■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目

258 :お邪魔します:2005/06/06(月) 01:21:23 ID:vEGGHPwC
風が気持ち良い―――
―――刹那―――風の音が止み、私は墜ちる感覚を覚えた。
「ぬわ―――――っ!!」
漫画のシーンにあるベッドから落ちるというベタなネタはなく、私はワラの上で目覚めた。

ん。ワラ?!?!
汗で体中にまとわりついたワラを払いながら、まわりを見渡してみたが、まるで見覚えがない。ここはどこだ?そうだ。確か、さっきまで家のベッドで携帯をいじっていて…そしたら急に眠気が襲ってきたんだ。

きょろきょろしていると、おじさんが笑いながらこちらへ向かってきた。
(この人どこかで…)
「やぁ。目が覚めたようだね」
「えっと、ここは?」
「ここは私の家、宿屋さ。お嬢ちゃんが村の外で倒れていたところをうちの息子が運んできたんだ。お前さんの顔にスライムがくっついて苦しそうだった、だとよ。わっはっは!!こりゃ傑作だな!」
宿屋…。なんだそれ。
しかし、おじさん。わっはっは!!て、それ、私死にかけたんじゃね?しかも今日びスライムで遊ぶ子供なんているのか??理科の実験で作ったのかな。にしても、人の顔にくっつけるなんていい趣味してんじゃん!あとで犯人とっつかまえてぼこぼこにしる!!
おじさんの後ろから、ひょこっと青年が顔を出した。
うほっww金髪碧い目いい男wwないすとぅみーちゅう。このままお礼のお食事とかに誘っていい感じになって喪女脱出(´д`*)ハァハァ

「気持ち良さそうに口を開けて寝ていたね。…顔にワラついてるよ…ぷっ。傑作。」
この親子…。やっぱり私なんかに脱喪は無理なんだねorz
と、とにかく。現状のまったく判らない私は携帯を探した。こないだ買ったばかりのP901i!

259 :お邪魔します2:2005/06/06(月) 01:24:45 ID:vEGGHPwC
あった。壊れてはいないみたいだ。でも圏外。…ここは外国なのかもしれない。
…日本語が通じるのに?
…どうやってここまで来た?
…何故この全身緑の格好をした恰幅のいいおじさんにだけ見覚えがある?

私は今更ながらこの奇妙な世界に疑問を強くしていった。
そして次の瞬間、疑問が推測へ、推測が確信へと変わった。


ワンタッチボタンで携帯を開くと、ディスプレイには飼っている犬の画像はなく、背景が黒で白抜きされた文字によって私の名前、HP、MP、LVが表示されていた。
よく知っているドラクエの世界。
緑のおじさんは宿屋の象徴とも言えるキャラクター。
私の顔についていたのは理科の実験で作ったスライムなんかではなく、最弱最小のモンスターとして名高いスライムのこと。

私は宿屋を飛び出した。早く夢から覚めるように祈ることしか出来なかった。

空は青かった。

311KB
続きを読む

名前: E-mail(省略可)
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス