすんだ。
ゲンドウは高らかに
「ウォォォォォォォォォオ」
と歓喜の混じった声で叫んだ・・・
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